夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈た行〉

2014年12月25日 | 映画(た行)
《た》
『旅立ちの島唄 十五の春』
昨年5月に公開された2012年の作品。
沖縄の離島、南大東島のさとうきび農家に生まれた優奈は、中学2年生の14歳。
兄と姉は進学のために那覇に渡り、そのとき一緒に出て行った母もなぜか帰ってこない。
父とふたりきりの生活をはじめてからずいぶん長くなる。
優奈が所属する民謡グループ“ボロジノ娘”の現リーダーが、中学を卒業して島を出る。
替わって優奈がリーダーを務めるのだが、その優奈も1年後には島を出なければならない。
父親と過ごす最後の1年、もう家族みんなでは暮らせないのか。
さまざまな思いが優奈の頭の中をめぐり……。
吉田康弘監督は、井筒和幸監督作品で助監督を務めてきた人で、
『黄金を抱いて翔べ』(2012)の脚本も担当。
監督デビュー作だった『キトキト!』(2006)で肝っ玉母ちゃんを演じた大竹しのぶ
本作でもヒロインの母親役。父親役は小林薫と、素敵なキャスト。
ヒロインは『グッモーエビアン!』(2012)の娘役だった三吉彩花。やはりカワイイ。
小品ながら、人生の岐路に立つ少女の1年が丁寧に描かれています。

《ち》
『地中海式人生のレシピ』(原題:Dieta Mediterranea)
2009年のスペイン作品。製作から4年も経った昨年、日本で公開。
ソフィアは幼い頃から両親が経営する町の食堂を手伝ってきた。
料理の才能に溢れる彼女の夢は最高のシェフになること。
しかし、厨房は男性の職場とみなされ、女性はなかなか受け入れてもらえない。
彼女の幼なじみで真面目なトニは、実業家として成功、彼女にプロポーズ。
もうひとりの幼なじみで奔放なフランクは、彼女とレストランを開きたい。
トニとフランクの間でソフィアの心は揺れ動き……。
“エル・ブリ”など、スペインの三つ星レストランのシェフが揃って協力したという触れ込み。
前衛的なお料理には惹かれませんが、厨房の様子は楽しい。
それよりも、タイプの異なる男性2人を片方に絞りきれず、
そんな彼女を受け入れて、3人で暮らすことを採るのが羨ましいというのか……(笑)。

《つ》
『月の下まで』
高知新聞の記者を辞め、夜間の映画学校を卒業したという奥村盛人監督の長編デビュー作。
高知県幡多郡黒潮町に暮らす漁師の勝雄は、妻の美砂子に逃げられ、
一人息子で知的障害のある雄介とどう接してよいのかわからない。
母親のセツに世話をまかせっきりだったのに、ある日突然、セツが亡くなってしまう。
不漁に新造船の支払いで心身共に追い詰められたうえ、
雄介があちこちでトラブルを起こして呼び出されるものだから、勝雄の怒りは爆発し……。
いかにも低予算で撮った暗い作品かと思いきや、それを感じたのは最初だけ。
雄介がセツにねだって大量につくっていたてるてる坊主が
勝雄の漁のために晴れることを祈っていたがゆえのものだったと知ったとき、
台詞はなくとも心にポッと灯がともった気持ちになりました。
じゃこめし、旨いだろうけど、それだけでは確かに栄養が足りんでしょ。(^^;

《て》
『てやんDays』
2012年に公開された2011年の時代劇作品。
幕末、官軍対幕軍の激闘の後の惨状が広がる江戸の外れ。
診療所を経営する町医者の武田長庵は、怪我人に官軍も幕軍もないと生存者を探して回り、
まだかろうじて息をしていた侍2人を救出する。
幕軍の生き残りを匿っていると知れたら自分の身も危ない。
診療所の者たちは強く反対するが、人の好い長庵につきあわされるはめに。
しかし、そもそも侍2人は官軍の吉兵衛と幕軍の真之介という、敵対する間柄。
お互いの素性がわかれば診療所で斬り合いが始まってしまうかもしれない。
悩んだ長庵は、吉兵衛のことを「河童」、真之介のことを「オカマ」だと、
それぞれ相手に上手い具合に信じ込ませ、侍だということは伏せさせる。
2人がようやく起き上がれるようになった頃、
今度は官軍に裏切られた家老の妻、珠子までが診療所に運び込まれてきて……。
田舎侍に江戸っ子のふりをさせるために江戸弁を特訓するシーンが楽しい。
いつか2人で酒を飲もうと約束、それが叶うのは何十年後かのアメリカという設定。
とんでもない老けメイクには唖然としました(笑)。

《と》
『トカレフ』(原題:Tokarev)
スペイン出身のパコ・カベサス監督のハリウッド・デビュー作品。主演はニコラス刑事
裏社会から足を洗い、ビジネスマンとして成功しているポール。
妻ヴァネッサと高校生の娘ケイトリンに血のつながりはないが、非常に良好な関係。
何ひとつ不自由のない幸せな日々を送っている。
しかし、ポールとヴァネッサが外出した夜、
男友だち2人と共に留守番をしていたケイトリンが殺される。
覆面をした数名が押し入り、ケイトリンをさらった後、射殺して遺体を捨てたらしい。
過去にポールが関わった事件の相手による復讐にちがいないと、
ポールはかつてのギャング仲間の手を借りて犯人捜しに奔走するのだが……。
ロシアンマフィアが犯人だと思っていたら、何のことはない、
男友だちが誤って発砲してしまい、話を繕っていたというオチ。
いくら足を洗おうとも、過去に人を殺した罪はどこかで回ってくるのでしょうか。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今年観た映画50音順〈さ行〉 | トップ | 今年観た映画50音順〈な行〉  »

映画(た行)」カテゴリの最新記事