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『エンパイア・オブ・ライト』

2023年03月08日 | 映画(あ行)
『エンパイア・オブ・ライト』(原題:Empire of Light)
監督:サム・メンデス
出演:オリヴィア・コールマン,マイケル・ウォード,トム・ブルック,ターニャ・ムーディ,
   ハナ・オンスロウ,クリスタル・クラーク,トビー・ジョーンズ,コリン・ファース他
 
実は本作を観る数日前にTOHOシネマズなんばへ『逆転のトライアングル』を観に行きました。
鑑賞前に1杯飲みに行ったところ、1杯では終わらず酔っぱらう。
あらすじを書けないぐらいになってしまったので、それはもう一度観ることにします。
 
で、本作はイオンシネマ茨木にて。
 
そういえばサム・メンデス監督って、ケイト・ウィンスレットと結婚していた時期があったのですよね。
現在57歳のメンデス監督が再婚したのは今から5年前。
お相手はトランペット奏者だそうで、ウィキペディアの掲載写真がえらく若い女性に見えたから、
ケイト・ウィンスレットとも10歳差だったけど再婚相手は娘ぐらいの年齢か!?と思ったら、
若い頃の写真が使われていただけで、44歳でした。っちゅうても13歳差やけど。
はい、映画とは何の関係もない、どうでもええ話です。失礼しました。(^^;
 
舞台は1980年代の映画館。それだけで郷愁を感じます。映画館の話、大好き。
 
イギリス・ケント州、マーゲイトという海辺の町に佇む映画館“エンパイア劇場”。
マネージャーとして勤務する中年女性ヒラリーは、心を打ち明けられるような友人もおらず、
自宅と勤務先とかかりつけの医者のもとのみを往復する日々。
上司のエリスは既婚者だが、時折ヒラリーをオフィスに呼び出し、性的行為を求める。
 
ある日、黒人青年のスティーブンが新入社員としてやってくる。
大学に進学したかったのに合格できなくてあきらめモードの彼を励ますうち、
ヒラリーは自分が彼に恋心を抱いていることに気づく。
彼女の態度に最初は戸惑っていたスティーブンだが、すぐにふたりの仲は発展して……。
 
ヒラリーとしてはこの関係をおおっぴらにしてもいいと思っていますが、
歳の差があるうえに白人と黒人。スティーブンは居心地が悪い。
スティーブンにうなずいてもらえなかったことでヒラリーは沈みます。
 
ずいぶん後になってからわかることですが、ヒラリーにはつらい過去があるらしい。
統合失調症で医者にかかっていて、薬のせいで体重が増減したりも。
彼女がそんな状態にあることを知っていながら自分に屈服させようとする上司はクズ。
そのクズの役をコリン・ファースが演じているのがどうにも可笑しい。
 
序盤、ヒラリーがスティーブンにあられもない感情を見せるのは
私の苦手な「オバハンの妄想」そのもので、きついなぁと思いました。
どこからどう見てもオバハンのオリヴィア・コールマンの絡みのシーンなんて見たくないですからね。
しかも相手は息子ほども歳の離れているマイケル・ウォードですから。
 
どうにか気分を持ち直せたのは、ヒラリーの純粋な心が見えたからでしょうか。
また、背景にある黒人差別が横行していた時代だということでも印象が変わる。
1980年代のイギリスでこんなふうに白人至上主義者による暴動が起きていたのだと思うと驚きます。
 
映写技師役のトビー・ジョーンズがとてもよかった。
プレミア上映される作品として『炎のランナー』(1981)が登場したり、
最後にピーター・セラーズの『チャンス』(1979)がかかったり、
さまざまな映画が出てくるのも嬉しいところです。
 
映画館が舞台というだけで点数が甘くなる(笑)。

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