la mia dolce vita

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カリフォルニアのピノ・ノワールといえば

2010-10-31 21:38:59 | vino (わいん)

ブルゴーニュの繊細なピノ・ノワールも素晴らしいけれど、カリフォルニアの比較的冷涼な地域で造られるピノ・ノワールにも秀逸なものがたくさんある。

その中でまずあげられるのが「カレラ」のワイン。

当主のジョシュ・ジャンセンが、ブルゴーニュでの修行後、一説にはDRC(ドメール・ド・ラ・ロマネ・コンティ)の苗木を持ち帰ってカリフォルニアで立ち上げたといわれる「カレラ」がピノ・ノワールで造るワインは、ジャンセン、セレック、リード、ライアン、ミルズなど、畑ごとの名前がつき、どれも味わい深く「単にジャムっぽく濃い印象のあるカリフォルニアのピノ・ノワール」とは一線を画している。

しかしここでお勧めしたいのは、これら畑名のワインではなく、もう少しカジュアルなセントラル・コースト。畑限定のブドウではなく、セントラル・コースト全域で買い付けたピノ・ノワールから造られているけれど、かえって畑名のワインよりも飲みやすく、抜栓してからすぐに香りが開いておいしくいただける優れもの。食べごろのプラムやチェリーなどの果実味と酸のバランスも良く、機会や合わせる料理を余り選ばない万能なピノ・ノワール。

お値段も、ピノ・ノワールにしてはかなりお手軽なので、何かおいしい赤ワインを1本と思った時には、ぜひご一考いただきたいお勧めのカリフォルニア・ピノである。

「カ・セント」再訪

2010-10-25 20:32:09 | ristorante (おいしいとこ)

神戸のモダン・スパニッシュ・レストラン「カ・セント」に2ヶ月ぶりに伺う。

先週、ミシュランで3つ星を獲得したこの店。行ってみると店の中はもちろん、外にまでお祝いの花があふれている。

何となく敷居が高くなってしまったような気がしたのもほんの一瞬。「お待ちしていました!」といういつものスタッフの笑顔にほっとする。

厨房の福本シェフもさすがに満面の笑みで、いい時に立ち会えて良かった、とこちらまで嬉しい気分になる。

食事は前回と同様のランチコースで、アミューズから始まり、タパス、サラダ、魚料理、肉料理、スペシャリテのスペイン風おじやと続いて、デザートが2種類と盛りだくさんのメニュー。

中でも楽しみなのが9種類ものが小皿料理が楽しめるタパス。ヨーロッパ産の食材に加えて、明石や京都など地元の材料をふんだんに使ったフレッシュなスペインの「お惣菜」の味はいつもながら感動もの。そのあとの料理にも引けを取らない豪華さで、また来ることができて良かったと思わず笑みがこぼれる。

ゆっくりと食事をさせていただき、またぜひ来ようと思った「カ・セント」の料理。

次はどんな食材でどんな味を提供してくれるのか、今から楽しみなところである。

陶板の「ミケランジェロ」

2010-10-24 23:15:15 | kyoto (きょうと)

今週末は京都。

まずは北山にある京都府立陶板名画の庭に「名画」を観に行く。

建築家の安藤忠雄氏設計の屋外に造られた絵画庭園。

鉄筋コンクリートの建物の壁に、モネの「睡蓮」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」など、世界の名画を陶板に写し取った原寸大の作品が展示されている。

外気の光の中で、ミケランジェロの「最後の審判」をゆっくり観ていると、描かれた人物一人一人の表情や動きがよく見えてきて、改めてミケランジェロが表現しようとした世界観が見えるような気がする。

府立の施設のため、隣接する植物園を含めても、入場料金は250円と格安。

安藤氏ならではの洗練された空間に並ぶ芸術作品。ぜひゆっくり時間をとって鑑賞していただきたい、京都・北山のおすすめスポットである。

ユベール・リニエ&ジョルジュ・リニエ

2010-10-22 22:32:56 | vino (わいん)

今日のワインクラスは、ブルゴーニュ/モレ・サン・ドゥニ村の名門、リニエ一族が造るワインの飲み比べ。

特級及び1級の5種類を飲んでみて印象に残ったのが、画像にある3つのワイン。

まず左がジョルジュ・リニエの造る2004「クロ・ド・ラ・ロッシュ」。一般的に固い造りと言われるクロ・ド・ラ・ロッシュだけれど、この造り手のこのヴィンテージは全く別物。正に今が飲み頃の、華やかで甘い香りのあがってくる魅力的なワインで、そのエレガントさと優しい雰囲気には、全てを包み込むような心地よさを感じる。

かわって真ん中がユベール・リニエの2004「モレ・サン・ドゥニ・1er・ヴィエイユ・ヴィーニュ」。あのパーカーも93pointをつけているというこのワイン。濃い色調で、タンニンやプラムの香り、ストラクチャーを感じる男性的な力強いワインで、これからまだまだ美味しくなりそうな予感がする。

そして右側が、左のワインを造ったジョルジュ・リニエの2005「モレ・サン・ドゥニ・1er・クロ・デ・ゾルム」。はじめは青っぽい香りで少し刺々しい印象があったけれど、次第にそれがミントやスパイスのような特徴的な香りへと変化して、そこに赤い花や果実のニュアンスが重なって、少しクラシカルで上品な味わいへと変わっていく。

普段、モレ・サン・ドゥニというと、バランスは取れているけれど少し印象が薄い感があり、わざわざ買ってみようという気はあまりしていなかったのだけれど、このようにさまざな味わいわ香りに触れてみて、今までの印象がかなり変わった気がする。

あまり高くて手が出ないというのでなければ、一本ぐらいはセラーに入れておいてもいいかな、と思ったリニエ一族のワイン。

コンテチーズセミナー

2010-10-19 17:28:01 | formaggio (ちーず)

先週末はコンテチーズのセミナーへ。

フランスのAOP(原産地呼称保護)認定チーズで最も生産量の多いこのハードチーズ。

「コンテチーズ生産者協会」という団体も作っていて、他のチーズに比べるとかなり頻繁にセミナーやイベントを行ってその普及活動を行っている。

今回も協会の方が来日して話を聴けるということだったので、何か新しいことが学べるかも、と思って参加することにした。

セミナーの会場に入ると、室内には青草や藁のような香りが漂っている。何だろうと思って近づいてみると、スタッフの方がフランスから持ってきたという2種類の青草。コンテチーズを造る生乳を出す牛に食べさせているという草で、既に乾燥して干し草になっているものの、春の草には花やつぼみが混じり、秋に食べさせている草には少し枯れた草もある。どちらもとてもいい香りで、この草がコンテチーズの美味しさに一役買っていることは間違いないだろう。

セミナーが始まり、コンテの歴史から生産者、製法から品質管理まで詳しく話を聴く。

熟成の際、熟成庫の中に高温と低温の2つのセラーを設け、状態に応じてチーズを入れ替えながら熟成させること、品質を検査して基準に達しないものはコンテチーズとしてではなく、プロセスチーズの原料になること、熟成期間に長さの制限は特に設けられていないけれど、フランスで最も人気のあるのは8-12ヶ月熟成のものであることなど、今まで知らなかったことも覚えられてなかなか興味深い講義だった。

そして講義のあとはティスティング。

画像の左から、8ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、そして特別な熟成士が熟成を手がけたという18ヶ月ものと4種類のコンテチーズを食べ比べ、また3種類のワインとの相性を試した。

ワインは白が2007年のコート・デュ・ジュラ・シャルドネ “フルール(ドメーヌ・ラベ)。淡い麦わら色でレモンの皮やライムなど柑橘系の香りと、あとからコンポートや蜜などの甘い香りが感じられるフレッシュなワイン。このワインは、コンテの中では少し若めでミルクやフルーツ系の香りを持つものと相性が良かった。

それから赤が2007年のピノ・ノワール(トリンバック)。アルザスの有名な造り手トリンバックが造るピノは、さすがにきれいな造りで、淡いピンクがかっていて涼やかな印象ながら、グミの香りやジャムや花の香りが心地よい。これもフレッシュな印象の8ヶ月熟成のコンテチーズといただくとフルーティーさが引き立って美味しい。

そして3番目のワインがジュラ地方で造られる辛口のヴァン・ジョンヌ(2003)。地元で取れるぶどう品種・サヴァニャンを使い、表面に酸膜酵母による膜を作って長期熟成することでナッティーな独特の香りがつくこのワイン。瓶も通常のものとは違って620mlというボトルを使用しており、かなりドライで辛口な味わいだけにそのまま飲むのはちょっと辛い感じもあるのだけれど、さすがに地元で造られるコンテチーズとの相性はとても良く、特に熟成が長めのコンテに合わせるとお互いのナッティーさがうまくバランスを取って、それぞれの美味しさが引き立つマリアージュ。

今回のコンテチーズの中では12ヶ月のものが特に味わい深く、なるほど熟成期間のみではなく、造られた時期や熟成の状態なども影響しているのかと感じた。

日本を問わず輸出されているコンテは、すべてグリーンのラベルがついた「コンテ・エキストラ」(品質検査の際に20点満点中14.5点以上を取ったもの)だけなので、それほど品質が落ちるものはないのだけれど、それでも個々のコンテを比べると味わいや旨み、コクにかなりの違いがあるようなので、これからは購入する際に少し小さめにカットしてもらって、少しずついろいろなロットを試してみるのも良い方法かもしれない。

『約束の葡萄畑~あるワイン醸造家の物語』

2010-10-15 17:11:46 | diario (にっき)
来週公開される映画『約束の葡萄畑~あるワイン醸造家の物語』を試写会で観た。

エリザベス・ノックスのベストセラー小説を映画化したこの作品。

ブルゴーニュの葡萄農夫である主人公が苦難を乗り越えて醸造家になっていくというストーリーだが、葡萄を栽培しワインを醸造するという非常にシビアで現実的な物語の中で、かなりはじめのうちから「天使」が登場し、最初はちょっと戸惑うストーリー展開。

しかし物語が進むにつれてだんだん引き込まれていき、最後にはその「天使」の存在もなくてはならないものとなっている。

ちょっと不思議で、でも考えさせられるこの映画。ワイン好きにはぜひ観て頂きたい(10月23日公開)。

ただし、映画を観ている約2時間の間、「ブルゴーニュ・ワインを飲む場面をひたすら見るだけで飲めない」辛さを我慢しなければならない、とても「喉の渇く」映画であることは間違いない・・・。

国立新美術館「陰影礼讃」

2010-10-14 17:09:02 | arte (あーと)

現在「ゴッホ展」も行われている国立新美術館。

でも今回見てきたのは5つの国立美術館が共同で開催している「陰影礼讃」。

収蔵している作品から「陰影」をテーマに展示するものを選び、足元や地面に落ちる人や物の「影」と、光がさえぎられた場所が薄暗く見える「陰」がそれぞれの作品の中でどのように表現されているのかを考える展示となっている。

選ばれた作品は年代も作者も描き方もさまざまで、そんな乱雑とも思えるような並べ方をしている作品群を「陰影」という観点から見つめてみると、今まで見えていなかった構図や作者の意図などが見えてきてとても興味深い。

作品を見終わって展示室を出ると、ガラス張りの壁を通して陽光が差し込んでいて、さまざまな物体に影を作り出しているのが見えて、ついじっと眺めてしまう。

ふだん、何気ない風景や情景の中にも映り込んでいる影と陰。ちょっとした小さな写真ぐらいであれば、いつか自分でも少し試してみようか、と思った次第。

日生劇場「カエサル」を観る

2010-10-11 01:21:15 | arte (あーと)

普段あまり観劇に行くことはないのだけれど、イタリアものということで日生劇場で行われている「カエサル」を観に行った。

塩野七生原作の「ローマ人の物語」をもとにしたこの作品。共和制ローマの執政官ユリウス・カエサルが、ブルータスの刃に倒れるまでが描かれていて、松本幸四郎演じるカエサル以外にも、小澤征悦のブルータス、渡辺いっけいのキケロなど、大物俳優が脇を固めている。

内容や演劇としての評価は、いくつかあまり上手くいっていないのでは、というところも目についてしまったけれど、ローマ史を学ぶうえでは欠かすことのできないユリウス・カエサルの生涯と彼を巡るローマ人達の歴史。それを学ぶ上でも一度たどってみることは大事かもしれない。

「Amare L'Italia 」

2010-10-08 12:55:03 | diario (にっき)

先日、池袋西武でのイタリア展が終わったと思ったら、すぐに始まったのが新宿伊勢丹のイタリア展「Amare L'Italia」。

こちらは数年前から通っているいつものイタリア展だけれど、最近ではかなり知名度が高くなったようで、平日でも大混雑の人気イベントとなっている。

今年もまずは下見ついでに初日から足を運んだが、夕方の会場は既に人の波で、ブースも商品もよく見えないほど混んでいる。

ワインのコーナーにも数限りないワインが並び、頼めばどんどん試飲もさせてくれる。

このイタリア展では、ふだんはレストランや業者にしか商品を卸していないインポーターもたくさん出店しているので、通常お店では買えない食材やワインも見つけることができる。

今回は、南イタリアのワインやオリーブオイルなどが充実しているようなので、興味のある方はぜひ早めに行ってみるとよいのでは。(後半になってくると売り切れてしまう商品も多いので…)

会期は10月11日(月)まで。ただし最終日は午後6時に終了とのこと。

坦々麺を食べに「龍天門」へ

2010-10-04 17:38:52 | ristorante (おいしいとこ)

恵比寿の「ウェスティンホテル東京」内にある広東料理「龍天門」に、噂の坦々麺を食べに行ってきた。

豪華な店構えと内装に少々違和感があるものの、個室に入ってしまえば気軽に食事ができるこのお店。

飲茶もオススメと聞いていたので、ワゴンサービスの点心を見せてもらい、数品を選んで皆でシェアすることにする。

運ばれてきた熱々の点心はどれも味がしっかりついているので、何もつけずにそのまま食べられるのが嬉しい。

そしてお待たせの坦々麺。温かいものと冷たいものがあって、冷やし坦々麺が絶品という噂だったのだけれど、どちらも食べたことがなかったので、先ずはオーソドックスに温かい坦々麺を頼む。

この坦々麺、出てきた時はスープが豚骨ラーメンのように白くどろりと濃いので、どんな味かと思って飲んでみると、濃厚ながらも辛みもそれほど刺激の強いものではなく、どちらかというと旨みを感じる上品な味わい。このスープが細麺にうまく絡まって、なるほどホテルでいただく坦々麺といった印象。

人気の冷やし坦々麺も少し分けてもらって食べてみると、こちらは意外にさらっとした口あたりで、辛さというより口に入れた時には少し甘みすら感じるような気がする。

せっかくなので、ぜひ残さずに全部食べたいと思うのだけれど、見た目よりも麺の量が多くて、なかなか食べきるのが難しい・・・。あとから聞いたところでは(小)も頼めるようなので、ちょっと自信のない方は初めからそちらをお願いしておくか、あるいは(小)で温冷二種類という手もありかもしれない。

いずれにしても、恵比寿駅からガーデンプレイスを越えてそこからまたしばらく歩くという、あまりアクセスが良いとは言えないウェスティンだけれど、ちょっと1ランク上の坦々麺を味わってみたい方にはオススメのお店である。

Buono! Italia

2010-10-02 02:01:07 | diario (にっき)

池袋・西武で開催されているイタリア展「Buono! Italia」。

食品やインテリア、ファッションなどイタリアのものを紹介しているこのイベント。特に食材やワインなど、どんなものがあるのか気になってさっそく出かけてみた。

会場には生ハムやチーズ、オリーブオイルにパスタ、パンにワインにピッツァなどのブースが並び、また特設のピッツェリアやパスタをいただく店もあって、イタリアの美味しいものが存分に味わえる。

併設のセミナー会場では、連日シェフや料理研究家のセミナーが開かれ、さまざまな食材の試食が出来たり、イタリア料理のレシピを教えてもらえたりとなかなか楽しい。

出席したセミナーでは、簡単なアンティパスト(前菜)と一緒に、グラスを使って作る二段重ねのプレートなどのテーブルコーディネートなども教えてもらって、なるほどこれは使えそうと感心。

食材もいろいろ試食させてもらい、そのいくつかを買ってくる。もともと地下階にお店があるところが多いので、このイベントが終わっても買いに行けることが嬉しい。

このイベント、来週初めまで行われたあとは横浜そごうでも開かれるようなので、時間のある方はぜひ足を運んでいただきたい。

ちなみに、今のところのおすすめはTamburiniの生ハム。その場でスライスしてくれるのでとても新鮮!そして世界チーズ商会の赤牛と白牛のパルミジャーノ・レッジャーノ(ヴァッケ・ロッセ/ヴァッケ・ビアンカ・モデネーゼ)。ミルクのコクと旨みが強いので、ブロック状に砕いてワインなどと楽しんでみたい。