京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

あだ名は、末摘花・・・源氏物語に因む(補足)

2008年09月20日 04時47分09秒 | 和菓子

総本家駿河屋「末摘花」

末摘花さん、これはあだ名。
不美人でありながらも生涯光源氏と関り続けた女性の一人。
末摘花は源氏がこの女性につけたあだ名で、彼女の「鼻が紅い」こととベニバナの「花が紅い」ことをかけたもの。
「末摘花」から「若菜上」まで登場しやはります。
常陸宮と呼ばれるれっきとした皇族の一人娘さんね。
後ろ盾であるお父さんを早くに亡くし困窮したはった。僧侶となった兄ちゃんと国守に嫁いだ叔母さんがいるが、経済的な援助は見込めへん、あばら家となった屋敷で年老いた女房たちと暮らたはった。
「零落した悲劇の姫君」と言う噂に誘われた光源氏は、悪友の頭中将と競うように求愛しやはって、末摘花ちゃんと結ばれる。
ある雪の朝、彼女の顔をのぞき見た光源氏はその醜さに仰天する(ずっと顔を見てへんかったんや・・・!)が、あまりの困窮ぶりに同情して援助を行うようになる(ええとこあるやん)。


求肥、白こしあん

末摘花ちゃんは、源氏物語で最も細かく容貌を描写された女性で、美男美女ぞろいの源氏物語の中では異色の不美人さんらしい。
「髪は素晴らしいが、座高が高く、やせ細っていて顔は青白い、中でも鼻が大きく垂れ下がってゾウのよう(平安時代にゾウがおったんかい!)、その先は赤くなっているのが酷い有様」と酷評されている。(ひょっとしていまの基準でいうと美人かも)
表現がなかなかシュールやね。いまなら元皇族の女芸人として大いに売れっ子になる素質があるかも。吉本悪大夫がほっとかへんやろな。

光源氏といっしょにならはったハッピーな幸せな生活も長くは続かず光源氏は、コレ(小指を立てる)で、彼女を残して須磨へ下った。
そこで明石の君ねっ!も~しょうないやっちゃ。



もっかい貧乏にならはった末摘花ちゃんの元からは、使用人も辞めていかはって、諸道具も売り払われた。給料のかわりに使用人さんが差し押さえはったかもね。
坊主丸儲けの兄ちゃんからの援助もなく、叔母さんには従姉妹の召使にされかけるなど苦難を重ねはった。末摘花ちゃん一人、光源氏を一途に思い続けはった。後の六條御息所さんみたいに生霊にはならはらへんかったのは御立派。
京都に光源氏が帰って来て末摘花ちゃんを忘れたはっても、ひたすらに待ち続けはった。
他のおねえちゃんの家に向かう途中、偶然彼女の屋敷に立ち寄った光源氏は、困窮の中でも一途に自分を信じ続けた末摘花ちゃんに心打たれ、後に二条東院に引き取られて妻の一人としての扱いを受けるようにならはった。
一見家柄以外に取柄のないけど純真な心をもった末摘花ちゃん、光源氏の妻の一人として晩年を平穏に過した。めだたしめでたし。


千本玉寿軒「六條御息所」

六條御息所さんは、光源氏の異母兄の東宮紀で光源氏の7歳年上の恋人。
身分・容色・教養ともに抜群の貴婦人さんね。
葵の上さんとの「車争い」事件が有名な場面。
光源氏を想うあまり生霊になって、正妻さんの葵の上さんに数々の怪奇事件を起こす。
恐いね。自分でも取り憑いたと自覚したはって、自分でも恐ならはった。
最終的にこれが元かどうかわかりませんが、葵の上さんは男の子を産んで死なはった。


こなし、白こしあん

この後、光源氏は、きれいになった若紫さんと強引に結婚。
なんちゅう節操のないヤツや。
コメント (10)
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