事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

円谷の子 ~ ウルトラの系譜Ⅱ

2007-11-23 | テレビ番組

Seven セブンは質的には高く評価されたものの、視聴率は実はふるわなかったようで、怪獣ブームもここで終焉か、と思われていたらしい。それを“帰って来”させたのがオモチャ業界だったという事情は、その後何度も繰り返された話だろう。

1960年生まれの私にとって、ウルトラシリーズといえばやはりセブンだった。先ほども書いたように最終回には激しく心を動かされたし、音楽もスタイリッシュ(♪だばだばだ~ってやつね。11PMじゃないのよ)だった。しかも本格的なSFマインドにあふれていたので、当時の少年たちに決定的な影響を与えたはずだ。初期のシリーズをビデオで再見して、本気で大人の鑑賞に耐える出来は、実はセブンぐらい。ほとんど子どもに媚びていない姿勢が嬉しいし(だから視聴率が悪かったんだろう)、何よりもアンヌ隊員の可愛さったら!

Annu いい歳をした中年たちが、セブンの話になると目を血走らせて語り出すのがアンヌを演じた菱見百合子→ひし美ゆり子のこと。おそらく現在の40代後半から50代の男たちの多くは、彼女に童貞切ってもらいたかったはず(笑)。私にしても「プレイガール」(東京12チャンネル)や「新仁義なき戦い/組長の首」(東映)でアダルトな演技を見せつけられた時にはちょっとショックだった。

実は私、例によって書店の外販に発注し「アンヌへの手紙」というひし美ゆり子の写真集を買っているのだが、先日息子にそれを見つかってしまい「あっ、お父さんこれウルトラ警備隊の…………あーっ!エッチな写真ものってる。おかーさーんっ!!お父さんがねぇ、エッチな」こらこらこらこらーっ!早速チクリに行くなよ。

その後このシリーズはお子さま向けの色彩が強くなり(頂点はタロウ)、「80」での復活は語るのもむなしい。だから平成になって、毎日放送がウルトラを復活させる、しかも今度は3タイプの変身が……と聞いた時は、ああまた玩具メーカー主導のお子さまドラマが始まるのか、と思っていたのに、始まったのは意外や意外、私にとってのウルトラ最高傑作「ウルトラマンティガ」だったのである。                 以下次号。

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円谷の子  ウルトラの系譜PARTⅠ

2007-11-23 | テレビ番組

Tuburaya  大学時代の同級生に、福島県須賀川出身のヤツがいた。山形県酒田市出身の私は「大火と甲子園出場の町から来ている」と認識されていたが(→今の酒田出身者は「あー中国人から搾取しまくりの短大と加藤紘一にお手当あげまくりの建設会社と甲子園出場の町だろ?」とか言われてるんだろう。それはそれで笑える)、須賀川はなあ。

「知らないのか?すごく有名な人も出てるんだぞ」
「……誰だよ。」
「マラソンの円谷(幸吉)とウルトラマンの円谷(英二)。」
ツブラヤばっかりじゃないか。

今回語りたいのは、もちろん「~おいしゅうございました。」の日本で一番有名な遺言を残して死んだランナーではなく、戦前の東宝戦争映画の頃から特撮の神様といわれた英二の方。
彼の興した円谷プロ、円谷映像の作品について、ちょっと時系列で表を作ってみた。

QウルトラQ S41.1.2~S41.7.3 主演:佐原健二、桜井浩子、ナレーター石坂浩二
ペギラ、ガラモン、カネゴン、全29話

ウルトラマン 
空想特撮シリーズ S41.7.10~S42.4.9 主演:黒部進、桜井浩子、ナレーター石坂浩二→浦野光、バルタン星人、レッドキング、ゼットン、科学特捜隊 全39話

ウルトラセブン S42.10.1~S43.9.8 主演:森次晃嗣、菱見百合子、中山昭二、脚本金城哲夫他
エレキング、キングジョー、ウルトラ警備隊 全49話

帰ってきたウルトラマン S46.4.2~S47.3.31 主演:団次郎、西田健、榊原るみ、岸田森、ナレーター名古屋章
ベムスター、コダイゴン、MAT 全51話

ウルトラマンA S47.4.7~S48.3.30 主演:高峰圭二、星光子、瑳川哲朗、脚本市川森一他
異次元人ヤプール、ウルトラ五兄弟、TAC 全52話

ウルトラマンT(タロウ) S48.4.6~S49.4.5 主演:篠田三郎、名古屋章、三ツ木清隆、脚本石堂淑朗他
ウルトラの父、母、モットクレロン ZAT 全53話

ウルトラマンレオ S49.4.12~S50.3.28 主演:真夏竜、森次晃嗣、杉田かおる、奈良富士子
ウルトラマンキング、ウルトラセブン MAC 全51話

ウルトラマン80 S55.4.2~S56.3.25 主演:長谷川初範、中山仁、石田えり、浅野真弓
ユリアン、五代目・六代目バルタン星人 UGM 全50話

ウルトラマンティガ H8.9.7~H9.8.30 主演:長野博(V6)、高樹澪、吉本多香美、川地民夫
Take Me Higher、監督実相寺昭雄他 GUTS 全52話

ウルトラマンダイナ H9.9.6~H10.8.29 主演:つるの剛士、布川敏和、木之元亮、山田まりや
スーパーGUTS 全51話

ウルトラマンガイア H10.9.5~H11.8.28 主演:吉岡毅志、高野八誠、渡辺裕之、宇梶剛士、中上雅巳
根源的破滅招来体 G.U.A.R.D.

ウルトラマンコスモス H13.7.7~ 主演:杉浦太陽、川野太郎、舞の海、嶋大輔

Kaiki_original ……ネオスやゼアスやUSAやパワードやグレートはどうしたあ!と怒らないでいただきたい。あくまでメジャーなやつ、円谷=TBS=毎日放送の本流の部分だけを採りあげたのだ。これでもたいへんだったんだから。私だって「怪奇大作戦」を語りたい気持ちはあるけれど、そうなると収拾つかん。

 ひとつ断っておかなければならないのは、山形県はTBSがネットしていなかった時期が長かったため(泣)、日曜の夜7時はウルトラマン、という都会の子や妻の常識にはついてゆけず、われわれ山形の円谷の子らは、学校から速攻で帰り、夕方4時台か5時台の放映を心待ちにするしかなかったというハンディキャップがあること。私がラブシーンを初めて美しいと感じたのはセブンの最終回、ダンとアンヌ隊員の別れの場面だが(こんなヤツはかなり多い)、友だちのウチでガヤガヤしゃべりながら見るのと、夕飯どきに親の咳払いを気にしながら見るのとでは、おそらく感動の質や度合いが違ったろうな、とちょっと悔しい。

 それにしても、放映時期をみると「ウルトラセブン」と「帰ってきたウルトラマン」(現在は初代マンと区別するためにウルトラマンジャックと名乗らされている。息子はこのシリーズのファンだ)の間には、2年半もの空白があったことに驚かされる。もっと連続しているものと思っていたのに→この時期に「怪奇大作戦」があったわけ。

以下次号。

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カラダの不思議その後

2007-11-23 | 健康・病気

「カラダの不思議~薄毛のことなど」のつづきです。 

Traffic 久しぶりに髪をカット。床に落ちた自分の髪の毛をジッとながめていると、例の元ヤンキー美容師が
「名残惜しいですか(笑)」
「うん。ああこんな頃もあったっけなぁってさ。」
「まだ大丈夫ですよ。」
「でもさ。オレ究極のハゲ対策思いついたんだ。」
「何です?」
「男性ホルモンのせいで禿げるんならさあ、女性ホルモン体にぶちこめば解決するんじゃないか?って。」
「…………あのぉ、育毛剤には確かもう女性ホルモン入ってるはずですけど。」
「え。」

くそ。やっぱ世紀の大発明は幻かあ。

画像は「トラフィック」Traffic(米 ‘00)
 三つのエピソードが平行して描かれるが、はっきり言ってマイケル・ダグラスが出る家族愛の部分はまるまる要らない。メキシコの刑事が果敢に麻薬シンジケートに挑むエピソードが突出して“いい”ので、構成的には皆が持ち上げるほど監督ソダーバーグにうまさは感じなかった。でも、役者の使い方は「エリン・ブロコビッチ」でジュリア・ロバーツを再生させたように抜群の冴え。刑事役ベニシオ・デル・トロ(紅塩出るとろ?)はブラッド・ピットを思い切り破壊して二日酔いにしたような顔なのだが、ラストの、野球場で微笑むシーンに至ってほとんど崇高にすら見えてくる。凄い俳優がいたもんだ。

Traffic2  原題のTrafficは、辞書をひくと「(不正な)取引」とあるが、膨大な国境線上の車を見ていると、違った意味合いも見えてくる。傑作。

ソダーバーグは「アウト・オブ・サイト」もいいぞー☆☆☆★★★

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大根課長その後

2007-11-23 | うんちく・小ネタ

Hotaru 前にお伝えした『「大根2本」で町課長停職に』の号を憶えておいででしょうか。無人販売所の大根を料金不足のまま持ち帰り、その後戻ったものの、「おめだべ」「おれでね」と公用車で逃走(笑)し、その農林課長が停職になったかわいそうだけれどどうも変な事件。

 その続報らしきものが朝日新聞に。2002年1月30日付朝刊。

「1票差当選の秋田・阿仁町長選『無効』撤回の請求棄却」
1票差で当落が分かれた昨年6月の秋田県阿仁町長選を無効とした県選挙管理委員会の採決を不服として、当選した浜田章町長(76)が裁決の取り消しを求めた訴訟の~(略)~
問題の選挙は投票率92.34%で、1475対1474票だった。同町は伝統的な狩人『阿仁マタギ』で知られる。人口約4400人で、高齢化率(65歳以上人口)は昨年10月現在39.2%と同県で最も高い。
 
なーるほど、と得心。あれだろ?停職くらった課長って、反町長派だったわけだな?で販売所のばあさんが町長派だったと。徳之島もびっくりの選挙戦(だろ。これだけの激戦なら。爺さん婆さんたちは選挙好きだしさ)の後遺症があの事件だったわけか。だったらこの背景ぐらい秋田支局も書いとかなきゃあ。

Hotaru2 画像は「ホタル」2001年6月5日 酒田港座
 観客席にはお年寄りが目立つ。軽トラでやってきている人もいる。特攻隊を正面から描いた映画は久しぶりだし、時間とお金に余裕のある層を映画館に呼ぶ努力はもっとされていい。でもなー、いくらなんでもこれほど礼賛されると……。

 画面の美しさは認める。高倉健と田中裕子をはじめとした役者の演技も(素人以下の娘役以外は)熱が入っていることは伝わってくる。でも断言するぞ。この映画には演出が《ない》のだ。どのシーンも5秒ぐらいづつ長すぎるし、脚本をなぞるだけの絵作りには呆れかえった。例えば特攻隊を見送り続けた食堂のおかみ、奈良岡朋子の「ほんとの母親なら息子に死ねとはいわないでしょ!?」といきなり感情が激発して演技が転調するシーン。奈良岡の渾身の演技を、カメラは愚直にそぉーっと寄るだけだ。距離をおいて、このおかみに冷徹な視線を注いでいるわけでもない。他の場面ではベタベタに擦り寄っていたりする。良心的なお話を(つくる会の的な)教科書どおり良心的に撮るだけでは、お年寄り向け映画、と切って捨てられても仕方がない。おそらく撮影も不自由だったろう韓国のシーンだけが緊張感があったのは皮肉。唯一の収穫は朝鮮人特攻隊役の小澤征爾の息子(てことは小沢健二の従兄弟)小澤征悦だけ。あの情感ベタベタの音楽にはお父さんも呆れたろう。

Moviephoto_hotal  お涙頂戴だから日本映画はだめなんだ、と酒田の事務職員はこの映画を観て嘆じていたが、アメリカも「パールハーバー」で同じようなことをしているらしいので今夏は痛み分け。特攻隊を描くなら、なぜ正直にクールな上にグッとくる阿川弘之「雲の墓標」(新潮文庫)を映画化しないのだろう。あのラストには泣けたものだが……。
       

この映画の大ヒットは、日本映画をおそらく10年は後退させる☆☆

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