あ、忘れてた。月に一回恒例の事務だよりシリーズ。
今回は先月に続いて旅費の問題。
題して「もう少し旅費について考えてみる」
さて、世間の批判をうけて旅費条例の大改正が平成8年12月県議会で行われました。現在みなさんが受け取っている旅費はこのときに定められたものです。復習の意味でちょっと解説しましょう。
まことに大ざっぱなくくり方をすれば、旅費というのはこう表現できます。
交通費+宿泊費+日当
他にも食卓料だの移転料だの着後手当だの日額旅費だのがありますが、この際無視します(めんどくさいし)。
まず交通費。これは基本的にJRの料金が支払われます。同じ経路に私鉄が走っていたとしても、そしてその方が安いとしても、とにかくJRが基本。飛行機を使ったり高速バスを利用するのはあくまで“特例として”認める建前になっています。前号でお知らせした自家用車出張も“公務上の必要”があって初めて認められるわけ。そして、その自家用車を利用した場合に支払われる交通費は1㎞あたり37円です。
こう言われてもイメージできないでしょうから宮野浦小学校を起点にして例をあげてみます。
・酒田市酒田(市役所や文化センター) 5.6㎞ → 185円
・酒田市坂野辺新田(酒田四中、十坂小) 11.8㎞ → 407円
・酒田市本楯(鳥海小学校、中学校) 24.0㎞ → 888円
……こんな感じ。酒田の場合は片道2.8㎞で、往復した距離から㎞未満を切りすてて37円×5=185円。みなさんの旅費口座に185円がやけに並ぶのはこのせいです。
しかしこれがちょっと遠出すると
・三川町支庁前(庄内総合支庁、教育事務所) →2、358円
にはね上がるのです。三川はそんなに遠かったか?違います。宮野浦から支庁までの距離は片道17.1㎞。往復に37円をかけても1、253円にしかなりません。加わった1、100円が“日当”とよばれるものです。この場合は前号で解説した『半日当』。片道12.5㎞、往復で25㎞を超えると半日当、75㎞をこえると全日当2、200円が支給されるのです(鉄道を利用したときは100㎞)。改定前より支給要件が厳しくなり、でも額は増えています(前は1600円でした)。
そして、ほぼ十年ぶりの大改定がまた予定されています。ねらい撃ちされたのはこの日当でした。なぜかというと、この日当というのはいったい何なのかをまず考える必要があります。
『日当』 一日単位に支払われる給料。日給。 ~大辞林~
辞書にはこうあります。ぶっちゃけた話をすれば要するに日雇いの賃金です。でも県条例のどこをひっくり返してもこの言葉の定義は存在しません。もはや条例解釈のレベルの話なのです。今年県庁で県人事課が示した解釈は
「日当の中味は半分が昼食代、残りは現地交通費と諸雑費である」
でした。そして、交通機関が発達したこのご時世に、片道12.5㎞なんて近距離で、出張に出ても出なくても関係なく摂るはずの昼食代を旅費に含めるのはいかがなものか……こんな理屈で日当を全廃する提案がなされました。かわりに持ち出されたのが現地経費というよくわからないもの。意地でも昼食代は払わないぞという意気込みが感じられます。その内容とは……
あーまた終わらなかった。次号は「まだまだ旅費のことを考えてみる」になってしまう 。
画像は「不都合な真実」
この映画がアカデミー賞の最優秀歌曲賞をとっていることは意外に知られていない(ハリウッドは伝統的に民主党支持)。
で、今度はノーベル賞をアル・ゴアがとることはみんな知っている。地球温暖化が非常にやばい事態を生みつつあることにはみんな知らないふりをしている。とにかく、不都合だから。