ゴエモンのつぶやき

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市民後見人

2011年11月28日 02時53分28秒 | 障害者の自立
2011年11月27日


地域でのサポートが必要だ

 認知症の高齢者や知的障害者ら意思能力がなかったり判断能力が不十分だったりする成年者を保護するため、地域の一般市民が本人に代わって介護保険契約の締結や財産の管理などを行う「市民後見人」制度が広がりを見せている。

 今年6月の老人福祉法改正を受け、厚生労働省が最高裁、法務省などと連携して始めた。既に大阪市など全国で約200人が家裁から「成年後見人」として選任された。

 社会の高齢化が進行し、今後、認知症や独り暮らしの高齢者が急増すると予測されている。しかし核家族化も進んで、これまでこの役割を担ってきた親族が成年後見を行うことが難しくなっている。

■25年度は323万人■

 親族だけではなく、地域の人々も協力して社会的弱者をサポートする仕組みが必要だ。全国の市町村が多くの市民後見人を養成し、どこに住んでいても支援を受けられるようにしていきたい。

 最高裁によると成年後見関係の申し立ては2010年度に全国の家裁で約3万件あった。申立人は親族が大半。家裁から成年後見人に選任されるのも、親族のほかには「専門職後見人」と呼ばれる弁護士、司法書士、社会福祉士がほとんどだ。

 厚労省の予測では、認知症高齢者で日常生活自立度IIの人が10年度の208万人から25年度には323万人に増える。高齢者単独世帯も10年度の466万世帯から25年度には673万世帯へと急増するという。

 近隣の住民らが役割を分担し、支援態勢を組む必要性が生まれている。成年後見制度では、独り暮らしの場合などで市町村長が必要性を認めれば、家裁へ成年後見人選任の申し立てができる。この申し立ては08年には1876件にすぎなかったが10年には3108件になった。

■倫理面を重視したい■

 市民後見人の制度には、後見の役割を引き受ける適任者を増やすことで市町村長が申し立てをしやすくする狙いもある。

 厚労省は本年度約1億円の予算を組み、市民後見人養成のモデル事業を展開中だ。

 自主支援事業を行っていた大阪市をはじめ全国37市町村が補助金を受け、希望者に市民後見人として業務を行うのに欠かせない法的知識、技能、倫理などの研修などを実施、適任者を家裁へ推薦している。

 この業務を社会福祉協議会やNPO法人へ委託している市町村もある。専門家の協力を得ながら、しっかりした研修にしてほしい。

 市民後見人は将来性に富む新制度だ。しかし懸念される点もある。まず高い倫理観を持つ人を選んでほしい。市民後見人の業務には財産管理などがあるが、その立場を悪用して不当な利益を得るような不祥事があってはならない。研修の際には知識面に偏らず、倫理面を重視したい。


宮崎日日新聞


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