ゴエモンのつぶやき

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障害ある39歳男性 40歳から介護保険サービスに 「高齢者施設になじめない」

2013年06月28日 01時52分08秒 | 障害者の自立

 障害者は65歳(一部の病気では40歳)を過ぎると原則、介護保険制度を優先して使う。国が法令で定めている。障害者団体などからは、個々の事情を考慮し、もっと柔軟に障害福祉サービスを使えるようにとの指摘も聞かれる。(佐橋大)


 「障害者のショートステイと、高齢者介護のショートステイは、同じではないことを分かってほしい」。愛知県内の無職男性(39)は訴える。男性は三十六歳の時、脳幹出血で倒れ、生死の境をさまよった。二カ月近く過ぎて意識を取り戻したが、右半身に重い障害が残った。


 リハビリを積み状態は改善したが、家の中での移動も車いす頼み。身体障害者手帳の一級を取得している。入浴の介助などのサービスに加え、家族の介護負担を減らそうと、月に数日、障害者用の施設に泊まるショートステイを使っている。


 そこは、単に介護を受けるだけでなく、年齢の近い障害者から刺激を受け、生活の知恵を得る場という。男性が車いすにつけて使っている小机は、他の利用者から情報を得て、後日つけたものだ。「スタッフも顔なじみで、また行きたいと思う。同世代でもっと重い障害の人と接すると、俺ももっと頑張らないといけないと思う」と男性。


 ところが施設から、四十歳になったら高齢者用のショートステイを使ってほしいと言われた。介護保険サービスを使えるのは通常六十五歳からだが、脳血管疾患を含む一部の病気の患者は四十歳から介護保険サービスを使える。厚生労働省は、障害福祉、介護保険でサービスが重複する場合、原則、介護保険サービスを優先すると自治体に通知しており、男性の住む市も、この通知に基づき、制度を運用している。


 「障害によっては介護保険での受け入れが難しい場合がある。受け入れ先がないなどの事情があれば、障害福祉のサービス利用を認めることもありうる」と市の担当者は説明する。男性は「ずいぶん年の離れた利用者の多い介護施設の利用には不安がある」と話すが、市は一般論とした上で「雰囲気がなじみにくいというだけで特例は認めにくい」と説明する。


 同県で障害者の権利擁護活動などをしているNPO法人「あいち障害者センター」にも、介護保険サービスを受ける障害者や家族から「支援を受ける時間は同じでも、支援の内容が少しずつ違うため、不便になった」「高齢者の施設になじめない」といった訴えが寄せられている。十分なサービスを受けられず、利用者が困るケースもあるという。


 利用料も大きく異なる。障害福祉の制度は、地方税非課税世帯なら無料でサービスを受けられるなど利用者の経済力に応じた料金体系。一方、介護保険は利用者が原則、費用の一割を負担する。経済負担が大幅に増えることもある。


 あいち障害者センター理事の渡辺覚さんは「通知では、利用者の求める支援が、介護保険で受けられるかを個々に判断するとなっているが、同種の介護保険サービスを使わず障害福祉サービスの利用が認められる例はごくわずか。壁は厚い」と指摘。「障害者の置かれた事情はさまざま。もっと柔軟に状況を勘案してほしい」と話す。


障害者用のショートステイで情報交換し、その情報を参考に入手した車いす用のテーブルを愛用する男性。「これがあって、ずいぶん助かった」と話す@

東京新聞-2013年6月27日

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