部会方針に反対相次ぐ
殺傷事件が起きた知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)の建て替え計画を検討する県障害者施策審議会の専門部会が17日開かれ、同園の職員や入所者の家族から意見が聞き取られた。家族らからは従来のような大規模の施設の再建を求める声が相次いだ。
部会は先月下旬、同じ大規模施設を作らないとする提言をまとめる方針を決めた。これに対し、家族会の大月和真会長は「かけがえのない暮らしの場、家だった。一刻も早く元のような暮らしができるようにしてほしい」と述べた。家族からも「安心して住める大規模施設はまだまだ必要」「津久井やまゆり園は一つの家。家族をばらばらにしようとするのは納得がいかない」などと反対意見が相次いだ。
職員からも同調する意見があがり、入倉かおる園長も、現状の入所者すべてが暮らすことができる施設の再建を要望した。
一部の委員は「地域生活移行を進めるのは当然だが、津久井やまゆり園については別と考えてもいいと思う」と同調。部会長の堀江まゆみ白梅学園大教授は「様々な意見を整理し、少しでも多くの人に納得いただける結論を出したい」と述べるにとどめた。
部会は6月までに提言をまとめ、県は夏までに計画の基本構想を示す方針。しかし、堀江部会長はこの日の議論を踏まえて、部会の期限延長も検討するとした。
2017年05月18日 Copyright © The Yomiuri Shimbun