7月5日投開票の知事選に立候補した新人4人の経歴や人柄を紹介する。
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(届け出順)
◇「人間を大事に」が原点--海野徹氏 60 無新
高校時代、政治の道に進む志を立てた。静岡市議、県議、参院議員と着実に歩んできたが、04年の参院選で敗れた。07年には静岡市長選に挑んだが、届かなかった。政党の支援を得る他候補と争う知事選だが、手弁当で応援する支持者の後押しを受ける。「お前だから応援する、と言ってくれる人がいて戦えるのがありがたい」
静岡大を卒業後、大阪市の大手保険会社に入社した。顧客訪問の積み重ねが信頼関係を作り、契約につながることを身をもって学んだ。自身の原点だと言う「人間を大事にする」ことを学んだ。
告示日の第一声には静岡市内の茶工場前を選んだ。「お茶はもてなし。政治も、皆さんの夢や希望を具現化するもてなしだ」との意味を込めた。茶農家だった亡父の「まっすぐ生きろ」との声を今でも感じられる原風景でもある。
政党や組織に頼らない「純粋無所属」を掲げる。民主党幹部からの候補者一本化の打診も突っぱね続けた。「与野党対決」がクローズアップされる選挙戦となったが、長い政治経験で培った人脈と、大学時代に野球部で鍛えた「つぶれないのど」と「あきらめない心」を武器に、県政のトップを目指して奔走している。
◇自分から現場に出たい--川勝平太氏 60 無新
立候補の意向を表明した今月5日まで、浜松市の静岡文化芸術大で学長の職にあった。学長在任中、大事にした3原則は「来る者は拒まず、助力は惜しまず、報いは求めず」。学長室の扉はずっと開けっ放しにしていた。学生や大学の関係者ばかりでなく、地域の人とも意見交換したいと考えたからだ。
学長室をオープンにしたばかりではない。記者団に「いつでも公開していますから」と話すと、予定を書き込んだ自分の手帳を開いてみせたこともあった。知事選への出馬を機に新しい原則を掲げた。「知事になったら、来る者を待つだけでなく、自分から現場に出ていきたい」
出身は京都。曽祖父は京都府議を務め、これまで抱いた政治家像は「私財をなげうって、残るのは井戸と塀だけ」というものだったという。
英オックスフォード大への留学をきっかけに日本文化について深く考えるようになった。「世界、そして日本の中の静岡を見ている」と、他候補との違いをアピールする。
作家、詩人の宮沢賢治を尊敬する人物に挙げた。愛犬のトイプードルとの散歩の時間がほっとする時間だと語る。日本酒好きで、浜松の「花の舞」がお気に入りだという。
◇「物言う県政」へ転換を--平野定義氏 59 共新
共産党県委員会の選対部長として、裏方で次期衆院選の準備を進めていたが、急きょ、知事選の候補者として表舞台に立った。
景気悪化の中、党として派遣労働者などの生活支援活動を活発に行っている。党員は県内でも数百人規模で増えているという。
「貧困が広がっていて、政治が変えてくれないと困るという切実な声が届いている」。公約に掲げるのは、国や大企業に「物を言う県政」への転換だ。
掛川市出身。実家の茶農家を継ぐため、県立掛川西高校から、当時の国立茶業研修所に進んだ。卒業後、大城農協(現遠州夢咲農協)に就職したが、「日本の農業を守りたい」と、1970年に入党。専従職員として活動してきた。
街頭などで支持を訴えるが、言葉を丁寧に選んで話す姿が印象的だ。
「弓道部だった高校時代、下級生へのクラブ紹介で壇上に立ったが、まったくしゃべれなかった」と振り返ると、「だいぶ鍛えられつつありますが」と笑った。
趣味は登山。南アルプスと北アルプスの山々は、ほとんど踏破したという。座右の銘は「一人はみんなのために みんなは一人のために」。母と妻、息子2人で暮らす。
◇女性の登用を進めたい--坂本由紀子氏 60 無新
バブルが崩壊した91~93年に就いた旧労働省の障害者雇用対策課長時代。企業が障害者雇用に消極的な中で、働きたくても働けない多くの障害者の声を聞き、「人間は働いて人の役に立つことで心が満たされる。障害者が働きやすい環境を作りたい」と決意。障害者を雇用しない企業名の公表に踏み切った。
「障害者の方たちは本当に喜んでくれたし、企業の姿勢も変わった。何事も思い切ってやればできると実感できたことが、今の人生につながっている」。そう振り返る。
その経験を踏まえ、96年から出向した県副知事時代には、誰もが暮らしやすい社会を作るという概念「ユニバーサルデザイン」を提唱し、県政に導入した。静岡県の先導で、その考え方は全国に広まった。
知事選でも、強く訴えるのは、子育て支援、医療、福祉など、女性や高齢者といった社会的弱者に優しい政策だ。「女性が働きやすい環境を整備したい。知事になれば、県庁でも、女性の登用をどんどん進めていきたい」と話す。
自身の性格を「何事も一生懸命。悪く言えば、ストレート過ぎるかな」と笑う。趣味は、音楽鑑賞や読書。家族は両親、夫、長男、長女。
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(届け出順)
◇「人間を大事に」が原点--海野徹氏 60 無新
高校時代、政治の道に進む志を立てた。静岡市議、県議、参院議員と着実に歩んできたが、04年の参院選で敗れた。07年には静岡市長選に挑んだが、届かなかった。政党の支援を得る他候補と争う知事選だが、手弁当で応援する支持者の後押しを受ける。「お前だから応援する、と言ってくれる人がいて戦えるのがありがたい」
静岡大を卒業後、大阪市の大手保険会社に入社した。顧客訪問の積み重ねが信頼関係を作り、契約につながることを身をもって学んだ。自身の原点だと言う「人間を大事にする」ことを学んだ。
告示日の第一声には静岡市内の茶工場前を選んだ。「お茶はもてなし。政治も、皆さんの夢や希望を具現化するもてなしだ」との意味を込めた。茶農家だった亡父の「まっすぐ生きろ」との声を今でも感じられる原風景でもある。
政党や組織に頼らない「純粋無所属」を掲げる。民主党幹部からの候補者一本化の打診も突っぱね続けた。「与野党対決」がクローズアップされる選挙戦となったが、長い政治経験で培った人脈と、大学時代に野球部で鍛えた「つぶれないのど」と「あきらめない心」を武器に、県政のトップを目指して奔走している。
◇自分から現場に出たい--川勝平太氏 60 無新
立候補の意向を表明した今月5日まで、浜松市の静岡文化芸術大で学長の職にあった。学長在任中、大事にした3原則は「来る者は拒まず、助力は惜しまず、報いは求めず」。学長室の扉はずっと開けっ放しにしていた。学生や大学の関係者ばかりでなく、地域の人とも意見交換したいと考えたからだ。
学長室をオープンにしたばかりではない。記者団に「いつでも公開していますから」と話すと、予定を書き込んだ自分の手帳を開いてみせたこともあった。知事選への出馬を機に新しい原則を掲げた。「知事になったら、来る者を待つだけでなく、自分から現場に出ていきたい」
出身は京都。曽祖父は京都府議を務め、これまで抱いた政治家像は「私財をなげうって、残るのは井戸と塀だけ」というものだったという。
英オックスフォード大への留学をきっかけに日本文化について深く考えるようになった。「世界、そして日本の中の静岡を見ている」と、他候補との違いをアピールする。
作家、詩人の宮沢賢治を尊敬する人物に挙げた。愛犬のトイプードルとの散歩の時間がほっとする時間だと語る。日本酒好きで、浜松の「花の舞」がお気に入りだという。
◇「物言う県政」へ転換を--平野定義氏 59 共新
共産党県委員会の選対部長として、裏方で次期衆院選の準備を進めていたが、急きょ、知事選の候補者として表舞台に立った。
景気悪化の中、党として派遣労働者などの生活支援活動を活発に行っている。党員は県内でも数百人規模で増えているという。
「貧困が広がっていて、政治が変えてくれないと困るという切実な声が届いている」。公約に掲げるのは、国や大企業に「物を言う県政」への転換だ。
掛川市出身。実家の茶農家を継ぐため、県立掛川西高校から、当時の国立茶業研修所に進んだ。卒業後、大城農協(現遠州夢咲農協)に就職したが、「日本の農業を守りたい」と、1970年に入党。専従職員として活動してきた。
街頭などで支持を訴えるが、言葉を丁寧に選んで話す姿が印象的だ。
「弓道部だった高校時代、下級生へのクラブ紹介で壇上に立ったが、まったくしゃべれなかった」と振り返ると、「だいぶ鍛えられつつありますが」と笑った。
趣味は登山。南アルプスと北アルプスの山々は、ほとんど踏破したという。座右の銘は「一人はみんなのために みんなは一人のために」。母と妻、息子2人で暮らす。
◇女性の登用を進めたい--坂本由紀子氏 60 無新
バブルが崩壊した91~93年に就いた旧労働省の障害者雇用対策課長時代。企業が障害者雇用に消極的な中で、働きたくても働けない多くの障害者の声を聞き、「人間は働いて人の役に立つことで心が満たされる。障害者が働きやすい環境を作りたい」と決意。障害者を雇用しない企業名の公表に踏み切った。
「障害者の方たちは本当に喜んでくれたし、企業の姿勢も変わった。何事も思い切ってやればできると実感できたことが、今の人生につながっている」。そう振り返る。
その経験を踏まえ、96年から出向した県副知事時代には、誰もが暮らしやすい社会を作るという概念「ユニバーサルデザイン」を提唱し、県政に導入した。静岡県の先導で、その考え方は全国に広まった。
知事選でも、強く訴えるのは、子育て支援、医療、福祉など、女性や高齢者といった社会的弱者に優しい政策だ。「女性が働きやすい環境を整備したい。知事になれば、県庁でも、女性の登用をどんどん進めていきたい」と話す。
自身の性格を「何事も一生懸命。悪く言えば、ストレート過ぎるかな」と笑う。趣味は、音楽鑑賞や読書。家族は両親、夫、長男、長女。
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