ゴエモンのつぶやき

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障害者グループホーム、スプリンクラー設置義務で窮地

2016年03月08日 03時36分15秒 | 障害者の自立

 一戸建て住宅やマンションを利用した障害者のグループホームが、消防法施行令改正で窮地に陥っている。今年度からスプリンクラー設置が義務づけられたが、高額の設置費用は、非営利の運営団体にとって大きな負担だ。賃貸の場合、家主から設置を認められなければ、住めなくなる恐れもある。

■スプリンクラー設置率に大きな差

 社会福祉施設へのスプリンクラー設置基準は、多数の入居者が亡くなる火災が起きるたびに厳しくなった。初めて設置が義務づけられた1972年、対象施設は延べ面積6千平方メートル以上だったが、段階的に縮小され、昨年4月に面積基準が撤廃された。避難が困難な入居者が多数を占める場合、どんなに小さくてもスプリンクラーを付けなければならなくなった。

 移行期間として3年の経過措置があるが、2018年4月以降も設置しない場合、自治体から指導や命令を受ける可能性がある。

 グループホームで生活する人は主に障害者と認知症高齢者に分けられ、特に障害者系でスプリンクラーの未設置が顕著だ。消防庁の13年の調査によると、新たに設置が義務づけられた275平方メートル未満のグループホームのうち、スプリンクラーがないのは高齢者系が全体の26%の538カ所に対し、障害者系は90%の1453カ所に上る。

 厚生労働省の13年の調査によると、障害者系約1万5千のグループホームのうち、7割が賃貸だった。障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会(横浜市)の室津滋樹事務局長は「賃貸の場合、家主からスプリンクラー設置の同意を得られない場合もある。一方で、障害の重い人と訓練を重ね、指示に沿って避難できるようにするなどスプリンクラー以外の安全対策に力を入れてきた」という。

 大阪府生活基盤推進課によると、一戸建て住宅や3LDKのマンションにスプリンクラーを設置する場合、400万~500万円が必要とされる。国の補助制度はあるが「補助枠が狭く取り合いになり、受けるのは難しい」という。グループホームの経営は収支がほぼ同じというケースも多く、想定外の出費は経営を圧迫しかねない。

 国は02年以降、障害者が暮らす場所を施設から地域に移すことを推進してきた。障害者本人の気持ちを尊重し、障害のない人と同じように生活することが重要だからだ。グループホームで暮らす障害者は09年度の5万6千人から14年度は9万6千人に増えた。

 鹿児島大法科大学院の伊藤周平教授(社会保障法)は、今回の施行令改正について「安全性は重要だが、アットホームな地域生活への移行を進める以上、十分な資金補助をするなどの手当てが欠かせない」と指摘する。

 ログイン前の続き■現場は火災予防に独自対策

 NPO法人「出発(たびだち)のなかまの会」(大阪市生野区)は、大阪市内で6カ所のグループホームを運営する。いずれも4~5人の知的障害者が生活する。

 障害者のいる時間帯は支援者が常駐。火災報知機や火災通報の専用電話を設置し、年2回避難訓練をする。暖房や調理器具は電気中心で、灯油は使わない。支援者には禁煙を義務づけている。同会理事の石井香里さん(40)は「スプリンクラーがなくても安全に住めるよう心がけてきた。一戸建てのグループホームの広さは一般住宅と同じ。普通の家にないものを義務づけられるのは納得できない」と話す。

 6カ所で必要な経費は2千万円以上。費用を賄うため入居者から新たに徴収するわけにもいかず、2017年度までに用意するのは難しいという。

 社会福祉法人なにわの里(大阪府羽曳野市)は、賃貸マンションの3LDKを6室借りて、グループホームを運営。知的障害者や自閉症の計18人が入居する。賃貸を活用したのは、グループホームを新たに建設するより費用が安いからだ。

 障害者の生活拠点を地域に移す国の方針を受け、09~10年にグループホームを始めた。知的障害者や自閉症の人は環境の変化に弱いため、一つの場所へ慣れるのに時間がかかるという。理事長の前田研介さん(44)は「安全重視は当然だが、現場にとっては厳しい内容。こんなことでは重度の障害者の生活は成り立たない。地域移行を推進しながら大きな負担を強いるのは矛盾している」と指摘する。

 スプリンクラーの設置には、水道管を各部屋に通すための屋内工事が必要だ。大阪府は「コスト面はもちろん、賃貸住宅では家主の承諾を得られないなど、付けたくても付けられない状況がある」と、法改正に疑問を呈する。昨年12月には府内全43市町村とともに、消防庁に設置基準緩和を求める要望文を提出した。府生活基盤推進課は「障害者の安全を確保するための施策で、住み慣れた場所を追われるようなことになるのは本末転倒ではないか」と訴えている。

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障害者への理解深め、初の交流フェスタ

2016年03月08日 03時29分19秒 | 障害者の自立

 【那須】障害者の自立支援を行う共同作業所で組織する「きょうされん」栃木支部の会員有志は12日、黒田原中体育館で「きょうされんふれあいフェスタ2016」(同実行委主催)を初めて開く。作業所通所者と地域住民の交流を図り、障害者への理解を深めることなどが狙い。実行委員長の田中繁男(たなかしげお)さん(61)は「障害ときょうされんの活動を知ってもらうきっかけになれば」と話している。

 同支部には、県内の作業所やグループホームなど23施設が加入している。これまで、他の施設の職員や通所者同士が交流する機会はあったが、地域住民との交流する場は少なかったという。

 障害者への理解を深めるとともに、きょうされんの活動を広く知ってもらおうと15年9月、県北地域の施設職員を中心に実行委員会を結成。町内や那須塩原市内のきょうされん未加入の施設にも呼び掛け、13施設の参加が決まった。フェスタをきっかけに、施設間の連携が深まることも期待している。

 当日は、各施設の通所者がパンやクッキーなどを販売。さをり織りなど手工芸品の展示・販売も行う。ステージでは、黒田原中吹奏楽部が演奏、仙台市民劇団は東日本大震災の被災地をテーマにした演劇を披露。ソプラノ歌手土田聡子(つちださとこ)さんとピアニスト田中梢(たなかこずえ)さんのコンサートもある。

 午前10時~午後2時。無料。 (問)りんどう作業所0287・72・0362。

3月7日  下野新聞


発達障害者法 切れ目ない支援めざし改正急げ

2016年03月08日 03時25分38秒 | 障害者の自立

「生きづらさや孤立感を感じている発達障がい者は多い。政治が再び光を当ててくれている今、少しでも暮らしやすい社会にしてほしい」―ある障がい者関係団体から公明党の国会議員に寄せられた切実な声だ。この期待にぜひ応えていきたい。

超党派の議員連盟は2月末、早期発見やサポートを目的とした「発達障害者支援法」改正案の骨子案を概ね了承した。現行の支援法が2005年に施行されてから、初の見直しとなる動きだ。公明党が主導して取りまとめられた同骨子案を各党間で調整し、今国会での早期成立を実現させるべきである。

発達障がいは、コミュニケーションに支障がある自閉症や、落ち着きがない注意欠陥多動性障がいなどの総称だ。文部科学省の推計(12年)によれば、公立の小中学校の通常学級に通う子どもの6.5%に、その可能性があるという。“分かりにくい障がい”のため、成人後に初めて本人や周囲が気付くケースもある。

社会生活を送る上でさまざまな困難を抱えるが、教育や福祉、就労の各分野で適切な配慮や訓練があれば、企業や地域で活躍する人もいる。きめ細かい支援を一段と充実させなければならない。

例えば、地域での相談体制の拡充は急務である。

現在、相談窓口の「発達障害者支援センター」は全都道府県・政令市に設置されているものの、急増する相談業務に十分に対応できていないところもある。都道府県内に1カ所しかない地域もあり、足を運ぶだけでも大変である。

骨子案では、支援センターの機能強化策として、一つの都道府県・政令市内であっても、複数のセンターが設置できるよう明示する。センター関係者や関係団体で構成する「支援地域協議会」(仮称)も設置する。

幼少期から成人まで継続した「切れ目のない支援」も欠かせない。現在は、学校や医療機関、ハローワークなどが施設間の連携がないまま対応している場合が多く、進学や就職を機に支援が途切れてしまう場合もあるからだ。

関係機関の連携を促すのはもちろん、支援に厚みをもたせるための専門人材の育成を後押ししていくべきである。

公明新聞:2016年3月7日


沼田尚志さんインタビュー 「“障害者”は一枚岩ではない」 当事者が語る、世間の目とのギャップ

2016年03月08日 03時17分16秒 | 障害者の自立

沼田尚志さんインタビュー後編。16歳のときに脳梗塞で3年間寝たきりになり、今も右半身が麻痺している沼田さんは、日常生活で“障害”についてコメントを求められると困ってしまうと言います。それは、問題点がそれぞれ違うのに、障害者というだけでひとくくりにされることに違和感があるから。後編では、世間の目と当事者のギャップについて伺いました。


レイヤーが違う障害の人にコメントはできない

――障害をネタにすることを「強者の論理」だと批判する人もいますよね。ウートピの記事で反響が大きかった「欠損女子」について「この子たちは障害をネタ化できるかもしれないけど、そんなことを売りにできる障害者ばかりじゃないんだから不謹慎だ」とという意見も集まりました。乙武洋匡さんもよく障害をネタ化した発言で物議を醸していますよね。

沼田尚志(以下、沼田):僕は自分の障害については「足が遅い」レベルの認識なので、それぞれの障害については足が遅いのか、肩が弱くてボールを遠くまで投げられないのか、みたいな話だと思っています。

足が遅い人に対して、肩が弱い人が何か言うのって、全然レイヤーが違うじゃないですか。健常者で足の遅い人と肩の弱い人では問題点が違うように、僕と目の見えない人では共通の課題の持っているわけではないから、コメント自体しにくいです。

――障害者は障害者でもカテゴリーが違うからコメントはできないと。

沼田:ことに強者と弱者、みたいな話でいうと、自分の身内が障害者であったり自分が当事者ならまだしも健常者がそうやって「不謹慎だ」って言うのはすごく違和感があります。

僕は「自己の最大化」を第一に考えていて、自分がどうやったらスケールするかを真剣に考えているから。

「不謹慎」はもったいない

――自己の最大化とはどういうことですか?

沼田:たとえば出世するとか、何かが出来るようになるとか、女の子にモテるとかなんでもいいんですが、あくまで中心は自分であって周りの人に起こることはあまり重要なことではないと思っています。

だから周囲が欠損女子についてどうこう言うっていうのはエネルギーがすごくもったいないなと思います。そのエネルギーをもっと自分のことに使えばいいのにって。どんな人でも、自分を最大化して世の中に価値を提供しなきゃいけないのは一緒ですからね。ある意味、わかりやすい障害を抱えた僕や欠損女子の皆さんの方が、世間にリーチしやすい。

「不謹慎だ」と言ってくる方に関しては、余計なお世話かも知れませんが、もっと自己の最大化に注力したほうが良いと思います。

「もし障害がなかったら」なんて、考えても意味がない

――沼田さんがエネルギーを維持するために意識していることはどんなことでしょうか?

沼田:AかBか悩むときってたくさんあるじゃないですか。何食べるかレベルでも転職するかレベルでも。転職するって決断したときに、決断した方の人生しか歩めないから、「転職しなかったらどうだったか?」っていうと考えることはできても、自分の実体験としては味わえない。

――自分の想像の域は出ないですね。

沼田:その選択は色んなところにあって、悩んでても、片方を選んだらどっちかを選べない。であれば、どっちか選んだほうを良い選択だったって言えるようにすることしかできないんです。だから悩むときは2秒以上悩まないようにしています。

たくさん悩む人もいると思うけど、僕はその悩み自体に意味を見いだせなくて。悩むより悩む時間を減らすことで選択する回数を増やしたいんですね。

そうやって早く選択すれば、また次の選択肢に行き当たってトータルで選択する機会が増える。たくさん選択した分だけノウハウやセンスも判断力も磨かれて研ぎ澄まされていく気がするので、悩んでもどっちかしか選べないから早く決めちゃおうって。

――どっちかしか選べないんだからさっさと決めちゃって、選んだほうでベストを尽くすしかないってことですね。

沼田:「もし障害がなかったら」なんて、考えても意味がないじゃないですか。障害が「ある」という前提でものを考えなければいけない。悩むことに費やす労力や時間で疲弊しちゃって有意義な選択ができない可能性もありますから、スピーディーにいきたいです。

タモリを心配して見られなくなった「いいとも」

――じゃあ「あのときはたくさん悩んだけど、それが今の糧になっているな」なんて経験もないんですか。

沼田:あまりないです。悩んでる時間がもったいないですもん。その背景には「いつか死んじゃうんだから、いつでも思いっきりチャレンジしたい」という死生観も強くあります。

――悩むって悩むための「余裕」がないとできないことですもんね。「今日も起きられてよかった」「女の子と目があってよかった」って思うほど死に対する危機感を持っていたら確かに悩んでいる余裕はないのかもしれないですね。

沼田:みんな余裕があるなと思います。僕、病気してから「笑っていいとも」が見られなかったんですよ。生放送中にタモリさんが倒れちゃったらどうしようって。

――どういうことでしょうか。

沼田:タモリさんが倒れてしまうと、テレビの中が大変なことになるじゃないですか。みんなが右往左往して、カメラが止まって。そんな光景見たくないなって。実際自分はいきなり倒れた経験があるわけで、可能性としては低くないと思っているんですよね、人が突然倒れることが。復活してしばらくは、街を歩く人間がみんな時限爆弾に見えちゃう時期がありましたね。

――沼田さんにとって「死」はやはり恐怖なんでしょうか。

沼田:僕はライフハックとして、障害のこととか、死に対してとかネガティブな要因については、それらを埋め尽くすくらい楽しいこと、刺激的なことをたくさん作って、トータルで見たときのネガティブの割合を減らすようにしています。

夜に寝る時間がもったいなく思えるような、24時間起きていたい、くらいの楽しいことで埋め尽くして、自分の中に占める不安のパーセンテージを減らしていきたいんです。突然倒れることを心配するより、今の楽しさを極めていきたいです。

成功のハードルを低くすれば、小さなこと幸せと感じられる

――このインタビューを見た人は沼田さんを「成功者」として見ると思うんですけど、今まだ成功にたどり着いていない人、模索している人、に伝えたいことはありますか?

沼田:成功なんてとんでもないです。ただ心のハードルは下げたほうがいいと思いますね。小さなことを最大の幸せと感じられたら成功体験が増えていい循環になっていくと思います。

――ただ「肩書きがあって美しい妻がいて十分成功しているのに不倫して失脚」みたいなニュースが最近多いですよね。それっていつまで経っても満たされない、人間の業なんじゃないかと。

沼田:みんな一足飛びに求めすぎている気がします。 わかりやすい成功というものを見せ付けられて。堀江貴文さんなんかも純粋にすごいなーって思うけど、あの方は一夜にして財をなしたわけじゃなくて、すごく細かい階段をたくさん上ってきたから今がある。

「今日起きられたことで成功」って思えたら、「次は朝ごはん食べた。これもまた成功」って少しずつ階段が上がっていく。そうやって今よりも前に進んでいけるんじゃないかって思います。

ウートピ



障害者総合支援法改正案を国会に提出 ポイントを一覧で紹介

2016年03月08日 03時10分55秒 | 障害者の自立

 厚生労働省は1日、障害者総合支援法等改正案を国会に提出した。障害者の高齢化に対応することが柱。障害福祉サービスを利用していた人が65歳を超えて介護保険サービスを利用する場合、一定の所得以下であれば利用者負担(介護報酬の1割が原則)を減らす仕組みを設ける。1割負担を苦にして介護保険利用を控えることのないようにする。一部を除いて2018年4月1日の施行を目指す。

  改正法案は現行法の「高額障害福祉サービス費等給付費」の支給対象者を広げる。どのような人を対象とするかは政令で定める。65歳になるまで長期間にわたり所定の障害福祉サービスを利用していることが前提で、所得だけでなく障害の程度なども勘案する。

  支給対象者が介護保険サービスを利用する場合、介護保険事業者は通常通り1割の利用者負担を求める。市町村は利用者に高額障害福祉サービス費等給付費を支給することで、負担を和らげる。

  厚労省は「この改正によって財政は膨らまない」と説明。また、「利用者負担を減らす財源を捻出するために何か他の費用を削るわけではない」とする。介護保険サービスの利用に移る人が増えれば、その分だけ自然に障害福祉サービスの費用が浮くとみている。

  現在、障害者総合支援法に基づくサービスを利用している人の9割は利用者負担がゼロ。15年夏の厚労省による調査では、介護保険利用に移った人の1カ月の平均負担額がそれ以前と比べて9倍(7183円)に増えている。

  このほか高齢化に対応するものとして、施設やグループホームで暮らす人がアパートなどに移り一人暮らしすることを支えるため、定期的な巡回訪問や随時対応をする新サービス「自立生活援助」を設ける。利用期間や援助の内容は厚労省令で定める。

  これにより、空いた施設やグループホームで高齢や重度の人を受け入れる方針だ。

  新サービスとしては「就労定着支援」も創設する。一般企業に雇用された障害者のストレスや金銭管理など生活上の課題を一定期間支援する。定着率の低い精神障害者、知的障害者、発達障害者を主な利用者像とする。

  このほか、①重度訪問介護を入院時も利用可能とすること②障害児支援の拡充③サービス事業所の事業内容などの公表制度創設−を盛り込んだ。

  障害者総合支援法は13年4月1日施行で、施行3年後の見直し規定が盛り込まれた。それを踏まえて厚労省は社会保障審議会障害者部会で審議を重ね、15年12月に報告書をまとめていた。

 

障害者総合支援法等の一部を改正する法案の概要

障害者総合支援法等の一部を改正する法案の概要

2016年0307日  福祉新聞編集部