【宇都宮】市は、障害者が災害時などに提示し適切な支援が得られるようにする「ヘルプカード」を作成し、30日から配布する。県内では初の取り組み。障害者が携帯するだけでなく、カードの存在を健常者が知ることが重要であることから、市障がい福祉課は今後、イベントや市広報誌などを通じて広く周知を図っていく。

 ヘルプカードは、意思表示が苦手な障害者が、災害時や外出先で困った時、自分の情報を周囲に伝え、適切な支援を得られるようにするのが目的。2016年4月に障害者差別解消法が施行されることになったのを機に具体化した。

 カードは横約9センチ、縦約27センチで、蛇腹に折り畳み運転免許証程度のサイズで所持できる。耐久性や耐水性に優れた素材で、1万6千部を作製。東京都が普及に努めるヘルプマーク(赤地に白で十字とハートを表示)を採用し、表紙部分に掲載した。

 記載項目は名前、緊急連絡先、障害の種別や特性、病名や症状、かかりつけ医など。障害者5団体から意見を聞き、自由記載欄も広く設け、障害の特性に応じて支援内容を詳しく記入できるようにした。

 
9月30日 朝刊    下野新聞