馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

子牛の第4胃穿孔と腹膜炎

2017-03-03 | 牛、ウシ、丑

2ヶ月齢の黒毛和種子牛が腹囲膨満して、便がでない、食欲不振、とのこと。

開腹したら、腹膜炎で、消化管が腹壁に張り付いていて、第四胃に穿孔が見つかった。

一概に、「牛は丈夫だ」とは言いたくないが、やはり牛は強い。

馬なら・・・腹膜炎でひどいことになり、開腹手術で穿孔が見つかっても予後不良だろう。

この子牛、フィブリンで消化管はあちこち張り付いていたが、腹水はさほど増量もなかった。

牛はやっぱり丈夫だ。

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この月齢の子牛の腸閉塞は、腹膜炎による癒着が多いように思う。

臍からの感染、あるいは4胃穿孔。

この子牛は哺乳ロボットで人工哺乳されていた。

人工哺乳でなければあまりおこらない事故のように思う。

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君たちなんの相談だい?



4 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2017-03-03 20:18:30
 赤ちゃん牛、治してもらえてよかったね、と言いたい。何が違うんでしょ。

 お雛祭りだからか?オラ君久しぶりに女子会参加の図。
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>はとぽっけさん (hig)
2017-03-04 06:11:25
癒着した部分のかなりはそのままですし、第四胃潰瘍の原因もそのままですから、まだ安心はできません。
馬、とくにサラブレッドは弱いですね。速く走れることだけで生き延びてきたのだと思います。
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Unknown (ルポ)
2017-03-10 21:26:59
こんばんは。
牛はすごいのですね…

癒着でも通過障害が起きてしまうのですね!
腹膜炎(感染)に対してはお腹の中に抗生剤等を入れられるのですか?
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>ルポさん (hig)
2017-03-11 05:08:05
牛は強いです。

腹膜炎による癒着で通過障害が起きている、というのは子牛の腹囲膨満のひとつのパターンかと思い記事にしました。

抗生物質を入れますが、どれだけ効果があるか・・・牛が強いのは癒着させて傷を治す力が強いこともあります。ひどい癒着が残ると、元の木阿弥、です。
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