1992.10.14(Wed) Moscow
18:30 再びホテルを出発し、サーカスを見に行く。
会場に到着すると、既に開演間近で場内には多くの人が入っていた。やはり子供連れの客と外国人観光客が多い。ロシアの子供が楽しみにしている娯楽の一つがサーカスだという。中段より少し上の席に座り開演を待つ。サーカス場は日本のようなテントではなく、常設の円形ドームである。人間ロケットや空中ブランコ等の設備も組み込まれた、サーカス専用のホールが各地に造られるほどロシアはサーカスの盛んな国なのだ。
19:00 開演。動物を使った演目が多い。日本のTVで派手な演出のサーカスショーや中国雑技団などを見慣れてしまっている目には多少退屈な面もあるが、大きな熊が愛らしく振る舞うショーなどは見ていて楽しかった。しかし、時差ボケで20時過ぎには眠くなってしまうのと、暖かい場内で薄暗い客席にじっと座っていたためと、やや動物系のショーばかりで飽きてしまったこともあって、私たちは皆、途中で何回も船を漕いでしまったのだった。
21:45 サーカス終了。3時間近くに及ぶショーはやや長く疲れた。終盤は僕等は寝てしまっていたが、最後になって皆起きて拍手喝采をしたのだった。相変わらず調子の良い我々である。
帰る前にターニャさんが、今日は自分たちだけでホテルに帰って貰いますと言い、地下鉄に乗ってどこの駅で降り、どのバスに乗ればよいかを教えてくれた。言葉が判らない上に夜中なのでやや心配だったが、地下鉄の乗り換えはないとのことだったので、何とかなるだろうということになる。ターニャさんが自分たちでと言ったのは、どうやら22時までがこの通訳バイトに従事する時間だったためらしい。それ以上つきあっても報酬が得られないので、サーカス場から自宅に直行することにしたようなのだった。
夜の地下鉄はさすがに空いていた。モスクワの地下鉄は日本とは異なり、24時間走っているという。なかなか便利な公共交通機関である。車内は蛍光灯ではなく白熱灯がともされていて暖かい感じだが、日本の地下鉄に比べると少し薄暗い。
地下鉄を降りて地上に出る。ターニャさんに言われたとおりバス停を探してバスに乗ろうとするが、いくつかの路線があって、どれがホテルに行くものなのかはっきりしない。ターニャさんが言っていたバス停に該当する場所は判ったが、本当にこれでよいか自信がない状態だった。もし違う場所に行ってしまった場合、戻って来られなくなったりして厄介だ。ウラジオは小さい街だったので歩いてでも宿舎に何とか戻れたが、モスクワではそうはいかないのでやや緊張する。K氏が近くにいた大学生とおぼしき女性に、片言の英語でこのバスはツェーデーテーホテルにいくか、と尋ねる。女性はしばらく考えた末、YESと言ってくれた。恐らく大丈夫だろうということでバスに乗り込む。地下鉄と違ってバスは本数が少ないためかかなり混んでいた。混んでいる場所ではやはりどうしても緊張してしまう。ホテルの近くで見覚えのある景色が見えてきたとき、ようやく緊張から解放された。
22:15にホテルへ帰着。23:00に就寝。疲れと時差ボケで、少しだけ日記を書いてすぐに寝てしまう。
1992年10月 ロシア日記・記事一覧
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