都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

2018年3月 記事一覧

2018-03-31 | 記事一覧 

03/03 下見板張りの看板建築
03/07 平屋の洋風事務所
03/11 東屋質店の蔵
03/15 大師橋
03/19 日本通運 新宿支店
03/23 深野屋酒店
03/27 河合医院
03/31 東京第一陸軍造兵廠 275号棟

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東京第一陸軍造兵廠 275号棟

2018-03-31 | 北区   
東京第一陸軍造兵廠275号棟(北東側から)
所在地:北区十条台1-2
建設年:1919(大正8) 東京第一陸軍造兵廠275号棟として建設
構造 :煉瓦、屋根小屋は鉄骨造
階数 :1F
規模 :54×27m
備考 :現在は北区立中央図書館「赤レンガ図書館」の一部
Photo 2002.9.29

 東南側から Photo 2002.9.29

 一帯の陸軍施設は組織の改編などに伴い、以下のように名前を変えた。また戦後の一時期は米軍に接収され、返還後は陸上自衛隊の施設等になった。

 1923(大正12)陸軍造兵廠火工廠十条兵器製造所
 1936(昭和11)陸軍造兵廠東京工廠銃砲製造所
 1940(昭和15)東京第一陸軍造兵廠第一製造所
 1945(昭和20)終戦
 1947(昭和22)米国陸軍に接収され、TOD(Tokyo Ordnance Depot:東京兵器補給廠)第四地区となる。
 1958(昭和33)第四地区の一部が日本に返還される。
 1959(昭和34)陸上自衛隊武器補給処十条支所となる。また、返還された施設の一部は民間会社に貸し出され、275号棟は東洋ゴムが運営していたタイヤ再生施設として利用された。
 1989(平成元) 東洋ゴムのタイヤ再生施設が閉鎖される。
 2008(平成20)北区の新中央図書館となる。


 再生前の様子 Photo 2002.9.29

 この写真を撮影した2002年当時は、何にも使われておらず廃墟状態だった。既に自衛隊の敷地ではなかったようだが、立入禁止で鉄条網や柵越しに眺めるしかなく、遠くからむりやり撮った写真しかない。撮影当時は解体の気配が濃厚だったので、見納めかもしれないと思いつつ、柵越しに一所懸命に撮ったものだ。

 だがその後、北区の中央図書館として保存しながら使うという展開になったために、現在は建物の中にさえもあっさり入れるようになっている。


 北区立中央図書館 Photo 2011.6.11

 赤煉瓦倉庫の本体を残しつつ、上側に被せるように新しい建物を建てている。


 東南側から Photo 2002.9.29

 図書館になって多くの人が使うようになったのは喜ばしいことで、赤煉瓦建物の歴史を多くの人が知ることになったのも良いことなのだが、個人的には雑草の原の向こうに建っていた廃墟状態の時の景色も懐かしい。明日にも壊されてしまうかもしれないという様子には哀愁が漂う。こんなボロボロの状態だった建物が、再生されてきれいな文化施設になったということも記憶に留めておきたい。


 北区立中央図書館 北西側から Photo 2017.1.23

 図書館になる前は、近づくことができなかったし、西側からも見ることができなかったので、北西側から見ることができるようになったのは感慨深い。この方向からだと煉瓦倉庫全体を残しながら図書館にしたことがよくわかる。


 北区立中央図書館・ホール Photo 2002.9.29

 図書館内部では窓などを取り払っており、往時の壁を通り抜けて開架書庫へ向かうことができるようになっている。


 北区立中央図書館・カフェテラス Photo 2002.9.29

 煉瓦造の倉庫でそのままでは耐震性に問題があるため、内側にRC造の壁をもう一つ建てて建物を支持しており、現在は煉瓦壁には構造的な負荷が掛かっていないのだそうだ。


 Photo 2002.9.29

 上層に新建物が載っていない場所には、昔からの鉄骨の小屋組が残されている。

関連記事 > 『東京人』都市出版社刊、2008年5月号、p.52
都市徘徊blog > 北区立中央図書館
Tokyo Lost Architecture
#古い建物 北区  #新しい建物 北区  #近代建築 
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河井医院

2018-03-27 | 中野区  
河井医院
所在地:中野区中央5−42
建設年:?
構造・階数:木造・3F
備考 :2010.10〜2013.8に解体
Photo 2007.3.2

 大型の腰折れ屋根(ギャンブレル屋根)を載せて、事実上3階建てにした木造家屋。青い瓦屋根が印象的だった。

 東側正面上部。東南角の2階は恐らく増築。窓のサッシは換えられており、装飾はほとんどない。残念ながら老朽化のためモルタル壁面の汚れが目立つ状況だった。

 西側壁面。事実上の3階建てで幅も奥行きもあったので、木造家屋だがボリュームのある外観をしていた。


 玄関部分

 表札には「中野区橋場町四八番地」と記されていた。中野区が成立したのは1932(昭和7)年、橋場町が中央5丁目になったのは1967(昭和42)年。「中野区」の文字が左から書かれており、区の字も旧字の「區」ではないので、表札は戦後に書き直されたものかもしれない。しかし扉のガラスに書かれた医院の金文字は、「河井醫院」と旧字になっており、建物はやはり戦前のものだったのではないかと思う。

 装飾はあまり無かったが、玄関まわりにはスクラッチタイルが用いられ、扉の上にはステンドグラスが嵌められていた。


 建物裏の西側壁面

 河井医院は2010年10月時点では存在していたが、2013年8月に訪れた時には既に解体済みで、マンションを新築中だった。Google Mapの2013年の航空写真でも更地になっている。

 医院の西側には中野ハウスという木造モルタルの共同住宅があったが、こちらも解体されて消失している。

Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 中野区  #医院  #ギャンブレル屋根
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深野屋酒店

2018-03-23 | 中野区  
深野屋酒店
所在地:中野区 松が丘2−33
建設年:?
構造・階数:木造・2F
解体年:2011(平成23)
Photo 2004.12.5

 新青梅街道沿いに建っていた木造モルタル看板建築の酒屋。2004年に通りかかった時には、左側は自販機がシャッターの前に並んでいたが、右側では店舗がまだ営業していた。

 写真右奥にもモルタル看板建築があるが、これは一足早く建て替えられた。また左端に少しだけ写っている建物も2011年に訪れた時には解体中だった。


 Photo 2011.1.30 

 いつ頃廃業したのかは知らないが、2011年に見た時には解体のお知らせが既に掲示されていて、シャッターには落書きがされ、自販機も半数が撤去されていた。


 Photo 2011.1.30 

 商店は二棟とも平入り。戦後は看板建築にしやすいように妻入りとしたものが多いという話を聞いたことがあるが、ではこれが戦前のものかというと、モルタル看板建築でもあるのでそんな感じには見えない。店舗の間口が比較的広いので、平入りとしたのかもしれない。

 左側(東側)の建物は既に解体中だった。酒店もこのあと解体されたのでほぼ同時期に建て替えられたわけだが、一体の建物にはならず、それぞれが建て替えられたようだ。


2022.12.30追記
 深野屋酒店の建物も古かったようだが、戦前・戦後版の火災保険特殊地図の版がないため、いつ頃のものだったのかは不明。把握できた範囲では、1958(昭和33)年版の「東京都全住宅案内地図帳」に「深野屋」として掲載されている。

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#失われた建物 中野区  #看板建築  #モルタル看板建築  #旧街道 
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日本通運 新宿支店

2018-03-19 | 渋谷区  
日本通運 新宿支店
所在地:渋谷区千駄ヶ谷5−34
建設年:?
構造・階数:木造・2F
備考 :2006年5月〜2007年9月に解体
Photo 1995.2.1

 大手運送会社の新宿支店、しかも新宿駅南口から数分の距離にあるオフィスが、木造2階の瓦葺きだったことがちょっと驚きだった。

 道路の反対側にはタカシマヤタイムズスクエアが1996年に開業したが、それ以前はここに新宿貨物駅があったので、そこからの荷物を扱うためにこのオフィスも造られたのかもしれない。新宿駅の東南側は平成になってもしばらくは木造家屋や木造旅館が建っていた場所だが、写真で見ても後方に10階建て程度のオフィスが既に建っており、当時のことをいま考えてもやはり少々意外な感じだった。


 Photo 2006.5.1

 タカシマヤタイムズスクエアが開業して人通りが増え、更にNTTドコモ代々木ビルが2000年に完成するなどして、周辺の高層化が徐々に進む中、2006年に通りかかったらまだこの建物は存続していて、オフィスの灯りが点いていた。だがこのあと一年ほどの内に解体されたようだ。

 建て替え後にできたNEX新宿ビルは2009年竣工。これに関して日通がニュースリリースを2007年9月に出しているが、この記事中で既に「新宿支店跡地」とされている。

 この木造オフィスは恐らく戦後、昭和30年代頃までに建てられたのではないかと思うが、これはその最後の頃の写真ということになるのだろう。

日通、新宿にテナントビルを建設 | 日本通運
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#失われた建物 渋谷区  #オフィス 
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大師橋

2018-03-15 | 大田区  
大師橋
所在地:大田区羽田2丁目・川崎市川崎区大師河原1丁目
架橋年:1939(昭和14)
構造 :ゲルバートラス橋
長さ :552.18m
幅  :16.0m(2車線 11m+両側の歩道2.5m×2)
備考 :架け替えに伴い、1997〜98頃に解体
Photo 1990.9.27

 写真の昔の大師橋は、老朽化と交通量の増大のために新しい橋に架け替えられた。そのI期工事として3車線の新橋が旧橋の隣に1997(平成9)に完成して暫定利用されたため、旧橋は取り壊された。

 橋の構造的なことはよく知らないが、鉄骨トラス橋の一種だったそうだ。ただ、吊り橋風のシルエットとトラスが混在しているような感じなのが印象的だった。

 ゲルバートラス(カンチレバートラス)橋というタイプだそうで、大師橋の場合、2つの橋脚から片持ち梁状にトラス橋が張り出し、中央で吊桁と呼ばれる桁が保持されている。大きなスパンが必要な橋で使われることが多い形式だそうで、最近では東京ゲートブリッジも形はかなり違うが同様の形式だという。

 また、そのうちひとつの主塔の上に更に赤白に塗られた鉄塔が載せられていたのが、とても印象的だった。

 現在の大師橋は片側3車線の計6車線で幅31.5m。斜張橋と桁橋をつないだものだという。新しくなってからは訪れていないが、写真を見るとかなりモダンな橋になったのだなぁと思う。

大師橋 - Wikipedia

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#失われた建物 大田区  #海・川・池  #橋 
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東屋質店の蔵

2018-03-11 | 品川区  
東屋質店の蔵
所在地:品川区 北品川2−3
階数 :3F
備考 :2009.11〜2011.5に解体
Photo 2006.3.11

 旧東海道品川宿の通りから法禅寺へ至る参道沿いにあった質屋の蔵。写真左端にわずかに店舗が写っている。

 建設年代や構造は不明。陸屋根のようだし質屋さんの蔵なので、RC造だったのかもしれないが、木造モルタルのようにも見える。蔵なので窓はほとんどないが、換気窓の様子からすると内部は3層になっていたのだろう。

 軒先にコーニスやフリーズのような装飾がわずかにあり、質屋の蔵という和風の用途の建物に、西洋風のデザインが折衷的に混在している。

 Google Street Viewほかで確認したところ、2009.11〜2011.5に店舗と共に解体されたようだ。跡地は現在、コインパーキングになっている。

 蔵はなくなったが店舗の方は旧東海道沿いの北品川2−7にあり、現在も営業している。

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#失われた建物 品川区  #倉庫・蔵 
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下見板張りの看板建築

2018-03-03 | 江東区  
下見板張りの看板建築・鹿野次郎商店
所在地:江東区 佐賀1−13
構造・階数:木造・2F
解体年:1996(平成8)
Photo 1995.11.18

 いつも見ている「ぼくの近代建築コレクション」で、下見板看板建築として紹介されている建物。住宅地図等によれば、かつては鹿野次郎商店という店だったもの(詳細は不明)で、この写真の翌年に取り壊されたらしい。現在は駐車場になっている。

 白く塗られた下見板張りで、シンプルな凸型ファサードとしているのが記憶に残る。

いながき商店、他/佐賀1丁目 - ぼくの近代建築コレクション

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