都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

2010年6月 記事一覧

2010-06-30 | 記事一覧 
06/03 Konica Big Mini(BM-310Z)
06/06 お茶の水スクエアB館・主婦の友ビル1号館(失われたモダニズムオフィス)
06/09 有楽町駅前(東京新旧写真比較 No.43)
06/12 早稲田大学 52号館・53号館・54号館 1(教室棟外観)
06/15 早稲田大学 52号館・53号館・54号館 2(教室棟内部)
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早稲田大学 52号館・53号館・54号館 2

2010-06-15 | 新宿区  

 52号館から54号館は、ちょっと変わった平面をしている。

52号館1F 平面図 (右端は53号館、上はキャンパス中庭)

 上図からも分かるように、通路部分が十字形をしていて、正方形の建物四隅に教室がある。階段は建物中央に、対角線に沿って配され、どちらからも上り下りできる構造。全ての教室は、建物中央側が前になっており、学生は窓を背にして授業を受けることになる。

52号館1F ホール・階段室
Photo 2008.3.4

 各建物の入口は地味だが、中に入ると二つの階段が互い違いに並ぶ階段室になっている。学生への通知などが張り出される掲示板もあり、広くはないがホール空間になっていて、ちょっとした溜まりスペースにもなっている。

53号館3F 階段室
Photo 2008.4.21

 中央の階段を中心にして対称型をなしていることから、階段室にいると自分がいまどちらを向いているのかが分からなくなることが多い。このため、52号館の304教室などといわれた時に、階段を3階まで上がってから、どちらへ行けば良いのか、一瞬考えてしまう。3棟の真ん中にある53号館の場合、どちらへ行けば52号館なのか分からず、反対に向かって54号館に行きかけてしまうこともあった。日中であれば、扉などから垣間見える中庭や日の光の様子で向きが分かるのだが、雨の日や夜間は、慣れていてもしばしば混乱することがあった。

 ただ、ちょっと歩けばすぐ気づくことなので、それはあまり大問題ではなかった。むしろ、変な建物だよねぇ的な面白さの方が大きかった。入試の時に初めて入室してからずっと印象的な建物であり、卒業後、最近は訪れることもほとんどなくなったが、未だに記憶に残る空間である。他の大学をそれほど知っているわけではないが、このような教室空間を持つ建物は他にはあまりないのではないだろうか。その意味で、非常に個性的な教室空間を持つ魅力的な建物だと思う。

 昭和40年代の低層校舎なので、エレベーターは設置されていない。これは後々、バリアフリー面で問題となってくるが、当時の状況からすると仕方なかったのだろう。上層階へは校舎中央のこの二重螺旋的な階段か、隣接する校舎を結ぶ渡り廊下に造られた外階段で上るようになっている。いろいろなところに階段があって、どの方角から来ても比較的容易に階段に辿り着ける機能的なレイアウトになっている。

#早稲田大学  #大学  #古い建物 新宿区 
#屋内階段  #安東勝男 
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早稲田大学 52号館・53号館・54号館 1

2010-06-12 | 新宿区  
手前から奥へ、54号館、53号館、52号館
早稲田大学 52号館:RC3F+B1F、53・54号館:RC4F+B1F
所在地:新宿区大久保3-4-1
建設年:1967(昭和42)
Photo 2008.3.4

 西早稲田キャンパス(旧大久保キャンパス)で、一般教養の講義や語学の授業が行われるのは、キャンパス東南側に並ぶ52~54号館の建物である。52号館は約200人を収容できる教室がある3階建てで、学科単位での授業が可能である。53、54号館はそれよりひとまわり平面形が小さい4階建てで、40~100人程度を収容する教室が並び、選択科目の授業や、語学の授業などが行われている。

55号館から52~54号館
手前から奥へ54号館、53号館、52号館、屋上にある三角形の突出部は階段室。遠方の高層ビルは新宿新都心
Photo 2008.4.21
大久保キャンパス建物配置図(2006年頃・上が北) Google Map

 正方形の建物が東西に並び、階段が付属した渡り廊下で各階が接続している。

52号館(右)と53号館(左)の間のドライエリアと、渡り廊下・外階段
Photo 2008.3.4
3F渡り廊下から53号館と54号館(右)の間のドライエリア
Photo 2008.4.21

 建物周囲にはドライエリアがあり、地階にも自然光が差し込むようになっている。地階は理工学図書館、学生読書室、EE教室などとして利用されている。

#早稲田大学  #大学  #古い建物 新宿区  #屋内階段 
#安東勝男 
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有楽町駅前

2010-06-09 | 千代田区 

東京新旧写真比較(2001/2009) No.43、No.44 千代田区有楽町

東京交通会館2Fデッキから JR有楽町駅 東口駅前
Photo 2001.9.16(マウスオフ)
Photo 2009.1.18(マウスオン)

 有楽町駅前の風景は、有楽町イトシアができて大きく変化した。

 有楽町駅前には闇市の名残とおぼしき一角がずっと残っていた。2〜3F建て程度の小規模な建物が建ち並び、食堂や喫茶店などが軒を連ねており、庶民的な駅前飲食街となっていた。JR有楽町駅は駅ビルや駅前広場がなく、いつも雑然としていたが、有楽町イトシアの建設に伴い駅前空間は一変した。

 駅の南側でガードをくぐっていた道が廃止され、駅東南側に大きな広場が現れ、地下の入口も一新された。自由に歩ける歩行者空間が駅前にできたため、雑然とした少し薄暗い印象が消え、賑わいはあるがきれいで穏やかな空間になった。有楽町駅はだいぶん前から車で来るような場所ではなくなっていたので、駅前から車を上手く排除したのは非常に良かったと思う。

 その一方で、駅前のごちゃごちゃした雰囲気も捨てがたい魅力があり、そこがピカピカの空間になってしまったのは少々残念ではある。だが、マリオンもイトシアも、銀座方面へのルートを残し、建物の間を通り抜ける空間を造ったりしており、結果的に、賑わいを残しつつ、人の流れを取り込んだ空間を作ることができているようで、これはこれで良かったのでないだろうか。

 さて、東口の駅前は様子がかなり変わったが、その他はというと、この画角では有楽町電気ビルヂングの後方にペニンシュラホテルができたこと程度。あと、駅前の建物がなくなったので、日比谷・内幸町方面が少しよく見えるようになって、新幹線の姿も少しだけ遠くから見えるようになったようだ。

#東京新旧写真比較 千代田区  #鉄道  #広場  #夕景・夜景 
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お茶の水スクエアB館・主婦の友ビル1号館

2010-06-06 | 千代田区 
主婦の友ビル1号館・お茶の水スクエアB館
所在地:千代田区神田駿河台1-6
建設年:1965(昭和40)?
階数 :9F
備考 :B館、C館共に2003年に解体
    左端は明治大学、右側はお茶の水スクエアA館。
    B館の右にわずかに見えるのがC館。
Photo 2002.2.24

 明治大学の反対側にあったモダニズム系のオフィスビル。

 近辺には主婦の友社の旧社屋や明治大学、YWCAなど様式的近代建築が建ち並んでいたので、70~80年代には、そのなかではモダンな建物だっただろう。2002年に日本大学に譲渡され、その後、解体されて現在は駐車場になっている。

 最近になって南側の磯崎新設計のお茶の水スクエアA館と共に再開発される予定であることが明らかになった。まとめると結構大きな敷地なので、ここにも超高層校舎が建設されるのかもしれない。都心には次々に超高層ビルが建つが、通りに沿った街並み立面が無い建物が増え、まるで墓地のようになっていくのが気がかりだ。ただ知人に聞いた範囲では、まだ詳細は決まっていないようだとのこと。大学関係者でさえあまり知らないらしい。

 ところで、せっかくファサード保存をして部分的に復元した隣のお茶の水スクエアA館の建物もまた壊してしまうのだろうか。現代日本では建物の寿命は人間のそれより遙かに短いのが半ば当たり前になっている。何事も欧米が進んでいるとは言わないが、環境やエコ、もったいないをキーワードに考える時代なら、今ある建物を改修しながら使うことをまず考えるべきじゃないかと思う。新しい建物は省エネかもしれないけど、前の建物を壊して新築するのには、結構エネルギー使ってるんじゃないのか? 最近の東京では築20年ぐらいの比較的新しい建物まで建て替えるので、環境とかエコの時代に逆行してるんじゃないかとしばしば思う。それこそ「築50年以下は建て替え禁止」ぐらいのことを考える必要があるのではないだろうか。

 現在、建て替えをするか否かの判断基準は、耐震強度と経済性が大きなウェイトを占めているようだ。だがその考え方だと、ほとんど全ての建物は建て替えねばならないだろう。判断の指標として、もう少し別の価値基準を中心に据える必要性があるのではないだろうか。

Wikipedia > お茶の水スクエア   > 主婦の友社
主婦の友社 > 会社情報 > 主婦の友社小史

Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 千代田区  #街並み 千代田区  #オフィス  #モダニズム 

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Konica Big Mini(BM-310Z)

2010-06-03 | 写真・カメラ
 1993年2月、初めて自分で買ったカメラをもって、初めてヨーロッパへ行った。→ヨーロッパ旅行記

Konica Big Mini(BM-310Z)(1991発売)
コニカの歩み・1990年代に発売された機種一覧

 1990年に発売されたビッグミニ(BM-201)は、ポケットに入るコンパクトサイズでなおかつ性能がよいということで、かなり多く売れた。アラーキーもスナップ撮影で使うなど、プロも使うコンパクトとなっていた。一方こちらは、2倍ズームレンズ搭載のビッグ・ミニ。同じビッグミニシリーズだったが、形や性能は異なる。

 1993年2月、いわゆる卒業旅行というやつで、私は友人と初めてヨーロッパへ行くことにした。ただ、卒業旅行とは言っても貧乏旅行に近いので、宿はユースホステルや安ホテル。荷物を最小限にしての旅行だった。建築や都市、街並みを中心にして見に行くわけだから、写真は当然撮りたいのだが、当時は一眼レフカメラを持って行くのがためらわれた。今なら当然のように一眼デジカメを持って行っちゃうだろうけど。

 そんなわけで、ちょこちょこ簡単に撮れるカメラが欲しいなぁということになり、ビッグミニにたどり着いた。単焦点のビッグミニも捨てがたかったが、旅行先ではやっぱりズームが欲しくなっちゃうだろうなぁという気持ちもあって、結局ズームもできるタイプを購入。プロならそのへんを割り切ってしまうのかもしれないけれど、普通のアマチュア君には、あれもこれもという庶民的な欲をけっ飛ばすことができない。先輩は単焦点のビッグミニを買った方が良かったんじゃないかと言っていたが、ズームできればなぁという思いをするくらいなら、ポケットサイズは多少犠牲になっても仕方ないと思った次第。

 それほど高いカメラではなかったが、何しろカメラを買うのは初めて。今まで使っていたのは全て父親のお下がりだったので、あるものを使うだけだったが、自分で買うとなると、どんなものが欲しいのか、いくらまでだったら許容できるのか、いろいろ悩むわけで・・・。

 同時期にPENTAXにはESPIOというコンパクトシリーズがあった。父から貰った一眼レフがPENTAXだったこともあって、PENTAXには親近感があったため、一時はビッグミニではなく、ESPIOにしようかとも思っていた。ズームの性能や軽さなどではESPIOの方が良いように思われたのだが、新宿のヨドバシカメラで店員さんに聞いてみたら、ビッグミニの方が使い勝手が良いとはっきり言われてちょっと驚いた記憶がある。店員さんに言われてその時初めて知ったのが、ファインダーの性能がかなり違うことだった。ビッグミニズームのファインダーは実像式で、若干の視差はあるものの、ほぼファインダーで見える範囲が写る範囲であるのに対して、ESPIOのファインダーには白い枠(ブライトフレーム)が見えていて、その枠の中が写る範囲になっているのだった。このブライトフレームは写る範囲とのズレが実像式より大きく、撮影に際しても細かくはフレーミングできない。またファインダーを覗いたとき、対象がかなり歪んで見えるのも難点だった。お店の人はビッグミニの方が少し高いけれど真面目な設計をしていると教えてくれた。そのへんが決め手になってビッグミニを買ったのだった。

 3週間のヨーロッパ滞在中に17本のフィルムを使い、約500枚の写真を撮った。日本に帰ってからも、旅行などでは気軽にこのカメラを持ち歩き、その後も2,000枚近くをこのカメラで撮っている。最近はデジカメを使うことがほとんどなので出番がなくなってしまったが、電池を交換すれば今でも使うことができるはずだ。

 前面にスカイライトフィルターが最初から付いているらしく、空が異様に青く写ることがあるのと、夕暮れなどに建物がかなり青く写るあたりはちょっと気になるところだった。一眼レフカメラのようには素直な色にならないことが多く、朝夕の撮影にはあまり向かない。だがお天気の日中の写真はまずまず。コンパクトでも結構きれいに撮れるなぁと思うことが多かった。マニュアルのカメラで苦心して露出などを決めるより、何も考えないでシャッターボタンを押すだけで、それなりの写真が撮れるのは魅力だ。海外の人混みで、ちゃちゃっとスナップを撮るにはもってこいである。
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