[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]
/ (2024年02月03日[土])
(長周新聞)《能登町や珠洲市は30㌔圏外だが、半島の先端にあるため、原発災害のさいは原発に向かって逃げることをよぎなくされる》、《さらに地震直後、珠洲市長は「市内の6000世帯のうち9割が全壊またはほぼ全壊だ」と災害対策本部会議で窮状を訴えた。この時点で防災指針にある「屋内退避」は机上の空論であり、このような原発事故の防災指針・「避難計画」は現実とかけ離れていることが浮き彫りになっている。自治体が膨大な時間と労力をかける計画策定や避難訓練などもアリバイに過ぎず、「安全神話」醸成のためのパフォーマンスに過ぎなかった》。
核発電「麻薬中毒」患者・「原発ゾンビ」の皆さん、「想定外」と言う勿れ…能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所。これまでの教訓は何処に? 今回も、志賀原発が再稼働していなかったという幸運が重なったに過ぎない。大島堅一さん《「日本は世界にも稀(まれ)な地震、自然災害大国。現行の規制基準に重大な欠陥があり、避難態勢にも実効性がない。現在稼働する全ての原発をただちに停止させるべきだ」と語った》…この常識が、3.11東京電力福島核発電所人災、そして、2024年1月1日以降も根付かない、狂気なニッポン。次も幸運に恵まれるとは思えないのだが…。
そして、珠洲核発電所建設計画の凍結、本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動28年》。本当に頭の下がる思いだ。《今回の能登半島地震で珠洲原発の予定地だった高屋地区の海岸線は数メートル隆起した。もし原発があったら大打撃を受けた可能性もあった。前出の井上さんは「原発事故が起きたら、能登はなくなっとったかもしれんね」。塚本さんは淡々と語る。「言葉を尽くすより、あの様子を見て想像がつくでしょう。やっぱり日本に原発を造れるところなんてどこにもないね、と」》(こちら特報部)。
岸本拓也記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/珠洲原発を止めて「本当によかった」 無言電話や不買運動に耐えた阻止活動28年の感慨】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/304462?rct=tokuhou)。《能登半島地震の震源地近くに建設が計画されていた「珠洲(すず)原発」。建設予定地だった石川県珠洲市高屋町は、今回の地震で住宅の大半が壊れ、陸路も海路も閉ざされて孤立状態に陥った。もし原発が実現していたら、重大事故が起きて住民の避難がより困難になった可能性もあった。建設を阻止したのは、住民らの長年にわたる根強い反対運動だった。どのような思いで止めたのか。(岸本拓也)》。
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ』
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら』
『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》』
『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)』
『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…』
『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/304462?rct=tokuhou】
こちら特報部
珠洲原発を止めて「本当によかった」 無言電話や不買運動に耐えた阻止活動28年の感慨
2024年1月23日 12時00分
能登半島地震の震源地近くに建設が計画されていた「珠洲(すず)原発」。建設予定地だった石川県珠洲市高屋町は、今回の地震で住宅の大半が壊れ、陸路も海路も閉ざされて孤立状態に陥った。もし原発が実現していたら、重大事故が起きて住民の避難がより困難になった可能性もあった。建設を阻止したのは、住民らの長年にわたる根強い反対運動だった。どのような思いで止めたのか。(岸本拓也)
◆あと1年続いてたら僕らがつぶれていた
「どこで何があるか分からん。本当に珠洲原発を止めて良かった」
(珠洲原発の反対運動のリーダー的な存在だった
塚本真如さん=17日、石川県加賀市で)
今回の地震で被災した高屋地区にある円龍寺の住職・塚本真如さん(78)は今月中旬、同県加賀市にある2次避難先のホテルで「こちら特報部」の取材にほっとした様子で語った。
珠洲原発計画の反対運動で中心的な存在だった塚本さん。1975年に持ち上がった計画は、住民の反対運動と、それを切り崩す電力会社側との28年に及ぶ「闘争」の末、2003年12月に凍結された。塚本さんは「あと1年粘られたら、つぶれとったのは僕らの方やった」とかつての日々を振り返る。
◆関電は飲食や視察旅行で懐柔を図る
関西、中部、北陸の3電力は1976年に正式に原発計画を公表した。しかし、関電が建設計画を進めた高屋地区では当初、住民のほとんどが反対していたという。そこへ関電側が住民の懐柔に動いた。「タダで飲み食いさせたり、原発視察名目の接待旅行に何度も招いたり。芸能人を呼んだ住民向けのコンサートも開かれた。僕は一度も行かなかったけど、最後は住民が飽きて視察に参加しなくなるほどだった」
(かつて珠洲原発反対派の拠点となった円龍寺も、地震で
大きな被害を受けた=石川県珠洲市で(塚本さん提供))
関電から、地域の祭りで使う奉灯「キリコ」の収納庫や農作物の保冷庫などを建てるための多額の寄付もあった。原発予定地の土地を貸して、億単位の賃貸料を得た住民もいたという。「カネ」の力の前に、一人また一人と賛成に回り、地域は分断されていった。
◆「安全はウソ」 学ぶほど疑念は確信に
計画が持ち上がった当初、塚本さんは原発に賛成でも反対でもなかった。しかし、「推進、反対の本を100冊は読んだ。学ぶほど、安全はウソで固められていると疑うようになった。放射能と人間は共存できんなと」。米スリーマイル島や旧ソ連チェルノブイリでの原発事故もあり、疑念は確信に。反対運動へ深く関与していった。
(珠洲市役所で座り込みをした反対住民らの動きを
報じる1989年5月23日付の北陸中日新聞記事)
転機となったのが、関電が高屋地区での原発建設に向けた現地調査に乗り出した89年5月。塚本さんを含めた住民たちは調査に入ろうとする関電の車列を阻止し、市役所で約40日間にわたる座り込み抗議を始めた。円龍寺は反対運動の拠点となった。
「それまで表に出ないようにしていたが、このときは大声を上げた。行動しないと何もならんと。知らん間にリーダー的な存在に祭り上げられていた」と塚本さん。住民らは念仏を唱えて道路に座り込んだ。調査を中断に追い込んだ。
◆「絶対に推進派の個人攻撃だけはするな」
この頃から原発を巡る対立は激しくなっていく。高屋地区では住民の賛否が分かれる中で、毎年秋の住民運動会が中止された。生活雑貨店を営み、原発に反対した井上伸造さん(76)は「『反対派の店で物を買うな』と、不買運動も起きた」と明かす。
塚本さんへの圧力も強まった。自宅では連日、無言電話が鳴り、電話が盗聴されたとしか思えない内容が書かれた手紙などが届いた。嫌がらせは、計画が凍結されるまで10年以上続いた。推進派に包丁を突きつけられたこともあった。しかし、「絶対に推進派の個人攻撃だけはするな」と周囲に何度も言い続けた。
◆住民のわだかまりは「もう過去のこと」
反対派で建設予定地の土地を共有化したり、関電株を買って計画撤回の株主提案をするなどして手を尽くした。原発に反対する政治家を増やそうと、県議選や市長選などにも関わった。「強い者の味方をしたら坊主じゃない」という父の教えが行動を後押しした。
(珠洲原発反対派の会合で、「凍結」に涙を浮かべる
女性たち=2003年12月5日、石川県珠洲市で)
塚本さんらの反対もあり、3電力側は2003年12月ついに計画凍結を発表した。11年の東京電力福島第1原発事故の後には「珠洲に原発はなくて良かった」と、推進派だった住民が塚本さんに話しかけてきたことも。だが、今では原発が住民の話題に上ることもない。住民同士のわだかまりは「もう過去のこと」だという。
今回の能登半島地震で珠洲原発の予定地だった高屋地区の海岸線は数メートル隆起した。もし原発があったら大打撃を受けた可能性もあった。前出の井上さんは「原発事故が起きたら、能登はなくなっとったかもしれんね」。塚本さんは淡々と語る。「言葉を尽くすより、あの様子を見て想像がつくでしょう。やっぱり日本に原発を造れるところなんてどこにもないね、と」
◇
◆事業者による活断層評価は「明らかに過小」
(高屋地区につながる峠道は激しく損傷し、車の通行が
困難になった=石川県珠洲市で(吉田華子さん提供))
東京電力福島第1原発事故後、市民の立場で脱原発を求める発信・提言を続けている「原子力市民委員会」は、今回の能登半島地震で、地震や津波が頻発する日本の原発の危険性があらためて浮き彫りになったとして、18日にオンラインシンポジウムを開いた。
「事業者による活断層評価は明らかに過小評価だった。数メートルに及ぶ地盤の隆起や変異を原発の安全設計に組み込むことはできない」「社会インフラが機能不全に陥った。原発事故発生時に避難や機材、人員の増強は不可能だと分かった」
座長を務める龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)が、今回の震災で浮き彫りになった、志賀原発の問題点を列挙した。
◆地割れが隆起が起きたら、原発は持たない
「原発にとって脅威なのは、想定していない揺れが起こること」と「想定外」の地震の怖さをあらためて訴えたのは、元東芝原発設計技術者の後藤政志氏。志賀原発1号機の直下には活断層が走っていると一時は評価されたが昨年、覆った。「この断層を元に地震が起きると強く主張するわけではない。他で大きな地震が起きた時に連動して揺れ、原発に影響を与えるんじゃないか、という心配をしている」。その上で、「地割れや隆起が起きれば、原発は持たない。原発を断層のない安定した地盤の上に設置することは最低限必要。能登半島地震は原発の危険性を突きつけている」と訴えた。
原子力資料情報室の松久保肇事務局長は使用済み核燃料(SF)について言及した。北陸電は仮に全電源が喪失した場合、SF冷却プールが100度に達するのは1号機で17日間、2号機で29日間と推定している。だが、松久保氏は「志賀原発は長時間停止しており、SFの発熱量がかなり下がっているからこれだけ時間がかかる。停止直後ならこんなに余裕はなかった、ということになるだろう」と話す。津波についても「今回は原発に3メートルの津波が来たとされているが、3メートル以上来たらどうなるか。海水ポンプも壊れていたのではないか」と危惧する。
◆徒歩も自動車も、屋内退避もままならない
(地盤の隆起で海底がむき出しになった
珠洲市の沿岸=9日)
一方、環境経済研究所の上岡直見代表は、石川県が策定した避難計画で指定する道路の多くが寸断されたとし、「原発避難は30キロ、数十キロ移動する。徒歩は考えられない。自動車で移動するのかといったら駄目ということ」と断じた。
今回は、多くの家屋が倒壊しており、屋内退避もままならない。上岡氏は「仮に倒壊しなくても、ライフラインが途絶すれば屋内退避はできない」とする。さらに、避難時に放射性物質が衣服や体に付着していないか調べる場所「スクリーニングポイント」の開設や、ヨウ素剤の配布も困難だと指摘した。
大島氏は「日本は世界にも稀(まれ)な地震、自然災害大国。現行の規制基準に重大な欠陥があり、避難態勢にも実効性がない。現在稼働する全ての原発をただちに停止させるべきだ」と語った。(宮畑譲)
◆デスクメモ
10年前、大飯原発の運転差し止め命令を出した樋口英明元福井地裁裁判長は13日、「当時の人たちのおかげ」と、珠洲原発を止めた塚本さんらに感謝した(16日東京新聞茨城版)。その感謝の輪に、関電も加わるべきだ。珠洲原発が実現していたら、何が起きたか想像もつかないのだから。(歩)
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【関連記事】志賀原発「異常なし」から考えた 運転中だったら?「珠洲原発」だったら? 震度7の地震は想定内なのか
【関連記事】かつて原発計画、能登地震の震源 「珠洲」凍結 住民に感謝 元裁判長・樋口さん、つくばで講演
【関連記事】石川県「能登でM8.1」試算を知りながら防災計画は「M7.0」想定 知事は「震災少ない」と企業誘致に熱
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[『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著、ちくまプリマ―新書257)↑]
(2023年03月10日[金])
青木理さん「そうした出演者を含め、おかしなことにはおかしいと、政権にとってみれば耳の痛いことも果敢に物申してきた。逆に言えば今回の文書は番組にとって名誉かもしれません。『一強』を謳歌(おうか)した長期政権にそれほど嫌悪され、敵視されていたということは、時の政権を監視するというメディア本来の使命を果たしてきた証左とも言えるわけですから」。
アベ様直伝の息吐くようなウソ吐き…「礒崎さんという名前は今年3月になって初めて聞いた」!? 「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」。「報道の自由」「知る権利」「権力の監視」を委縮させた問題についての高市早苗元総務相のタンカ…。(琉球新報)《しかも高市氏に対する質疑内容について官邸は「こちらの方で質問立てしたい」との意向を総務省に伝えていた。まさに自作自演》だった。青木理さん《礒崎氏が自身のコントロール可能な議員に“ヤラセ質問”をさせ、官邸の意向に沿う答弁を総務大臣にさせることで、放送法の解釈を変えてしまおうという構図であり、論外です》。この問題、有耶無耶でいいのか?
『●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と
「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」』
『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の
「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか、それとも…』
『●「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」…《「捏造文書
でなければ大臣も議員も辞職するか」と問われて「結構ですよ」と答弁》』
『●《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は「中立
公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。それ、常識。》』
東京新聞の【<コラム 筆洗>テレビ司会者の関口宏さんに『テレビ屋独白』という著書がある…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/235670?rct=hissen)によると、《▼一つの番組ではなく局の番組全体をみて判断するという従来の政府解釈だけでは納得せぬらしい補佐官。「とにかくサンデーモーニング」「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す」と言ったらしい▼首相の同意を経て、一般論として一つの番組でも極端な場合は政治的公平を確保しているとは認められないと高市早苗総務相が国会で答弁すると補佐官はその旨ツイッターで発信した。成果を誇ったのか▼関口さんは恐怖心を「横に置くしかない」と記す。それを自覚しつつ囚(とら)われずに番組をつくろうという趣旨らしい。不特定多数の目がもたらすこの恐怖以外にテレビマンに強いていいものなどなかろう》。
斎藤美奈子さん《メディアの役目は「中立公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。それ、常識。》 (日刊ゲンダイ)《第2次安倍政権以降、権力は公然と大手メディアに圧力をかけ、萎縮したメディアによる忖度は常態化し、「権力の監視」は骨抜きにされた。大きな転換点となったのが、2015年5月に示された放送法の政治的公平性をめぐる「新たな解釈」の追加だ。政権に批判的なメディアに対する圧力を強めるため、…》。
dot.のインタビュー記事【総務省文書で名指しされた『サンモニ』出演の青木理氏 政権からの敵視は「番組にとって名誉」なこと】(https://dot.asahi.com/dot/2023030900006.html)によると、《3月2日、立憲民主党の小西洋之参院議員が国会内での記者会見で公表した総務省の「内部文書」は、当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相の進退問題にまで発展している。文書の中身について、小西氏が「超一級の行政文書」と言えば、高市氏は「悪意を持って捏造されたもの」と反論。「この文書が捏造でなければ大臣も議員も辞めるか」と小西氏に追及されると、高市氏は「結構ですよ」と答えるなど激しい応酬が続いている。同文書には、具体的な番組名としてTBS系の報道番組『サンデーモーニング』などが挙げられているが、当の出演者は何を思うのか。同番組にレギュラー出演しているジャーナリストの青木理氏に問題の本質を聞いた》。
以下、Arc Timesの録画映像もご覧ください。
【Arc Times The News ● 総務省文書の衝撃 安倍政権から続くメディア攻撃 / 今後の日韓 / 少子化と首相の迷走【青木理、望月衣塑子、尾形聡彦】】
(https://www.youtube.com/watch?v=SnOmjz8kDOg)
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/235670?rct=hissen】
<コラム 筆洗>テレビ司会者の関口宏さんに『テレビ屋独白』という著書がある…
2023年3月10日 07時05分
テレビ司会者の関口宏さんに『テレビ屋独白』という著書がある▼自身も含む「テレビ屋」の敵は視聴率や裏番組ではなく自身に巣くう「恐怖心」だという。人が恐れるのは人の目。多数の視聴者の目を意識するゆえ恐怖心は生まれる。「これじゃ視聴者が逃げてしまうのではないか」とあざとい策に走り空回りすることも。おびえては一人前になれぬが、恐怖心はなくならないという▼関口さん司会で、出演者が政権批判を厭(いと)わぬTBSの番組『サンデーモーニング』。偏向しているとみる安倍政権の礒崎陽輔首相補佐官が約八年前、放送法の政治的公平の解釈をめぐり担当官僚らに働き掛けたことを官僚が記録していた▼一つの番組ではなく局の番組全体をみて判断するという従来の政府解釈だけでは納得せぬらしい補佐官。「とにかくサンデーモーニング」「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す」と言ったらしい▼首相の同意を経て、一般論として一つの番組でも極端な場合は政治的公平を確保しているとは認められないと高市早苗総務相が国会で答弁すると補佐官はその旨ツイッターで発信した。成果を誇ったのか▼関口さんは恐怖心を「横に置くしかない」と記す。それを自覚しつつ囚(とら)われずに番組をつくろうという趣旨らしい。不特定多数の目がもたらすこの恐怖以外にテレビマンに強いていいものなどなかろう。
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【https://dot.asahi.com/dot/2023030900006.html】
総務省文書で名指しされた『サンモニ』出演の青木理氏 政権からの敵視は「番組にとって名誉」なこと
サンデーモーニング 023/03/09 09:33
上田耕司
(ジャーナリストの青木理氏)
3月2日、立憲民主党の小西洋之参院議員が国会内での記者会見で公表した総務省の「内部文書」は、当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相の進退問題にまで発展している。文書の中身について、小西氏が「超一級の行政文書」と言えば、高市氏は「悪意を持って捏造されたもの」と反論。「この文書が捏造でなければ大臣も議員も辞めるか」と小西氏に追及されると、高市氏は「結構ですよ」と答えるなど激しい応酬が続いている。同文書には、具体的な番組名としてTBS系の報道番組『サンデーモーニング』などが挙げられているが、当の出演者は何を思うのか。同番組にレギュラー出演しているジャーナリストの青木理氏に問題の本質を聞いた。
【写真】文書にはかつてメディアで話題になった「女性総務官僚」の名前も
(※引用者注: アノ山田真貴子元内閣広報官のこと)
* * *
青木氏はまず、この文書を読んだ感想をこう話す。
「極めて異常なことが、当時の安倍晋三政権の内部、総務省の内部で起きていた事実が見事に浮かび上がる文書です。ある意味で、安倍政権の体質が凝縮されていると思いました」
文書の信ぴょう性については、7日午前に松本剛明総務相が「すべて総務省の行政文書であることが確認できた」と認めた。ただ、記載されている内容には正確性が確認できない部分があるとして、引き続き精査が必要だとも付け加えた。
一方、高市氏も同じく7日午前の会見で自身が登場する4枚の文書について「内容が不正確であるということに確信を持っている。ありもしないことをあったかのようにつくるというのは捏造だ」と一歩も引かない構えだ。
文書の内容は、当時、安倍氏の首相補佐官だった礒崎陽輔氏が放送法の「政治的公平性」についての解釈を変えようと総務省に働きかけたというもの。これにより、従来は『放送事業者の番組全体を見て判断する』とされてきたテレビ局の政治的公平性に、『一つ一つの番組を見て全体を判断する』という新たな解釈が加わった。
礒崎氏は3日、ツイッターで「総務省と意見交換をしたのは事実」と、総務省に働きかけたことを認めたが、青木氏はこう問題視する。
「時の政権の一員である首相補佐官の礒崎氏が総務省に迫り、文書にもあるような“ヤクザ”まがいの恫喝も交え、民主社会の根本たる言論・表現や報道の自由に関する法令解釈変更を裏で迫るのは大問題です」
2015年1月29日付の文書の中で、礒崎氏は官邸でこう言ったと記載されている。
「総理がどう仰るかにもよるが、いつ誰が質問するかは慎重に決めたい。(補佐官は質問に立てないので)質問は補佐官がきちんとコントロールできる議員にさせる」
それに対して、情報流通行政局長は「実際に国会で質問いただく場合、総務省としては、今回整理した『極端な事例』の適否について質問者から例示いただく形(中略)にしていただきたい」などと答えている。
「礒崎氏が自身のコントロール可能な議員に“ヤラセ質問”をさせ、官邸の意向に沿う答弁を総務大臣にさせることで、放送法の解釈を変えてしまおうという構図であり、論外です。そもそも放送法が定める政治的公平性とは、時の政治権力の介入などで放送をゆがめてはならないという趣旨であり、むしろテレビ局の自主性、独立性を担保するもの。一方、総務省の従来の解釈は『放送事業者の番組全体』で判断すると一定程度は自制的なものでしたが、今後は『極端な場合』は『一つの番組』でもダメだと踏み込んだ。しかも礒崎氏は文書の中で『けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要がある』とまで言い放っている。あまりに露骨な言論、報道の自由への政治介入、直接的なメディア攻撃です」(青木氏)
そして、礒崎氏が主張する「政治的公平性」の解釈について、こう批判する。
「文書の中で礒崎氏らが盛んに言っているのは、国民的に議論が二分されるテーマは公平にせよということです。たとえば特定秘密保護法にしても安保法制にしても、政権は何が何でも押し通したいが、反対する声は大きかった。実際、それぞれの政策には重大な問題もあった。それが政権側から見れば『国論を二分』という理屈になるのでしょうが、それでメディアに『政治的公平性』を保てということは、『政権批判をやめろ』という意味に等しい。批判をするなら同じ分量で政権の立場も伝えろ、ということになれば、物事はすべて相対化され、時の政権や各種権力を監視するメディアとジャーナリズムの使命は死にます。結局のところ、政権に批判的なメディア、番組をつぶしたいのが本音なのでしょう」
当時、文書の中で問題のある報道として名指しされていた番組は『サンデーモーニング』『NEWS23』(ともにTBS系)、『モーニングバード』『報道ステーション』(ともにテレビ朝日系)などがあった。
15年3月5日付の文書には「サンデーモーニングはコメンテーター全員が同じことを述べている等、明らかにおかしい」という礒崎氏の発言が記録されている。青木氏は『サンデーモーニング』にレギュラー出演しているが、政権からの圧力を感じたことはあるのだろうか。
「私はいち出演者ですから、直接的圧力はありません。ただ、こうした政権の態度はテレビ局、あるいは制作陣に直接、間接的に影響を及ぼすでしょう。また、18年に亡くなられた『NEWS23』のキャスターだった岸井成格さんは、安倍晋三氏と相当な遺恨があったのではないでしょうか。岸井さんは毎日新聞の政治部時代、安倍氏の父親である晋太郎氏の番記者であり、晋三氏の素顔もよく知っている。今回の文書が記す放送法問題と同時期、安倍氏の応援団は岸井さんを攻撃する新聞広告を出しています。政権が『サンデーモーニング』などに異様な敵意を示したのは、長く番組に出演した岸井さんへの遺恨ゆえかもしれません」
実際、『サンデーモーニング』はどういうスタンスで報道していると青木氏は感じているのか。
「5日、司会の関口宏さんが番組で言っていましたが、『われわれはこの番組の姿勢を淡々と貫いていかないといけない』ということに尽きるのではないですか。実際、『サンデーモーニング』が偏っているわけではなく、番組のコメンテーターには元自民党議員や外務省の元事務次官も出演してきましたし、保守系の外交評論家だった故・岡本行夫さんも長く出演されていました。ただ、そうした出演者を含め、おかしなことにはおかしいと、政権にとってみれば耳の痛いことも果敢に物申してきた。逆に言えば今回の文書は番組にとって名誉かもしれません。『一強』を謳歌(おうか)した長期政権にそれほど嫌悪され、敵視されていたということは、時の政権を監視するというメディア本来の使命を果たしてきた証左とも言えるわけですから」
一方、高市氏は前述のように、文書の一部を「捏造だ」と主張している。高市氏が「私が出てくる4枚」と言ったものの一つにあたると思われる15年2月13日付の文書には、当時、総務相だった高市氏が大臣室でこう発言したとある。
「そもそもテレビ朝日に公平な番組なんてある? どの番組も『極端』な印象。関西の朝日放送は維新一色。維新一色なのは新聞も一緒だが、大阪都構想のとりあげ方も関東と関西では大きく違う」
この発言に対して、青木氏はこう批判する。
「現実にさまざまなテレビ番組があり、中には劣悪な番組があるのも事実でしょうが、時の政権や閣僚が自らの尺度で『公平性』を押しつけるのは、まさに政治権力の横暴であり、メディアへの政治介入です。まして放送行政をつかさどる総務大臣が『これは極端』などと断ずるのは放送メディアに対する介入であり、許されないことです」
15年3月9日付の文書は「高市大臣と総理の電話会談の結果」とあり、「政治的公平に関する件で高市大臣から総理に電話(日時不明)」と記載されている。高市氏はこれについて「日時不明で私が安倍首相と会話したと書いてあるが、私の電話を誰かが盗聴でもしているのか」と反論したと報じられた。青木氏は言う。
「本当にそういう電話があったのかは知りませんが、一般的に官僚は政治家に忖度するものです。まして官僚は時の大臣の意向に沿って仕事をするわけですから、大臣が誰と会って何を話したか、どういう意向を持っているか、日常的に目と耳をそばだてて情報収集する。それを公文書として保存するか否かはともかく、メモとして残しておくのは生来の習性でしょう」
そして、こう続ける。
「そんな官僚たちが、大臣の発言や行動に関する文書を捏造するとは考えられず、そんなことをしても何の得もない。むしろ、できるだけ正確に記録するでしょう。実際、礒崎氏は放送法解釈に関する働きかけを総務省にしていたことを認め、現実にそれが高市大臣の国会答弁に反映されているわけですから、文書が記す細かい日付や発言のニュアンス等は精査が必要でも、文書のほとんどは真実だと考えるのが自然でしょう」
だが、青木氏は政局的な動きに矮小化すべきではない、と語る。
「高市氏は『捏造でなかったら辞める』と断言してしまったので一種の政局になっていますが、問題の本質は放送法の不当な解釈変更であり、そのやり口であり、『けしからん番組』は『取り締まる必要がある』とまで言い放って報道の自由に露骨な介入を企てた安倍政権の姿勢です。もちろん高市氏は当時の総務大臣であり、当事者でもありますから、私は辞任が当然だと考えますが、高市氏の進退問題だけに目を奪われるべきではない。政治とメディアの関係、そもそもメディアはどうあるべきか、そして放送法とは何か、さらには安倍政権の本音や体質は岸田政権にも色濃く受け継がれているのではないか、これを機に考察すべき論点はたくさんあります」
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[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]
(2023年02月07日[火])
そして、いまや、「妖怪の孫」どころかひ孫までもが…。
スッゲェなぁ、山口2区、4区…《…信千代 (信千世のミス?) も東京生まれの東京育ちで、山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》。《当選するか、しないかは地元有権者の判断次第》(日刊ゲンダイ)、さて、山口2区の皆さんの判断は?
『●スッゲェなぁ、山口2区、4区…《…信千世も東京生まれの東京育ちで、
山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》』
『●岸信夫前防衛相の辞職にともない、後継候補としての信千世氏が「家族
の意志を受け継ぐ」と表明…どこまで私物化すれば気が済むのか?』
再々度引用。長周新聞の【コラム 狙撃兵】…(信千世のミス?➙) 《岸信介から数えると世襲4代目へのバトンタッチということで、このご時世になんと厚かましいといおうか、いったいいつまで国会議員ポストを特定の一族で私物化するつもりなのだろうか…という思いしかない。選挙区が「地元」といっても、岸信夫もその子息である信千代も東京生まれの東京育ちで、山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない。もともとこの地をルーツにした世襲政治家一族が握って離さない選挙区というだけなのである。地元の人々にとっては、「信千代? 誰だよそれ」が一般的であり、見たことも話したこともない若造にほかならないが、このまますんなりと30そこらの4代目を担いで岸家の命脈を継承するというのだろうか。同じ山口県民として、選挙区は違えど2区の人たちの心境やいかばかりかと慮る》。
さて、『妖怪の孫』。
長周新聞の記事【映画『妖怪の孫』――安倍晋三がもたらしたのは美しい国か、妖怪が棲む国か? 監督・内山雄人】(https://www.chosyu-journal.jp/review/25992)によると、《あれだけ世間を騒がせたモリカケ桜も統一教会の問題も、今ではまるでなかったかのような空気をメディアが醸し出すなか、安倍晋三元首相やその背景を改めて検証することで、彼は日本になにをもたらしたのか、今の自民党や岸田政権はどこへ向かおうとしているのかを、ユーモアたっぷりに描いた映画『妖怪の孫』が完成した。制作したのは、菅義偉元首相のドキュメンタリー『パンケーキを毒見する』をつくった内山雄人監督とそのスタッフだ。その時々の実際の映像と、右左関係なく関係者に突撃インタビューした内容をつなぎ、そこに突っ込みを入れるという、マイケル・ムーアを彷彿とさせる手法をとっている。3月17日からの全国公開を前に、2月23日には特別限定上映会「サクラが見る会」が、一日にはマスコミ試写会がおこなわれた。映画『妖怪の孫』はなにを描いているのか――。》
『●自公お維支持者はカースー独裁《パンケーキ政権を毒見》して…
「私は選挙に影響する映画をつくりたい」(河村光庸プロデューサー)』
『●《最初はふわふわ膨らんでおいしそうだったのに、だんだんしぼんで、
中から出てきたものは……? 菅パンケーキ政権の実態に迫った…》』
【3月17日公開!『妖怪の孫』公式サイト】
(https://youkai-mago.com/)
アベ様著『安倍晋三 回顧録』(アノ北村滋氏が監修らしいいです。中央公論新社、2023/2/8)が出版されたそうです。
昔のつぶやき: 「■昔のブログ: ヨイショ本・礼讃本『安倍晋三の真実』が伝えない、「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」という事実。キョウソ様ともはやカルトなディストピアの信者様方。「選挙妨害…」について問題にし続けていた山岡俊介さんは謎の事故…。国内はさておき、世界に拡散中(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c1777c7973a737c55a9d935e31ca085c)」。
アノ山口敬之氏には《安倍ヨイショ本『総理』(幻冬舎)》なんてのもありました。
それよりも、『「安倍晋三」大研究』の方が面白いですよ。
『●ヨイショ本・礼讃本『安倍晋三の真実』が伝えない、
「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」という事実』
《◇武富士事件と同様に記者クラブメディアは沈黙するが…》
《また、警視庁が、犯歴情報という個人情報を消費者金融の武富士に流し、
武富士からはお中元お歳暮などが出ていたほか、個人の信用情報を警察に
流していた事件(いわゆる武富士事件)も、
山岡氏は積極的に取材していた》
《しかし、山岡氏自宅電話の盗聴を指示していたとして、武富士の
武井保雄会長が03年12月2日、電気通信事業法違反容疑で逮捕され、
形成は一気に逆転した》
《国会という場で「早く質問しろよ! 」とヤジを飛ばし、挙げ句、
市民に向かって指を指して「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
などと口走る、あの人が、“悪口を言わない”“意地悪をやろう
と思ったことがない”って……。》
『●『「安倍晋三」大研究』(望月衣塑子&特別取材班著)読了
…《「なぜ安倍さんは〈噓〉をつくのか」という…疑問…》』
「《『安倍三代』…を書き上げた青木理さんは若き日の安倍晋三を
評して「恐ろしくつまらない男だった」とし…》(p.83)、それが、
今やニッポン国の首相。」
財務省の公文書改ざん強制問題について、「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」。数多のアベ様案件の一つ、《メディアコントロール》の下、「報道の自由」「知る権利」「権力の監視」を大きく委縮させた問題についての高市早苗元総務相のタンカ…。有耶無耶にしていいのか…(リテラ)《国民の「知る権利」を侵害するかたちでこのまま「真偽不明」で闇に葬られる可能性は高い》。さて、「捏造」でないことが分かった今、高市早苗氏の「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか…。
日刊ゲンダイの記事【注目集まる放送法文書の真贋 総務省から怒りの内部告発続出!“安倍政権の膿”噴出の可能性】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319629)によると、《放送法の政治的公平性の解釈を巡り、安倍政権が総務省に圧力をかけた記録とみられる「内部文書」の真贋に注目が集まっている。省内から入手した文書を基に「個別の番組に圧力をかける目的で法解釈を変えた」と追及する野党に対し、岸田内閣が「文書は捏造」「文書の正確性、正当性に疑義」と主張しているからだ。この政府の態度に、総務省内部から怒りの声が噴出。今後、内部告発が続出する可能性がある》。
もう一つ、同紙の記事【総務省の内部文書に“クビ”を懸けた高市早苗氏の大誤算…行政文書認定でも「捏造」強調】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319680)によると、《「捏造でなければ辞職」と威勢よくタンカを切ったものの、どうも旗色がよくない。高市早苗経済安保相にとっては誤算だったのではないか。放送法の政治的公平性の解釈をめぐり、第2次安倍政権が総務省に“圧力”をかけたとされる内部文書が注目を集めていたが、松本総務相が7日午前、「すべて総務省の行政文書であることが確認できた」と明らかにした》。
さらにもう一つ、【放送法の公平性「番組全体を見て」は麻生太郎氏の04年国会答弁 安倍官邸に解釈“歪曲”疑惑】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319656)によると、《放送法に基づく政治的公平性は「一つの番組」ではなく、「番組全体」を見て判断する――。麻生氏が国会でこう断言していたにもかかわらず、いつの間にか「一つの番組でも判断し得るケースがある」と変更されたわけで、小西氏が「都合のいい解釈に放送法が私物化されている」と指摘するのも当然なのだ》。
『●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と
「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」』
リンク 『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の
「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか、それとも…』
りんく 『●「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」…《「捏造文書
でなければ大臣も議員も辞職するか」と問われて「結構ですよ」と答弁》』
りんく 『●《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は「中立
公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。それ、常識。》』
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【https://www.chosyu-journal.jp/review/25992】
映画『妖怪の孫』――安倍晋三がもたらしたのは美しい国か、妖怪が棲む国か? 監督・内山雄人
書評・テレビ評 2023年3月6日
あれだけ世間を騒がせたモリカケ桜も統一教会の問題も、今ではまるでなかったかのような空気をメディアが醸し出すなか、安倍晋三元首相やその背景を改めて検証することで、彼は日本になにをもたらしたのか、今の自民党や岸田政権はどこへ向かおうとしているのかを、ユーモアたっぷりに描いた映画『妖怪の孫』が完成した。制作したのは、菅義偉元首相のドキュメンタリー『パンケーキを毒見する』をつくった内山雄人監督とそのスタッフだ。その時々の実際の映像と、右左関係なく関係者に突撃インタビューした内容をつなぎ、そこに突っ込みを入れるという、マイケル・ムーアを彷彿とさせる手法をとっている。3月17日からの全国公開を前に、2月23日には特別限定上映会「サクラが見る会」が、一日にはマスコミ試写会がおこなわれた。映画『妖怪の孫』はなにを描いているのか――。
3月17日から全国上映開始
映画は冒頭、「安倍さんはなぜ選挙に強いの?」と問いかける。確かに第二次安倍政権は選挙に勝ち続け、憲政史上最長の政権となった。
一つのカギはメディア戦略で、野党に転落した自民党がもっとも重視した。大手広告代理店と手を組んで「T2」を立ち上げ、どんな話題をとりあげればネット・ユーザーが反応するか、選挙運動にどう反映させるかを研究し、若者対象のネットファンクラブもいち早く立ち上げた。
そして、安倍政権になってからのメディアトップとの“濃厚接触”、頻繁な会食。「『ニューヨークタイムズ』の社長がオバマ大統領と食事することはありえない。メディアの独立を冒すからだ。政権と癒着すると読者の信頼を失う」とは、米国のジャーナリストの意見だ。
安倍政権は選挙前、在京テレビ局に「報道の公正・中立」を申し入れた。日本のメディアの選挙報道量の調査では、衆院選のあった2005年が300時間をこえていたのに対し、同じく衆院選のあった2014年は50時間をこえた程度に激減。それに比例して投票率が、2005年の67・51%から2014年の52・66%(戦後最低)にまで落ち込んだ。メディアが萎縮して選挙報道を減らし、連動して投票率は低下し、自民圧勝が演出されたわけだ。
安保法制強行採決のとき、ニュースキャスターの降板があいつぎ、高市早苗総務相(当時)の「電波停止」発言まで飛び出した。「報道の自由度ランキング」で日本は世界72位に。
しかし冷静に見れば、権力者の横暴は世の常。問題は、政権を監視する役割を持つはずのメディアの側があまりにも腰砕けで、政権とズブズブの関係になっていることだ。そもそも『朝日』『読売』『毎日』にせよ、NHKにせよ、日本のメディアは戦時中、天皇制政府の情報局の中枢におり、「鬼畜米英」「一億玉砕」を煽って国民の犠牲を増やした側だ。それが敗戦後、新聞社の解散を免れてその体質を温存したまま、対米従属下の政府広報紙になって今に至る。
メディアの問題といえば、映画の中に出てくる霞ヶ関の現役官僚たちの覆面座談会には、思わず身を乗り出した。財務省の公文書改ざん問題が論議されるなか、「マスコミにネタを提供しても、新聞社内で通らないんだ。社内で握りつぶされる。ひどいですよ。場合によっては自分が通報されてるんじゃないかという気すらした」「マスコミには二重スパイがいて、マスコミにいろいろ聞かれたことがいつの間にか上司に伝わっていて、身の危険を感じたことがある」。心ある有能な新聞記者たちが大手新聞社を次々に去っていくはずである。
安倍晋三が強いわけではない。「選挙に勝てば正義」という理屈だが、憲政史上最長の政権は、メディアと野党に支えられた砂上の楼閣だ、問題は国民がそれに気づくことなのだ、とのメッセージを受け止めた。
岸信介から続く系譜
(「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介)
次に「安倍さんはどんなふうに育ってきたの?」に画面は移る。
長年安倍晋三を取材してきた年輩のジャーナリスト。机の上にはオフレコの取材メモの山。安倍晋三の生育過程について、いったいなにが明かされるのか。
「(小さい頃)あの子は強情で、一度いい出したら聞かない子だった」
「宿題やったの? といったら、やったよというが、ノートを見ると真っ白だった」
「(両親の愛情不足から)かまってほしいタイプ」
「中学生になっても乳母のふとんにもぐりこんでいた」
「(大学生のとき)大学校内をアルファロメオで走っているバカがいると評判になった」
「勉強はしなかった。卒業できたのは“要領”だといっていた」
このジャーナリストが示した安倍晋三の本音の政治信条とは、「要領のいい演出家」。みせかけ政治とやってる感。「アベノミクスもやってる感なんだから。成功とか不成功とかは関係ない」。ちょっと軽すぎないか? こうした幼少期からの自分の弱さやコンプレックスを隠して、安倍晋三が目標としたのは誰か?
父方の祖父は安倍寛で、戦時中は大政翼賛会に抗って出馬し当選した、反骨と平和主義の人として地元では信頼が厚い。しかし彼がめざしたのは、それとはまったく方向性が異なる、「昭和の妖怪」と呼ばれた母方の祖父・岸信介だった。
岸は戦前、満州国経営の中心人物の一人で、東条内閣の閣僚の一員。戦後はA級戦犯として投獄されるが処刑を免れ、米国に拾われて、出獄からわずか9年で首相に登り詰める。CIAとの癒着もとり沙汰された。やったことは日米安保条約改定で、「米国の戦争に巻き込まれる」と全国的な60年安保反対闘争が巻き起こった。
「なんでも一番でないと気が済まない安倍晋三さんは、憲法改正をやって岸信介をこえようと思ったんだ」
安倍8年とは何だったか
(映画『妖怪の孫』の一場面)
そんな安倍晋三が手を染めたのがモリカケ桜、集団的自衛権と安保法制。統一教会との関係も、安倍政権8年で一気に強まった。
「もし私や妻がかかわっていたのなら、総理大臣も議員も辞める」といって財務省近畿財務局職員の赤木俊夫氏を自殺に追い込み、「ウソなんかつくわけないじゃないですか」といって虚偽答弁を118回おこなった、安倍晋三元首相。「知りうる立場にあったが、実際には知らなかった」など、かなり無理のある国会答弁の映像が続く。
これも霞ヶ関の官僚たちの覆面座談会だが、財務省の公文書改ざんについて、「個人的にはものすごくショックだった。総理が平気で嘘をつくのだから。そして赤木さんがあんなことになって…」と語る言葉に無念さがにじむ。
「国民の公僕として本当に正しいことを直言する、という精神文化はまったく失われた。ポーンと首が飛ぶのだから。それを露骨にやり始めたのが安倍政権」「今の政権の方向性と違うことは一切考えるなと上司からいわれた」
さらに安倍政権は、それまで歴代政権が認めてこなかった集団的自衛権の行使を、内閣法制局長官をかえ、解釈改憲の閣議決定をして、行使容認に転換させた。これについても「今までの判例や学説をすべてひっくり返すようなものだ。自分の仕事をやるのがバカバカしくなる」「時の総理大臣がルールを無視してテロをやるんだ」と憤懣やる方ない。
安倍政権8年で、三権分立や法治国家といった国のあり方をぶっ壊してしまった。これに対して霞ヶ関の官僚のなかでも、いかに「いいかげんにしろ!」の思いが渦巻いているか。このあたり、ぜひ本作をみてほしい。
自民党と統一教会との関係も、「安倍さんが仲いいんだから、つきあわなかったら怒られる」(自民党議員)。統一教会と関係の深い議員が大臣やさまざまな役職に就き、国政に影響を与えてきた。きっかけは2009年、全国で統一教会の霊感商法が摘発され、渋谷区松濤の本部教会へのガサ入れも秒読みになったとき、止めたのが警察官僚出身の亀井静香だった。その後、第二次安倍政権では国家公安委員長に統一教会と親しい議員が次々と就任し、警察の捜査がゆがめられた。いまだに統一教会関係議員はおとがめゼロだ。
「政策がゆがめられた」のは、財界との関係でも同じ。自動車業界や化学業界など、自民党への大口献金が多い業界ほど、政策減税の恩恵が大きいことが数字にあらわれている。アベノミクスの結果、「賃金は上がらず、トリクルダウンは起こらなかった」(岸田首相)。一人当りGDPで日本は世界27位まで急降下し、先進国から脱落した。
火炎ビン事件の真相も
では、「安倍さんの選挙区はどうなっているのか?」
江島潔が下関市長であった時期、多くの公共事業の入札で官製談合が疑われたが、そのなかで安倍晋三ととくに関係の深い業者にかかわる入札といわれたのが、奥山工場ごみ焼却施設建設工事、新環境センター・リサイクルプラザ建設工事、下関市社会教育複合施設(ドリームシップ)整備運営事業の三つだ。映画では当時の本紙の記事を紹介しながら、なにがおこなわれていたのかに迫っていく。
このうち奥山工場ごみ焼却炉(落札価格110億925万円)とリサイクルプラザ(59億9550万円)は、安倍晋三の出身企業といわれる神戸製鋼を指名した入札で、ドリームシップ(下関市生涯学習プラザ)は安倍晋三の実兄が支社長(当時)をしていた三菱商事中国支社が落札した。
「私物化は昔からだった」。こうして彼らが利権をあさった結果、首相お膝元の下関は全国トップクラスで人口減少が進む街となった。閑散とした街の姿をカメラが映し出すのを見ながら、郷土を豊かにできない政治家が国を豊かにできるわけがない、と改めて考えさせる。
1999年の下関市長選で、安倍事務所が推す江島潔に対抗した古賀敬章に対して、「あいつは北朝鮮とつながっている」と誹謗中傷するビラをヤクザに配らせたあげく、その報酬を安倍事務所がケチったことに腹を立てたヤクザが、安倍晋三宅などに火焔瓶を投げ込んだ事件があった。映画では、この問題を国会の場で、山本太郎(当時、自由党)が「民主主義の根底をひっくり返すような、相手候補に対する選挙妨害を発注した」と追及する場面が出てくる。安倍晋三は関与を否定したが、画面には、安倍事務所秘書の直筆の名前「竹田」が記された念書が映し出された。
(安倍事務所への火炎瓶投げ込み事件の捜査現場
(2000年6月28日、下関市))
この国に棲みついた妖怪とは
映画のなかでときどき登場する風刺絵本(マンガに吹き出しがついたもの)。安倍晋三がもたらしたのは「美しい国」ではなく、妖怪が棲みついた国だった。
「電車に乳母車を押して乗ってくるな!」「近所に保育園を建てるなんて、子どもの声がうるさいじゃないか!」。これは妖怪「不寛容」にとりつかれている人たち。
「大学に入れないのも、就職が見つからないのも、結局自己責任なのさ」というのは妖怪「慈虚(じこ)責任」で、能力主義から傲慢さが増幅し、自信を失った者はもっと自虐的になる。
隣に自分勝手な人が住んでいると、「ウチの生活を守るんだ」と勝手にエスカレートしてミサイルなどを次々に購入し、最後には自爆してしまう家族。これは妖怪「セメ・テクール」の影響だ。
いつから日本人は、周りの人に深い思いやりを持ったり、弱きを助け強気をくじく美風を忘れてしまったのか。この種の妖怪にとりつかれて、気分・感情を蝕まれてはいないか。まったく他人事ではない。
とはいえ、ラストはいたって真面目。自民党の改憲案は、「憲法は政治権力を縛るもの」という立憲主義を逆転させて、国民を縛るものにかえている。そして、憲法九条の「必要最小限の防衛力」を「必要な防衛力」にかえ、際限のない軍拡に進もうとしている。岸信介や安倍晋三が残したものは、戦争への道だった。最後の場面、監督が自身の幼い娘をひきあいに出しつつ、次世代のために平和な社会を残すのはわれわれ大人の責任ではないかと問いかけて終わる。
17日より新宿ピカデリーなど全国で上映が始まる。上映時間115分、『妖怪の孫』製作委員会。制作・テレビマンユニオン、配給・スターサンズ。
■ 内山雄人監督インタビュー
――なぜ今、この時期に『妖怪の孫』を世に問おうと思ったのか?
(内山雄人監督)
内山 この映画の企画自体は安倍さんが亡くなる前から動いていた。しかし、牽引者であったスターサンズのプロデューサー・河村光庸氏が亡くなり、安倍さんも亡くなって、映画自体が頓挫しかかった。
そうした紆余曲折をへたわけだが、「なぜ今」といわれれば、一つは統一地方選が近いということがある。そこに向けて意識を喚起してもらいたいという思いがあった。同時にこの年明けから、岸田政権が閣議決定を含めてかなり強引に物事を進めていく姿勢を一気に強めた気がしたし、その背景には安倍政権から引き継いでいるものが大きいと感じている。
そこで、この映画は早くみなさんに知ってもらった方がいい、そして今の軍拡だとかマイナンバーだとか、国民が置いてきぼりをくいながらどんどん進んでいくことへの危機感をなんとか共有できないか、みんなが気づかないといけないんじゃないかという気持ちがあって、このタイミングでの公開になった。
そして、テレビがこういう発想におよそ至らなくなっているという現実をすごく感じる。安倍さんが亡くなった後、安倍政治の10年の功罪を検証する特番やスペシャルがどんどん出てきておかしくなかったが、それがまったくなかった。国葬のタイミングでやるかと思っていたら、それもなかった。あまりにもそういうことをテレビが避けている。
ただ僕の今回の作品は、「検証」とか「総括」というニュアンスで受け止められがちだが、僕のアプローチは上から目線で安倍さんに切り込むというのとは違っている。僕はテレビで当時は伝えられなかった、したがってみんなが知らなかった安倍さんの一面をもう一度見つめ直そうという姿勢で臨んでいる。自民党のメディア戦略というのもテレビでは扱えないことだけど、それを表に出すことでテレビの限界ということも知ってほしいし、そこで知らなかった安倍さんに出会えるといいなと思っている。
――この映画をつくるうえで心がけたこと、気をつけたことは?
内山 僕らに対して、「アベガー」みたいに安倍さんを批判するために映画をつくっていると見られることはまったくの誤解なので、まずそこを理解してほしい。
僕自身はテレビマンとしておもしろいもの、視聴者の興味をひくものを提供したいという思いがある。ただ権力を監視するという姿勢は持っていたい。たとえば現役官僚の座談会で、赤木さんが亡くなって官僚のみなさんはどんな気持ちだったのか、この10年間で官僚組織がどう変わったのかを語っていただいたが、それはびっくりすることでもあるし、ほんとの気持ちを少しは伝えることができたかなと思っている。ああそうだったのか、あのときはこうだったのか、と謎解きみたいなことが一つ一つできたらいいなという思いの方が強いので、「糾弾する!」とか「安倍やめろ!」というようなスタンスはまったくとっていない。
ただ、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」という安倍さんの言葉は、それは一国の総理がいう言葉だろうかという疑問があるからとりあげる。しかし、それを「よくないじゃないか」とは提示せず、見ている人がそれを受け止めて考えてもらえばいいと思っている。
――映画のなかで、マンガで書かれた人たち(風刺絵本)を通じて、安倍政治の国民の心への浸透をとり上げている。
内山 「不寛容」とか「忖度」とか、なにかこの10年の間にわれわれがおかしな空気にとりつかれているような気がして、それが妖怪の魔力の影響だと描いている。身近にこんなことたくさん起きてるなと、風刺として受け止めつつ、「あれ、自分もそうだな」と気づいてもらえたらなと思っている。
――今から映画館に足を運ぶ方に一言。
内山 知らなかった安倍さんに出会えるというつもりでみてもらえたらと思っている。同時に、今の自民党政権の背景というものがわかるし、LGBTの問題とかいろんな問題がつながってきて、今起こっている問題を紐解くヒントが見えてくるのではないか。今の岸田政権の背景が見えてくると思う。
【リンク】映画『妖怪の孫』公式サイト
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―――――― (里見繁氏) 布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
/ (2023年02月12日[日])
NTV【NNNドキュメント’23/あたいはやっちょらん 鹿児島・大崎事件 「95歳の叫び」】(https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/1894tndd5kqpjiek0ts8.html)。元鹿児島県警捜査員「適正捜査だった」「自白偏重はだめだと徹底的に言われた時代。決して自白の強制はなかった」…本当だろうか? 原口アヤ子さん以外の3人 (一郎氏・二郎氏・太郎氏) が、無実なのに「自白」するだろうか? 志布志事件では何が起きたか? 在りもしなかった事件を、鹿児島県警から「強制的に自白させられた」…。
『●『冤罪File(2009年12月号)』読了(1/2)』
『●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会』
『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない』
「…など職業裁判官の怠慢の例は
数え上げたらきりがありません。ましてや、福岡事件の西武雄さんや
飯塚事件の久間三千年さんといった無罪な人を死刑・私刑にして
しまった可能性(控え目に表現しています)さえあります。村木厚子さんや
志布志事件の裁判結果などは極々稀な例です」
『●『検察に、殺される』読了』
「『検察に、殺される』…。粟野仁雄著。…ガタガタの特捜。
志布志事件…、氷見事件…。甲山事件…(松下竜一さん
『記憶の闇』)。高知白バイ事件…。布川事件…。足利事件…。
袴田事件…。村木厚子さん冤罪・証拠捏造事件…。」
『●冤罪(その2/2): せめて補償を』
「飯塚事件の久間三千年さんは、冤罪であるにもかかわらず、
死刑を執行された。これは、被害者の遺族に対する、
何と表現して良いのかわからないが……遺族の方たちも
複雑な感情を抱いてしまうはずだ。/どんな背景や力学が
働いたのかはそれぞれの事件によって異なるが、布川事件や
氷見事件、東電OL殺害事件、志布志事件、村木厚子氏冤罪事件、
足利事件……、せめて賠償で報いる以外に方法が無いのではないか。
しかし、その扉は当方もなく厚い。」
『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」
『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)』
「山口正紀さん【「可視化」口実の盗聴法大改悪
「刑事司法改革」法案】、「志布志事件の川畑幸夫さん
…足利事件の菅家利和さん…布川事件の桜井昌司さん
…冤罪被害者が声をそろえて「全面可視化を」と訴えた。
…日弁連執行部の賛成で批判記事を書きにくいのかも
しれないが、メディアは「冤罪をなくし、人権を守る」視点から、
法案の危険性を是非伝えてほしい」。青木理さん「刑事司法改革
…端緒は郵便不正事件・・・法務省に都合よく集約…
日本の司法は中世なみ」
『●《黒田さんは「差別」と「戦争」を最も憎んだ。人々の幸福実現が
新聞の最大の使命なら、それを最も阻害するのが差別と戦争だからだ》』
《…志布志事件の被害者川畑幸夫(さちお)さんの聞き書き
「一歩も退(ひ)かんど」…》
『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたと
しても、その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》』
《布川事件の再審無罪決定と相前後して、足利事件、氷見事件、
志布志事件、そして村木厚子さんの郵便不正事件などで次々と
衝撃的な冤罪が明らかになったことを受けて、公訴権を独占する
上に、密室の取り調べが許される検察の暴走が冤罪を生んでいる
との批判が巻き起こり、2009年に民主党政権下で刑事訴訟制度の
改正論議が始まった。しかしその後、政権が自民党に戻る中、
一連の制度改正論議の結果として行われた2016年の刑事訴訟法の
改正では、むしろ検察の権限が大幅に拡大されるという
信じられないような展開を見せている》
弁護団は、そもそも殺人事件ではなく、「事故」の可能性を指摘。遺体はなぜ「堆肥の中に」? 冤罪の原口さんにそこまで解明しろ、とでもいうのだろうか?
「父、母が刑務所に行った人たち、人殺しだと世間の人たちから一生言われる」「娘とか孫、窓の子供まで関わるから」「罪だけは晴らさなくては生きていたくない」。「やっちょらんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」。
大崎事件は冤罪である。一貫して「あたいはやっちょらん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びはなぜ裁判官には届かないのか?
再度書く。何度でも書く。………そして、なんでこんな決定になるのだろう? 鹿児島地裁・中田幹人裁判長、なぜ? 「あたいはやっちょらん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びは裁判官には届かない…。《これまでに地裁、高裁で計3度再審開始が認められたが、いずれも検察側の不服申し立てを受け、2019年には最高裁が、鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部の開始決定を取り消していた》、かつて、最「低」裁もちゃぶ台返ししている。
山口新太郎記者による。西日本新聞の記事【【速報】大崎事件、再審開始を認めず 95歳、43年前の殺人 鹿児島地裁が第4次請求を棄却】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/944293/)によると、《鹿児島県大崎町で1979年に男性=当時(42)=の遺体が見つかった「大崎事件」で、殺人などの罪で懲役10年が確定し、服役した原口アヤ子さん(95)が裁判のやり直しを求めている第4次再審請求に対し、鹿児島地裁(中田幹人裁判長)は22日、請求を棄却する決定を出した。弁護団は即時抗告する方針。》
『●知らなかった冤罪事件: 鹿児島大崎事件』
『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の
再鑑定で死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行』
『●NNNドキュメント’13:
『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』』
『●「飯塚事件」「福岡事件」「大崎事件」
……に係わる弁護士たちで『九州再審弁護連絡会』発足』
『●「あたいはやっちょらん」の叫び!…
「だれより責任の重いのが…でっち上げを追認した裁判官」』
『●39年間「あたいはやっちょらん」、
一貫して無実を訴えてきた90歳の原口アヤ子さんに早く無罪判決を』
『●冷酷な司法…【NNNドキュメント’18/
あたいはやっちょらん 大崎事件 再審制度は誰のもの?】』
『●大崎事件…再審するかどうかを延々と議論し、
三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返し』
『●《家族への脅迫状…「苦しみ抜いて一人で罪をかぶろう
としているのに許せない。もともと無実なのだから」》』
「大崎事件について、《元裁判官の木谷明弁護士…
「無実の人を救済するために裁判所はあるのではないのか」》と。
【報道特集】…によると、《”伝説”の元裁判官~冤罪救済に挑む…
無罪判決を30件も出し、全てを確定させた元裁判官。
退官後、81歳となった今、冤罪救済を目指す弁護士として裁判所に
挑んでいる。そこで直面した裁判所の現状とは》。
『イチケイのカラス』…のモデルの一部になっているらしい」
『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》』
《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に」は再審請求にも
当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
ならない》
「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定が
出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
でっち上げを追認した裁判官だろう》。」
『●《周防正行さんが「あたいはやっちょらん。大崎事件第4次再審請求
・糾せ日本の司法」と銘打ち、インターネット上に立ち上げた…CF》』
『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?』
『●原口アヤ子さん・大崎冤罪事件…《被害者は自転車事故による出血性
ショックで死亡した可能性があり「殺人なき死体遺棄事件」だった》?』
またしても同じ疑念が頭に浮かぶ ――― 《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》。原口さんが物言えぬようになることを待っているのではないか…なんという冷酷・冷血か。「自らの責任を回避するために、検察は奥西勝さんという冤罪死刑囚の死を持っているとしか思えない。裁判所がそれに加担しているのだから、全く冷酷な人たちである」。
『●冤罪死刑囚の死を待ち、責任を逃れようとする冷酷な人々』
『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
……死刑囚の心の叫び」は届かず』
『●司法権力の〝執念〟:映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』』
《別の意味で恐るべし、司法権力の“執念”》
『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》』
何度でも、引用する。斎藤貴男さんのコラムの一部―――――― 最「低」裁を頂点とする司法に失望してばかりだが、最近、衝撃を受けたことを再掲。(斎藤貴男さん)《当時、「週刊文春」の記者だった私は、彼を殺人犯に仕立てた連中に、「今のお気持ちは」と尋ねて回る取材を仰せつかったのだが、凄まじい成果を得てしまった。「犯人は梅田だと上が言うから逮捕したまで。証拠なんかねえよ」と、元刑事は笑ったし、元裁判官は、「判決とは国家の意思なんだ。真犯人なんか誰でもいい。裁判所が死刑だと言えば吊るせばいい。無期だと言ったらつなげばいいんだ」と、力説してくれたものである》…。
『●裁判員制度反対…「冤罪もあることですし、あたしは死刑制度に反対
です。人の命を、自民党の人たちみたいに軽く考えられないので」』
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【https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/1894tndd5kqpjiek0ts8.html】
2023年1月29(日) 24:55
あたいはやっちょらん
鹿児島・大崎事件 「95歳の叫び」
43年前、鹿児島県大崎町で牛小屋の堆肥の中から男性の遺体が見つかり、義姉の原口アヤ子さん(95)が殺人犯とされた。物的証拠がなく共犯者の親族の自白だけで有罪となった原口さん。冤罪を訴えるも再審の扉は開かず、認知症が進み今は入院生活を送る。事件を調べ直した記者が感じたいくつもの疑問。会いたい…コロナ禍で厳重警戒の中、許された面会。もう話すことができなくなった原口さん。心の叫びに耳を傾ける。
ナレーション/田丸裕臣 制作/鹿児島読売テレビ 放送枠/30分
再放送
2023年2月5日(日)5:00~/24:00~ 日テレNEWS24
2023年2月5日(日)8:00~ BS日テレ
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[※ 野党共闘 市民連合と政策合意 (週刊金曜日、2021年9月17日1345号)↑]
―――――― 《山本太郎代表…「まともな仕事をされている共産党に対して、ジャマな存在だということをああいう形で嫌がらせするっていうのは、ちょっと確信犯に近いだろうなと思います」「だって今、政治の世界のなかで反社って言ったら、自民党と維新でしょ」と喝破》、《適菜収…一方、「社会をリセット」だの「新しい国をつくる」だのと騒ぎ、国を破壊してきたのは、新自由主義と政商、カルトに乗っ取られた自民党であり、その補完勢力としての維新の会である》。
(2021年09月19日[日])
一体何事かと思えば…。山添拓さんのつぶやきから:
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【https://twitter.com/pioneertaku84/status/1439151513037803523】
【https://twitter.com/pioneertaku84/status/1439151540221087749】
【https://twitter.com/pioneertaku84/status/1439151591991365634】
山添拓@pioneertaku84
2020年11月3日、休日を利用して趣味の鉄道写真を撮りに行った際に、長瀞町の秩父鉄道の線路を横断したことが、埼玉県警秩父警察署から軽犯罪法違反であるとの指摘を受け、本年9月16日付で送検した旨の連絡を受けました。軽率な行為だったと反省しています。
午後5:57 2021年9月18日
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私は、地域住民によって道がつけられ、水路に渡し板がかけられていた箇所を、列車が接近していない時間帯に、通行可能な道であるという認識のもとに、約1秒程度で渡りました。
午後5:57 2021年9月18日
―――――――――――――――――――――――――――――――――
これが渡ることが禁止された箇所であったという指摘については、素直に従い、すべての事情を説明し、反省する旨を記した上申書も提出しています。
今後、二度とこのようなことのないようにいたします。
午後5:57 2021年9月18日
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誰が共産党議員らを監視しているのやら…。10カ月も経った、なぜに今? 暗澹とした気分になる。
ニーメラー牧師の警句を地で行く。
『●ニーメラー牧師「ナチスが最初共産主義者を攻撃した時」
…高江や辺野古が破壊された時、「関生」が狙われた時…』
《共通政策に合意》した他の野党3党にもあまりに失礼だ。
【ラサール石井 東憤西笑/八代英輝弁護士の「虚偽コメント問題」は公平であるべきTV局とスタッフの知性の劣化にも一因】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/294778)によると、《TBS系「ひるおび!」で八代英輝弁護士が「…」と発言した問題。「綱領」を「要綱」と間違い、全く書かれていないことをあるかのように述べたのは、ワイドショーでのたわ言と看過するには酷すぎる暴言だった。共産党は即刻抗議した。…問題は、田崎史郎氏がいたにもかかわらず間違いを指摘せず、番組自体も発言をスルーしてしまったことにある。そもそも出演者はバランスよく配置されるべきだ。その中で自由に討論すればよい。どうも室井佑月さんが降板したあたりからキャスティングがかなり偏っているように思える。発言が野党共闘に対する意図的な攻撃であり、あえて確信犯的に発言したものであるとしたら、客観的であるはずのコメンテーターとしては逸脱した行為であり、それを容認したのなら、結果的に番組自体が、政府広報、いやそれ以上の一政党を支援する装置になってしまったということになる。これはスタッフの矜持のなさと知性の劣化が招いたものか。》
『●《立憲民主、共産、社民、れいわ新選組…安全保障関連法廃止を
求めるグループ「市民連合」と国会内で会合を開き…共通政策に合意》』
デマに群がる、蝟集するお維のあまりの醜悪さ…《共通政策に合意》した他の野党3党にもあまりに失礼だ。
日刊ゲンダイのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え/八代英輝がタレ流したデマに嬉々として便乗した自民と維新 国を破壊してきたのはどっちだ?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/294904)によると、《野党共闘を潰すために選挙直前を狙って確信犯的にデマを流した可能性を疑われても仕方がない。…デマゴーグを放置すれば社会はどんどんおかしくなっていく。実際、維新の会の議員らがこのデマに便乗。足立康史は〈逆にTBSが謝罪とか訂正とかしたら、大変な問題になる〉、音喜多駿は〈共産党は公安も認定する通り暴力革命の路線を捨てておらず、TBS番組でコメンテーターの方が言いたかったことは正しいです〉とツイート》。
『●松尾貴史さん×室井佑月さん対談、「安倍首相は、
嘘も権力の私物化も恥ずかしいとすら思っていない」』
《松尾 確かに。それで、室井さんの出演している『ひるおび!』
(TBS)はどう? 個人的には八代英輝弁護士が面白いな
と思っていて。安倍さんのお友だちなの?》
『●中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、
あの時、何をしていたのか? …《検閲国家》へと一歩一歩』
《5日放送の『ひるおび!』(TBS)でも、慰安婦問題など含む作品を
展示した「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた件を
とりあげるなか、八代英輝弁護士がこんな発言をしていた。
「…この慰安婦問題っていうものが史実に基づかないものである
こと。…」 八代弁護士は「表現自体をさせないという風潮は危険だな
と思う」などとエクスキューズをいれつつも、「私自身はこれ
(少女像)を置いて、こんなものあってはならないと議論する
ということはアリだと思いますけどね」と続けるなど、
嫌韓煽りを剥き出しにしていた》
リテラの記事【八代弁護士らの共産党攻撃の根拠「公安調査庁」が“失笑”の報告書! 暴力活動の記載なく「コロナ政策提言で存在感」とまるで共産党】(https://lite-ra.com/2021/09/post-6021.html)によると、《八代弁護士は…「共産党は…党の要綱として廃止してませんから」「よくそういうところと組もうという話になるな、というのは個人的には感じますね」などと発言したが、そもそも日本共産党の「綱領」には「暴力的な革命」などという文言は一切なく、八代弁護士の発言は完全なデマだった》。
このリテラの記事の結び、《れいわ新選組の山本太郎代表が今回の八代発言の共産党デマ攻撃の背景について、「まともな仕事をされている共産党に対して、ジャマな存在だということをああいう形で嫌がらせするっていうのは、ちょっと確信犯に近いだろうなと思います」「だって今、政治の世界のなかで反社って言ったら、自民党と維新でしょ」と喝破していたが、この連中にそのまま権力を握らせていたら、それこそ、秘密警察による謀略支配はさらにエスカレートしていくだろう》。さすが、山本太郎さん。
一方…こんなことが許されていいのか! ―――――《官邸の忠犬…政権の爪牙…山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》中村格氏が警察庁長官に…。前川喜平さん《中村の警察庁長官就任は、安倍・菅政権の腐敗を象徴する人事だ》。金子勝さん《権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない…公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質がある》。青木理さんは《…本来は一定の距離を保つべき政権と警察・検察が近づき過ぎるのは非常に危うい。民主主義国家として極めて不健全な状態と言わざるを得ません》。
『●アベ様が《新政権も警察権力も私物化する暗黒時代が始まる》、《官邸の
忠犬…政権の爪牙…山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》が…』
最後に、青木理さんの『日本の公安警察』。
『●『日本の公安警察』読了(1/2)』
「1章 厚いベールの内側」、「2章 特高から公安へ」、
「3章 監視・尾行から工作まで」、「4章 公安秘密部隊」、
「5章 戦後の公安事件簿」、「6章 オウム・革マル派との〝戦い〟」、
「7章 警察の外にある公安」、「8章 監視社会と公安警察」
「奇々怪々な「菅生事件」(すごう)という謀略とその後の無茶苦茶な経緯、
〝爆弾犯〟の異常な出世」
『●『日本の公安警察』読了(2/2)』
《情報は、大物政治家や警察OBの代議士に流れているというのが、
仲間内での公然の秘密であった。元来、秘密のベールに
包まれているはずの『第四係』の懇親会終了後に自民党選出の
国会議員が顔を見せるというのも、警察と自民党との癒着を
物語るものであろう》
再度、引用する:
――――――――――――――――――――――――――――――――――
【https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/44ec4cf2d3eae47aa55c93e8c0a996e7】
【https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/5e6abd0d5b21ef7d6d1f894069c32f8b】
■青木理さん『日本の公安警察』:
奇々怪々な「菅生(すごう)事件」という謀略とその後の無茶苦茶な経緯、〝爆弾犯〟の異常な出世。《…当時国家地方警察大分県本部に所属する公安警察官だった。…事件は一転して、公安警察による謀略事件だった疑いが浮上した。…〝オトリ捜査〟…。…共産党員らに有罪を言い渡した原判決を破棄し、全員無罪の判決を下した。寒村で突如として起きた「共産党員による駐在所爆破事件」は、地元の共産党周辺へと投入された公安警察官らによる謀略事件だったのである。…大分地裁は戸高を爆発物取締罰則違反で起訴し、その後福岡高裁も戸高の有罪を認定したが、結局は「爆発物に関する情報を警察の上司に報告したことが自首にあたる」として刑を免除される。驚くべきはこの後の戸高に対する処遇だった。警察庁は有罪判決からわずか三カ月後、警部補として復職を認めたのである。…復職後の戸高は警察大学校教授、警察庁装備・人事課長補佐などを歴任して警視の地位まで昇任。八五年、警察大学校術科教養部長を最後に退官したノンキャリアの公安警察官としては異例の出世だった。…「パチンコ疑惑」…参院予算委員会で、再び「戸高…」の名前が物議を醸す。…警察OBが占める「たいよう共済」の常務に問題人物が就任…。戸高…のことだった。…こんなところにも顔を出している。…菅生事件の〝亡霊〟は事件から四〇年以上を経ても警察組織の中枢でひっそりと息づいていた。そしてプリベイドカードは、今も巨大な警察利権の一つとして指摘されている》。
盗聴。《中野の警察大学校に本拠を置く「サクラ」部隊は、そんな秘密工作活動を発足以来三〇年以上にわたって延々と、そして水面下で続けてきた。だが一九八六年、組織に大きな転機が訪れる。共産党の緒方国際部長宅盗聴事件の発覚である。…緒方側の申し出を受け、NTT職員は現場を所轄する警視庁町田署に事実関係を通報した。しかし、到着した町田署員は緒方側から事情を聴くと近所で長時間の電話をし、緒方らに対して「警察は静観する」と言ったきり捜査に乗り出すことを拒否。NTT側が一一月二八日、同署に告発したにもかかわらず、これを受け取らず、翌二九日になってようやく受理した。/ところが一二月一日になると突如として実況見分を実施し、大量の〝証拠品〟を持ち帰ってしまう。極めて不透明な形で行われた見分は証拠隠滅すらうかがわせるものだった》。当時の検察総長伊藤榮樹氏のたとえ話・おとぎ話。損害賠償請求訴訟では賠償が命じられ、高裁でも勝訴、国側の上告断念で判決は確定。
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【https://lite-ra.com/2021/09/post-6021.html】
八代弁護士らの共産党攻撃の根拠「公安調査庁」が“失笑”の報告書! 暴力活動の記載なく「コロナ政策提言で存在感」とまるで共産党PR
2021.09.17 12:08
(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」2021年1月版)
『ひるおび!』(TBS)レギュラーコメンテーターの八代英輝弁護士による日本共産党デマ発言だが、当の八代弁護士にも、同じ見解を持つ自民党政権や応援団にもまったく反省はないらしい。
八代弁護士は10日放送回のなかで「共産党はまだ『暴力的な革命』というものを、党の要綱として廃止してませんから」「よくそういうところと組もうという話になるな、というのは個人的には感じますね」などと発言したが、そもそも日本共産党の「綱領」には「暴力的な革命」などという文言は一切なく、八代弁護士の発言は完全なデマだった。
ところが、13日に局アナがこの点について訂正・謝罪した一方、八代弁護士は「私の認識は閣議決定された政府見解に基づいたものでした」などと開き直った。
しかも、ネット上ではネトウヨや自民党応援団がこぞって「八代弁護士は何も間違ったことを言っていない」「共産党は破防法に基づく監視対象団体」「公安調査庁から暴力主義的な破壊活動をおこなう恐れがあると認定されている」などと叫び、加藤勝信官房長官までが「政府の認識は何ら変更するものではない」などと八代弁護士をアシストしている。
まったく、連中の悪質さには呆れ果てるしかない。安倍・菅政権の閣議決定の根拠となり、いまもネトウヨや政権応援団が「共産党は暴力革命を捨てていない」ことの根拠としてがなり立てているのは、共産党が破壊活動防止法にもとづく公安調査庁の監視対象団体になっているということだが、この監視対象指定じたい、先日の記事で指摘したように、公安調査庁のでっちあげにすぎないのだ。
破防法は既報のとおり東西冷戦下の1952年に共産党を排除する政治的な目的でつくられた法律で、その破防法に基づき、監視機関として、公安調査庁が設けられた。
しかし、この70年近く、公安調査庁は破壊活動を裏付けるような証拠を一切上げられておらず、自民党や警察関係者にすら「無用の長物」「予算の無駄遣い」と冷笑されてきた。
しかし、何も証拠を上げられていないのは当然で、公安調査庁は自分たちの組織と予算を維持するため、破壊活動の実態など何もないのに、70年近くも共産党に無理やり「破壊活動の疑い」をかけつづけてきただけなのだ。
それを証明する公的資料がある。それは、公安調査庁が年に1度発表している、国内外の治安情勢や監視対象団体の動きをまとめた報告書「内外情勢の回顧と展望」だ。
■公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」2021年1月版の失笑ものの内容
たとえば、最新版にあたる2021年1月の「内外情勢の回顧と展望」を見てみよう。共産党は、「国内情勢」を取り上げた章に登場する。ちなみに、国内情勢のトップバッターとして取り上げられている団体はオウム真理教で、つづいて過激派。共産党はその次の3番目に登場し、最後の4番目は「右翼団体など」となっている。
一体どんなおどろおどろしい破壊活動が書かれているのか、と共産党のページを開くと、まず、タイトルにはこうあった。
「コロナ禍での政策提言などを通じて存在感のアピールに努めた共産党」
え? 「暴力革命」とか「破壊活動」じゃなくて「コロナ政策の提言で存在感をアピール」? これって、むしろ政党として褒めてないか。
いや、でも、本文にはさすがに何か破壊活動を示唆するようなことを書いているはず、と思って目を移すと、レポートはこう始まる。
〈共産党は,1月,平成29年(2017年)以来3年ぶりとなる「日本共産党第28回大会」を開催した。大会では,安倍政権の一連の施策について,「憲法と平和,暮らしと経済,民主主義と人権などあらゆる分野で,戦後どの内閣もやってこなかった史上最悪の暴政の連続だった」と批判した。そして,この状況を打開するには,野党が政治的立場の違いを乗り越えて結束し,政権交代を目指すことが重要であると強調した上で,次期総選挙に向け,「野党間で相互敬意をもって一致点で団結し,連合政権をつくるために力を尽くす」などと野党共闘の発展を訴えた。大会には,「日本共産党第27回大会」(平成29年〈2017年〉)に続き,他野党・会派から来賓を迎え,挨拶の場を設けるなどして,共闘の印象付けを図った。〉
本文が始まっても「暴力革命」や「破壊活動」に関係する記述はなかなか出てこず。その代わりに書かれていたのが、安倍政権は史上最悪の暴政の連続と批判し、その打開のために野党が一致団結しようと呼びかけた、という話だった。公安調査庁の解釈では、もしかしたらこれが「破壊活動の前触れ」ということになるのだろうか。さらに、レポートはこうつづく。
〈また,大会では,「日本共産党第23回大会」(平成16年〈2004年〉)以来となる綱領改定を行い,従来から取り組んできたジェンダー平等社会の実現を目指す旨新たに規定し,女性層に寄り添う姿勢を明確にした。なお,中国については,尖閣諸島周辺海域における中国公船の領海侵入など覇権主義的行動が深刻化していると指摘した上で,「日本共産党第23回大会」で同国を評価した部分を削除した。大会後,共産党は,大会決定や改定綱領の下,令和4年(2022年)の党設立100周年に向けて,党員数及び「しんぶん赤旗」読者数を,大会開催時と比べて3割増とすることなどを目標に党勢拡大活動に力を注いだ。〉
■公安調査庁が共産党の「各地で生活物資の配布活動」「中国批判」を明記 まるで共産党の宣伝パンフ
相変わらず、「暴力革命」「破壊活動」の記述はなく、今度はその代わりに「ジェンダー平等社会の実現を目指す旨新たに規定」「女性層に寄り添う姿勢を明確にした」……。その上、この「回顧と展望」では、共産党が中国共産党批判をおこなっていると記述。ネトウヨ連中がわめいている「共産党は中国の手先」説を否定する形になっていた。
もはや共産党の広報紙か「しんぶん赤旗」でも読まされている気になってくる。いくらなんでもこのままでは終わらないだろう、とさらに読み進めたのだが、後半部分にあったのはこんな解説だった。
〈共産党は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大を捉え,「新型コロナ危機を体験して, これまでになく多くの人々が政治に目を向けている」と指摘した上で,無党派層を中心に 入党の働き掛けに努めた。この取組では,政府が打ち出した各種政策を捉え,全世帯へのマスク配布や「GoToトラベル」をめぐる対応を批判するとともに,党独自あるいは他野党と共同で提言や政府に対する申入れを行った。〉
〈また,共産党は,党の援助を受け,党幹部も輩出している青年組織・日本民主青年同盟とともに,各地で生活物資の配布活動を実施し,「党・民青と学生の結びつきが生まれていることから,民青を支え,援助を強めることが重要である」などと同活動を評価した。〉
〈9月に発足した菅政権に対しては,安倍政権の政治姿勢を全面的に継承する体制であると 批判し,対決姿勢を鮮明にした。また,次期総選挙については,「しんぶん赤旗」などで,次の総選挙で政権交代を実現するという本気度を国民に示すことが大事であると繰り返し訴えるとともに,いつ解散・総選挙になっても市民・野党共闘の勝利と党躍進を必ず勝ち取る構えで戦い抜くと強調して,選挙準備を進めた。〉
公安調査庁が列挙しているのは、アベノマスク批判に「GoTo」批判、コロナ対策の提言や政府へ申し入れをおこなったこと……。挙げ句、生活物資の配布活動を各地で実施したとも書いているが、これ、コロナ禍で市民に寄り添ういい政党だなあ、という感想しかない。むしろ、共産党の善行を喧伝する公安調査庁は共産党の手先なのではないか?と疑ってしまいそうになるほどだ。
しかも、レポートはここで終わり。まさかと思うかもしれないが、これが公安調査庁による「共産党」にかんする2021年版の調査結果の全部なのだ。
安倍・菅政権の閣議決定および八代弁護士の主張、氏を擁護する人びとは、「共産党は暴力革命路線を捨てていない」とする根拠として公安調査庁による調査対象団体に指定されていることを挙げていたが、その公安調査庁は、たんに共産党を調査対象団体にしているというだけで、共産党のPR原稿としか思えない調査結果しか残せていないのである。まったく、これほどの税金の無駄遣いがあるだろうか。
■日本ペンクラブや生協、日本ジャーナリスト会議、アムネスティまで監視対象にしていた公安調査庁
しかも、公安調査庁が自らの組織維持と予算獲得のために危険性をでっち上げている相手は、共産党だけではない。なんと、生活協同組合(生協)や日本ペンクラブなどの報道関係の任意団体まで監視対象に広げようとしていた前歴がある。
1996年に公安調査庁が下部組織である公安調査局に指示を出し、広範な団体について実態把握に乗り出していたことが、1999年に判明したのである。当時の新聞によると、公安調査庁は全国8カ所の公安調査局に対してそれぞれの「重点解明目標」を設定。たとえば、近畿公安調査局の指示項目には、こんなことが書かれていたという。
〈「大衆・市民運動関係」として、原発建設の賛否を問う住民投票運動のほか、市民オンブズマンの行政に対する告発や大気汚染・リゾート開発・ごみ問題等への取り組みなどを行う団体を列挙。女性の地位向上や消費税率引き上げ反対運動も含まれている。〉
〈「法曹・救援、文化、教育関係」の分野では(1)いじめ・不登校問題、日の丸・君が代反対などに対する諸団体の動向(2)諸団体による死刑廃止や人権擁護の取り組みなどに加え「言論・出版の自由を求める活動の実態」としてマスコミ関係団体も指定した。〉(中日新聞1999年11月25日付)
そして、公安調査庁が名指ししたとされる団体には、日本ペンクラブや日本ジャーナリスト会議、生協、アムネスティ日本支部、情報公開法を求める市民運動、原水協、原水禁などがあったというのである。
消費税やリゾート開発に反対する団体、いじめや不登校問題に取り組んだり女性の地位向上をめざす団体、さらに日本ペンクラブが、一体どうして破壊活動をおこなう恐れのある団体になるのか、さっぱり意味がわからない。
当時、中日新聞では、奥平康弘・東大名誉教授が「『気に入らない団体はすべて調査しよう』という政府側の意向を反映した動きなのだろう」とコメントしていたが、この調査対象を見るとそれ以下。とにかく、自分たちが予算獲得できるためなら、なんでもいいから手当たり次第、危険性があることにして調査しようとしていたとしか思えない。
■山本太郎が八代らの共産党攻撃に「確信犯」「政治の世界で反社って言ったら、自民党と維新」
いずれにしても、これらの事実を見れば、公安調査庁がいかにデタラメで、連中の言う「破壊活動のおそれ」とやらが何の実態もないでっち上げであることがよくわかってもらえたはずだ。
しかし、問題は安倍・菅政権になって、リストラ対象になっていたはずのこの役所が復活、その妄想と陰謀論丸出しのやり口をそのまま政権が利用するようになったことだ。
まず、安倍政権時代の2016年3月にも〈日本共産党は、現在においても、破壊活動防止法に基づく調査対象団体である〉などとする答弁書を閣議決定した。
2016年というのは、2015年に安保法案が可決・成立して以降、初の国政選挙である参院選がおこなわれたが、この参院選では、立憲主義に反する安保法制強行成立への抵抗から野党共闘が始動していた。この閣議決定は明らかに、参院選をにらんで、野党共闘潰しのために仕掛けられたものだった。
そして、今年6月には、維新の鈴木宗男・参院議員の質問主意書に答えるかたちで、〈日本共産党は、現在においても、破壊活動防止法に基づく調査対象団体である〉などという答弁を閣議決定したのだが、これもやはり、今回の衆院選対策で、野党共闘に揺さぶりをかけようとしたものだ。
前述したように、かつての自民党にはまだ、このインチキな公安調査庁のあり方を批判し、整理しようという良識的な姿勢があった。しかし、安倍・菅政権になって良識も倫理もなくなった自民党政権は、フェイク公安機関を平気で政敵叩きに利用し始めたのである。
それは支持層も同じだ。当の八代弁護士はもちろん、ネトウヨも公安調査庁のインチキ丸出しの「共産党=暴力革命」という決めつけに乗っかって、総選挙を前に、自民党擁護と野党叩きを繰り広げているのだ。
れいわ新選組の山本太郎代表が今回の八代発言の共産党デマ攻撃の背景について、「まともな仕事をされている共産党に対して、ジャマな存在だということをああいう形で嫌がらせするっていうのは、ちょっと確信犯に近いだろうなと思います」「だって今、政治の世界のなかで反社って言ったら、自民党と維新でしょ」と喝破していたが、この連中にそのまま権力を握らせていたら、それこそ、秘密警察による謀略支配はさらにエスカレートしていくだろう。
(編集部)
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/294904】
適菜収 作家
近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。
それでもバカとは戦え
八代英輝がタレ流したデマに嬉々として便乗した自民と維新 国を破壊してきたのはどっちだ?
公開日:2021/09/18 06:00 更新日:2021/09/18 06:00
(「八代英輝弁護士の事務所は暴力団」とデマを流しても
謝れば納得するのか(C)日刊ゲンダイ)
弁護士の八代英輝が、日本共産党に関するデマをテレビ番組で垂れ流した。八代はTBS系「ひるおび!」(10日放送)にコメンテーターとして出演。野党4党(立憲民主、共産、社民、れいわ)の次期衆院選での共闘について「共産党はまだ暴力的な革命ってのを党の要綱として廃止していませんから、よくそういうところと組もうって話になるなと個人的には感じますね」と発言した。
要綱は綱領の言い間違いなのだろうが、これはシンプルなデマである。
弁護士なのだから、共産党が暴力革命路線を放棄していることを知らないわけがない。仮に知らなかったとしたら、それに反発した新左翼の動きも、日本の現代史もまったく知らないということになる。さすがにそれはありえない。よって、野党共闘を潰すために選挙直前を狙って確信犯的にデマを流した可能性を疑われても仕方がない。
番組は「日本共産党の綱領にそのようなことは書かれていませんでした。訂正しておわびします」と謝罪(13日)。八代は「私の認識は閣議決定された政府見解に基づいたものでした。一方、日本共産党はそれをたびたび否定していることもあわせて申し上げるべきでした」などと言っていたが、話をゴマカすな。問題になったのは「私の認識」ではなく、デマを流したことである。
また、謝れば済む話でもない。デマを流すのは簡単だが、デマを修復するのは難しい。テレビ番組で「八代の弁護士事務所は暴力団」とデマを流しても謝れば納得するのか。
デマゴーグを放置すれば社会はどんどんおかしくなっていく。実際、維新の会の議員らがこのデマに便乗。足立康史は〈逆にTBSが謝罪とか訂正とかしたら、大変な問題になる〉、音喜多駿は〈共産党は公安も認定する通り暴力革命の路線を捨てておらず、TBS番組でコメンテーターの方が言いたかったことは正しいです〉とツイート。
これも論点のゴマカシだが、そもそも今の日本共産党は暴力革命路線どころか、かなり保守色が強い。一方、「社会をリセット」だの「新しい国をつくる」だのと騒ぎ、国を破壊してきたのは、新自由主義と政商、カルトに乗っ取られた自民党であり、その補完勢力としての維新の会である。公安が監視対象とすべきはこうした連中ではないか。
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[※サンデーモーニング(2017年10月1日)(三「ト」物語)↑]
リテラの記事【吉村洋文知事に「武富士」の盗聴犯罪を隠蔽するスラップ訴訟の代理人の過去! 盗聴被害者のジャーナリストが語る不法な訴訟の全貌】(https://lite-ra.com/2020/06/post-5452.html)。
《テレビやネットは吉村知事を賞賛する声で埋め尽くされているが、しかし、本サイトが再三指摘しているように、そのイメージは巧みな自己演出によってつくり上げられた部分が多く、実像とはかけ離れたものだ。実際、この吉村知事にはいま、政治家としての資質が疑われるような過去が取り沙汰されている。それは、あの武富士の代理人として、同社の犯罪行為を隠蔽するためのスラップ訴訟にかかわっていたという過去だ》
『●《アンダーコントロール》演出…お維や「小池都知事はよくやっている」
だってぇ? そう見えるのは、《安倍首相がひどすぎるからだ》』
どんな案件にも弁護士が居るのは、当然。でも、その弁護の中身が問題。一方で、SLAPP(SLAPP)された人々を援護する側、消費者金融・サラ金問題の解決に奔走した側の弁護士の一人は、あの宇都宮健児さんだった。
『●『抵抗人名録 私が選んだ77人』読了(2/2)』
『●『創(2010年2月号)』読了(1/3)』
「「〝強い者イジメ〟」に対して「武富士のドン、武井保雄が盗聴した」
山岡俊介さんは、大道寺将司さんらについての「松下竜一の
『狼煙を見よ―――東アジア反日武装戦線〝狼〟部隊』に惹かれた」(…)。
武富士については、三宅勝久さんも(…)。」
『●読売だけでなく』
『●冤罪事件のようなもの』
《この話、2月6日付東京新聞の「週刊誌を読む」にも書いて、
その中でも触れましたが、月刊『創』も2003年に武富士の
山岡さんへの盗聴疑惑を告発した時、武富士から次々と提訴されました。
武富士は「全くの事実無根」とか無茶苦茶なことを言って、その山岡さんの
書いた記事を訴えたわけです。で、裁判が始まった直後に武富士会長が
逮捕されるというドラスティックな展開で、『創』は勝ったわけです。
もし逮捕がもっと遅かったら、裁判は簡単ではなかったはずで、
名誉毀損訴訟は、挙証責任が書いた側にあるので、取材源秘匿などの
責務を負う報道側には不利な構造になっているのです》
『●書籍紹介: 三宅勝久さん『日本を滅ぼす電力腐敗』』
「同WP上で数々の電力会社や電力業界、政治の腐敗を描いてこられた
三宅勝久さん。烏賀陽弘道さんのオリコン裁判でその実態が少し
知られるようになったけれども、山岡俊介さんとともに、その走り
であるサラ金の武富士からのSLAPP(SLAPP)にも負けなかった
三宅さん。司法との癒着など、独自の視点で、優れた原発批判記事を
書いておられます。真にジャーナリストと呼べるお一人」
『●原発スラップを許すな!』
『●ヨイショ本・礼讃本『安倍晋三の真実』が伝えない、
「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」という事実』
《◇武富士事件と同様に記者クラブメディアは沈黙するが…》
《また、警視庁が、犯歴情報という個人情報を消費者金融の武富士に流し、
武富士からはお中元お歳暮などが出ていたほか、個人の信用情報を警察に
流していた事件(いわゆる武富士事件)も、
山岡氏は積極的に取材していた》
《しかし、山岡氏自宅電話の盗聴を指示していたとして、武富士の
武井保雄会長が03年12月2日、電気通信事業法違反容疑で逮捕され、
形成は一気に逆転した》
ここで、《サラ金の手先》でもあったあの竹中平蔵氏について、一言。佐高信さんの言う《学商》。もう10年も経っている。
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佐高信さんの「筆頭両断!「百の説法屁一つ」 竹中平蔵」(…)。「…ベラベラしゃべっている人間の下品さがわかるということだが、小泉純一郎と竹中平蔵にこそ、この格言がぴったりと当てはまる」。「…そんなセリフは「年棒1億円」とかいわれる〝新規権益〟のパソナ会長の椅子を放棄してから言え、と怒鳴りつけたい」。「竹中の強欲ぶり…『東京新聞』も…「究極の天下り」と批判…」。「郵政民営化に影響力を行使した後、かんぽの宿の一括譲渡を実施させようとしたオリックスの宮内義彦会長と同じ。自分が関わったところで自分が利益を得るという構図は、まるで政商ならぬ学商だ」。「…消費者金融、つまりサラ金の経営者の集まりでも講演し、彼らの喜びそうなことを言っている。…郵便局のカネをそちらにまわせというのである。どこまでサラ金の手先となればいいのか」。「「新自由主義の時代は終わった」とか、「新自由主義は誤った」などという評論家は一切信用しないことにしている、とミエを切っている。内橋克人や私は信用しないということだろうが、作家の城山三郎も明確に竹中を批判していたし、高杉良も厳しく断罪しているのだから、城山や高杉も竹中は「信用しない」ということになる。/サラ金業者からカネをもらって講演したり、日本マクドナルドの未公開株を買ったり、さらにはパソナの会長になって一億円もフトコロに入れる竹中と、「渇しても盗泉の水は飲まず」といった感じの清冽な生き方を貫いた城山三郎のどちらに信用があると、この卑しい軽薄才子は思っているのか」。
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リテラの記事【新しい地図の番組『ななにー』に吉村知事出演で抗議が殺到!「吉村知事はパフォーマンスだけ」を見抜くSMAPファンの意識の高さ】(https://lite-ra.com/2020/06/post-5461.html)によると、《きのう6日にAbemaTVや新しい地図の公式アカウントでその旨が告知されると、多くのファンの人たちから疑問や批判の声が殺到したのだ。…〈出演に抗議、反対します。〉〈政治家の方の出演は歓迎できません。〉〈政治色が強い番組になってしまいます。このまま出演されるなら、明日は視聴しません。ごめんなさい。〉〈せっかく楽しみにしていたななにーに政治色を出してほしくない。新しい地図を利用されたくない。〉〈出演してる時間、申し訳ないですが見ません。〉〈政治家呼ばないでほしいです。〉〈なんでまたそんな人を。〉〈まって、そのゲスト新しい地図の目指すアイデンティティに相応しい人物なのですかね?非常に疑問です。〉〈なぜ現職政治家が出演するのでしょうか。政治利用しないでほしい。〉〈ななにーにはふさわしくない人選だと思います。その時間は見たくないです。感染症対策の専門家とかならいいけど…〉〈初めて『いいね』が押せません。〉》
お維の《インチキと詐術》。
もう一つ、リテラの記事【「#関西民放5局の偏向報道に抗議します」は当然…吉村洋文知事の異常なテレビ出演! 5月はなんと30本、“実は仕事してない”疑惑】(https://lite-ra.com/2020/06/post-5462.html)によると、《Twitter上ではこんなハッシュタグがトレンド入りしていた。「#関西民放5局の偏向報道に抗議します」 このハッシュタグが一体、関西民放5局の何に抗議しているのか。それは、在京テレビ局が吉村知事や橋下徹氏を連日のように出演させ、さらにワイドショーや情報バラエティで吉本芸人らが無批判に吉村知事を持ち上げつづけるという“維新礼賛”報道に対する抗議だ。〈在阪TVは知事の言うこと(思いつきも含め)を垂れ流し、それを局アナや吉本芸人が褒め称えるだけでその後の検証をしません。カジノについてもあたかも大阪に決まっているかのような報道。異常だと思います。〉〈最近の関西の情報番組はぜったいにおかしいです。なぜそこまで維新を持ち上げるのですか?この調子だと、都構想の説明もメリットしか報道しなさそうで怖いです。〉〈「私人に戻った」とはいえ、何かといえば橋下徹氏がご意見番出演するのも、おかしな話だと思います。中立を装いつつ、維新をアシストするコメントを常にしています。その上に吉本芸人が維新提灯持ち発言をする番組ばかり。もういいかげんにしていただけませんか。〉〈関西2府4県あるにも関わらず、コロナに関する報道はほぼ大阪のみ、話すのは維新関係者。キャスター、ゲストの誰もが疑問も出さず称賛翼賛。報道とは、なんですか?〉》。
《“将来の総理”とまでいわれているのだ。やってる感に踊らされるのもいいが、悪徳企業が自分の犯罪を隠蔽するために嘘を捏造して起こしたスラップ訴訟=言論弾圧に加担し、それをいまも正当化しているような人物が、もしこの国の政治を牛耳るようになったら……そのことの恐ろしさを私たちはきちんと認識しておく必要があるのではないか》…恐ろしい。お維の「ト」は、大阪「ト」内だけにしておいてほしい。
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【https://lite-ra.com/2020/06/post-5452.html】
吉村洋文知事に「武富士」の盗聴犯罪を隠蔽するスラップ訴訟の代理人の過去! 盗聴被害者のジャーナリストが語る不法な訴訟の全貌
2020.06.05 09:30
(吉村洋文公式サイトより)
コロナの感染拡大で完全に馬脚を露わした安倍首相に代わって、このところ国民的人気を集めている大阪府の吉村洋文知事。テレビやネットは吉村知事を賞賛する声で埋め尽くされているが、しかし、本サイトが再三指摘しているように、そのイメージは巧みな自己演出によってつくり上げられた部分が多く、実像とはかけ離れたものだ。
実際、この吉村知事にはいま、政治家としての資質が疑われるような過去が取り沙汰されている。それは、あの武富士の代理人として、同社の犯罪行為を隠蔽するためのスラップ訴訟にかかわっていたという過去だ。
「正直に言うと、吉村洋文大阪府知事が武富士の弁護団に入っていたとは、当時の裁判資料を見るまで信じられませんでした。当時の武富士は、自社の利益や批判封じ込めのために平気で法を犯す犯罪的企業。事実、武富士は私をはじめ批判的な報道をしていたジャーナリストに盗聴行為をはたらき、創業者で会長だった武井保雄氏が電気通信事業法違反で逮捕され有罪判決を受けています。大阪市長、大阪府知事をつとめる人物がそんな企業の手先として動いていたとは……。しかし、たしかに裁判資料を見ると、武富士の代理人の欄に『吉村洋文』という名前があった。吉村知事はまさに私に仕掛けられたスラップ訴訟の代理人だったわけです」
こう話すのは、ネットメディア「アクセスジャーナル」を主宰する山岡俊介氏。権力の不正や企業のスキャンダルを中心に取材・執筆活動を続けているジャーナリストで、安倍首相の下関の自宅や地元事務所に火炎瓶が投げ込まれた事件の裏を掘り返したスクープは、ネット上でも「#ケチって火炎瓶」として大きな話題になった。
その山岡氏が大手消費者金融の武富士から盗聴されていたことを知ったのは、2002年。当時の武富士は、創業者である武井保雄会長がワンマン支配しており、悪質な取り立てや社員のブラック労働、裏社会との関係などが問題になっていた。
山岡氏もそうした武富士のダーティな体質を批判する記事を何度か執筆していたのだが、そんななか、武富士の元法務課長だったN氏が内部告発をしたいと山岡氏に接触してきたのだという。山岡氏が当時を振り返ってこう話す。
「Nは武富士で右翼や暴力団対策など裏仕事をやっていた人物なんですが、武井会長の命令で探偵事務所に依頼して私を盗聴していたと告白したんです。しかも、自宅の電話を盗聴したテープ、それを記録した分厚いメモなど、盗聴を裏付ける証拠も持っていた。盗聴されていたジャーナリストは私も含めて3人いましたが、自分の通話が録音されたテープを聞いたときは、怒りで体が震えました」
N氏が持ち込んできた資料の中には、探偵会社が武富士に宛てて出した領収書、武富士内の調査費用支出の稟議書、さらには武井会長が盗聴を指示したメモまでがあったため、山岡氏は盗聴行為の「動かぬ証拠」をつかんだと判断。「創」(創出版)や「月刊ベルダ」(ベストブック)といった月刊誌でこの武富士による盗聴問題を追及するルポを発表した(大手出版社の雑誌は武富士が大量の広告を掲載していたため、ほとんどが掲載拒否をしたという)。
また、資料の中に武富士と警察の癒着を示す証拠があったことから、警察問題を追及しているジャーナリストの寺澤有氏に情報を共有。寺澤氏もこの資料をもとに「週刊プレイボーイ」(集英社)で、武富士が警視正など複数の警官にビール券などを供与し、見返りに個人の犯歴など秘密情報を得ていた問題などを報じた。
ところが、武富士側はこうした報道に対して名誉毀損訴訟を起こし、とんでもなく高額の賠償請求をしてきたのだ。たとえば、山岡氏が「月刊ベルダ」に執筆した記事については、山岡氏と発行元、編集長らに総額1億円、「創」の記事にも同様の訴訟が提起された。さらに、寺澤氏が執筆した「週刊プレイボーイ」の記事への損害賠償請求は合計2億円にのぼった。
まさにスラップ訴訟の典型だが、この訴訟で、武富士側代理人として名前を連ねていたのが、吉村知事だったのだ。
(武富士側代理人として名前を連ねていた吉村知事)
「盗聴テープや記録、領収書、稟議書など、盗聴していたことを示す動かぬ証拠が揃っているにもかかわらず、武富士サイドは記事が事実無根であるとして、私たちを訴えてきた。しかも、ありえない高額の賠償金で……。完全に事実の報道や批判を封じ込めるための訴訟でした。実際、法務部長として訴訟を担当していたN氏も武井会長は『常々、高額の損害賠償請求訴訟をすれば批判する者なんていなくなる、事実かどうかなんて関係ない』と言っていたと証言していましたからね。吉村氏が代理人に名前を連ねていた訴訟は、そうした武井会長の方針に従った非常に悪質な言論弾圧なんです」(山岡氏)
しかも、武富士側が山岡氏に対しておこなったのは、高額の民事訴訟だけではなかった。山岡氏を恐喝未遂で逮捕させようとしていたのだという。
「内部告発していたN氏が恐喝未遂で逮捕されたんですが、私に対しても共犯だとして警視庁に逮捕させようとしていた。実際、警視庁も当初はその気で、取り調べでは刑事から『お前らは武富士の金にたかるハエだ!』とまで言われた。しかも、武富士は自社のHP に、私が恐喝未遂事件に加担しているとのデマまで書き込んでいた。しかし、私は武富士に対して記事を書くときに取材申し込みをした以外、なんの接触もしていませんでしたから、恐喝なんて立件できるはずがない。これも明らかに嫌がらせが目的でしょう」(山岡氏)
しかし、山岡氏はこうした卑劣な圧力に怯まず、逆に武富士側を「訴権の濫用」で反訴、さらに自分への盗聴行為に対して、武井会長を電気通信事業法違反で刑事告訴した。
結果的に、これが流れを大きく変えることになる。山岡氏が警視庁に武富士の盗聴行為と武井会長の指示を裏付ける詳細な証拠を提出し、N氏もそれを裏付ける証言をしたため、警視庁は武富士の盗聴事件を本格的に捜査せざるを得なくなったのだ。
そして、2003年12月、武富士の武井会長は、山岡氏らへの盗聴行為を指示したとして、警視庁に電気通信授業法違反容疑で逮捕される(のちに裁判で懲役3年執行猶予4年の判決が確定)。逮捕にともない武井氏は武富士の会長職を辞職。山岡氏の告発が、“金融界の帝王”とまでいわれていた人物をワンマン経営者の椅子から引きずり下ろし、縛につかせたのである。
しかも、この武井会長逮捕によって、山岡氏が執筆した記事の真実性が完全に証明され、吉村知事が武富士の代理人をつとめていた民事訴訟の状況も一変した。武富士は、山岡氏と「創」「月刊ベルダ」「サンデー毎日」、寺澤氏と「週刊プレイボーイ」に突きつけていた高額賠償金の請求をすべて取り下げ(法律用語では「請求の放棄」)。逆に、山岡氏らが「訴権の濫用」だとして起こした反訴では、山岡氏らが求めていた賠償金の支払いと謝罪広告の掲載などをすべて受け入れた(法律用語では「請求の認諾」)。
その結果、「創」「ベルダ」にはそれぞれ、武富士による以下のような文面の謝罪広告が掲載された。
〈当社・株式会社武富士の前代表取締役会長・武井保雄は、当社社員らと共謀し、2000年12月14日から01年2月24日まで2ケ月以上にわたり、山岡俊介氏の自宅兼事務所の盗聴を行いました。
これは明白な犯罪行為です。(中略)
しかも当社は、山岡氏が執筆し、有限会社創出版発行の月刊誌『創』2003年1・2月合併号と7月号に掲載された、当社前会長・武井が山岡氏宅の盗聴を指示していたなどとする記事につき、「事実無根であり、名誉を毀損された」との虚偽の主張をもって、同年8月、東京地方裁判所に損害賠償ならびに謝罪広告掲載を求める民事訴訟を提起しました。(中略)
しかしながら、この提訴は、当社前会長・武井保雄指示の下、山岡氏や有限会社創出版の言論活動を抑圧し、その信用失墜を目的に、虚偽の主張をもって敢えて行った違法なものでした。
また、当社は2003年5月末から同年11月初めの間、インターネットの当社ホームページ上で、山岡氏が当社や前会長・武井らを電気通信事業法違反容疑で刑事告訴する動きに関し、「盗聴の事実はなく、山岡氏は当社に対する恐喝未遂事件に加担していることから、刑事責任の追及逃れのために行っている」などとする虚偽の見解を掲載し、不特定多数の者にその内容を閲覧させました。
しかし、これも当社前会長・武井の指示の下、やはり山岡氏の言論活動の抑圧、信用失墜を狙って行った、虚偽の主張による違法な行為でした。
以上、この間の違法行為について、深くお詫び申し上げます。
株式会社 武富士 代表取締役 清川 昭〉(「創」2004年6月号より)
〈(前略)当社は2003年7月、これら記事によって名誉を毀損されたとして、貴社、貴誌編集長、執筆者・山岡俊介氏に対して、総額1億円の損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に提訴いたしました。しかし、この訴訟は、当社において貴社の記事がいずれも真実であるにもかかわらず、虚偽であると事実をねつ造して、提起したものでありました。
本件提訴は、貴誌の記事の真実性、公共性、公益性を毀損せしめるものであり、また、総額1億円という高額訴訟を提起することにより、当社に批判的な記事に対し言論弾圧をしようとしたものにほかなりません。
よって当社は、本件提訴により、貴社・貴誌および山岡俊介氏の信用・名誉を傷つけ多大な迷惑をかけたことにつき、深くお詫びし、二度と再びかような違法行為を行わないことを誓約します。
2004年6月30日
株式会社武富士 代表取締役 元久 存〉(「月刊ベルダ」2004年7月号より)
これを読めばわかるはずだ。吉村氏らが代理人として起こした訴訟が「真実を報じた記事を虚偽であると事実を捏造して提起したもの」であり、「高額訴訟を提起することにより、批判的な記事に言論弾圧を加えようとした」「違法なもの」であることを、当の武富士自身がはっきりと認めたのである。
いや、武富士だけではない。ここに武富士側が山岡氏らへの請求を放棄し、山岡氏らから反訴で求められた謝罪文の掲載や損害賠償金の支払いなどを受け入れたときの和解調書があるが、そこにはやはり武富士の代理人として「吉村洋文」の名前が記されていた。つまり、吉村氏自身も、自分が代理人になった訴訟が「盗聴という犯罪行為を隠蔽するための乱訴」「事実を捏造して言論弾圧のためにおこなった違法な行為」であることを認めていたということだろう。
だとしたら、吉村氏もまた、その違法な行為に加担した責任を厳しく問われるべきではないのか。山岡氏がこう語る。
「私は執筆した記事でも裁判でも、数々の具体的で客観的な証拠を提示している。普通にリテラシーのある人間がこれを見れば、武富士が私を盗聴していたのが明白な事実だということがわかるはずなんです。にもかかわらず、吉村知事は武富士の代理人になり、記事を事実無根と決めつけ、1億円訴訟の代理人になった。当時は、若手のイソ弁で、上の指示に従っただけなのかもしれませんが、それでも、犯罪を隠蔽したいという武富士の意向に沿って、不法な訴訟に加担したことに変わりはない。その道義的責任は大きいと思いますよ」
実は吉村氏は大阪市長になった後、一度だけ、この武富士訴訟の責任を追及されたことがある。2019年2月、当時、大阪市長だった吉村氏が松井府知事(当時)とともに、日本外国特派員協会で記者会見をしたとき、「日仏共同テレビ局France10」の記者から「“訴権の濫用”と認定されるような武富士訴訟に、弁護人として加わったことをいま、どう総括しているか」という質問が出たのだ。この質問に対して吉村知事はこう答えていた。
「これは弁護士時代のご質問だと思います。弁護士の業務というのはどんな状況であれ、それぞれの立場、それぞれの意見、自分のクライアントの意見というのをしっかりと出して、それを双方がやって、最終的にそれを裁判所が判断するという仕組みです。たとえば極悪な殺人犯であったり、強かん犯であったとしても、言い分がある部分がある。それについて弁護士とはその言い分を裁判所にあげて、そして最後は裁判官が判断する、それがまさに弁護士の仕事であり、弁護人の仕事であるということです」
「ご指摘の裁判についても、同様に日本で認められている訴訟制度において、そして依頼者の利益を守るための主張をする、そして結果的に裁判所において敗訴ということにはなりましたけれども、これは当然日本で認められている制度でありますから、何の問題もないというふうに思っています。これは憲法上、認められた権利です」
「つまり訴訟の場においては、すべての企業にも、主張したいことは主張する権利があり、そしてたとえば犯罪者であっても裁判の場においては主張したいことは主張できる権利がある、これについては誰からも後ろ指を指されるようなものではないというふうに思っています。本来、日本の三権分立のなかで、あるべき姿だと思っています。だから特にそれ以上のコメントはありません」
つまり、吉村氏は「極悪な殺人犯であったり、強かん犯であったとしても、言い分がある」「犯罪者であっても裁判の場においては主張したいことは主張できる」などといって、自分の武富士弁護を正当化したのだが、これ、完全なゴマカシ、話のすり替えだろう。
たしかに、拘束された刑事事件の容疑者の弁護は人権を守るために必要不可欠だ。しかし、吉村氏のやったことは、それとはまったく違う。繰り返しになるが、武富士は盗聴という犯罪行為を隠蔽するため言論弾圧のスラップ訴訟を起こしたのだ。そんな不法行為に加担することがなぜ、「憲法上、認められた権利」「三権分立のなかであるべき姿」ということになるのか。
山岡氏もこの日本外国特派員協会での会見をみて、その主張に「呆れ果てた」という。
「会見で吉村氏は、弁護士が依頼者の権利を守るのは当然で、裁判でたまたま敗訴になっただけ、というようなことを言っていましたが、武富士裁判では武富士が敗訴になったわけではない。武富士自体がその訴訟を『訴権の濫用』『捏造』『不法行為』であることを認めて、請求放棄と請求認諾をしたんです。そんな訴訟の代理人をやっていたことが、なぜ当然の行為になるんですか。弁護士だからって、依頼者のためなら何をやってもいいというわけではないでしょう」
実際、嘘とわかっていて“訴権の濫用”をした場合は、弁護士でも不法行為に認定されて損害賠償を求められる可能性もある。また、吉村氏の訴訟加担が法律上セーフだったとしても、その道義的責任がなくなるわけではない。しかも、山岡氏が問題にしているのは、吉村氏が何の反省もしていないことだ。
「僕は会見でてっきり『当時はまだ若く、上のいう通りにやっただけ、反省しています』と謝罪するのかと思ったんです。それが、あたかも弁護士として当たり前のことをしたと言い張った。信じられませんでしたね。吉村氏は当時は市長、そして、いまは大阪府知事なわけでしょう。こんな倫理観をもった人物が公正さを求められる行政の長をやっていていいんでしょうか」
いや、吉村氏はいま、たんに行政の長というだけではない。コロナ対策のアピールで国民から幅広い支持を集め、“将来の総理”とまでいわれているのだ。やってる感に踊らされるのもいいが、悪徳企業が自分の犯罪を隠蔽するために嘘を捏造して起こしたスラップ訴訟=言論弾圧に加担し、それをいまも正当化しているような人物が、もしこの国の政治を牛耳るようになったら……そのことの恐ろしさを私たちはきちんと認識しておく必要があるのではないか。
(編集部)
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阿部岳さんの、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]「中世」司法からの逃亡】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/518471)。
《▼かつて、国連の会議で他国から司法制度を「中世的」と批判された日本の大使が「シャラップ(黙れ)」と逆ギレしたことも。恥の上塗りをいつまで続けるのか》。
「日本の司法は中世なみ」事件…国連の拷問禁止委員会での上田秀明人権人道大使が「shut up!(黙れ!)日本は人権先進国の一つだ」と発言。《日本の前時代的な刑事司法制度を笑われて「シャラップ」と言い放つ始末》…。ニッポンが《人権先進国》!
『●それでも自公政権が支持されるのはいったいなぜ?
信じ難い現実…』
《「左翼のクソ」に「シャラップ」 日本で要人の失言が相次ぐわけ
…ジュネーブで開かれた国連の拷問禁止委員会でのこと。
日本が行っている死刑や被疑者の長期勾留などにアフリカ・
モーリシャスの委員から、「日本は中世か」と問われたことに
対し、外務省から派遣されている上田秀明人権人道大使が
「shut up!(黙れ!)日本は人権先進国の一つだ。」と発言していた
ことが明らかになった。失言にもいろいろあろうが、今週はTPPに
反対したり、被曝対策に取り組む市民を「左翼のクソ」呼ばわり
したかと思うと、日本の前時代的な刑事司法制度を笑われて
「シャラップ」と言い放つ始末である》
『●「緊急対談 辺見庸×佐高信」 『週刊金曜日』
(2014年4月11日、987号)についてのつぶやき』
「青木理さん【司法を正す第8回 日弁連えん罪原因究明
第三者機関ワーキンググループ副座長 小池振一郎弁護士
盗聴法の強化拡大など焼け太り狙う法務官僚】、
《刑事司法改革…端緒は郵便不正事件…法務省に都合よく集約…
日本の司法は中世なみ…。…上田秀明…大使は色をなし、
こう言い放った…「笑うな。なぜ笑うんだ。シャラップ、
シャラップ!」 小池弁護士が振り返って言う。
「本当にみっともない。国際的に恥ずかしい状況でした。
…日本の刑事司法はドマ委員の指摘通りなんですから…」》。
「日本の司法は中世なみ」事件」
こんな方が《人権人道大使》ねぇ? 《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的》……そのニッポンの《「中世」司法からの逃亡》。
『●教員について密告させ、労組を監視する=
自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」』
『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」』
『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」』
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政』
『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論
…いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》』
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【https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/518471】
[大弦小弦]「中世」司法からの逃亡
2020年1月6日 07:30
刑事弁護のレジェンドと呼ばれる高野隆弁護士が、自らの活動の場である日本の司法に対して「殺意に近いものを感じた」とブログに記している。前日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告の弁護人を務めてきた
▼保釈を勝ち取ったものの、妻との面会さえ許されない。やっと許可を得たのが自身が立ち会うパソコン画面越しの対話、という人権侵害を目の当たりにした
▼ゴーン被告の海外の弁護士は国連に救済を申し立てた。容疑者が罪を自白するまで捜査当局が拘束を続ける日本の「人質司法」を巡り、国連は何度も改善を勧告している
▼かつて、国連の会議で他国から司法制度を「中世的」と批判された日本の大使が「シャラップ(黙れ)」と逆ギレしたことも。恥の上塗りをいつまで続けるのか
▼億万長者であるゴーン被告の逃亡に共感はしない。今後裁判所が保釈に慎重になれば、持たざる者が一層人質にとらわれることになる。ただ、逃亡、後進性の暴露と、今回の事件が日本の司法にとって二重の敗北であることは動かせない
▼せめて国際人権基準が認める制度に変える一歩にしよう。その道は、米軍の容疑者を日本側に引き渡す日米地位協定の改定や、2カ国にとどまる犯罪人引渡条約の締結拡大にもつながる。人権侵害も特別扱いもない制度は、全ての人の利益になる。(阿部岳)
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桐山桂一さんによる、東京新聞のコラム【【私説・論説室から】弁護士立ち会い権は?】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019101402000160.html)。
《「日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない」…女子大生は「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論している。いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》。
『●教員について密告させ、労組を監視する=
自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」』
『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」』
『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」』
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政』
《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》…《日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない》。「人質司法」は未だに《国際的にも悪評が高い》。《弁護士の立ち会い…多くの国・地域で認めている制度》であるにもかかわらず、ニッポンでは認められていない。《録音・録画(可視化)》もほとんど進まず、《事後検証が不可能に近い》。
《弁護士の立ち会いが任意段階から認められていれば、誤認逮捕という人権侵害もなかったはずだ》。
青木理さんが仰っているように、刑事司法改革の原点は「大阪地検特捜部の証拠改竄事件」、村木厚子さんの冤罪事件。《今回の新制度導入の原点をさかのぼると、大阪地検特捜部の証拠改竄事件に行き当たる......と書けば、勘のいい読者はハテ?と首をかしげるだろう。前代未聞というべき検察の大不祥事がいったいなぜ、捜査機関の権限拡大につながってしまったのか、と。…だが、諮問会議の事務局を担う法務省などは議論を巧みに骨抜きにした。…こうした"屁理屈"が主流の議論となり、取り調べの可視化などは極めて例外的な事件に限定する一方、盗聴法(通信傍受法)の大幅強化や司法取引の導入などが決まってしまったのである》。
本当にこの国はどうしようもない。《テレビの報道のあり方は酷かった。中島岳志さんが言うように《死刑のショー化・見世物化》。このリテラの記事でも、《それはまるで「中世の見世物」か何かかと思えるほど“ショー化”》と指摘》。《日本の司法は中世なみ》…司法改革を経ても、ブログ主には、何も変わっていないように見える。
『●それでも自公政権が支持されるのはいったいなぜ?
信じ難い現実…』
《「左翼のクソ」に「シャラップ」 日本で要人の失言が相次ぐわけ
…ジュネーブで開かれた国連の拷問禁止委員会でのこと。
日本が行っている死刑や被疑者の長期勾留などにアフリカ・
モーリシャスの委員から、「日本は中世か」と問われたことに
対し、外務省から派遣されている上田秀明人権人道大使が
「shut up!(黙れ!)日本は人権先進国の一つだ。」と発言していた
ことが明らかになった。失言にもいろいろあろうが、今週はTPPに
反対したり、被曝対策に取り組む市民を「左翼のクソ」呼ばわり
したかと思うと、日本の前時代的な刑事司法制度を笑われて
「シャラップ」と言い放つ始末である》
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019101402000160.html】
【私説・論説室から】
弁護士立ち会い権は?
2019年10月14日
日弁連は徳島で開催した人権擁護大会で、取り調べの際、弁護人の援助を受ける権利の確立を求める宣言を採択した。その前提には「日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない」という認識がある。
例えば密室での取り調べは「冤罪(えんざい)の温床」とかねて批判されてきた。捜査機関は長時間の取り調べを行って、捜査官の見立てに沿った供述をするよう強要したり、誘導したりするケースがある。「人質司法」と呼ばれ、国際的にも悪評が高い。
確かに取り調べの録音・録画(可視化)は六月から義務化されたが、全事件のわずか3%にすぎない。依然として問題は残る。これを是正するのが、弁護士の立ち会いで、多くの国・地域で認めている制度である。
七月には愛媛県警が窃盗事件で女子大生を誤認逮捕した。今月三日に「裏付け捜査を怠ったことが原因」との調査結果を明らかにした。ただ、尊厳を侵害するような取り調べはあったものの、「任意性を欠く違法な取り調べはなかった」と自白の強要は否定した。
女子大生は「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論している。いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい。「密室」でのやりとりゆえに、事後検証が不可能に近いからだ。弁護士の立ち会いが任意段階から認められていれば、誤認逮捕という人権侵害もなかったはずだ。 (桐山桂一)
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[●『新聞記者』(望月衣塑子著)…《ひとつずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》↑]
マガジン9の芳地隆之氏による記事【マガ9レビュー/『新聞記者』(2019年日本/藤井道人監督)】(https://maga9.jp/190724-4/)。
東京新聞の竹島勇記者による記事【政権批判で?テレビ番組PRゼロ 映画「新聞記者」 「忖度」ニモマケズヒット!】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2019072502000196.html)。
《しかし、吉岡エリカはボブ・ウッドワードにはなれない。権力は複雑な搦手で個人の良心を押しつぶし、自由を奪っていくのである。…この映画は、いまこの国で起こっていることを現在進行形で追っているので、起承転結のストーリーが成り立たない。歯切れが悪いのはそのせいだ。しかし、それこそがこの作品を高く評価する理由である。(芳地隆之)》。
《映画公開に際し、通常の作品では出演者らがバラエティーや情報番組などで告知するが、本作は断られて「ゼロ」だった。河村プロデューサーは「政権批判の内容だからでは」とみる。民放のあるバラエティー番組の構成者は「望月記者と菅義偉官房長官との会見バトルは有名。テレビ局は政権から目を付けられるのを嫌う。『新聞記者』を扱わないのはまさに忖度です」と話した》。
#映画・新聞記者(映画『新聞記者』)…番宣てんこ盛りにしないの? 《本作は断られて「ゼロ」だった》! 《ひとつは…マスコミへの警告、もうひとつは…当人への警告》だから? 《メディアコントロール》だから故? 現独裁政権批判な映画を、さすがに番宣する勇気がテレビには無いか?
『●『新聞記者』(望月衣塑子著)読了…《ひとつずつ真実を
認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》』
『●アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロール…
「一人でも権力に立ち向かう」とはいうものの…』
『●『官邸ポリス』と監視社会・警察国家と前川喜平さん…
映画『新聞記者』と現独裁政権批判と望月衣塑子さん』
『●木下昌明さん《あの黒く目隠しされた羊…
実は何も知らないで日々を送っているわたしたちのことではないのか?》』
『●映画『新聞記者』…《内閣情報調査室の暗躍》
《ひとつは…マスコミへの警告、もうひとつは…当人への警告》』
『●《メディアコントロール》…こんな「広報」マスメディアばかりでは
第25回参議院議員通常選挙が思いやられる』
『●映画『新聞記者』…《現在進行形の政治事件をモデル…。
官邸が巧妙に仕掛ける同調圧力によって社会全体が萎縮》』
『●(政界地獄耳)《麻生に一貫して流れているスピリッツは
弱者をさげすみ、バカにする体質》…選んだ人々の責任』
『●南彰記者『報道事変』…《皆さんと一緒に考え、
新しい時代のメディア、ジャーナリズムをつくっていきたい》』
『●身の回りの選挙に行かない「2/4」の「眠り猫」な方を説得し、
選挙に行って野党に投票してもらいましょう』
『●映画『新聞記者』はMotive Forceに…
参院選、「2/4」の眠り猫な皆さんを投票所へ〝駆動〟させる力へと』
『●《日本のメディアの閉塞状況》《閉塞するメディア、
政権批判に対して圧力がかかる不健全な言論状況》…』
『●東京新聞「本音のコラム」【「動かぬ証拠」 前川喜平】
【「情勢は流動的」 斎藤美奈子】…野党に投票を!』
『●《安倍外交礼賛原稿…「実際は蚊帳の外だった」と書けない…》、
《安倍政権の不正を描く映画》は宣伝されず…』
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【https://maga9.jp/190724-4/】
マガ9レビュー
『新聞記者』(2019年日本/藤井道人監督)
By マガジン9編集部 2019年7月24日
歯切れが悪い。全体のトーンは暗く、語り口は抑揚に乏しい。物語が進むほどに気分は滅入っていく。
深夜の東都新聞社に大量のファクスが届くところから物語は始まる。政府による大学新設計画。それは首相の特別案件であり、しかも大学の隠れた目的は軍事研究である疑いがある。このプロジェクトの現場責任者である高級官僚の神崎が、不正を世間に公表するため、匿名で新聞社に送ったのであった。
公僕としてのモラルよりも上司の指示を優先した自分を責めた上での決断だったが、彼は霞が関に並ぶ省庁の建物の屋上から身を投げる。
私は当初、この作品から、古くは『大統領の陰謀』、最近では『スポットライト 世紀のスクープ』や『記者たち 衝撃と畏怖の真実』といった映画が描く、権力からの圧力に屈しない新聞記者が真実を突き止めていくストーリーを期待していた。ニクソン大統領の指示による政敵への盗聴、カトリック教会の神父らの児童に対する性的虐待、そして政府が嘘で固めた大義をもって始めたイラク戦争……。これらの映画では、アメリカの正義漢たるジャーナリストたちが地を這うように取材を重ね、権威をふりかざす者の欺瞞を白日の下にさらすのである。
『新聞記者』に手に汗を握る小気味よいテンポはない。行きつ戻りつ。私たちが目にするのは、たとえば、内閣情報調査室のスタッフが、政府に批判的な人物のツイートに淡々と悪罵を書き込む姿である。
この国の民主主義は形だけでいいんだ――内閣情報調査室の現場トップの多田は、組織ぐるみの不正に異議を唱える部下の杉原にそう言って憚らず、それと同じ口調で子どもが生まれた杉原に祝いの言葉をかけながら、無表情で祝儀を渡す。不気味な口封じに抗するように杉原は職場から機密情報を持ち出し、それを受け取った日本人の父と韓国人の母をもつ新聞記者、吉岡エリカが一面でスクープする。
しかし、吉岡エリカはボブ・ウッドワードにはなれない。権力は複雑な搦手で個人の良心を押しつぶし、自由を奪っていくのである。
上述のアメリカ映画は、すでに真実が明かされた過去の事件を物語にしたものだ。一方、この映画は、いまこの国で起こっていることを現在進行形で追っているので、起承転結のストーリーが成り立たない。
歯切れが悪いのはそのせいだ。しかし、それこそがこの作品を高く評価する理由である。
(芳地隆之)
『新聞記者』(2019年日本/藤井道人監督)
※公式サイトhttps://shimbunkisha.jp/
【https://youtu.be/zdPSidwlJ_I】
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2019072502000196.html】
【放送芸能】
政権批判で?テレビ番組PRゼロ 映画「新聞記者」 「忖度」ニモマケズヒット!
2019年7月25日
(舞台あいさつを行ったシム・ウンギョン(左)と松坂桃李=東京都新宿区で)
権力とメディアの攻防と、当事者の葛藤を描いた映画「新聞記者」(藤井道人監督)がヒットしている。フィクションだが、公文書改ざん、大学新設を巡る不正疑惑、政権への忖度(そんたく)など現政権で問題となった案件を想起させる作品。参院選期間と重なったためか、はたまた忖度かは定かでないが、テレビ番組でのPRはほぼゼロだった。にもかかわらず異例の大健闘。関係者は政治問題を批判的に扱う劇映画の定着に期待を寄せる。 (竹島勇)
原案は本紙社会部の望月衣塑子(いそこ)記者のノンフィクション。六月二十八日に全国百四十三館で公開され、七月二十二日の時点で動員三十三万人、興行収入四・一億円を突破。興行通信社の週末観客動員ランキングでも先週まで三週連続トップ10入りした。配給元の担当者によると、観客層は当初、中高年が多かったが、「最近では若い層がじわじわ増加。SNSで浸透した効果では」とみる。
(記者役のシム(左)と官僚役の松坂)
河村光庸(みつのぶ)エグゼクティブプロデューサー(69)は「興収三億円いけば…と思っていたが予想以上になった」と喜ぶ。「安倍政権を思わせるサスペンス作品にして、あえて参院選の公示直前に公開した。数多くの映画館で上映できたことも大きい」と、話題性と作品の質、スクリーン数確保の三点がヒットに結び付いたと分析する。
一方で、「テレビでPRできなかったので、ヒットには驚いた」とも漏らす。映画公開に際し、通常の作品では出演者らがバラエティーや情報番組などで告知するが、本作は断られて「ゼロ」だった。河村プロデューサーは「政権批判の内容だからでは」とみる。民放のあるバラエティー番組の構成者は「望月記者と菅義偉官房長官との会見バトルは有名。テレビ局は政権から目を付けられるのを嫌う。『新聞記者』を扱わないのはまさに忖度です」と話した。
元文科省官僚の映画評論家、寺脇研=写真=は「フィクションだが、現政権の問題を描いた劇映画は海外でも聞かない。数十万人が見たのは快挙で、この種のジャンルを日本に定着させる突破口だ」と称賛。「テレビの告知はなくても、SNSに熱い賛辞が書き込まれて広まった」とヒットの理由を分析する。「志を曲げさせられた官僚の先輩が酒を飲み、悔しさを吐露するシーンはリアルだった」という。
「これまでの観客は“反安倍”やジャーナリズムに関心のある人だが、一般の人はヒット作と知ると見たくなる。百万人の動員を記録すれば、政権や日本の民主主義の在り方を厳しく見つめるようになると思う」
◆主演・松坂桃李「作る側と観客の思いが近い作品」
主演の二人、記者役のシム・ウンギョンと官僚役の松坂桃李が二十三日、東京・新宿ピカデリーで「大ヒット御礼」と銘打ち、上映後に舞台あいさつをした。
シムは「たくさんの方に見ていただいてうれしいです。感激です」と高揚した表情で話した。松坂はヒットについて「公開して約一カ月、見た方がまだ見ていない人に伝えてくれて、数珠つなぎのように映画を育ててくれた。その熱量がうれしい」と笑顔で感謝の言葉を述べた。
司会者が各地の映画館支配人から寄せられた「満員の回が多い」「終了後にこれだけ拍手が起きる作品は初めて」「観客の方から感想を伝えられる」などというメッセージを紹介。
シムは「自分の出演作でこんな反響は珍しい」と驚きの表情。松坂は「劇場の方からの反応はすごくうれしい。作る側と観客の思いが近い作品だと感じた」と力を込めた。
◆本紙・望月衣塑子記者「今の政治に疑問 共感呼ぶ」
実際の事件や疑惑を彷彿(ほうふつ)とさせる挑戦的な内容だけに、映画のヒットは望外の喜びだ。読者から「政治にもっと関心を向けなければ」「選挙に行きます」といった手紙が数十通も会社に届いたこともうれしい。参院選の取材現場で「映画良かったです」と声を掛けてくれた人もいた。政治に関心が薄いとされる若い世代からも映画は受け入れられていると感じた。
モリカケ疑惑、公文書改ざん、閣僚への違法献金疑惑…。安倍政権下ではこの数年、重大事案が相次いだ。なぜこれらの問題は起き、それでも政権は揺るがないのか。その裏に、一体、何があるのか-。映画は、「今の政治ってちょっとおかしくないか?」という素朴な疑問を感じたり、「もやもや」とした感情を持ったりすることが、当たり前の感覚だと気づかせてくれる。それが多くの方々の共感を呼んだのではないか。
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東京新聞の二つの記事【布川事件 国・県に賠償命令 「証拠開示拒否・警察偽証は違法」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000134.html)と、
蜘手美鶴記者による【「ウソや証拠独占冤罪生む」布川事件損賠判決 逮捕から52年 桜井さん捜査批判】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000121.html)。
《一九六七年に茨城県利根町布川で男性が殺害された布川事件で、再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)が国と県に計約一億九千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十七日、東京地裁であった。市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証を「違法」と認定》。
《布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決(一九七三年)で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を促した》
《桜井昌司さんと杉山卓男さんは冤罪で29年間も獄中に》。《市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証を「違法」と認定。国と県に対し連帯して約七千六百万円を支払うよう命じた。市原裁判長は、これらの違法行為がなければ「遅くとも控訴審で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と指摘した》。
検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や喪失、逆に、証拠の捏造…行政がデタラメ。桜井昌司さん《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》と言います。そして、強大な権力には政治判断=忖度を乱発し、弱者には厳格・冷酷な司法判断…司法の堕落。そんな中で、《判決後に記者会見した桜井さんは「警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む。踏み込んだ判決に感謝している」と評価》しておれる。また、《弁護団からは「画期的だ」との声が上が》った。
《自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件や大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ》…他の冤罪事件にも波及することを望む。
東京新聞の社説【布川事件に賠償 再審でも証拠開示を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019053102000176.html)によると、《再審無罪となった男性に対し、「国と県は賠償せよ」と東京地裁が命じた。一九六七年の布川事件(茨城)だ。検察に不利な証拠でも開示義務を指摘した点は大きい。再審でも同じルールが必要だ。「母親が早く自白するように言っている」「被害者宅近くで目撃証言がある」-。取り調べでは事実と異なる供述の誘導があった。公判でも捜査官の偽証があった。検察官も証拠開示を拒否した。損害賠償を認めた根拠には、警察・検察側の不公正の数々が積み重なっている。何より判決が証拠開示の在り方について、「裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白なものは、被告に有利か不利かを問わず法廷に出す義務がある」と述べた意義は大きい。検察が合理的な理由がなく証拠開示を拒否することは、できないはずである。手持ち証拠は基本的にすべて法廷に出すという規範が働くことが期待される。万一、証拠隠しが発覚すれば、賠償義務が生じることになるからだ。問題は再審のケースである。刑事訴訟法には、再審での証拠開示についての明文規定がない。検察側は再審では積極的に応じようとしない傾向があるし、訴訟指揮権も裁判官の裁量次第である。…近年の再審無罪のケースは、検察側の証拠開示が決め手になっている場合が多い。松橋事件(熊本)、東京電力女性社員殺害事件(東京)、東住吉事件(大阪)…。新証拠が確定判決をゆるがせ、無罪に導いている。もはや全面的な証拠開示が必要なときだ。裁判員裁判の時代でもある。冤罪(えんざい)をこれ以上、生んではいけない》
『●『冤罪File(2010年3月号)』読了』
『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない』
「…など職業裁判官の怠慢の例は
数え上げたらきりがありません。ましてや、福岡事件の西武雄さんや
飯塚事件の久間三千年さんといった無罪な人を死刑・私刑にして
しまった可能性(控え目に表現しています)さえあります。村木厚子さんや
志布志事件の裁判結果などは極々稀な例です」
『●『冤罪ファイル(2010年10月号)』読了』
『●『検察に、殺される』読了』
『●布川事件の記録映画、・・・そして、・・・・・・・・・』
《布川事件、再審無罪 発生から44年 水戸地裁土浦支部 2011年5月24日》
『●冤罪だらけ: 裁判官の目は節穴か?』
『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚』
『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪』
『●東電OL殺人事件元被告マイナリさん、
冤罪15年間への償いはできるのか?』
『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず』
『●またしても裁判所は機能せず、闘いは高知高裁へ:
高知白バイ「冤罪」事件、地裁が再審請求を棄却』
『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」
『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)』
『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」』
『●刑事訴訟法の「改正」どころか、警察・検察に、
司法取引と盗聴拡大という「追いゼニ」』
『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 廃止か?」
…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン』
《狭山事件…で逮捕され、31年も獄中生活を余儀なくされた石川和雄さん
だけでなく、「冤罪オールスターズ」と呼びたくなる面々が集まっていた。
67年、茨城で起きた「布川事件」の強盗殺人犯とされ、29年も刑務所に
ブチ込まれた桜井晶司さん(2011年、無罪が確定)。66年、一家4人が
殺害された「袴田事件」で犯人とされ、48年も獄中に囚われていた
袴田巌さんの姉・秀子さん。そして90年、栃木で起きた「足利事件」で
女児殺しの犯人にでっち上げられて17年を獄中で過ごした菅家利和さん
(2010年、再審で無罪が確定)》
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
《直後には東京地検特捜部でも捜査報告書の捏造事件が発覚し、
加えて足利事件や布川事件といった重要事件での冤罪が相次いで
判明したため、検察に対するメディアや世論の批判はかつてないほど高まった》
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000134.html】
布川事件 国・県に賠償命令 「証拠開示拒否・警察偽証は違法」
2019年5月28日 朝刊
(国家賠償を命じる判決を受け、記者会見する桜井昌司さん
=27日午後、東京都千代田区で)
一九六七年に茨城県利根町布川で男性が殺害された布川事件で、再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)が国と県に計約一億九千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十七日、東京地裁であった。市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証を「違法」と認定。国と県に対し連帯して約七千六百万円を支払うよう命じた。
市原裁判長は、これらの違法行為がなければ「遅くとも控訴審で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と指摘した。
判決で市原裁判長は、県警の警察官が取り調べ段階で桜井さんに、▽母親が早く自白するように言っている▽被害者宅近くで桜井さんを見たという目撃者がいる-などと発言した内容は虚偽で「欺くような取り調べ手法は違法」と判断。ほかにも供述の誘導があり、「限度を超えた取り調べがあった」と非難した。警察官が取り調べを録音したテープの存在を隠し、公判で偽証したとも批判した。
検察官の証拠開示の在り方については、「裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白なものについては、被告に有利か不利かを問わず法廷に出す義務がある」と指摘。その上で、控訴審段階で弁護側が、目撃者に関する捜査報告書や別の目撃証言を巡る参考人調書などの開示を求めたにもかかわらず、検察側が開示を拒絶したのは「合理的理由はなく、違法だ」とした。
桜井さんには既に、拘束された二十九年分の刑事補償として約一億三千万円が支払われたが、判決は控訴審判決時点から損害が発生していたと認定し、刑事補償額を差し引いた七千六百万円の支払いを命じた。
判決後に記者会見した桜井さんは「警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む。踏み込んだ判決に感謝している」と評価した。
<水戸地検の横井朗次席検事のコメント> 判決内容を精査し上級庁などと協議した上で対応を検討したい。
<茨城県警の浅野芳徳監察室長のコメント> 判決内容を精査し今後の対応を検討する。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000121.html】
「ウソや証拠独占冤罪生む」布川事件損賠判決 逮捕から52年 桜井さん捜査批判
2019年5月28日 朝刊
(支援者らを前に、勝訴を報告する桜井昌司さん
(前列、左から2人目)=27日、東京都千代田区で)
布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決(一九七三年)で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を促した。弁護団からは「画期的だ」との声が上がり、桜井さんは捜査機関の在り方を批判した。 (蜘手美鶴)
「捜査官がウソを言い、検察官が証拠を独占するやり方が冤罪(えんざい)を生む。それが許されないのは当たり前。裁判所が踏み込んで認定してくれて感謝している」
判決後、弁護団と東京都内で記者会見した原告の桜井昌司さんは、逮捕から五十二年の「戦い」を振り返り、支援者の前でほっとした表情を見せた。捜査や公判の違法性が認められた点を挙げ、「検察官や警察官の個人責任を問う法律をつくるべきだ」と訴えた。
桜井さんと同じ冤罪被害者も訴訟を支援した。大阪市の女児死亡火災で再審無罪となり、自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件や大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ。
<布川事件> 1967年8月、茨城県利根町布川の大工玉村象天さん=当時(62)=が自宅で絞殺され、県警は別の窃盗容疑などで逮捕していた桜井昌司さんと杉山卓男さんを強盗殺人の疑いで再逮捕した。2人は公判で無罪を主張したが、水戸地裁土浦支部は70年に無期懲役判決を言い渡し、78年に最高裁が上告を棄却して確定した。2人の再審請求に同支部は2005年、再審開始を決定。11年5月に無罪判決が言い渡された。
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以前に掲載されていたリテラの記事【『名探偵コナン ゼロの執行人』の公安礼賛がヒドい! 元公安担当記者・青木理が大ブレイクの“安室透”に絶句】(http://lite-ra.com/2018/08/post-4202.html)。
《本サイトは元共同通信の公安担当記者でジャーナリストの青木理氏に、嫌がるのを説得して無理やり『ゼロの執行人』を観てもらった。ちなみに、青木氏の著書『日本の公安警察』(講談社現代新書)は、安室透の公式ファンブックで参考文献にも挙げられている…「子ども向けのアニメにいちいち目くじら立てたくないけど、あまりの公安礼賛に正直絶句しました(笑)。…根本的なことがわかっていない。…」…ようは公安が「国のため」「国を守る」などと言っているのは大嘘で、その実態は自分たち組織の予算や権益を守っているだけということなのだ。…「国家の治安機関の暴走はテロよりはるかに怖い」》。
『●「そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候」の行きついた先
…「平成の治安維持法」が衆院を突破』
『●室井佑月さん、「なんで2週間余りの祭りのために、
大切な人権を蔑ろにされなきゃならないの?」』
《■第2の「菅生事件」が起きるのは確実 …1952年に大分・菅生村で
起きた「菅生事件」は、捜査当局が共産党内部に警察官を
スパイとして送り込んだだけでなく、自作自演の駐在所爆破事件を起こし、
共産党員らを犯人にでっち上げた。「共謀罪」が成立すれば、
第2、第3の「菅生事件」が起きる可能性があるのだ》
『●教員について密告させ、労組を監視する=
自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」』
『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」』
『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」』
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
《安室は、作品中でも証拠の捏造、盗聴、でっち上げ逮捕……等々、違法捜査のオンパレードで“事件解決”にこぎつける》…アニメとはいえ、《あまりの公安礼賛に正直絶句》ですよね。でも、青木理さんは《ああいう違法捜査の描き方だけは実態に近いかも(笑)》…だそうです。例えば、例の『転び公妨』などね。《非常に気になったのは、映画の登場人物が『公安お得意の違法捜査』を半ば自慢げに語り、作品全体を通じても肯定的に描かれていたこと。ああいう違法捜査も『国を守るためならアリ』というニュアンスがプンプンと漂っていた》。
無批判に礼賛を受けている公安警察、その実情は…《安倍政権は特定秘密保護法や盗聴法、共謀罪といった強力無比な“武器”を公安に次々投げ与え、その“恩”に報いるかのように公安は首相の政敵や政権批判者を監視する謀略機関化の色彩を強めている》。
青木理さん《テロは確かに怖いかもしれないけれど、国家の治安機関の暴走はテロよりはるかに怖い》。そして、《実際に戦前・戦中の日本はそうだったし、今だって北朝鮮や中国を見れば分かるように、治安機関の力が強大な社会はロクなもんじゃない。いわば諸刃の剣である治安組織が内包する危険性、負の側面に触れないのは、いくら子ども向けのアニメとはいえ、表現作品としてどうなんだろうと思ってしまいますね》。
『●『日本の公安警察』読了(1/2)』
「1章 厚いベールの内側」、「2章 特高から公安へ」、
「3章 監視・尾行から工作まで」、「4章 公安秘密部隊」、
「5章 戦後の公安事件簿」、「6章 オウム・革マル派との〝戦い〟」、
「7章 警察の外にある公安」、「8章 監視社会と公安警察」
「奇々怪々な「菅生事件」(すごう)という謀略とその後の無茶苦茶な経緯、
〝爆弾犯〟の異常な出世」
『●『日本の公安警察』読了(2/2)』
《情報は、大物政治家や警察OBの代議士に流れているというのが、
仲間内での公然の秘密であった。元来、秘密のベールに
包まれているはずの『第四係』の懇親会終了後に自民党選出の
国会議員が顔を見せるというのも、警察と自民党との癒着を
物語るものであろう》
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【http://lite-ra.com/2018/08/post-4202.html】
『名探偵コナン ゼロの執行人』の公安礼賛がヒドい! 元公安担当記者・青木理が大ブレイクの“安室透”に絶句
2018.08.22
(映画『名探偵コナン ゼロの執行人』公式サイト)
「安室透ブーム」なるものをご存知だろうか。アニメ化もされている人気マンガ『名探偵コナン』(青山剛昌/小学館)のキャラクター・安室透。その人気が最近ブレイクし、一種の社会現象となっているのだ。
『名探偵コナン』シリーズといえば、主に小中学生を中心とした子ども向けマンガではあるが、安室透なるキャラは大人の女性にも絶大な人気を博している。8月9日発売の『女性セブン』(小学館)合併号では、巻頭でキムタクと並んで安室特集が組まれ、安室を主人公にしたスピンオフマンガ『ゼロの日常』(新井隆広/小学館)は発売から1週間足らずで60万部を突破。作者の地元である鳥取の空港には安室のオブジェまで立てられたという。少し前には、『ゼロの日常』の作者がイラストをツイッターに投稿したところ、そのイラストに安室と女性が一緒に収まっていたことを理由に「女性とのツーショット画像が流出」と騒ぎになって謝罪に追い込まれるという、どうでもよすぎる“炎上騒動”まで起きている。
そして安室をフィーチャーした映画『名探偵コナン ゼロの執行人』も4月の公開以来大ヒット。いまなおロングラン上映が続きシリーズ最大のヒット、7月はじめには興行収入85億円を突破し上半期映画興行収入第1位となり、シリーズ初の「邦画年間第1位」まで視野に入っている。
その安室なるキャラ、普段はコナンが居候する毛利小五郎の弟子の私立探偵であり、喫茶店ポアロの店員として生活しているが、実は警察庁警備局の秘密組織“ゼロ”に所属する「降谷零」が正体だという設定。ようは公安警察なのだが、これに女性ファンが熱狂しているのだ。
●「安室の女」「執行女子」と呼ばれるファン、応援上映の熱狂
彼女たちは「安室の女」と呼ばれ、映画のヒットも牽引。安室を「100億の男」にする(=興行収入100億円を突破させる)ために繰り返し映画を鑑賞し、そうしたリピーターは「執行女子」とも呼ばれているらしい。
なかでも彼女たちの心をつかんでいるのが、安室が映画終盤に口にするこんなセリフだという。「僕の恋人は、この国さ」――。
このセリフを聞くだけでも、背中がぞわぞわしてくるが、いったいどんな映画なのか、都内で「応援上映」なるものがあるというので覗いてみた。上映中にペンライトを振ったり、掛け声をかけることができるというイベントで、すでに公開から数カ月経つというのに館内はほぼ満席。大半は女性だが、コスプレ姿のいかにも濃いファンから制服姿の女子高生、さらには20代、30代の仕事帰りと思しき女性まで幅広い層が訪れている。
映画のストーリーは「東京サミット」を目前に控え、東京湾岸の埋立地に新しく完成したIR(カジノも備えた統合型リゾート)で原因不明の爆発が起きるものの、最終的にはコナンと安室が協力して真犯人を解明し、大規模テロも未然に防いで一件落着という、単純なもの。しかし、すごいのは、観客の熱気だ。
観客の大半がリピーター=「執行女子」なのか、人気キャラが登場するたびに「コナン君っ!」「小五郎っ!」などと声援があがり、機動隊の装甲車が登場した際は「機動隊っ!」という意味不明の掛け声までが飛び交う。
なかでも安室人気は確かに凄まじく、安室と思しき人物の足元が映っただけで「キャーーッ!」と大歓声。なかでもひときわ激しい歓声があがったのは、安室が「僕の、恋人は……この国さ」とタメにタメて例の決めゼリフを放ったときだった。安室のカラーだという黄色いペンライトが劇場中で振られ、まるでアイドルのコンサート……。
いや、でもちょっと待ってほしい。アニメとはいえ安室の正体は公安。アイドルのように歓声を浴びせ、手放しでヒーロー視するような対象なのか。そもそも実際の公安は、こんなカッコいい代物ではなく、むしろ様々な危険性や問題点を指摘されている組織だ。それをここまで礼賛、するというのは、いくらなんでもやばいんじゃないのか。
■青木理に『名探偵コナン』“安室透”を無理やり観させたら…
そこで今回、本サイトは元共同通信の公安担当記者でジャーナリストの青木理氏に、嫌がるのを説得して無理やり『ゼロの執行人』を観てもらった。ちなみに、青木氏の著書『日本の公安警察』(講談社現代新書)は、安室透の公式ファンブックで参考文献にも挙げられている。
鑑賞後、さっそく青木氏に話を聞くと、困惑しきった表情でこう口を開いた。
「子ども向けのアニメにいちいち目くじら立てたくないけど、あまりの公安礼賛に正直絶句しました(笑)。安室透だっけ? たしかに警察庁警備局には“ゼロ”のような秘密組織はありますが、中途半端にリアルっぽく見せているだけで、現実とはまったく違います。僕の本も含め、公安本や小説などを読み漁って、つぎはぎしたのでしょうが、根本的なことがわかっていない。まず、細かいことで言えば、サミット警備の現場を担うのは地元の都道府県警であって、都内なら警視庁の公安部や警備部。安室が所属するという警察庁はキャリア官僚ばかりですから、現場で捜査や警備に当たることはありません」
映画では、その安室が縦横無尽に活躍し、人工衛星を警察庁に墜落させるというテロを間一髪のところで防ぐ筋立てになっている。実際の公安もこんなふうにテロを未然に防いだりしているのか。巷では「無用の長物」「金食い虫」「予算の無駄遣い」という悪口しか聞かないが……。
「実際に公安警察がテロを防いでいるかどうかはわかりません。彼ら自身、『未然に防いだテロは永遠に知られない』なんて自画自賛してるくらいですから(笑)。でも、現実にはほとんどないんじゃないですか。公安警察が大金星的にテロ集団を摘発した例として有名なのは、1970年代に連続企業爆破を起こした東アジア反日武装戦線ぐらい。一方、オウム真理教の一連の事件はまったくノーマークで防げなかった。1995年のオウム事件当時、僕は警視庁記者クラブで公安警察を担当していましたが、オウムについて公安警察は事前にまったく動いていませんでしたから」
では、いったい公安は具体的に何をしてきたのか。映画の中では安室も盛んに「国のため」と言っていたが……。
「公安警察は、戦前・戦中の特高警察の流れを組む思想警察の性格が強い組織です。戦後は、長く続いた東西冷戦体制を背景とし、“反共”を最大の存在意義にして予算や組織を膨張させてきた。ようは共産党や新左翼セクトの監視活動に膨大な人と金を注ぎ込んできたわけです。対象組織の内部に『協力者』と呼ばれるスパイを作ったり、果ては組織ぐるみの違法盗聴や爆破工作にまで手を染めたこともあったほど。ところが、冷戦終結後も同じような活動を延々と続け、警察内でも公安警察の存在意義に疑問の声が出はじめた。もともと警察内で公安部門はエリート意識が強く、けた外れの人員と予算を独占していましたから」
しかもオウム事件で無能ぶりをさらしたことで、「多額の予算を消費するだけで何の役にも立たない」という公安への風当たりはさらに強まった。存在理由を失った公安が膨大な予算と人員を死守するため、新たに目をつけたのが「テロ対策」だという。
「米国で起きた2001年の9.11事件に便乗し、翌年には国際テロ対策と称して警視庁公安部に外事3課を新設しました。鳴り物入りで200人以上の捜査員を配置しましたが、現実にはモスク(イスラム寺院)に出入りしているムスリム(イスラム教徒)をかたっぱしから追い回すだけ。挙句の果てには彼ら、彼女らの個人情報を満載した捜査資料をネット上に流出させる大失態を犯しています。ようするにこの十数年の公安警察は、組織と予算、権益を守るのに汲々としてきたのが実情でしょう」
■公安・安室透を英雄視する『ゼロの執行人』に欠けている視点
ようは公安が「国のため」「国を守る」などと言っているのは大嘘で、その実態は自分たち組織の予算や権益を守っているだけということなのだ。
そう考えると、今回の『名探偵コナン ゼロの執行人』は、公安にとって「組織維持と拡大」の格好の宣伝映画になったともいえるだろう。安室の女性ファン=「安室の女」は興行収入を上げるために映画を観に行くことを、安室が公務員であることにちなんで「納税する」と言っているらしいが、ある意味、的を射た表現なのかもしれない。
もうひとつ、安室は、作品中でも証拠の捏造、盗聴、でっち上げ逮捕……等々、違法捜査のオンパレードで“事件解決”にこぎつけるのだが、いささかの逡巡もなく「自ら行った違法作業のカタは自らつける」などと見得を切る。再び青木氏が苦笑して言う。
「ああいう違法捜査の描き方だけは実態に近いかも(笑)。警察官の手を払っただけで逮捕っていう場面が映画にも出てきたでしょう。実際に『転び公妨』って呼ばれる公安のお家芸があって、狙った人物を公安警察官が取り囲み、1人か2人がいきなり転んで『公務執行妨害だ!』といって逮捕してしまう。ただ、これも非常に気になったのは、映画の登場人物が『公安お得意の違法捜査』を半ば自慢げに語り、作品全体を通じても肯定的に描かれていたこと。ああいう違法捜査も『国を守るためならアリ』というニュアンスがプンプンと漂っていた」
こうした描き方に、青木氏は大きな問題を感じたという。
「公安警察が仮に治安維持の任務に当たっているとしても、行き過ぎれば重大な人権侵害を引き起こす。テロは確かに怖いかもしれないけれど、国家の治安機関の暴走はテロよりはるかに怖い。実際に戦前・戦中の日本はそうだったし、今だって北朝鮮や中国を見れば分かるように、治安機関の力が強大な社会はロクなもんじゃない。いわば諸刃の剣である治安組織が内包する危険性、負の側面に触れないのは、いくら子ども向けのアニメとはいえ、表現作品としてどうなんだろうと思ってしまいますね」
青木氏が言う通り、公安をここまで礼賛する映画も珍しい。そもそも日本には警察をヒーロー視するドラマや映画があふれかえっているとはいえ、たとえば『相棒』(テレビ朝日)などは公安の暗部をそれなりに描いてきた。『外事警察』(NHK)や『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ系)といった公安を主役にしたドラマでも、「自分たちが守っているのは何か」「本当に国民を守っているのか」といった逡巡が多少なりとも描かれた。
「アニメや特撮ものだってそうでしょう。かつての『ウルトラマン』や『ゴジラ』にしても、最近では宮崎駿監督の一連の作品も、作中には反戦や人権、環境保護といった人類共通のヒューマニズム的な要素が通奏低音のように流れていた。だから世界的にも高く評価されたのでしょう。でも、今回のコナン映画の通奏低音は何ですか。国を守る? 愛国? 少し前に賛否両論を巻き起こした『シン・ゴジラ』だって、左右どちらの解釈もできるような多層性があり、これほど単純じゃなかった」(青木氏)
■安倍応援団?『コナン』のカジノ推しとセガサミーの協力
しかも『名探偵コナン』がここまで公安礼賛になっているのは、たまたま、安室という公安捜査官のキャラを出したらヒットしたから悪乗りした、というだけでもなさそうだ。
『名探偵コナン』シリーズのアニメ映画をみていると、どうも政権や権力機関のPRのにおいがちらつくのだ。たとえば、2013年に公開された映画『名探偵コナン 絶海の探偵』も防衛省と海上自衛隊が全面協力し、自衛隊の最新鋭イージス艦を登場させていた。
そして、今回の『ゼロの執行人』も、物語で重要な舞台となっていたのは「東京サミットの会場」であるIR(統合型リゾート施設)、あのカジノ法で設置が認められたカジノ施設なのだ。物語の後半では、テロの危機から逃れる人びとをわざわざカジノに避難させ、クライマックスの舞台となるのもカジノ。
この映画が公開されたのは4月半ばで、カジノ法は、成立どころか国会での審議入りすらしておらず、むしろ国民から厳しい批判を浴びていた。ところが、作品中ではすでにカジノが日本に存在するのを当たり前であるかのように華やかに描かれている。
しかも、エンドロールでは、撮影協力者としてセガサミーの社名まで刻まれている。ご存知の通り、同社は安倍首相とは蜜月の関係にあり、政権がカジノ法をごり押し成立させたことを受け、その運営者になることも有力視されている。これははたして、たまたまなのだろうか。
これまで述べてきた公安礼賛もそうだ。安倍政権は特定秘密保護法や盗聴法、共謀罪といった強力無比な“武器”を公安に次々投げ与え、その“恩”に報いるかのように公安は首相の政敵や政権批判者を監視する謀略機関化の色彩を強めている。そんななかで、いくらキャラクターが当たったからといって、ここまで露骨な公安礼賛の映画をつくるというのは、製作者側にそういう権力礼賛、安倍応援団的な志向があるとしか思えない。
しかも、それ以上に気になるのは、こうした公安プロパガンダ・アニメが邦画興行収入1位を独走し、「僕の恋人は、この国さ」という決め台詞を口にする公安捜査官が社会現象まで引き起こすほど人気を博しているという事態だ。このバーチャルな熱狂が、現実の政治、警察国家化に反映されないという保証はどこにもない。
(編集部)
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[※ 《#ケチって火炎瓶》「選挙妨害を暴力団に発注」した方は、素直に挙手願います!(東京新聞2018年8月27日)↑]
日刊ゲンダイの森田健司氏のコラム【孤独のキネマ/「大統領の陰謀」 米国民はニクソンを追い詰めたが…】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/237370)。
《B・ウッドワードがトランプ政権の暴露本を書いて騒ぎになっている。国防長官のマティスがトランプを「小学5年生程度の理解力」とケナしたそうだ。ウッドワードは「ワシントン・ポスト」でC・バーンスタインとともにウォーターゲート事件を暴いた記者。今年は事件のディープスロートだったFBI副長官を描く「ザ・シークレットマン」や事件につながる「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」が日本公開された。3本まとめて見ると面白い…この事件でニクソンは辞任に追い込まれたが、現代の日本では「もりかけ」疑惑が晴れてもいないのに安倍晋三は3選の勢いだ。あの公文書改ざんやメモの発見は何だったのか!》
『●『創(2011年1月号)』読了』
「森達也さん「極私的メディア論/第57回 尖閣映像流出とポピュリズム」…
ベトナム戦争についての極秘報告書「ペンタゴン・ペーパーズ」を提供した
「エルスバーグに対する政府の訴追も裁判所から棄却された。/ところが
日本では同年、毎日新聞の西山太吉記者が政府の密約と国民への
背信行為を暴く記事を紙面に掲載したが、国民はこの取材にまつわる
不倫問題により強く関心を示し、結果として外務省密約はないものとされた。
/…民意とジャーナリズムのあり方はこれほどに違うのかと、
暗澹たる気持ちになる」。「…ところが日本における民意形成は、
政府の説明責任や不正を追及する方向ではなく、一時の感情に
煽られながら暴走する傾向が明らかに強い」」
『●森達也さん『国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要』』
「「「うそをつく人たち」にとって都合の「いい内容」」の特定秘密保護法案。
森達也さんは「国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要」、
と仰っています…」
《森達也リアル共同幻想論…映画『フェアゲーム』が暴くもの
…1976年に作られた『大統領の陰謀』は、ワシントン・ポスト社会部の
記者であるボブ・ウッドワードとカール・バーンスタインが主人公だ。
実際に2人がスクープした「ウオーターゲート事件」(ニクソン政権に
よる非合法な盗聴工作)をテーマに描いたこの映画も、登場人物は
すべて実名だ。ウッドワードとバーンスタインは、この前年に
ベトナム戦争の極秘報告書である「ペンタゴン・ペーパーズ」の全文コピーを
ニューヨーク・タイムズに渡したダニエル・エルズバーグや、これを
受け取って記事にしたニール・シーハンと共に、今もアメリカでは国家的な
英雄だ(ただしここに名前を挙げた全員が事件当時には、政府から
「国旗に泥を塗った」とか「国家の敵」などと糾弾されている)。…
沖縄密約事件の西山記者は英雄になるどころか日本中から批判された
翻って日本はどうか。政府による情報の隠ぺいと国民への背信行為として
真先に思いつくのは、1971年(ペンタゴン・ペーパーズがスクープされた年だ)
に起きた沖縄密約事件だ。でもこのとき、メディアは当時の佐藤栄作政権への
追及を途中でやめた。だから密約はないものとされてきた。ワシントン・
ポストやニューヨーク・タイムズの記者たちは英雄となったけれど、
密約を暴いた毎日新聞の西山太吉記者は日本中から批判されながら退職し、
さらに国家公務員法違反(機密漏えい教唆)で有罪とされた。…
密約の存在には触れないまま判決は出された…
ペンタゴン・ペーパーズやウオーターゲート事件のときにアメリカ政府は
記事差し止めを求めて提訴したが、最終的に司法は「政府は説明責任を
果たしていない」としてこれを却下した。今さらではあるけれど、まったく
同じ時期に起きた2つの事件の扱われかたは、何かの間違いじゃないか
と思いたくなるほどに違う》
『●『DAYS JAPAN』
(2013,DEC,Vol.10,No.12)の最新号についてのつぶやき』
「綿井健陽さん【民主主義社会から、国家第一主義社会へ】、
「「政府の情報は、国民のものだ」…「ペンタゴン・ペーパーズ」を
報道したフロイド・エイブラムズ弁護士は…」。岐路
(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/eba7913f790119052ad2a3313ebc4478)」
『●「これは相当に見つけにくかろう」…というか、
真に《不存在》な無い物(国民の信用)は見つけようがない』
《▼米国であった政府文書報道をテーマにした映画が公開中だ。
物は物でも超ド級の極秘文書で、ベトナム戦争の経緯を政府が
国民に隠してきた「ペンタゴン・ペーパーズ」だ。文書をスクープしたのは
ニューヨーク・タイムズだが、映画の主役は後追いする
ワシントン・ポスト…だが最高裁は「制限を受けない自由な報道のみが
政府の偽りを効果的に暴くことができる」と新聞社勝訴の判決を出す。
報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、今の日本にあるだろうか》
『●広報…「livedoor NEWSも産経ニュースも、
記事のタイトルがおかしくネ? ……腐ってんな」』
『●自衛隊PKO日報問題…「森友捜査ツブシ」選挙の
ドサクサに紛れて人治主義国家ニッポンの人事考査が再び』
『●『ペンタゴン・ペーパーズ』: 「報道の自由を守るには報道しかない」、
でも、沖縄密約と西山太吉記者…』
『●「規制の少ない通信と放送」…がもたらすのは
「総安倍チャンネル化」、「アベチャンネルに成り下がる」』
『●【NNNドキュメント/南京事件Ⅱ ―歴史修正を検証せよ―】
…「消し去られた事実の重み…現代に警鐘」』
『●もはやニッポンに「民主主義の看板を掲げる資格はない」…
アベ様は「盲目的に服従しない者には弾圧で…」』
『●「戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより、
子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなった」』
マスコミには、瓶三さんの報じられない事実「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」。《この事件でニクソンは辞任に追い込まれたが、現代の日本では「もりかけ」疑惑が晴れてもいないのに安倍晋三は3選の勢いだ。あの公文書改ざんやメモの発見は何だったのか!》 一体どういうこと? ……で、結局、お見事に三選だそうです。自民党議員や支持者の皆さんは、正気なんでしょうかね。暴力団につながる方に、しかも、選挙妨害を依頼するような人が国会議員、どころか、自民党総裁三選。静かに、世界に「恥」を拡散。
『●ヨイショ本・礼讃本『安倍晋三の真実』が伝えない、
「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」という事実』
《報道の自由を守るには報道しかない》…でも、《報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、今の日本にあるだろうか》?
報ずることの重要さ。目加田説子さん《執拗なまでに伝え続けること》。メディアの矜持を見せて「報道の自由」を行使すべきだし、《権力の監視》《権力のチェック機能》を発揮し、《番犬(ウォッチ・ドッグ)ジャーナリズム》に活路を。
『●『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著)読了
…《あなたの政治的ポジションを見つけて…》』
《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は
「中立公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。
それ、常識。》《党派性をもたずに政治参加は無理である。》
『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》』
《ジャーナリズムの最大の存在意義は「権力のチェック機能」である。
…専門的には「番犬(ウォッチ・ドッグ)ジャーナリズム」理論という》
《「番犬ジャーナリズム」は、純粋培養の環境下にあるよりも、
一人ひとりのジャーナリストがもがき、苦悩しながら遂行していってこそ
成長し、民主主義社会に貢献できるのではないか》
『●『追及力 権力の暴走を食い止める』(望月衣塑子×森ゆうこ著)読了
…《今、ジャーナリズムと野党の…》』
《今、ジャーナリズムと野党の存在意義を問い直す》
『●「公平・公正な報道」を求める文書の「こと細かな注文に従うのか」?
「報道の自由」を行使するのか」?』
「さて、こちらの「注文」主は、血判状を集めて回る「ヤクザまがい」
瓶三親分「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」。選挙妨害という
「不公平・不公正」な選挙をし、公職選挙法違反なアベ瓶三親分が、
「公平・公正な報道」を求める文書の「注文」主」
「「店主」メディアは、「ヤクザまがい」アベ瓶三親分の「公平・公正な報道」を
求める文書の「驚くほど具体的で細かい注文」に従うのか? それとも、
メディアの矜持を見せて「報道の自由」を行使するのか? 《権力の監視》
《権力のチェック機能》《番犬(ウォッチ・ドッグ)ジャーナリズム》が
失われ行くなかで、さて…」
『●浅野健一さん、「口先で…批判…トランプ大統領よりも、
メディアを手なずけている安倍首相のほうが悪質」』
「日刊ゲンダイの記事【巨悪に甘い日本の大メディア 米紙トランプ一斉批判で
露呈】…《とうとう米国内のメディアから集中砲火を浴びたのだが、
日本の大メディアはこの“ケンカの作法”を学ぶ気はないらしい…
■マスコミを懐柔する安倍首相は野放しに》」
『●目加田説子さん「「今」に潜む危機を執拗なまでに伝え続けること
…戦争と平和に関わる報道の重要な使命」』
「記事の最後に、目加田説子さんは《見ないふり知らないふりをする
私たちに、「今」に潜む危機を執拗なまでに伝え続けること。それが、
戦争と平和に関わる報道の重要な使命である》と言います。
《執拗なまでに伝え続けること》…是非、実践しましょう」
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/237370】
孤独のキネマ
「大統領の陰謀」 米国民はニクソンを追い詰めたが…
2018年9月13日
(「大統領の陰謀」ブルーレイ2381円+税/DVD1429円+税
ワーナー・ブラザーズホームエンターテイメント(C)1976/
renewed Entertainment Inc.and Wildwood Enterprises Inc.All rights reserved.)
■1976年 アラン・J・パクラ監督
B・ウッドワードがトランプ政権の暴露本を書いて騒ぎになっている。国防長官のマティスがトランプを「小学5年生程度の理解力」とケナしたそうだ。
ウッドワードは「ワシントン・ポスト」でC・バーンスタインとともにウォーターゲート事件を暴いた記者。今年は事件のディープスロートだったFBI副長官を描く「ザ・シークレットマン」や事件につながる「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」が日本公開された。3本まとめて見ると面白い。
ストーリーはご存じのとおり。72年6月、ワシントンのウォーターゲートビルにある民主党本部に男5人が盗聴を目的に侵入して逮捕された。ウッドワード(ロバート・レッドフォード)は彼らの裁判を取材。背後に大きな力があることに気づき、バーンスタイン(ダスティン・ホフマン)とともに調査に乗り出すのだった。
まるで探偵映画だ。序盤は電話取材が中心。あちこちにかけるうちにホワイトハウスにつながるルートがあぶり出される。相手の嘘から疑惑を強める展開が面白い。中盤はニクソン大統領再選委員会の不審な資金に着目して関係者を個別訪問。ところが誰もが「知らない」の一点張りだ。そこを粘り強く交渉して固い口をこじ開ける。
印象的なのがディープスロートとの接触場面。駐車場の陰影に沈んだ男が「マスコミは嫌いだ」と言いながら、情報をリークする。緊迫感に満ちた演出だ。
この事件でニクソンは辞任に追い込まれたが、現代の日本では「もりかけ」疑惑が晴れてもいないのに安倍晋三は3選の勢いだ。あの公文書改ざんやメモの発見は何だったのか!
ニクソンについては「ニクソン」(95年)、「フロスト×ニクソン」(08年)の秀作があり、いずれも彼の陰湿な性格を根底にしている。ニクソンは徳川家康タイプ。根暗なのだ。アホなパフォーマンスがうまいトランプは豊臣秀吉だろう。
ニクソン映画はシリアスドラマになったが、トランプが映画化されたら、知性が低いのでどんなに頑張ってもコメディーになってしまうはずだ。そんな男を米国民はワーワー言って持ち上げている。悲劇か喜劇か……。
(森田健司)
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[※ 《#ケチって火炎瓶》「選挙妨害を暴力団に発注」した方は、素直に挙手願います!(東京新聞2018年8月27日)↑]
リテラの記事【安倍首相のスピーチライターがヘイト出版社から噴飯の安倍礼賛本!「安倍さんは人の悪口を言ったことがない」】(http://lite-ra.com/2018/08/post-4205.html)。
My News Japanの林克明氏によるインタビュー記事【『ケチって火炎瓶』 安倍首相と暴力団の疑惑を追う山岡俊介氏が階段から転落 右肩骨折、頭部7針の本人に直撃インタビュー】(http://www.mynewsjapan.com/reports/2413)。
日刊ゲンダイの記事【追及者が不審事故 安倍首相“#ケチって火炎瓶”が世界に拡散】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/236581)。
《その本とは、『安倍晋三の真実』。著者は、安倍首相のスピーチライターである谷口智彦内閣官房参与だ…内閣官房参与という官邸中枢の人物がヘイト本出版社から平気で本を出すという現実に頭がクラクラしてくるが、さらにすごいのは、その中身だ…大半は安倍政権の政策をただただ礼賛し、〈…極めて誇り高い政治家・安倍晋三〉だのといった崇拝めいた文章で埋め尽くされている》。
《8月27日現在もまだ回復していない。転落する約2ヶ月前から山岡氏は、主宰するサイト『アクセスジャーナル』で、安倍首相の大スキャンダルを連日報じていた》。
《国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」が28日付で〈日本は、首相とヤクザの関係を調査するジャーナリストの不審な転落事故を捜査しなければならない〉との声明を出した。過去の山口県下関市長選を巡る安倍事務所の“火炎瓶騒動”を取材するジャーナリスト・山岡俊介氏が遭った不審な転落事故について、当局による捜査を要請。安倍首相の過去の重大疑惑は、いよいよ世界の知るところとなった》。
《もはやこの国の総理はカルト教団の教祖のような絶対的存在となっているらしい》。もはやカルトなディストピアの信者様方。
『●《もはやカルトだ》…《もはやこの国の総理はカルト教団の
教祖のような絶対的存在となっているらしい》』
「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」がキョウソ様。ヨイショ本・礼讃本『安倍晋三の真実』が伝えない、「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」という事実。
『●石破茂氏「日本への核拡散」発言と山尾氏「私事」による
離党の事の軽重…マスコミはわきまえているか?』
『●よっぽど人財が居ないのね、自民党には…
誰が自民党総裁になろうが、絶対にな~んにも変わりませんってば』
リテラの記事【安倍首相の個人崇拝が止まらない! ネトウヨ・安倍応援団がタカ派・石破茂を「パヨク」攻撃する倒錯】(http://lite-ra.com/2018/08/post-4207.html)によると、《あの石破茂が「左翼」などと攻撃されるなんて、隔世の感というか、悪趣味なジョークか何かかと思ってしまうではないか。だいたい石破といえば、自他共に認める軍事オタクで、日本国内の核兵器配備を検討すべきとまでぶち上げたこともある超タカ派。言うまでもなく改憲派で、安倍首相案の9条3項加憲ではなく、交戦権の否認を宣言した9条2項の削除が持論だ》。
『●「闇社会」との関係まで疑われるとは!? アベ様、ダークすぎます』
『●「暴力団人脈」による「ダーティな政治手法」!?
またしても、アベ様、ダークすぎます』
『●アベ様…「政敵をおとしいれるためには
暴力団関係者とも裏取引するという、ダーティな政治手法」』
『●アベ様の「ダーティな政治手法」スクープ:
「もはや地元の安倍事務所が勝手にやったではすまされない」』
『●政治家失格な…アベ様の「ダーティな政治手法」
「ダーティな本質」についての山岡俊介さんのスクープ』
『●「安倍と小山氏が直接面会して“秘密会談”をおこなった」…
どんなダークなことを話し合ったのかな?』
『●「カジノより学校にエアコンを! …被災者を助けて!」…
どこら辺が議場の秩序を乱し、品位を傷つける?』
『●《 #ケチって火炎瓶 》…「選挙妨害を暴力団に発注する」アベ様が
国会議員、自民党総裁、ましてや首相?』
『●「個人攻撃」の何が問題? 「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」が
国会議員、自民党総裁でいいのか?』
『●「権力の監視」「番犬ジャーナリズム」を発揮せよ…
「鎮火」不可な「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」』
一方で、「選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」について問題にし続けていた山岡俊介さんは謎の事故…。
国内ではほとんど報道されないけれど、「選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」が世界に拡散中。
なお、アクセスジャーナルの記事【安倍首相重大疑惑と本紙・山岡転落事故に関する「国境なき記者団」声明と、「日刊ゲンダイ」報道について】(https://access-journal.jp/7704)に、山岡さんの以下のような《見解》が出ている…《ただ、RSFの声明のなかには複数の事実誤認があり、また、「日刊ゲンダイ」の本紙・山岡コメント部分には誤解を招きかねない表現があった。そこで、本紙はこれまで山岡のケガに関しては一切報じていないが、事実誤認を訂正すると共に、この際、<見解>を出しておくことにした》とある。
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【http://lite-ra.com/2018/08/post-4205.html】
安倍首相のスピーチライターがヘイト出版社から噴飯の安倍礼賛本!「安倍さんは人の悪口を言ったことがない」
2018.08.24
(安倍首相のスピーチライターが書いた『安倍晋三の真実』)
いま、枝野幸男・立憲民主党代表の演説をまとめた『緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」』(扶桑社)が話題を呼んでいるが、その一方で、大型書店では同じ棚に気になるタイトルの本が同じように鎮座しているのをご存じだろうか。
その本とは、『安倍晋三の真実』。著者は、安倍首相のスピーチライターである谷口智彦内閣官房参与だ。
名前だけを見てもピンとこない人のほうが多いだろうが、谷口氏はもともと「日経ビジネス」(日経BP社)の記者で、第1次安倍内閣時に外務副報道官を務め、2013年に安倍首相のスピーチライターとして採用された人物。おもに外交にかんする演説を手がけており、あの国際オリンピック委員会総会での「汚染水は完全にブロックされている」や、米シンクタンクでの「私を右翼の軍国主義者と呼びたいなら、どうぞ」、エジプト・カイロでの「ISILと闘う周辺各国に総額で2 億ドル程度、支援をお約束します」という演説も、この谷口氏がかかわったとみられているのだ。
実際、帯の惹句にも「総理大臣の外交スピーチライターだから書けた 官邸「激闘の舞台裏」」「なぜ彼はこれほど身を削るのか」と書かれ、安倍首相と谷口氏が仲良く並んだ写真を掲載。版元は、ケント・ギルバート『中韓がむさぼり続ける「反日」という名の毒饅頭』や櫻井よしこ『日本人に生まれて良かった』、武藤正敏『韓国人に生まれなくてよかった』といった反中嫌韓のヘイト本を出版しつづけている悟空出版だ。
内閣官房参与という官邸中枢の人物がヘイト本出版社から平気で本を出すという現実に頭がクラクラしてくるが、さらにすごいのは、その中身だ。
じつは、惹句で謳うような“官邸の舞台裏”といった話はちょこちょこと差し挟まれるだけで、大半は安倍政権の政策をただただ礼賛し、〈経験と知見を誰より深め、羅針盤において揺るぎがなく、およそ人の悪口を言わず、霞が関で総理が自分の陰口を言っているのを聞いたという人が誰一人いないという、情緒においてもそれほど安定している人物〉〈自らに恃むところが強く、時代の要請に応じようとする使命感においても強くて、極めて誇り高い政治家・安倍晋三〉だのといった崇拝めいた文章で埋め尽くされている。
たとえば、体調不良を理由に政権を投げ出したにもかかわらず再び総理に返り咲こうとしたときのことについて、谷口氏はこんな妄想を繰り広げるのだ。
〈安倍さんはあのとき負けなかった。歯を食いしばって立ち上がろうとし、そして天の声を聞いたのだと思います。
天の声とは、英霊たちの声だったかもしれません。
オレたちは、命と引き換えに、立派な国になってほしかったんだ、なのに今の日本は、こんなに衰勢じゃないか、頼む、しっかりしてくれというような〉
これが「官邸「激闘の舞台裏」」を綴った本だというのだから、安倍官邸がいかに正気でないかがよくわかるというものだろう。
しかも、なぜかこの本では“安倍総理はいかに人の悪口を言わないか”という点が繰り返し強調されており、〈言葉を慎む潔癖のせいというより、生来、そういう意地悪をやろうという発想をもったことがないのではないか〉などと述べて安倍首相の人格の高潔さをひたすら褒め称えるのである。
国会という場で「早く質問しろよ!」とヤジを飛ばし、挙げ句、市民に向かって指を指して「こんな人たちに負けるわけにはいかない」などと口走る、あの人が、“悪口を言わない”“意地悪をやろうと思ったことがない”って……。
■昭恵夫人の行動を“我が子を持てないから”と女性差別丸出しで擁護
さらに、森友・加計問題についても紙幅を割き、小川榮太郎氏や国家戦略特区ワーキンググループ座長の八田達夫氏といった“お仲間”の主張を使って正当化。だが、ここまでは安倍シンパの常套手段でしかないが、谷口氏は加えて、昭恵氏の話をもち出し、信じられないような擁護論をはじめるのだ。
なんと谷口氏は、昭恵氏が〈我が子をもつことをついにあきらめざるを得なくなってから(中略)東南アジアやアフリカでエイズ患者に会いに行って、抱きしめたり、(中略)社会的弱者、少数者に自分を近づけようとする努力が目立ちます〉と述べ、〈母として注ぐことのできなかった愛を、だれかのため、できればたくさんの人のため、そそいでみたいという衝動があったのではないか〉と推測。その上で〈昭恵さんはその最も柔らかい側面を見せてしまったことによって、かえってあまりにも不当な扱いを受けてきていると思います〉と庇うのである。
森友の“愛国小学校”が、なぜ社会的弱者や少数者と一緒くたになっているのかさっぱり意味がわからないが、女性の“産めない”という問題に無神経に踏み込んだ上、“母性本能が森友学園に肩入れさせた”と言わんばかりの主張をする──。よくもまあこんな下劣かつ説得力のカケラもないことを平然と書けたものだ。
つまりこれは、総理付のスピーチライターがわざわざ書いた、安倍応援団たちの本と何ら変わりない、あまりに低レベルな安倍礼賛&擁護本なのだが、じつはこの本、これまで出版されてきた安倍礼賛本とは大きく違う点がある。
そもそも、安倍応援団ジャーナリストが書く安倍礼賛本といえば、なんでもかんでも野党のせいにし、問題を野党批判に転嫁するのが特徴。たしかにこの本も野党批判はあるのだが、しかし、それ以上に強調されているのは、露骨な石破茂批判なのである。
たとえば、モリカケ問題で野党を批判したあと、谷口氏はこうつづけるのだ。
〈(モリカケが支持率に影響すれば)自民党の、選挙に弱い議員たちの間に、すぐさま動揺が走ります。総裁候補を目指す人たちには、総理の背後からタマを撃つ卑劣な行いにあえて踏み出す手合いが現れます(実際に踏み出す人、留まる人とがいて、違いは人品骨柄に表れる)。憲法改正議論など、総理が始めてもらいたいと思っても、自民党が一枚岩にならないという状態になる。野党の思惑通りでしょう〉
〈憲法の一字一句変えるべからずという護憲原理主義者ならともかく、自民党のそれなりに名の通った政治家までが、加計をめぐる総理の対応をなじりたがるのは、結果として野党の敷いたプランを助けることになっている、また、憲法はなにがなんでも変えるべからずという勢力に自らくみすることになっているのを、よもや知らないはずはあるまいと思うのですが、果たしてどうでしょうか。知った上での発言だとすると、言葉に誠のない人ということになります〉
■明らかに石破茂のことを指す攻撃も! 総裁選の宣伝であることを自ら証明
名前こそ出してはいないが、この〈自民党のそれなりに名の通った政治家〉というのは、あきらかに石破氏のことを指しているだろう。現にいま、総裁選に向けて安倍陣営は石破氏のことを「隠れ護憲派」「安倍首相の批判ばかりで野党のよう」などとバッシングを展開しているが、谷口氏のこの主張はそれとまったく同じではないか。
これだけではない。じつは同書では、もっとあからさまに総裁選を意識した文面が出てくるのだ。
〈総理の座とは、そのために必要にして欠くべからざる地位、いわばツールではあっても、自己目的化して追求しないといけないもの、ましてやトロフィーのように、それ自体が欲しくてたまらないというようなものではありませんでした。
これは一度経験し、挫折し、復活したからこそとれた態度であり、覚悟です。
私たちは来る2018年9月に予定されている自民党総裁選で、その同じ態度、覚悟があるのかないのかわからない人を選ぶわけにはいかない。安倍総理に、圧倒的な勝利を収めてもらわなくてはならない〉
さらに、まえがきでは、〈著者としては、読者を選びます〉と宣言し、〈官邸前に来て、「なにもかもアベのせいだ」と口汚く罵る人々、卑しい言葉をいとも容易に使っているうち、人相まで自ら卑しくしている類の人々には、もとより出会いたいと思っていません〉と安倍首相同様に市民を“卑しい者”扱いしたあと、〈しかし自民党の党員ともあろう人たちには、ぜひ、必ず、読んでほしいと思います〉とはっきり書いているのである。
ようするに、これは総裁選に際し、自民党員に向けて書かれた本なのだ。
スピーチライターまで動員して総裁選の選挙運動のための本を書かせるとは、なりふり構わないとはこのことだろう。谷口氏は〈安倍総理や周辺の誰彼から使嗾を受け、あるいは私が忖度し、時期を選んで本書を書いたというわけではありません〉などと言い訳めいたことも書いているが、内容や7月末という出版のタイミングからして“時期を選んで書いた”としか思えない。
■総裁選を前に、ネトウヨと安倍応援団の安倍ヨイショ本出版ラッシュが
実際、安倍官邸には“前科”がある。2012年の総裁選直前も、安倍首相の熱烈な支持者だった小川榮太郎氏が『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)という安倍PR本を出版。これが安倍首相再登板の一翼を担ったと言われている。また、安倍首相の資金管理団体・晋和会と代表を務める選挙区支部が、政治資金で少なくとも4000部以上も購入していたことが判明している。
さらに、昨年の総選挙投票日直前には、やはり小川氏が『徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)なる陰謀論本を出したのだが、こちらもなんと自民党が5000部を買い上げ、所属議員や支部に〈ぜひご一読いただき、「森友・加計問題」が安倍総理と無関係であることの普及、安倍総理への疑惑払拭にご尽力賜りますようお願い申し上げます〉という書面つきで送っていたことが報じられた。
つまり、今回の『安倍晋三の真実』も同じように、議員や支部へのPRとして出版された可能性が高いのだ。
しかも、この総裁選のタイミングで出版される安倍PR本は、同書だけではない。今月17日には「月刊Hanadaセレクション」として『安倍総理と日本を変える』が発売されており、25日には産経新聞の阿比留瑠比記者が『だから安倍晋三政権は強い』(産経新聞出版)を、9月3日にはまたも小川氏が『徹底検証 安倍政権の功罪』なる本を『安倍晋三の真実』と同じ悟空出版から発売する予定なのだ。
また、すでに『安倍晋三の真実』や『安倍総理と日本を変える』は新聞広告が打たれているが、これも総裁選を睨んだものだろう。事実、昨年の総選挙期間中にも『徹底検証「森友・加計事件」』の中吊り広告や新聞広告が大々的に打たれており、きっと総選挙直前にも同様に、安倍礼賛本の広告がどんどん打たれ、安倍3選ムードを高めることは、まず間違いない。いや、それどころか、『安倍晋三の真実』著者の谷口氏は、9月9日放送の『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)にまで出演する予定だという。
自民党は昨日、総裁選の公開討論会や街頭演説を〈大幅に削減する方針〉を打ち出した(産経ニュースより)。石破氏との討論や市民の前に立つことから逃げる一方で、内閣官房参与のスピーチライターを使い、御用メディアを総動員し、姑息な宣伝活動に勤しむ──。谷口氏は本のなかで〈分厚い肉を味わってみたいとばかり、権力なるものに憧れを抱いている、(中略)本当にそんな人に権力を握らせてしまったなら、何をするか知れたものではありません〉と書いていたが、それこそが“安倍晋三の真実”ではないだろうか。
(編集部)
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【http://www.mynewsjapan.com/reports/2413】
『ケチって火炎瓶』 安倍首相と暴力団の疑惑を追う山岡俊介氏が階段から転落 右肩骨折、頭部7針の本人に直撃インタビュー
00:19 08/28 2018 林克明
(【写真左】安倍晋三氏と小山佐市氏(右))
(【写真右】安倍首相と小山氏の疑惑を追う最中、駅階段から
転落したジャーナリストの山岡俊介氏)
8月7日夜9時ごろ、新宿駅東口のアルタスタジオ横の階段から、ジャーナリストの山岡俊介氏が転落し、重傷を負った。14段下の踊り場まで一気に転がり落ち、通行人が見つけて救急車を呼び東京女子医大に搬送。右肩骨折、頭部7針を縫い、右膝は腫れ上がり、8月27日現在もまだ回復していない。転落する約2ヶ月前から山岡氏は、主宰するサイト『アクセスジャーナル』で、安倍首相の大スキャンダルを連日報じていた。その疑惑とは、安倍事務所が1999年4月の下関市長選で、暴力団と関係の深い人物に選挙妨害を依頼。しかも安倍晋三自身が選挙妨害実行者と直接面談し、事後処理に係っていたことを含む物証(3通の文書)も公開していた。当事者の証言動画や、安倍首相と選挙を妨害した人物を直接会わせたという元筆頭秘書の発言録音もある。転落事故について山岡氏本人から話を聞いた。…
【Digest】
◇第一報の衝撃 安部首相疑惑追及の記者が重症
◇安倍首相「選挙妨害・自宅放火事件・暴力団関係」とは
◇転落現場の階段に駆けつけた
◇山岡氏宅前に立つ不可解な人物
◇「ゆっくりと自分が落ちていくと認識しながら落ちた」
◇監視カメラがない階段だった
◇武富士事件と同様に記者クラブメディアは沈黙するが・・・
◇第一報の衝撃 安部首相疑惑追及の記者が重症
8月10日、前日に投稿された以下のツイートに目が釘付けになった。
寺澤有 @Yu_TERASAWA · 8月9日
【第1報】7日21時ごろ、山岡俊介さん @yama03024 が新宿のスタジオアルタの地下階段を降りようとしたところ、体が飛ぶようにして転落。救急車で病院へ運ばれ、右肩骨折、頭部7針を縫う重傷。「誰かに押された記憶はないが、どうしてあんなところで飛ぶのか」と話している。某事件との関係は不明。
投稿者は、安倍首相にまつわる「某事件」を山岡氏とともに取材したジャーナリストの寺沢有氏である。
いやな予感がした。長年にわたり事件取材を続けてきた山岡氏の身に起きた過去の事件を、筆者はすぐに思い起こしたからだ。
2005年7月、何者かによって山岡氏の自宅が放火されている。さらに2007年8月には、脅迫状とカッターナイフが送りつけられた事件もあった。
脅迫状などから、いずれも取材や記事に起因する事件であることがわかっており、山岡氏は「犯人のめどはついている」と言う。当時、そのことを警察にも伝えているが、放火・脅迫状とカッターナイフの両事件は、今もうやむやになったままだ。
また、警視庁が、犯歴情報という個人情報を消費者金融の武富士に流し、武富士からはお中元お歳暮などが出ていたほか、個人の信用情報を警察に流していた事件(いわゆる武富士事件)も、山岡氏は積極的に取材していた。
武富士事件は、問題ある企業と警察の癒着という大スキャンダルだった。その取材をしていた山岡氏の自宅電話は、武井保雄武富士会長の指令によって、盗聴されていたことも判明した。
山岡氏は、取材者であるとともに、盗聴の被害者だったわけだが、逆に新宿警察署より、任意捜査という名の取り調べを連日受け、新宿警察署の田中刑事から「お前は銀バエだ」などと罵声を浴びせられた(03年5月23日午後)。
自らの不正を隠蔽するために警察は、武富士に対する恐喝未遂事件をでっち上げ、逆に山岡氏を逮捕しようと試みていたのである。
しかし、山岡氏自宅電話の盗聴を指示していたとして、武富士の武井保雄会長が03年12月2日、電気通信事業法違反容疑で逮捕され、形成は一気に逆転した。
武富士も大きな事件だったが、山岡氏が追及している安倍首相の某事件は、民主主義体制の根幹を揺るがす深刻な問題だ。山岡氏の主催するアクセスジャーナルでの連載記事と寺澤有氏の電子書籍 、そして二人の対談を基に、以下で重要部分をコンパクトにまとめた。
◇安倍首相「選挙妨害・自宅放火事件・暴力団関係」とは
【上】1通目確認書。すでに竹田力筆頭秘書とのやりとりや、「古賀つぶし」(選挙妨害)についても触れられている。【中】2通目願書。竹田秘書により、7月3日午前10時に安倍晋三氏と小山氏を直接対面させる旨が記されている。【下】3通目確認書。上記の直接面談を踏まえた文書。
安倍晋三衆議院議員の事務所が1999年4月の下関市長選で、対立陣営候補(古賀敬章・元衆院議員)の選挙妨害を、暴力団とつながりのある建設会社会長・小山佐市氏に依頼した。
小山氏は実際に、古賀候補の誹謗中傷ビラを配布した。結果は、古賀氏の落選、安倍事務所が応援した江島潔氏が当選した。
ところが、選挙妨害活動に対する見返りがなく、特定危険指定暴力団の工藤会系高野組の高野基組長ら関係者とともに、怒った小山氏は、2000年6月から8月にかけて、安倍晋三氏の自宅や後援会事務所など、4か所に、火炎瓶で放火を試みた(小山氏は冤罪を主張)。
政治家の自宅や関係箇所を火炎瓶攻撃されたにもかかわらず、安倍事務所は警察に捜査を依頼せず、山口県警も動こうとしなかった。
ところが3年経った2003年11月、放火未遂事件で小山氏と工藤会系高野組の高野基組長が逮捕されたのを皮切りに、関係者複数人が逮捕された。
当時、今は廃刊した『噂の真相』が、放火事件の背景には、安倍事務所による選挙妨害依頼があった、と報じたが、他のマスコミはとりあげなかった。
しかしその後、共同通信社が取材して記事化する寸前までいった。ところが2006年9月26日に第一次安倍政権が発足して約一週間後の10月2日、共同通信社は会議を開き、記事を見送ることを決定した。選挙妨害事件という大スキャンダルが握りつぶされたのである。
翌年2007年3月9日、福岡地裁小倉支部で小山佐市氏に懲役13年、高野組長に懲役20年の判決が言い渡された。
それでも山岡氏らは追及の手を緩めず、2014年8月、寺澤氏とともに安倍氏の筆頭秘書だった竹田力氏(元山口県警の警視=16年8月死去)のもとを訪れ、トラブル解決のために安倍晋三氏と小山氏を引き合わせたこと、「私が一筆入れました」などの証言を引き出す。
竹田証言も録音しており、今年7月28日に筆者が主催する講演会(前半・後半で録音の一部を公開した。
それから4年後の2018年5月10日、事態は急展開する。2月に出所した小山氏が山岡氏に電話したが、つながらず、寺澤氏に電話して、つながった。急遽、山岡・寺澤の両名は下関にとび、5月13日に小山氏を長時間にわたり詳細にインタビューしたのである。
小山氏本人の証言動画撮影とともに、存在が指摘されていたが現物が公になっていなかった、安倍事務所と小山氏との3つの確認書類を、二人は目にする。つまり、動かぬ証拠が出てきたのだ(3通の文書については、ぜひ山岡氏主催のアクセスジャーナルおよび、寺澤氏の電子書籍で読んでほしい)。
事件から18年ぶりに当事者がビデオカメラの前で当人しか知りえない事実を証言し、3通の確認書などが出てきたことで、大転換すると思いきや、大マスコミ(記者クラブメディア)は現在も沈黙を決め込んでいる。
しかし2人のジャーナリストによって、インターネット上で、急激にこの事件の内容が拡散されるようになった。
その矢先に起きたのが、階段転落“事故”なのである。
【上】新宿駅前アルタ左の階段を山岡氏は下りようとした。駅前広場に面しているわりに人通りは少ない。【中】階段の上から下の踊り場まで前転し止まることなく転落。地下鉄や地下通路につながる階段だが監視カメラはまったく設置されていない。【下】手前の踊り場で階段の上の方向(写真撮影者と同じ方向で)に向かいうつぶせ状態で体が止まった。
◇転落現場の階段に駆けつけた
山岡氏が扱っている安倍首相にまつわる疑惑は、深刻な要素を含んでおり、過去の自宅放火事件や脅迫・カミソリ事件があるだけに、まずは転落現場を確認し、山岡氏本人に事情を聞かねば、と筆者は新宿に向かった。転落の4日後である。(8月7日午後9時転落、筆者が現地に向かったのは8月11日午後2時)
現場は、新宿駅東口駅前のアルタスタジオに向かって左側の階段だ。地下通路や、地下鉄駅へと通じている。14段の階段の下には広い踊り場があり、さらに右方向に階段が続く。
特別に急な傾斜ではなく、ビルの階段としては標準的な段差で、角度もごくふつうだ。
新宿駅前だから、そこそこ人通りはあるものの、新宿駅ビルに直結する階段のような膨大な人々が利用するほどでもない。微妙な人通りの階段である。つまり、駅ホームに直結する階段よりは、はるかに人が少ない。
14段降りた踊り場には、ポタポタと液体が垂れたようなシミが付着していた。かなり出血したというから、山岡氏の血液跡だろうか。すぐにでも山岡氏に会わなければ、と2度電話するも、留守電だった。
新宿を跡にして別の場所に移動したが、気になって、その日の16時5分に再び山岡氏に電話した。ようやくつながると山岡氏は、
「事故だとは思うんですけど・・・」
と小さな声で、控えめな答えが返ってきた。その声を聞いて、逆に、今すぐ会いにいかなければ、と彼の自宅へ向かった。
◇山岡氏宅前に立つ不可解な人物
山岡氏宅が経つ界隈は、ふしぎな街並みである。裏町的な雰囲気もするし、古い東京の趣もある。
住所をたよりに自動車も通れないような路地を進むが、行き止まりもあり、すぐには家を探し当てられなかった。
この辺りだな、と思う地点にきて右方向を見ると、若い男が立って何かしているような感じだ。周囲にはまったく通行人がいないのでなんとなく目立つ。
さらに歩みを進めると違う番地になってしまったため、再び戻ると、2分ほど前に見た男がまだ立っていた。スマホか何かをいじっているような様子だったが、細かな動作は覚えていない。
そちらの方向に私が歩き始めると、男はきびすを返し、その先にある石段を登り去っていった。
歩みを進めるとようやく、山岡宅を見つけた。先ほどまで男が立っていた場所の前が山岡氏の自宅だった。
16時55分、気になったので時刻を確認した。
◇「ゆっくりと自分が落ちていくと認識しながら落ちた」
ちょうど2週間前の7月28日に、筆者が主催する講演会「いま話題の安倍首相・重大キャンダル~安倍晋三氏(あるいは安倍事務所)は、本当に選挙妨害を暴力団関係者(当時)に”発注”したのか?に、この問題を取材した山岡氏と寺沢有氏を招いて事件の詳細を語ってもらったばかりだ。
2週間ぶりに見る山岡氏は、疲れているように見えた。右の目じりが紫色になり、明らかに内出血しているのがわかる。あとで聞いたら右目の視力が一時低下したという。
右肩は骨折して少し赤くはれ上がっている。右前頭部は縫い針の痕が、なまなましい。
――いったいどうしたのですか。第一報を聞いたとき、泥酔して転落したんじゃないか、とも一瞬思ったのですが。
「当日は裁判の件で弁護士と打ち合わせしていました。カルピスなんとかというのを一杯飲んだだけで、酔ってなどいません。
打ち合わせ終了後、スタジオアルタと『カフェ・ド・ボア』という喫茶店の間にある階段を下りて、地下鉄で帰宅しようとしていたんです」
【上】右肩を骨折し1カ月の重傷。【下】診断書。
――人にぶつかったとか背中を押されたよう感覚はありましたか…
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/236581】
追及者が不審事故 安倍首相“#ケチって火炎瓶”が世界に拡散
2018年8月31日
(「国境なき記者団」の大々的な声明(RSFのホームページから))
国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」が28日付で〈日本は、首相とヤクザの関係を調査するジャーナリストの不審な転落事故を捜査しなければならない〉との声明を出した。過去の山口県下関市長選を巡る安倍事務所の“火炎瓶騒動”を取材するジャーナリスト・山岡俊介氏が遭った不審な転落事故について、当局による捜査を要請。安倍首相の過去の重大疑惑は、いよいよ世界の知るところとなった。
火炎瓶騒動とは、1999年の市長選で、安倍事務所が支援候補を当選させるため、暴力団に対立候補の中傷ビラまきを依頼し、500万円の報酬を300万円に値切ったため、自宅に火炎瓶を投げ込まれたとされる事件だ。国会でも指摘され、「#ケチって火炎瓶」のツイートが話題を呼び大炎上している。
この事件を長年追及する山岡氏は8月7日夜9時ごろ、東京・新宿アルタから地下鉄駅に通じる階段上から転落。肩を骨折し、額を7針縫う全治1カ月の大ケガを負った。山岡氏に当時の状況を聞いた。
「後ろから押された感覚はありませんが、当時、私は酔っていたわけでも、体調が悪かったわけでもありません。体力には自信がある方ですから、普通なら踏ん張ったり何かにつかまろうとするはず。ところが、救急車を呼んでくれた方によると、前転するように上から下まで真っ逆さまに転げ落ちたといいます。私は過去に脅迫状を自宅に送り付けられたこともありますから、今回の一件も何かしらの力が働いたと疑わざるを得ません」
RSFは声明で〈(山岡氏が)取材していた対象を考慮すると、このような不自然な転落は本格的な捜査に値するが、現在行われていない〉と指摘。〈日本のジャーナリストは、安倍首相が12年に政権を取って以来、自分たちに対する不信と敵意の雰囲気があると不満を抱いている〉と、安倍政権の報道に対する姿勢まで批判している。世界に拡散しつつある「#ケチって火炎瓶」疑惑。このまま放置していいのか。
「『報道の自由度ランキング』を年1回、公表するRSFは、第2次安倍政権の発足以降、日本のランク急落を憂慮しているのでしょう。十数年前の事件とはいえ、安倍首相はキチンと釈明しなければ、国際社会に不信感を与えるだけです」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)
総裁選前だからと、ダンマリは許されまい。
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『久田将義責任編集/TABLO』(http://tablo.jp/)の記事【青木理 連載『逆張りの思想』第七回/『司法取引が日本でも導入』 囁かれる冤罪増加の危惧】(http://tablo.jp/serialization/aoki/news003373.html)。
神保哲生さんのvideonews.comの記事【日本版司法取引は大量の冤罪を生むことになる ゲスト/森炎氏(弁護士)】(http://www.videonews.com/marugeki-talk/894/)。
《この新制度の根本に横たわる大きな問題点はあまり論じられていない…2点…。まず、米国などで司法取引が広く導入されているとはいっても、日米の間では刑事司法制度の現状が大きく異なる。というより、日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的である。…代用監獄…人質司法…。もう一点、そもそもこの新制度がなぜ導入されることになったのか…。…今回の新制度導入の原点をさかのぼると、大阪地検特捜部の証拠改竄事件に行き当たる.... いつしか法務省などは次のような理屈を唱えはじめる。『証拠改竄などという犯罪が起きてしまったのは、検事が職務熱心なためだった…』…誰が考えても首をかしげる"屁理屈"…焼け太りというか泥棒に追い銭…。つまるところ官には甘く、民には厳しいーー言葉を変えれば、強者にはおもねり、弱者とみれば噛みつく捜査機関に、私たちは強力な武器をまたも投げ与えてしまったのである》
《来る6月1日、日本の刑事司法史上では初となる、司法取引制度が導入される。…果たして司法取引は冤罪の減少に寄与するのだろうか。残念ながら答えはノーだ》。
《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚な国。それは、いま話題の大阪地検特捜部の「村木厚子元厚労省局長の冤罪事件」〝村木事件〟がその原点…森友問題「不起訴」から権限拡大が無意味であり、むしろ市民にとって害悪しかない司法制度の投げ渡し。
『●教員について密告させ、労組を監視する=
自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」』
『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」』
『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」』
《…犯罪が起きる前だから、供述が立証の柱になる。それだけに頼っては
冤罪(えんざい)だらけになる。もっと物証が欲しい。「通信傍受を
縦横無尽に使いたい。司法取引も」と考えるだろう》
「さて、《真面目な警察官であれば何を考えるか》? デンデン王国
「裸の王様」アベ様の御好きな超管理社会・監視社会・密告社会です。
自公お維の議員の皆さん、支持者の皆さん、無関心派「眠り猫」の
皆さん、本当にそんな社会を目指しているのですか? あまりに
悍ましいと思うのですが…。《政治や社会の矛盾に声を上げる人が
疑われる社会は健全か》? 「平成の治安維持法」があるような社会は
健全ですか? 青木さんは《社会に異議申し立てする人が片端から
捜査対象になる社会は、断じていい社会ではない》と」
《官には甘く、民には厳しいーー言葉を変えれば、強者にはおもねり、弱者とみれば噛みつく捜査機関》…森友問題・加計問題・自衛隊日報問題に関する組織的文書改竄の官僚には起訴無しで、同じデータ改竄の神戸製鋼には強制捜査。
アベ様の御好きな超管理社会・監視社会・密告社会…《私たちは強力な武器をまたも投げ与えてしまった》。検察・検事は《職務熱心》…アベ様や取り巻き連中、官僚は《職務熱心》とでも…?
《司法取引が導入されれば、冤罪のリスクが大きくなることは明白だ…実は日本人は多少の冤罪はやむなしと考えているのか》? 《なぜ検察不祥事に端を発する検察改革論争の末、検察の捜査権限を強化するような法律ができてしまうのか》??
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【http://tablo.jp/serialization/aoki/news003373.html】
青木理 「逆張りの思想」
『司法取引が日本でも導入』 囁かれる冤罪増加の危惧
2018年06月04日 冤罪 司法取引 裁判所 警察 青木理
この6月1日から、いわゆる司法取引制度が日本でも新設された。他人の罪を明かせば自身の罪が軽減されるという制度の性格上、冤罪が増えかねないといった懸念をメディアも伝えている。
一方で、米国などはすでに広く導入している制度であり(厳密には日米の制度は少々異なるが、複雑なためここで細かく論じない)、これによって贈収賄などの権力型犯罪、オレオレ詐欺などの組織犯罪、あるいは暴力団犯罪の摘発強化に期待を寄せる声もある。
だが、この新制度の根本に横たわる大きな問題点はあまり論じられていない。本サイト読者のため、ここでは2点に絞り、ごく簡単に解説を加えておきたい。
まず、米国などで司法取引が広く導入されているとはいっても、日米の間では刑事司法制度の現状が大きく異なる。というより、日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的である。
例えば、あなたが何らかの罪を犯した嫌疑を受けたと仮定しよう。警察に身柄を拘束されると通常、警察署の留置場に叩き込まれる(=代用監獄)。また、取り調べは密室で行われ、徹底して孤独な状況のなか、場合によっては何十日も続けられる。しかも容疑を否認したり黙秘したりすれば、なかなか保釈を受けることができない。場合によっては何十日、ひどい例では何百日も勾留され、警察や検察は保釈を餌にもして自白を迫ることもある(=人質司法)。
さらに警察や検察が強制権限を駆使して集めた証拠や証言は警察や検察が独占してしまい、仮に被疑者・被告人の無実を示すような証拠があっても平気で隠されてしまう。裁判所も検察や警察の言いなりの傾向が強く、検察が起訴した際の有罪率は約99%に達する。
以上は過去の冤罪事件に共通する悪弊の数々。近年は裁判員裁判がスタートし、一部の犯罪捜査における取り調べが可視化(=録音・録画)されることとなり、若干の改善が図られてきたとはいうものの、大きな枠組みは依然として変わっていない。
世界の先進民主主義国を見渡しても、これほど閉鎖的で後進的な刑事司法がまかり通っている国は見当たらず、国際機関などからたびたび勧告を受けているのだが、法務省はそれらを一向にあらためようとしてこなかった。
だというのに、司法取引という強力無比な武器まで日本の捜査機関は手に入れた。言葉は悪いが、腐った土壌の上に作物を植えても、その作物は臭くて食べられない。冤罪増加が懸念されるのも至極当然だと私は思う。
もう一点、そもそもこの新制度がなぜ導入されることになったのか、という点にも触れておく。
今回の新制度導入の原点をさかのぼると、大阪地検特捜部の証拠改竄事件に行き当たる......と書けば、勘のいい読者はハテ?と首をかしげるだろう。前代未聞というべき検察の大不祥事がいったいなぜ、捜査機関の権限拡大につながってしまったのか、と。
郵便不正事件を捜査する大阪地検で証拠改竄が発覚したのは2010年のこと。捜査の主任検事が証拠品の電子データを書き換えたのは、罪なき者を犯罪者にでっちあげようとしたのが目的とみられ、捜査機関としては決してあってはならない権力犯罪であり、当該の主任検事らは刑事処分を受けた。
ここで詳しくは記さないが、直後には東京地検特捜部でも捜査報告書の捏造事件が発覚し、加えて足利事件や布川事件といった重要事件での冤罪が相次いで判明したため、検察に対するメディアや世論の批判はかつてないほど高まった。
これを受けて当時の民主党政権は、検察捜査のありようなどを見直すため、法務大臣の私的諮問機関として「検察のあり方検討会議」を立ちあげた。その議論は、法務大臣の常設諮問機関である「法制審議会」にも引き継がれた。
当然ながら諮問会議での議論は、密室での取り調べや人質司法といった日本の刑事司法の問題点を洗い出し、改善策を模索する方向へと動き出すーーはずだった。
だが、諮問会議の事務局を担う法務省などは議論を巧みに骨抜きにした。一時は激しかったメディアや世論の批判も東日本大震災の発生などで忘れられ、いつしか法務省などは次のような理屈を唱えはじめる。
『証拠改竄などという犯罪が起きてしまったのは、検事が職務熱心なため
だった。というのも昨今は人権意識や弁護活動の高まりなどによって、
取り調べで自白を得るのがなかなか難しい。だから検事は職務熱心の
あまり、証拠改竄にまで手を染めてしまった。これを防ぐには、
捜査側にさらなる武器を与えるのが必要だーー』
誰が考えても首をかしげる"屁理屈"である。しかし、信じがたいかもしれないが、法務省が事務局を担って検察OBや警察OBが大きな顔をする諮問会議では、こうした"屁理屈"が主流の議論となり、取り調べの可視化などは極めて例外的な事件に限定する一方、盗聴法(通信傍受法)の大幅強化や司法取引の導入などが決まってしまったのである。
また言葉が悪くなってしまって恐縮だが、焼け太りというか泥棒に追い銭というか、検察や警察はそうして司法取引制度を手に入れた。これが権力犯罪の摘発強化などにつながると考える方がおめでたいというべきだろう。
実際、森友学園への国有地格安売却や財務省の公文書改竄問題では、大阪地検特捜部が先ごろ財務省幹部や職員全員の「不起訴」を決めた。一方で東京地検と警視庁は、品質データを改竄した神戸製鋼所には近く「強制捜査」に踏み切ると報じられている。
日本企業の信頼性や交通機関の安全性に直結する神戸製鋼のデータ改竄はもとより重い。しかし、国会や国民を平然と欺き、末端職員に自殺者まで発生し、民主主義を根腐れさせる公文書の改竄はさらに重大な犯罪ではないのか。
つまるところ官には甘く、民には厳しいーー言葉を変えれば、強者にはおもねり、弱者とみれば噛みつく捜査機関に、私たちは強力な武器をまたも投げ与えてしまったのである。(文◎青木理 連載『逆張りの思想』第七回)
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【http://www.videonews.com/marugeki-talk/894/】
2018年5月26日
日本版司法取引は大量の冤罪を生むことになる
森炎氏(弁護士)
マル激トーク・オン・ディマンド 第894回(2018年5月26日)
来る6月1日、日本の刑事司法史上では初となる、司法取引制度が導入される。
これは2年前の2016年5月24日に可決成立した刑事訴訟法の改正案の施行に伴うもの。刑訴法の改正案は裁判員裁判事件と特捜事件に限って取り調べの録音録画を義務化することと引きかえに、盗聴権限の拡大や司法取引など検察の捜査権限を大幅に強化する施策が盛り込まれていた。
この刑事訴訟法の改正は、検察による証拠の捏造などによって村木厚子厚労次官を不当に逮捕、起訴した冤罪事件をきっかけに、検察改革の必要性が叫ばれたことを受け、有識者たちが4年以上の年月をかけて検察改革のあり方を議論してきたことの集大成とも言うべきもの。事件への反省から、いかに冤罪を無くすかが有識者会議での議論の主眼となるはずだったものが、取り調べの可視化については、全事件の約3%にあたる特捜事件と裁判員裁判対象事件のみに限定される一方で、盗聴権限は対象犯罪が大幅に拡大されたほか、検察は司法取引という新たな捜査権限を手にすることとなった。
果たして司法取引は冤罪の減少に寄与するのだろうか。
残念ながら答えはノーだ。
裁判官出身で、その後、弁護士として活動するかたわら著書を通じて日本の刑事司法制度の問題点に警鐘を鳴らしてきた森炎氏は、司法取引は冤罪を無くすどころか、むしろ冤罪が増えることを前提としている制度だと指摘する。
司法取引には自らの罪を認めることで刑を軽くして貰う「自己負罪型」と、自分が罪を犯した時、共犯者に対する捜査に協力することの引き換えに罪を軽減してもらう「捜査公判協力型」の2種類がある。アメリカでは司法の効率化のために全事件の95%が「自己負罪型」の司法取引によって実際には裁判を経ずに刑罰が決定されている。「自己負罪型」の司法取引も、裁判を通じて証拠を確認するプロセスが省かれるため、冤罪や身代わりのリスクはあるが、同時にその経済効果は絶大だ。警察や検察は軽微な事件の大半を自己負罪型の司法取引で処理することで、重大事件の捜査により多くの資源を投入することが可能になるというメリットがある。
ところが今回日本で導入される司法取引は「捜査公判協力型」だけだ。これは、「仲間(共犯者)を裏切ってその犯罪行為を証言すれば、あなたの刑は軽くしてあげます」というもの。
また、司法取引の対象犯罪も、今回は死刑になるような重い犯罪は除かれ、組織犯罪がらみや談合、脱税、インサイダーなどの経済犯罪に限定されている。
検察が、処罰の軽減をエサに情報提供を求めることができれば、組織的な犯罪などでより大物の主犯格や大ボスの立件に寄与することはあるだろう。また、会社ぐるみの経済犯罪などで、末端の社員が全ての罪を被らせられる「トカゲの尻尾切り」なども難しくなるかもしれない。
しかし、そのようなメリットを想定したとしても、司法取引が導入されれば、冤罪のリスクが大きくなることは明白だ。それは自らの罪を軽くしたい一心で、嘘の証言をする人が出てくることが避けられないからだ。
今回の法改正では虚偽供述を罰する条文も盛り込まれたが、明らかに嘘とわかる証言でない限り、証言の虚偽性を暴くことは容易ではない。そもそも検察が司法取引を持ちかける理由は、共犯者からの証言以外の証拠が得られないからだ。他に十分な証拠があれば、共犯者の罪を軽くしてまで司法取引などする必要がないはずだ。
つまり、日本版司法取引というのは、取引きの当人は「嘘で他人を陥れてでも自分の罪を軽くしたい」という明白な利益相反の立場にあり、にもかかわらず、その証言は共犯者の犯行の唯一の裏付けとなる場合が多いという、いたって不安定な制度なのだ。
藤井浩人美濃加茂市長の贈収賄事件では、藤井氏に30万円を渡したと主張する贈賄側の会社社長は、3億円を超える別の金融犯罪で逮捕されていた。その取り調べの中で、「藤井にカネを渡した」と供述したことが事件の発端となった。ところが、この社長は3億を超える金融詐欺を働いていながら、当初2100万円分でしか起訴されていなかった。藤井氏の弁護人の郷原信郎弁護士は「藤井の贈収賄の捜査に協力すれば、金融詐欺の方の罪は軽くしてやる」というような、「事実上の司法取引」があったとしか思えないと主張した。
そこで言う「司法取引があったとしか思えない」という主張は、「だから会社社長が藤井氏にカネを渡したとする証言は信用できない」という意味を含んでいる。つまり、藤井氏を陥れるために、本来あってはならないような取引きが行われていた疑いがある、という意味だ。しかし、6月1日に司法取引が正式に導入されれば、もはや司法取引は「あってはならない取引き」ではなくなる。藤井氏のような事件でも堂々と司法取引を行うことが可能になるのだ。そして、その時、被告人の弁護士は「司法取引があったからその証言は怪しい」と主張することが事実上不可能になる。
司法取引の導入によって日本の刑事司法はどう変わるのか。なぜ検察不祥事に端を発する検察改革論争の末、検察の捜査権限を強化するような法律ができてしまうのか。実は日本人は多少の冤罪はやむなしと考えているのか。司法取引が導入されることの影響とそのリスクについて、森氏とジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。
PROFILE
森炎 (もり ほのお)
弁護士
1959年東京都生まれ。東京大学法学部卒業。東京地裁、大阪地裁などの裁判官、三井住友海上火災保険(株)への出向勤務などを経て、96年より現職。著書に『司法権力の内幕』、『裁判員のためのかみくだき刑法』、共著に『虚構の法治国家』など。
出演者 神保哲生 宮台真司
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【青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも… ↑】
1年以上前の記事を二つ。東京新聞の伊東浩一記者による記事【27年前の「横浜事件」映画が続々再上映 「共謀罪」審議の中「歴史の教訓に」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017051590135422.html)と、
桐山桂一さんのコラム【【私説・論説室から】松川事件を記憶遺産に】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017061902000139.html)。
『今日の東京新聞』(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/)から、再びすいません、コピペ・マゴビキさせて頂きました。【言わねばならないこと/「戦える国」に変質 斎藤貴男さん】(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2018/06/15/125008)。
《戦時下の治安維持法による言論弾圧を題材に、27年前に富山県朝日町などで撮影された映画「横浜事件を生きて」が今、各地で上映されている。生き証人として事件を語り続けた元雑誌編集者、木村亨さん(1998年に82歳で死去)を追ったドキュメンタリー。戦争に批判的な言論人らを取り締まるため警察が拷問で事件をつくり上げていく過程が当事者の証言で生々しく再現され、反響を呼んでいる》。
《奪われた自由 戦前想像して…思想信条の自由が奪われた戦前を思い起こしてほしい。無理にでも想像する力を働かせないと、歴史は必ず繰り返される》。
アノ無茶苦茶から、もう1年。
「平成の治安維持法」が、与党自公・癒党お維のオカゲで衆院、そして、参院を突破して1年。森達也さんの《4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ》が思い出される…《ならばこの4年で憲法を変えることが充分に可能に…つまり法案はさくさくとすべて通る》…その通りの酷き状況。
『●「平成の治安維持法」=「テロ対策には
全く役に立たない共謀罪を、誰が何のために作ろうとしている」?』
『●「官憲が内心に踏み込んで処罰して、
人権を著しく侵害した戦前、戦中の治安維持法」が亡霊のように…』
『●「戦前の治安維持法」の亡霊…「共産党幹部の
夫のために家事をしただけで処罰の対象に」という悍ましさ』
『●ソレは既に彼らの手中…「大量監視の始まり。
日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものに」』
『●「国連とは別の個人の資格」な訳のない
国連特別報告者のアピールを無視?…沖縄でのプレ「治安維持法」』
『●『キネマ旬報』…「戦前・戦中の言論弾圧につながる
治安維持法が成立した大正末期と…現在が似ている」』
『●Leaderでなく、狂気なDictator…
しかも、壊憲に向け、使う話法はドアホウワホウ』
『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」
「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」』
『●「本当の権力の恣意的運用というルビコン川を渡った」自公お維
…「平成の治安維持法」参議院突破』
主犯「A」の好き嫌いで、「こんな人たち」と指差される社会…それでいいの?
東京新聞の記事【「共謀罪」成立1年 「監視社会強化招く」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018061602000139.html)によると、《自由人権協会代表理事の芹沢斉(ひとし)・青山学院大名誉教授は、一年前に与党が参院法務委員会で採決を省略する異例の手続きで議論を打ち切り、参院本会議で採決を強行したことを振り返り「こんな暴挙をしたのは、近代刑法の原則に違反する悪法だからだ」と指摘。「『犯罪』をかぎつけ、立証するには通信の秘密やプライバシーを侵害する捜査手法が伴う。人権からも大いに問題がある」とも述べ、「皆さんと一緒に廃止に向かっていきたい」と呼び掛けた。…弁護士有志らでつくる「共謀罪対策弁護団」の海渡雄一弁護士は、市民のプライバシー情報が集まるIT企業の警察への情報提供について複数の市民団体でアンケートをとったところ、国内大手八社から回答がなかったことを報告し、情報収集に対する監督機関の必要性を指摘。「市民が自由に発言できるよう改憲をくい止め、共謀罪法、秘密保護法を廃止することが戦争への道を止める」と訴えた》。
『●「平成の治安維持法」…「いつの間にか「こんな人たち」に
くくられる危険性が、この法には色濃く潜む」』
「沖縄タイムスの磯野直記者のコラム【[大弦小弦]具体的な犯罪行為が
なくても…】…《合意という「心の中」を処罰できる「共謀罪」法が11日、
施行された…軍国主義が拡大し、同法は一般人の権力批判と
少数意見も徹底的に弾圧した。何かが劇的に変化したわけではない。
昨日より今日と、なし崩し的に社会の空気を変え、言論の自由を
消滅させた》。…よっぽど後ろめたいのだろう、こんな短期間で
「平成の治安維持法」を施行。じわじわとボディーブロ-のように…
今は何も感じなくても。気づいた時には茹でガエル。いま踏んばらねば」
《毛利正道弁護士…治安維持法の制定時にも、政府や警察は『乱用はしない』と再三説明していた。実際には拡大解釈され、戦争に反対した人たちが摘発された。歴史的教訓としなければならない》。
《戦後最大の冤罪…一審で死刑判決を受けた男性(93)は十年近く拘置所に入れられ男盛りの時代を奪われた。本紙に「『共謀罪』に反対だ。実行行為すらいらず、何にでも適用できる。権力の横暴に歯止めがかからなくなる」と答えていた。冤罪。人間の愚かしさも記憶として後世に伝えねばならない》。
平成の治安維持法と監視・密告社会。冤罪・謀略と国鉄三大謀略「事件が、一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」…。
『●『日本の公安警察』読了(1/2)』
「GHQの策略・謀略。《一九四九年は、いわゆる公安事件が続発した
年だった。下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件
(八月一七日)…。いずれをとっても謀略の色が濃く、…
「キャノン機関」が実行に関わったと指摘されるなど、今も多くが
謎に包まれている事件ばかりだ》」
『●国鉄三大謀略「事件が、
一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」』
斎藤貴男さん曰く、《奪われた自由 戦前想像して》と。さらに、《権力が市民を監視し、民主主義の絶対条件である「思想信条の自由」を奪う内容に危機を感じ、廃止を訴え続けてきた。その自由を安倍政権に奪われてしまったことに、改めて怒りと屈辱を感じている…思想信条の自由が奪われた戦前を思い起こしてほしい。無理にでも想像する力を働かせないと、歴史は必ず繰り返される》とも。
是非、斎藤さんの警鐘に耳を傾けてほしい。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017051590135422.html】
27年前の「横浜事件」映画が続々再上映 「共謀罪」審議の中「歴史の教訓に」
2017年5月15日 13時54分
戦時下の治安維持法による言論弾圧を題材に、27年前に富山県朝日町などで撮影された映画「横浜事件を生きて」が今、各地で上映されている。生き証人として事件を語り続けた元雑誌編集者、木村亨さん(1998年に82歳で死去)を追ったドキュメンタリー。戦争に批判的な言論人らを取り締まるため警察が拷問で事件をつくり上げていく過程が当事者の証言で生々しく再現され、反響を呼んでいる。 (伊東浩一)
三月下旬、長野県岡谷市で開かれた上映会。スクリーンの中で、生前の木村さんが問い掛ける。「『おまえたち、ここで殺していいんだぞ。天皇陛下の命令だ』と(警察官が)堂々と言う。まさに殺されそうだった。こんなむちゃくちゃな時代を想像できますか」
雑誌「中央公論」の編集者だった木村さんは四二年、朝日町出身の国際政治学者、細川嘉六らと新潟県境の親不知(おやしらず)海岸を観光し、同町の旅館「紋左(もんざ)」に宿泊。だが、警察はこの集まりを共産党再建を準備する目的だったと決め付けた。治安維持法違反容疑で木村さんら編集者、研究者ら六十人以上を芋づる式に逮捕し、拷問で四人が獄死。木村さんは丸太の上で正座させられ、さらに警察官が膝の上に乗るといった拷問を受け、うその自白をした。
映画製作では、朝日町で木村さんらを接待した芸者、横浜拘置所の看守らにも取材。証拠がない中、事件がつくり上げられた実態を浮き彫りにする。「情けないことに、あの侵略戦争に屈し、拷問に屈したが、もうこれ以上は許せない」。木村さんが再審請求で冤罪(えんざい)を勝ち取ることを誓い、涙ぐむ場面で映画は終わる。
上映会を企画した毛利正道弁護士は「大きな衝撃を受けた。今、政府は共謀罪(組織犯罪処罰法改正案)の成立を目指しているが、治安維持法の制定時にも、政府や警察は『乱用はしない』と再三説明していた。実際には拡大解釈され、戦争に反対した人たちが摘発された。歴史的教訓としなければならない」と語る。
<横浜事件> 1942年、細川嘉六(1888~1962)が雑誌「改造」の掲載論文を「共産党の宣伝」と批判され、警視庁に治安維持法違反容疑で逮捕された。その後、神奈川県警特別高等課(特高)が押収した紋左の写真をもとに、細川らが共産党再建準備会を開いたとして、同容疑などで言論、出版関係者ら60人以上を投獄。拷問で4人獄死、30人余りが起訴される戦時下最大の言論弾圧事件となった。2010年2月、元被告5人の刑事補償を巡る横浜地裁決定は「共産党再建準備会の事実を認定する証拠はない」とし、「実質無罪」と認められた。
(東京新聞)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017061902000139.html】
【私説・論説室から】
松川事件を記憶遺産に
2017年6月19日
戦後最大の冤罪(えんざい)は松川事件であろう。一九四九年に福島県内で起きた列車転覆事故である。線路継ぎ目のボルトが緩められレール一本も外され、転覆するように仕組まれていた。機関士ら三人が死亡した。
警察は当時の国鉄の大量人員整理に反対していた労働組合員による犯行だと決め付けていた。芋づる式に組合員らが逮捕された。
一審では被告二十人が全員有罪、うち死刑が五人、五人が無期懲役だった。二審も有罪だったが、最高裁が二審を破棄。差し戻し審で全員が無罪となり、これが確定した。
冤罪であったことが明白となったが、その背景には弁護団の活躍ばかりでなく、作家の広津和郎が「中央公論」で無罪論を書くなど、作家らの支援運動があったことがある。
福島大学には松川事件の資料がある。八八年に開設した松川資料室には十万点にのぼる関係資料を収集・公開している。同大ではこれをユネスコの「世界記憶遺産」への登録を目指している。既に国内委員会に対して登録申請の手続きを済ませた。
一審で死刑判決を受けた男性(93)は十年近く拘置所に入れられ男盛りの時代を奪われた。本紙に「『共謀罪』に反対だ。実行行為すらいらず、何にでも適用できる。権力の横暴に歯止めがかからなくなる」と答えていた。
冤罪。人間の愚かしさも記憶として後世に伝えねばならない。 (桐山桂一)
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【http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2018/06/15/125008】
今日の東京新聞
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2018-06-15
言わねばならないこと110 斎藤貴男さん
言わねばならないこと/「戦える国」に変質 斎藤貴男さん/2面
奪われた自由 戦前想像して
「共課罪」法(改正組織犯罪処罰法)の成立から1年。権力が市民を監視し、民主主義の絶対条件である「思想信条の自由」を奪う内容に危機を感じ、廃止を訴え続けてきた。その自由を安倍政権に奪われてしまったことに、改めて怒りと屈辱を感じている。
共謀罪は、テロの未然防止の名目で一般市民がテロリストか否かを見分けるところから捜査を始める。性悪説に立ち、市民を見張るべき対象に位置づけている。本来、見張るべき対象は権力側ではないのか。
この1年間に財務省の文書改ざんや自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)などの問題が次々と明らかになった。権力こそ暴走したら恐ろしい。「権力は判断を誤らない」という考えはもはや信用できない。
こういう話をすると「被害者意識ばかり膨らませている」と批判を受ける。確かに共謀罪の疑いで逮捕された人はまだいない。でもそれは、単に権力が逮捕しなかったということにすぎない。恣意(しい)的な判断で逮捕できるという現状は変わらず、むしろ社会は監視の度合いを強める方向に向かっている。
共謀罪法が成立した前年には通信傍受法が改正され、警察が会話を盗聴できる対象犯罪が広がった。今月から他人の罪を密告すれば自分の罪を軽くできる司法取引制度も始まっている。
全ての動きは連動している。この国の「自由度」は極端に狭まっている。
気掛かりなのは、社会が現状に無関心であるように感じられること。戦争がない状態が当たり前の時代に育った人が大半を占めているから仕方ないかもしれない。だが、思想信条の自由が奪われた戦前を思い起こしてほしい。無理にでも想像する力を働かせないと、歴史は必ず繰り返される。
さいとう・たかお/フリージャーナリスト 1958年、東京生まれ。早稲田大卒。日本工業新聞、週刊文春などの記者を経てフリーに。2013年から放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会委員。主な著書に「戦争経済大国」など。
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