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●<金口木舌>《南京と沖縄…どちらもなかったことにさせてはいけない。二度と戦争に加担しないため、目を背けたくなる事実こそ見つめたい》

2024年01月31日 00時00分22秒 | Weblog

[【NNNドキュメント’18/南京事件Ⅱ ―歴史修正を検証せよ―】(2018年5月13日)↑]


(2023年12月14日[木])
記憶の澱》と記憶の継承
 どう戦争の記憶を残し、戦争を回避するのか。戦争の記憶の継承、《語り継ぐ》。歴史の記憶の継承語り継ぐこと。記憶の澱をかき乱し、呼び覚ますこと。

   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
     9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●《戦争の記憶を継承…なぜ継承するのか。端的に言えば、過ちを繰り
     返さないためである…過ちを繰り返さないために過去の過ちから学ぶ》
   『●《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
     押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに…
    「平和な社会への《語り部》の皆さんの重要な貢献。特に、
     《沖縄戦の語り部》の皆さんは高齢化している。そんな中、
     戦争の記憶をどのように継承していくのか。
     《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
     押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに
     なったそうです」

   『●琉球新報《かつての戦争「前夜」の状況を繰り返さないことを誓いたい》
       《沖縄のメディアとして改めて誓う。戦争のためにペンは取らない》
   『●《沖縄戦をどう継承するか。…国のために死を強いた沖縄戦の実相を
      美談にしてはならない。紡いできた住民目線の継承を大切にしたい》
   『●森達也監督「福田村事件」…《関東大震災の混乱で差別意識を背景に惨殺
     されたのは「朝鮮人」だけではありません》(デモクラシータイムス)
    《交流サイト(SNS)上では南京大虐殺はなかった
     従軍慰安婦はいなかったなどデマも拡散している。
     森さんは「歴史修正主義は進み、かつて考えられなかったような
     発想が、現在の日本社会の主流になりつつある」と話す。
     ◆「熱狂する集団心理の危うさと、個を貫く大切さ」

 南京大虐殺南京事件)で思い出されることは、歴史修正主義者やヘイト吐き、(明確に在りもする「在日米軍特権」には沈黙する腰抜け)在りもしない特権をがなり立てる似非ウヨクにより洗脳された中学生が公衆の面前でジェノサイド先導ヘイトを喚いた件…《いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺ではなく鶴橋大虐殺を実行しますよ

   『●「日本の恥と呼ぶべき存在」
    《鶴橋で行われた街宣で、女子中学生が「鶴橋大虐殺」の演説をしたことは
     ネットで話題になっていましたし、韓国でも報じられていたようです》

   『●小池百合子「ト」知事、追悼文は? 《…ようやくこう答えたのだった。
      「それは毎年送っておりません」…この回答はあまりに卑怯だろう》
    《その急先鋒になってきたのが「そよ風」というヘイト団体だった。
     「そよ風」はヘイト団体・在特会の関連団体で、慰安婦問題や
     関東大震災朝鮮人虐殺の否定などを主張しており、2013年には
     大阪・鶴橋で「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺では
     なく鶴橋大虐殺を実行しますよ」などとジェノサイドを
     先導したヘイトデモに協力。北海道支部長の女性は桜井誠
     前在特会会長の「日本第一党」の副党首まで務めている》

   『●在りもしない特権には大騒ぎするくせに、明確に存在する #在日米軍特権
       には沈黙する…《米軍の在日特権こそ問題にすべき》(長周新聞)
    《2004年8月にはイラク出撃に備えて訓練中だった米軍ヘリが
     米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)に着陸しようとして、
     隣接する沖縄国際大学に墜落する事件も起きた》


 琉球新報のコラム【<金口木舌>南京と沖縄】(https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-2575894.html)によると、《▼「南京」を思うとき「沖縄」を思う。どちらもなかったことにさせてはいけない。二度と戦争に加担しないため、目を背けたくなる事実こそ見つめたい。日本軍南京占領86年の日に改めてそう誓う》。

   『●ウヨクが「揶揄」した《赤い宮様》の死…、 
      血で「赤」く汚れた歴史修正主義者は、いま、何を思う?
   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
    「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
     《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
     …心の奥底にまるで「」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
     その両方が存在しました》」

   『●「業界の失いつつある信頼」の回復への第一歩: 
       NNNドキュメント’15『南京事件 兵士たちの遺言』
   『●【NNNドキュメント/南京事件Ⅱ ―歴史修正を検証せよ―
                …「消し去られた事実の重み…現代に警鐘」

   『●【南京事件Ⅱ―歴史修正を検証せよ】…
     「「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、社会に毅然と示した」
    《2015年10月5日に初回放送されるやいなや、大きな反響を呼んだ
     ドキュメンタリー『NNNドキュメント 南京事件 兵士たちの遺言
     (日本テレビ系)。その続編が、5月14日(13日深夜)に
     放送された》。

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https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-2575894.html

<金口木舌>南京と沖縄
公開日時 2023年12月13日 05:00

 中国・南京で10月下旬、父母が体験した南京大虐殺のことを語り継ぐ女性から話を聞いた


▼日本軍の手から逃れようと揚子江の岸辺に隠れた幼き日の母親。銃剣で足を刺されたつらい体験を背負い、晩年まで苦しんだ。それでも多くの日本の人に体験を知ってほしいと願ったという

南京大虐殺は元日本兵の心にも影を落とした。兵士の一人として南京の戦いに参加し、深い罪の意識を持ち続けた故東史郎さんは1987年、中国の人々に反省と謝罪の意思を示した。民間の記念館には、別の元日本兵の息子が父親の行為を謝罪した文章の展示もあった。体験者の子や孫が語り部となる時代だ

今の日本は、先の大戦の加害に向き合っているだろうか大虐殺はなかった」「被害者数が多すぎるという政治家の主張がまかり通り、歴史は改ざんされていく

「南京」を思うとき「沖縄」を思う。どちらもなかったことにさせてはいけない。二度と戦争に加担しないため、目を背けたくなる事実こそ見つめたい。日本軍南京占領86年の日に改めてそう誓う。
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●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」とうたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…

2024年01月30日 00時00分51秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2024年01月17日[水])
一体何をやっているんだろうか、この国は…。キシダメ政権や「利権」「裏金」党ときたら、《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? そして、志賀核発電所の不誠実な情報開示。隠蔽体質と言われても仕方ない。「未知の断層」がまだまだ存在する地震大国で、(おそらく活断層であることは否定できない)断層の上に志賀核発電所を造ってしまったデタラメな「利権」「裏金」党政権。せめて、すぐさま廃炉作業に着手すべきだ。不幸中の幸いであり、今回も幸運が重なったに過ぎない。(dot.)《数多くの原発訴訟に関わる海渡雄一弁護士は、こう言う。「もし志賀原発の再稼働が認められていたら、どんな悲劇に発展したことかこの地震は、地震・火山大国日本への最後の警告だ」》.
 日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/SDGsというカルトの呪縛からの解放を 各地各様の事情が軽んじられすぎている】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/334774)。《昨年5月に能登地方がマグニチュード(M)6.5の大地震に襲われ、珠洲市で震度6強が観測された際、私は本欄で大要こう書いた。珠洲原発計画が凍結されていてよかった日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を国の責務とうたうGXグリーントランスフォーメーション法案にかまけている…》。

 添田孝史記者による、dot.の記事【能登半島地震・志賀原発 避難ルート「のと里山海道」は一時全面通行止め 避難計画は“絵空事”だった/添田孝史】(https://dot.asahi.com/articles/-/210705)。《元日に発生した能登半島地震で、北陸電力志賀原子力発電所については当日中に「異常なし」と発表された(後に訂正)。だが、原発事故があった際の避難ルートのと里山海道は複数カ所で陥没、一時、全面通行止めになった。石川県の激震地・輪島市や穴水町、七尾市原発30キロ圏内だ。地震大国・日本で「原発震災」が再び起これば、近隣住民の避難はやはり困難を極める》。
 古賀茂明さん《普通の人は、国が再稼働を認めるからには、ちゃんとした避難計画があり、その計画は、政府が言うところの世界最高水準の基準に従って規制委が審査していると思うだろう。だが、実際には全く違う規制委は、避難計画にはノータッチなのである。したがって、ほぼ全ての計画が全くいい加減な「なんちゃって避難計画」になっている。信じられないかもしれないが、それが真実だ》…。今回、それをまざまざと見せつけられた。

 能登半島地震珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所…それでも再稼働・新規建設したいという、キシダメ首相や自公お維コミ議員、原子力「寄生」委員会、電力会社などの核発電〝麻薬〟中毒患者ら。《外部電源の一部を喪失し、変圧器からの油漏れ核燃料プールの水漏れなどはあったが、原子力規制委員会は「大きな異常はなし」》…火災も起きていた(勘違いって、ホント?)訳で、これでも《大きな異常はなし》って、どういうこと? 《外部電源の一部を喪失》なんて、とんでもない大問題。《変圧器の配管が壊れ、計約7100リットルの油が漏出》も、その後、大きく修正された。
 さらには、核発電〝麻薬〟中毒患者の皆さんは、何やらアノ東京電力のアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働したいらしいが、ホントに正気なのかね?

 元裁判官の樋口英明さん《私が大飯原発を止めた理由は4つです。①原発事故のもたらす被害はきわめて甚大。だから、②原発には高度の安全性(事故発生確率が低いこと)が求められるべき。③地震大国日本において高度の安全性があるということは、高度の耐震性があるということにほかならない。④しかし、我が国の原発の耐震性はきわめて低い。ですから原発の運転は許されないのです。これは「樋口理論」と呼ばれています》、《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》。古賀茂明さん《11年の東日本大震災の最大の揺れは2933ガル(「ガル」は、地震の強さを測る単位)。21世紀最大の揺れは、08年岩手・宮城内陸地震の4022ガルだ。16年の熊本地震は1700台。今世紀の1000ガル以上の地震は18回とかなりの頻度だ。原発の耐震設計基準はと言えば、大飯原発が設計時に405ガル後に856ガルまで大丈夫だとされたが、他の原発も1000以下が多い。一方、三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガルで、日本の原発がいかに地震に弱いかがわかる》。志賀核発電所では、《1号機で最大957ガルを観測し…2号機も…871ガル》。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き

     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)

 古賀茂明さんに言わせると、核発電所の運転を停止することは簡単だそうだ ――― 《三つ目に、避難計画の万全性を担保するために原子力規制委員会の審査を受けろと要求する。実際には審査されていないからだ》。ニッポンの裁判官は、そういうデタラメを理解しようとしていない。

   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を
    《実は、私はかねてより、「原発を動かせと言いながら廃炉にする方法
     を提唱している》
    《原発を動かすための議論なら社長たちは拒否できない
     そこで、最初に、安全性について質問する》
    《次に、万一事故が起きた時に損害をすべて賠償するために
     民間の保険に入ってくださいと要求する》
    《三つ目に、避難計画の万全性を担保するために原子力規制委員会の
     審査を受けろと要求する》
    《四つ目は核のゴミだ。原発のゴミも適切に処分できるんですよね、
     と社長に聞く》
    《これで、全ての原発は動かなくなり、廃炉するしかなくなる

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https://dot.asahi.com/articles/-/210705

能登半島地震・志賀原発 避難ルート「のと里山海道」は一時全面通行止め 避難計画は“絵空事”だった
2024/01/07/ 10:00

     (複数カ所で陥没が確認された基本的な避難ルート
      「のと里山海道」。=2024年1月2日午後2時31分、
      石川県穴水町)

 元日に発生した能登半島地震で、北陸電力志賀原子力発電所については当日中に「異常なし」と発表された(後に訂正)。だが、原発事故があった際の避難ルートのと里山海道は複数カ所で陥没、一時、全面通行止めになった。石川県の激震地・輪島市や穴水町、七尾市原発30キロ圏内だ。地震大国・日本で「原発震災」が再び起これば、近隣住民の避難はやはり困難を極める

     (【写真7枚】避難計画とは一体何か。空から見た「のと里山海道」


*  *  *


「志賀原子力発電所をはじめ、原子力発電所については現時点で異常がないことが確認をされております」

 1月1日の地震後、最初の会見。林芳正官房長官は現地の被害状況より前に、原発の様子に言及した。地震が起きるたびに、日本、いや世界中の関心が集まってしまうからだろう。


■激震地が30キロ圏内

 能登半島西岸の石川県志賀町に北陸電力志賀原発がある。原発から約9キロ離れた同町内の観測点では震度7、原発では震度5強を記録した。激震地の輪島市や、穴水町、七尾市などは30キロ圏内になる。

 志賀原発には、東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型で、1号機(54万kW、1993年営業運転開始)、2号機(135.8万kW、2006年営業運転開始)の2基がある。2011年の東電の事故後、運転は止まったままだ。2号機は、2014年から再稼働に向けて新規制基準の審査が進んでいたが、まだ合格していなかった。

 使用済み燃料プールには1657体の核燃料を保管している。13年近く冷やされ続けているので、すぐに心配になる事態は起きなさそうだ。

 ただし、北陸電力によると、一部の変圧器で配管が壊れて油漏れが発生し、外部電源の一部が使えなくなっているという。多重の安全策の一部を欠き、安全のレベルは下がっている

 2007年に震度7相当の揺れに襲われた東電柏崎刈羽原発で、基礎の杭に損傷が見つかったと同社が公表したのは、地震から14年後のことだった。その後、建屋の建て替えへと追い込まれた。志賀原発も、今後の調査でまだ損傷が見つかるかもしれない。


■避難訓練は「絵空事」だった

 あらためてわかったのは、地震と原発事故が同時に起きる「原発震災」では、避難するのはとても困難だということだ。

 避難経路を決めたりするのに重要な、放射線量を測るモニタリングポストは、能登半島の北部を中心に10カ所でデータを測れなくなっている(5日21時時点)。原子力規制庁監視情報課によると、一部は通信障害によるものだが、それ以外の原因は確認できていないという。

 これでは、放射線レベルは今どんな状況なのか、どの方向が安全なのか、いつ逃げるのか、判断することができない。

 東電事故の当時、福島県はモニタリングポストを26カ所に設置していたが、1台を除いて使えなくなった。地震による停電でデータが送れなくなったり、津波で機械が流されたりしたためだ。その結果、放射線量が高い地域がわからず、住民がより被曝の多い方向に逃げる事態も引き起こした

 原子力規制庁は、東電事故以降、通信手段の多重化や、電源の強化はしていたというが、教訓は生かされていないようだ。

 携帯電話も、能登半島北部では使えない地域が多い。固定電話やテレビ電波さえも、停電でダウンしたところがある。これでは情報が入らない


■「基本的な避難ルート」が複数カ所で陥没

 原発事故があった際の「基本的な避難ルート」とされていた、金沢と能登半島を結ぶ自動車専用道「のと里山海道は複数カ所で陥没が確認され、一時、全面通行止めになった他の道路も寸断され、孤立した集落も数多く残されている。

 昨年11月に、石川県は志賀原発が震度6強で事故を起こしたと想定し、住民が避難する訓練をしていた。その時の想定では、道路損壊は1カ所だけとしていた

「実際には多くの家屋が倒壊し、下敷きになった住民もいるかもしれない。死傷者も複数発生し、火災発生もありうる。道路の損壊も広範囲に、複数個所に及ぶ。津波被害も発生しているかもしれない」

「周辺市町は地震の災害対策本部を設置しているはずである。消防や警察はこうした事態への対応で奔走している。こうした中での複合災害発生である。原子力災害への対応がどこまで可能か

「重大事故が起こっても、あたかも住民が皆安全に避難できるかのような、まやかしの訓練

 今回の地震の40日ほど前に、「志賀原発を廃炉に!訴訟原告団」などの市民団体は、そんな声明を出していたが、その危惧は的を射ていたようだ。


■東海第二は避難計画不備で運転差し止め

 原発のリスクを最小限にするために、さまざまな安全対策について国際的な基準に従って国内法でも定められている。

 その柱が深層防護だ。全5層の防護レベルで安全を確保する仕組みで、最後の層となる5層目では、住民が安全に逃げられるように、計画や手順を整備しておくことを求めている。

「実現可能な避難計画及びこれを実行し得る体制が整えられているというにはほど遠い状況

 こんな理由で、水戸地裁は2021年3月に、茨城県東海村にある日本原子力発電東海第二原発運転差し止めを命じている(東京高裁で係争中)。

 判決は、避難計画の現状についてこう批判している。

「住宅が損壊し、道路が寸断することをも想定すべきところ、住宅が損壊した場合の屋内退避については具体的にふれるところがない

「道路の寸断がある場合は、通行不能となった道路等の情報を迅速に提供するとしているが、具体的な提供手段は今後の課題とされている

モニタリング機能の維持は今後の課題としている」

 今後の課題として棚上げされていた点が、まったく実現されないままであることが、今回の地震で証明された形だ。


■“大揺れ”に襲われる原発

 最近、原発は不思議なぐらい大地震に揺さぶられ続け、そのたびに住民は肝を冷やしている

・2005年8月 宮城県沖地震(M7.2 最大震度6弱) 東北電力女川原発で、設計時に想定していた地震の揺れより大きな揺れ。

・2007年3月 能登半島地震(M6.9 最大震度6強) 志賀原発で想定を超える揺れ。

・2007年7月 新潟県中越沖地震(M6.8 最大震度6強) 柏崎刈羽原発では震度7相当の揺れを観測。想定より3.8倍も大きな揺れ

・2009年8月 駿河湾地震(M6.5 最大震度6弱) 中部電力浜岡原発で想定を超える揺れ。

・2011年3月 東北地方太平洋沖地震(M9 最大震度7) 女川原発福島第一原発東海第二原発で想定を超える揺れ。福島第一では津波による電源喪失で3つの原子炉が炉心溶融。国会の事故調査委員会は「地震による損傷の可能性は否定できない」としている。

 これを見ると、今後も原発は“大きな揺れ”に見舞われ続けるだろう、と想像できる。


■地震はこれで終わりではない

 地震のたびに、想定が不十分だったことが判明する。老朽化も進んでいる。そのうち揺れで大事故を起こす原発が出てきても不思議はない。

 現在、再稼働している原発は12基で、うち7基が集中する福井県の若狭湾は、活断層が密集しており、地震の起こりやすいひずみ集中帯にも入っている

 原発を今後も使い続けるのならば、今回の地震被害と照らし合わせて、避難計画は万全なのか、再検討が必要だろう。原発周辺の道路や通信網、電源、住宅や避難所を、抜本的に強化する必要がありそうだが、それには相当の費用がかかる。しかし、住民の命や健康を守る費用をケチってはいけない

それでは発電コストが上がりすぎて割に合わないというなら、すでに原発のコストを下回りつつある再生可能エネルギーに早く切り替えた方がいい

 数多くの原発訴訟に関わる海渡雄一弁護士は、こう言う。

もし志賀原発の再稼働が認められていたら、どんな悲劇に発展したことかこの地震は、地震・火山大国日本への最後の警告だ

 地震はこれで終わりではないのだ

     (北陸電力志賀原発2号機の原子炉格納容器内
      に入り、非常時の機器などについて説明を受ける
      経団連の十倉雅和会長(左から3人目)ら
      =2023年11月28日午前、石川県志賀町)

     (能登地方が大規模な地震に見舞われた翌日の
      志賀原発=2024年1月2日午前9時46分、石川県志賀町)

     (北陸電力志賀原発=石川県志賀町)


(科学ジャーナリスト・添田孝史
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●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)

2024年01月29日 00時00分42秒 | Weblog

[※ 「3.11から12 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2024年01月16日[火])
能登半島地震珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所…それでも再稼働・新規建設したいという、キシダメ首相や自公お維コミ議員、原子力「寄生」委員会、電力会社などの核発電〝麻薬〟中毒患者ら。《外部電源の一部を喪失し、変圧器からの油漏れ核燃料プールの水漏れなどはあったが、原子力規制委員会は「大きな異常はなし》…火災も起きていた(勘違いって、ホント?)訳で、これでも《大きな異常はなし》って、どういうこと? 《外部電源の一部を喪失》なんて、とんでもない大問題。《変圧器の配管が壊れ、計約7100リットルの油が漏出》も、その後、大きく修正された。
 さらには、核発電〝麻薬〟中毒患者の皆さんは、何やらアノ東京電力のアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働したいらしいが、ホントに正気なのかね?

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》

 dot.の記事【能登半島地震で露呈した原発の「不都合な真実」 政府が志賀原発を“異常なし”と強弁した理由 古賀茂明】(https://dot.asahi.com/articles/-/210770)。《やはり原発はやめるべきだ。能登半島地震を見てそう思った方はどれくらいいるのだろうか。あの大地震でも志賀原発は事故を起こさなかった!」「やはり日本の原発は安全だ!」という原発推進論者の声も聞こえてきそうだが、そんな声に騙されてはいけない》。
 同所の記事【能登半島地震でマスコミが映さない原発の「不都合な真実」 ずさんな避難計画を隠そうとする政府と電力会社 古賀茂明】(https://dot.asahi.com/articles/-/211236)。《先週に続いて、あまり知られていない原発の不都合な真実」をもう一つ紹介しよう。それは、原発周辺住民などのために作られている原発災害避難計画は原子力規制委員会の「審査を受けていないということだ。普通の人は、国が再稼働を認めるからには、ちゃんとした避難計画があり、その計画は、政府が言うところの世界最高水準の基準に従って規制委が審査していると思うだろう。だが、実際には全く違う規制委は、避難計画にはノータッチなのである。したがって、ほぼ全ての計画が全くいい加減な「なんちゃって避難計画」になっている。信じられないかもしれないが、それが真実だ。今回の能登半島地震では、地震と津波、火災による家屋の被害とともに、広範囲に及ぶ道路が、土砂崩れ、亀裂、陥没、隆起などで寸断された。津波で港が被害を受け、海岸が隆起した地域もあった》。
 古賀茂明さんに言わせると、核発電所の運転を停止することは簡単だそうだ ――― 《三つ目に、避難計画の万全性を担保するために原子力規制委員会の審査を受けろと要求する。実際には審査されていないからだ》。ニッポンの裁判官は、そういうデタラメを理解しようとしていない。

   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を
    《実は、私はかねてより、「原発を動かせと言いながら廃炉にする方法
     を提唱している》
    《原発を動かすための議論なら社長たちは拒否できない
     そこで、最初に、安全性について質問する》
    《次に、万一事故が起きた時に損害をすべて賠償するために
     民間の保険に入ってくださいと要求する》
    《三つ目に、避難計画の万全性を担保するために原子力規制委員会の
     審査を受けろと要求する》
    《四つ目は核のゴミだ。原発のゴミも適切に処分できるんですよね、
     と社長に聞く》
    《これで、全ての原発は動かなくなり、廃炉するしかなくなる

 元裁判官の樋口英明さん《私が大飯原発を止めた理由は4つです。①原発事故のもたらす被害はきわめて甚大。だから、②原発には高度の安全性(事故発生確率が低いこと)が求められるべき。③地震大国日本において高度の安全性があるということは、高度の耐震性があるということにほかならない。④しかし、我が国の原発の耐震性はきわめて低い。ですから原発の運転は許されないのです。これは「樋口理論」と呼ばれています》、《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》。

 古賀茂明さん《11年の東日本大震災の最大の揺れは2933ガル(「ガル」は、地震の強さを測る単位)。21世紀最大の揺れは、08年岩手・宮城内陸地震の4022ガルだ。16年の熊本地震は1700台。今世紀の1000ガル以上の地震は18回とかなりの頻度だ。原発の耐震設計基準はと言えば、大飯原発が設計時に405ガル後に856ガルまで大丈夫だとされたが、他の原発も1000以下が多い。一方、三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガルで、日本の原発がいかに地震に弱いかがわかる》。志賀核発電所では、《1号機で最大957ガルを観測し…2号機も…871ガル》。
 今頃、「想定外」などと口にしていいのか? そんなに〝想定外〟のことがまだ起こり得るのならば、《新規制基準の適合性を審査》など、即座に、中止すべきだ。今回の志賀核発電所、様々な配管や、耐震設計されてない部品や施設が多数あるはずで、本当に地震で何の損傷もしていないのか? 日本全体・地球規模での壊滅的な核発電所の事故は、3.11に続き、今回も、大変な幸運にも、回避されたのではないか。再びの幸運だったに過ぎないのではないか。3度目はあるのか? ブログ主は、3.11東京電力福島核発電所人災でも、津波よりもむしろ、地震により激しく施設が損傷したと思っている。
 渡辺聖子記者による、東京新聞の記事【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/302420)。《能登半島地震は、東京電力福島第1原発事故後に進められていた原子力災害への備えに、想定外の事態を突きつけた。停止中の北陸電力志賀原発(石川県)は設備の故障で外部電源の一部から電気を受けられなくなり完全復旧には半年かかる見通し。道路の寸断や家屋の倒壊も激しく、深刻な原発事故が起きていたら計画通りの避難は困難だった。だが、今回浮かび上がった課題に対し、原発の事故対策や避難指針の策定を担う原子力規制委員会の動きは鈍い。(渡辺聖子)》、《北陸電力志賀原発 1、2号機のうち2号機が再稼働の前提となる新規制基準の適合性を審査中。1日の能登半島地震では、1号機地下で震度5強を観測。地震の揺れの強さを示す加速度は、1号機で最大957ガルを観測し、旧原子力安全・保安院時代に設定した想定値を39ガル上回った。2号機も25ガル上回る871ガルだった。揺れで壊れた変圧器から約2万リットル以上の油が漏れ、一部は海に漏えいした》。
 驚くことに、「想定外」と言いつつ「大丈夫」だと言い、さらには、この東京新聞の記事によると、《山中伸介委員長…新たな地震想定の規模によっては稼働中の原発が停止する可能性も出てくるが、山中委員長は「他の原発にも影響あるかどうかは分析次第。一定の時間がかかる」と述べるにとどめた》そうだ。分析中は、核発電所の稼働を続ける気らしい…。

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https://dot.asahi.com/articles/-/210770

能登半島地震で露呈した原発の「不都合な真実」 政府が志賀原発を“異常なし”と強弁した理由 古賀茂明
政官財の罪と罰
2024/01/09/ 06:00

 やはり原発はやめるべきだ

     【写真】「原発に異常なし」と木で鼻を括ったように
         発言した政権幹部はこの人

 能登半島地震を見てそう思った方はどれくらいいるのだろうか。

 「あの大地震でも志賀原発は事故を起こさなかった!」「やはり日本の原発は安全だ!」という原発推進論者の声も聞こえてきそうだが、そんな声に騙されてはいけない

 2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きるまで、日本では、「原発は安くて安全でクリーン」だという原発神話が存在した。事故でその神話が一旦崩壊した後、急速に発展する再生可能エネルギーとの比較からも、今では「原発は高い」「原発は汚い」という事実はかなり広く理解されるようになった。

 しかし、「原発は危ない」という点については、少し状況が異なる。

 福島第一原発の事故で原発の危険性を思い知らされ、「原発はいらない!」と強く思った多くの国民は、事故から12年を経て、あの想像を絶する原発事故の痛みと恐怖を忘れてしまったかのようだ

 原発推進論者が、「原発が動かないから電気料金が上がる」とか、(夏や冬のほんの一時期だけなのだが)「需給が逼迫して停電のリスクがある」とか叫ぶと、いとも簡単に、「それなら原発を動かしてもいいか」という反応を示すようになったのだ。

 実は、今回の地震の結果を見るまでもなく、日本の原発は危ないから止めるべきだと考える十分な根拠がある。

 私は、これを「原発の不都合な真実」と呼んでいる。意外と知らない人が多いのだが、今回の地震と併せて考えていただけば、理解が深まると思うので、この機会に一つだけその話を紹介したい。

 「原発の不都合な真実」の中で、もっとも重要なのは、原発の耐震性に関する事実だ。

 当たり前の話だが、原発の事故が起きても良いと考える人はほとんどいない。多くの人は、政府が、「世界最高水準の規制基準を満たしています」と言うのを聞いて、「福島の事故を経験しているのだから、さすがに動かして良いという原発は安全なものに決まっている」と信じているようだ。

 日本の国土は世界のわずか0.25%しかないのに、2011年~2020年でみると全世界のマグニチュード6.0以上の地震の17.9%が日本周辺で発生するという、世界で最も危険な地震大国だと言って良いだろう。その日本で世界最高水準の規制に適合していると聞けば、「原発は、ちょっとやそっとの地震ではびくともしない」と誰もが思っているだろう。

 しかし、真実は全く違う日本の原発は地震に極めて弱い。それをわかりやすく説明したのが、関西電力大飯原発を止めたことで有名な樋口英明元福井地裁裁判長だ。

 私も樋口氏から直接話を聞いて知ったのだが、日本の原発は、民間のハウスメーカーが販売する耐震住宅よりもはるかに耐震性が低い。たとえば、三井ホーム、住友林業の耐震性は、各々最大約5100ガル(ガルは加速度の単位、大きいほど強い揺れを示す)、約3400ガルに耐える設計になっている。

 一方、たとえば、四国電力の伊方原発の耐震基準は650ガル、高浜原発は700ガルと、日本の原発の耐震性は民間住宅の数分の1し

かない。北陸電力志賀原発も建設当時は490ガル、その後600ガルに引き上げられ、現在は1000ガルということで安全審査を申請している。なぜ、耐震性が上がっているかというと、さすがに3桁では信用されないということで、いくつかのマイナーな耐震対策を施して耐震性がすごく上がったと説明しているのだ。

 日本では2000年から20年までの間に、1000ガル以上の地震が17回、700ガル以上は30回起きていた。つまり、原発の耐震基準を超える地震はごく普通に起きるのである。ちなみに、日本で記録された最大加速度は2008年の岩手・宮城内陸地震の4022ガルである。2番目が2011年の東日本大震災の時の2933ガル

 この事実を知れば、原発の耐震性はこれらよりも強くして欲しいと思う。しかし、日本の原発の耐震基準の大半は1000ガル以下である(詳しくは、樋口氏の著書『私が原発を止めた理由』『南海トラフ巨大地震でも原発は大丈夫と言う人々』〈いずれも旬報社〉を参照のこと)。

 このような事実を知る人が増えれば、そんなに危ない原発が動いていたのかと驚き、今すぐ止めてくれということになるだろう。

 今回の能登半島地震の最大加速度は、原発のある石川県志賀町の観測点で、東日本大震災に匹敵する2828ガルだったことがわかった。1000ガル以上も計7地点で確認されている。

 だが、たまたま運が良かったのかどうか、あるいは計測に異常があったのかもしれないが、北陸電力の発表を鵜呑みにすると、志賀原発1号機原子炉建屋地下2階で399.3ガルだったということだ(それ以外の観測点でどうだったのかはわからない)。近隣に比べて何故かずいぶん小さな揺れだったということになる。

 1000ガルの基準地震動から見れば余裕というところなのだろうが、その割には、かなり深刻な被害が出たのが驚きだ。使用済み燃料プールの水が大量に溢れる冷却ポンプが一時停止する複数の変圧器付近で配管の破損による大量の油漏れがあり、その影響で外部電源の一部系統が使用不能になるなどかなりの異常が発生した。これらの結果、放射能が外部に漏れたかどうかが気になるところだが、当初、モニタリングポストでは放射能漏れは観測されていないと発表されて胸を撫で下ろした。だが、なぜか4日になって、原発の北15キロ以上離れたところにあるモニタリングポスト14カ所でデータが確認できていないことが発表された。他のモニターの値が信用できるのか、また、より近くのモニタリングポストで計測不能になっていたらどうなったのかということも不安材料となった。

 これらの異常の他に何があったかはまだ明らかにされていない。特に、敷地内で建物や道路に亀裂が入ったり、隆起や陥没があったりしたかなどはすぐにわかりそうなものだが、発表があったのは5日になってから。それも、1号機の原子炉建屋付近や海側エリアなどで最大35センチの段差やコンクリートの沈下などがあったという程度の簡単な情報提供だけだった。道路に段差があれば、消防隊などの活動に支障が生じたりするので実は深刻は事態だが、そのようなことを連想させたくないのだろう。

 そして、何よりも気になるのが、北陸電力や政府の情報の出し方である。地震の発生後最初に伝えられた「志賀町で最大震度7」という情報を聞いた私は、真っ先に、これは大変だと思った。志賀町といえば原発だ。それがどうなっているのか、住民はすぐに避難しなくて良いのかということが気になった。しかし、テレビを見ていても、出てくる話は、津波のことばかり。もちろん、それが最も重要な情報であることはわかる。それを繰り返し流すことは必要だ。

 しかし、原発の状況についても、万一のことを考えれば、決して後回しで良いという話ではない。ところが、原発の状況について政府が具体的に触れたのは事故から2時間以上経過した後だった。林芳正官房長官が会見で、「現時点で異常なし」と木で鼻を括ったような発言をしたのだ。だが、記者の質問が飛ぶと、突然、変圧器で火災が発生と驚くような話をして、すでに消火と言い添えた。変圧器で火災なら重大事故なのではないかと心配になる。現に、外部電源が一部断たれたわけだから、「異常事態」であるのは疑いようがない(火災については、のちに北陸電力が否定したが、官房長官は訂正せずに放置した。この官房長官発言が原因で、原発で火災という情報が拡散して混乱を生じさせた。ちなみに、北陸電力は、爆発音と焦げ臭いにおいがしたことやスプリンクラーが作動して水浸しになったことは認めたが、それでも火災はなかったと主張している)。

 では、原発で火災があったという前提で、「異常なし」と涼しげに語った林氏の意図はどこにあったのか。何か特別の意図があったのではないかとどうしても勘ぐりたくなる。

 志賀原発については、元々その敷地内に活断層があるのではないかということがずっと疑われてきた。もし、今回の地震で「異常」があったということになれば、あらためて活断層への疑念が深まる。それがなくても、基準地震動の見直しとそれに基づく対策の実施が求められる可能性も出てくる。コストの問題もありまた再稼働までの時間が延びることも必至なので、それは北陸電力としてはどうしても避けたい。だから、「異常」はなかったと言いたくなる。

 むしろ、今回の地震を奇貨として、これほど大きな地震でも「何の問題もなかった」と言えれば、いかに志賀原発が安全かを示していると言えるとさえ計算していたのではないか。そんな疑いをかけたくなる林氏の対応だった。

 疑念はこれだけにとどまらない。政府にとって、実はもっと大事なことがある。それは東電柏崎刈羽原発の再稼働だ。

 東電は事故後倒産寸前に陥り、福島事故の後始末も自力ではできなかった。このため、政府は巨額の出資で資金を注入し、東電を政府の「子会社」とした。その資金を回収するためには、政府保有の東電株を高く売らなければならない。だが、東電は経営が苦しく株価が低迷している。柏崎刈羽原発が動けば、発電コストが下がり、利益が大幅に増える。その結果株価が上がり、政府も資金回収できるというシナリオを実現するために、何としても原発を動かしたい。

 しかし、志賀原発で、耐震性に問題があったとなれば、同じ日本海側の近県に立地する柏崎刈羽にも影響が及ぶ可能性がある。それだけは何としても避けたいというのが東電のみならず、政府の強い願いだ。特に、嶋田隆首相秘書官は、次期東電会長とまで言われた経済産業省の元事務次官でもある。柏崎刈羽再稼働は、官邸にとっても最優先課題となっていた。それに水を差すことなどありえないのだ。

 こうした裏の理由により、志賀原発は、何が起きても「異常なし」で通すしかないのである。

 能登半島地震で、深刻な原発事故が起きなかったことは不幸中の幸いだった。

 しかし、今回の原発での異常事態や周辺地域の壮絶な被害状況を見れば、日本のような地震大国で原発を動かす、いや、保有するだけでもいかに大きなリスクになるのかがはっきりわかる。

 3.11から12年経って、事故の記憶が風化し、脱原発どころか、原発新増設にまで踏み込む原発推進策に舵を切ろうとしていた日本にとって、これは天啓ではないのか。これだけのわかりやすい材料を与えられて、なお、金に目が眩んで原発推進の方針を撤回できないことなどありえないと信じたいところだ。

 しかし、それは楽観的すぎるのかもしれない。

 原発事故の被害を想像する能力を失い、驕りと強欲の塊となった日本が過ちに気づくには、原発事故を待つしかない――それこそが「不都合な真実」ということなのだろうか。

 国民は、与えられたこの機会に真剣に考え直して、政府に対して原発をやめろと迫るべきである。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/302420

震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?
2024年1月13日 06時00分

 能登半島地震は、東京電力福島第1原発事故後に進められていた原子力災害への備えに、想定外の事態を突きつけた。停止中の北陸電力志賀原発(石川県)は設備の故障で外部電源の一部から電気を受けられなくなり完全復旧には半年かかる見通し。道路の寸断や家屋の倒壊も激しく、深刻な原発事故が起きていたら計画通りの避難は困難だった。だが、今回浮かび上がった課題に対し、原発の事故対策や避難指針の策定を担う原子力規制委員会の動きは鈍い。(渡辺聖子

 北陸電力志賀原発 1、2号機のうち2号機が再稼働の前提となる新規制基準の適合性を審査中。1日の能登半島地震では、1号機地下で震度5強を観測。地震の揺れの強さを示す加速度は、1号機で最大957ガルを観測し、旧原子力安全・保安院時代に設定した想定値を39ガル上回った。2号機も25ガル上回る871ガルだった。揺れで壊れた変圧器から約2万リットル以上の油が漏れ、一部は海に漏えいした。


◆特別な耐震性を求めていなかった「変圧器」が故障した

 「原発内の施設の不具合で受電できないことは想定していないのではないか。考えを整理する必要がある」。10日の規制委の定例会合で、志賀原発で起きたトラブルについて伴信彦委員が議論を提起した。

     (能登半島地震の対応を議論した原子力規制委員会の
      定例会合=10日、東京都港区で)

 志賀原発では1、2号機の変圧器の配管が壊れて油漏れが発生し、外部電源とつながる最も規模の大きい送電線が使えなくなった。別の回線に切り替え、使用済み核燃料の冷却などの必要な機能を保っている。

 外部電源の喪失が要因となった福島第1原発事故後、原発構内の非常用電源を複数確保することなどが新規制基準に盛り込まれた。ただ、対策は原子炉建屋などの重要設備に集中している。放射性物質を扱わない変圧器に特別な耐震性は求めていない。敷地外の電線や鉄塔が地震で損壊すれば外部電源を失うため、建屋外の電気設備には期待しない、との考えが背景にある。

     (地震による揺れで油漏れを起こした北陸電力
      志賀原発1号機の変圧器=1日(北陸電力提供))

 今回の地震では、敷地外の送電網は断たれなかったが、原発の外部電源の一部を失った。規制委の山中伸介委員長は記者会見で、変圧器の故障原因の究明は必要としたが「安全上の影響が及ぶとは考えていない」と従来の考え方を見直そうとはしなかった。


◆「適合済み」原発にも「想定外」起きては困るが

 志賀原発は、新規制基準の適合性が審査されている。事故対策に向けて想定する地震の大きさについて、今後の分析結果を踏まえた審査が進められる見通しだ。これまでに把握されていなかった断層が地震を引き起こした可能性も指摘され、想定の大幅な見直しも視野に入る。

 一方で、既に新規制基準に適合済みの原発への対応は見えない。

 新規制基準に最新の知見を取り入れた場合、審査に適合済みの原発にも反映させる仕組みがある。この仕組みが適用されれば、新たな地震想定の規模によっては稼働中の原発が停止する可能性も出てくるが、山中委員長は「他の原発にも影響あるかどうかは分析次第。一定の時間がかかる」と述べるにとどめた。


◆国の指針に沿った避難ができない状況が実際起きたのに

 志賀原発の30キロ圏内で空間放射線量を測るモニタリングポストは、約120カ所のうち最大18カ所で一時測定ができなくなった。地震発生から11日たっても、1カ所で測定できていない。通信回線の不具合が原因とみられる。

 国の原子力災害対策指針は、原発事故が起きた場合、放射線量の実測値に基づき屋内退避や避難すると定める。今回、実測値が把握できず、石川県内では600戸以上の家屋が全壊し、道路は各地で寸断。原発事故が起きれば、指針通りに避難できない状況だった。

 山中委員長は、自動車やドローンなどで線量を測る手段もあると強調。「木造家屋が多く、屋内退避できない状況が発生したのは事実」と指針の前提が崩れたことは認めながらも、見直しについて具体的に言及することはなかった。


【関連記事】志賀原発「異常なし」から考えた 運転中だったら?「珠洲原発」だったら? 震度7の地震は想定内なのか
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【関連記事】志賀原発の周辺15カ所で放射線量を測定不能 モニタリングポストが「壊れているのか、埋まっているのか…」
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コメント
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●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動きに、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》

2024年01月28日 00時00分18秒 | Weblog

[↑ ※「サルまで怒る 自民の腐敗」(週刊金曜日 1454号、2023年12月22日・2024年01月05月合併号)]


(2024年01月13日[土])
やはり、どうやら検察は「利権」「裏金」党の議員らの犯罪を暴くつもりは無いらしい。横領、背任、脱税、贈収賄の罪に問えないのならば、せめて不記載罪で「利権」「裏金」党議員には5年の公民権停止」を、と願ったが、無駄だったようだ。検察のさじ加減で、犯罪の判断が左右。権力には媚を売り、貸しを作る。
 ならば、やはり大事なことは政権交代。民主的な方法で政権交代を達成しなければいけない。傍観者ではいけない。単なる野党批判に堕していてはいけない。#選挙に行かないとこうなる #自民党に投票するからこうなる ← 諸悪の根源はコレ。赤木雅子さんの仰るように、「自民党以外の人が財務大臣になったら、全てを調査し直して、本当のことを明らかにしてもらえる」はずだ。政権交代で、数多のアベ様案件の一つに希望の光が見えてくる。赤木雅子さんの話を受け、古賀茂明さんは《私は、その言葉を聞いて、そのとおりだと思った。裏金疑惑で絶体絶命のピンチにある自民党政権が倒れて政権交代が起きれば、雅子さんの夢が叶うかもしれない。私は、心の底からそうなることを祈っている》。また、目取真俊さんも、《年末の最後まで沖縄は国に踏みにじられ、暗澹とした思いで新年を迎えねばならない。だからといってウッチント―して生きていくことはできない。腐りきった政治を変えていく努力を続けましょう。裁判で勝てないなら、今の政治を根底から変えるような政権交代を実現すればいいだけのことだ。「絶望の虚妄なること希望に同じ」(魯迅)》。

   『●自公政権が続く限り、ヅボヅボ党の誰が首相になろうが地獄は続く。道は、
      政権交代しかない…《議会政治、財政民主主義が崩壊した戦時体制》
   『●郷原信郎弁護士「政治資金規正法は真ん中に大穴があいたザル法。法改正に
      向けた議論も本格化しないと、政治とカネの問題は繰り返される」(1/2)
    《中野晃一・上智大教授(政治学)は「世襲や現職が選挙に有利な中で、
     与党議員が実質的な『企業・団体献金』といえるパーティー収入や
     裏金まで集めて資金を得ていたとなれば、野党が勝てるはずがない
     あらためて自民党派閥政治のゆがみがあらわになった」と批判する。
     それでも、捜査で政治生命を絶たれる議員が出る程度では、
     「自民1強体制は変わらないと考えている。「平和外交による
     安全保障、個人の暮らしや命を守るといった憲法に基づく価値観を、
     国民の側で広く共有することが必要だ。(立憲主義を重んじる
     野党を支えて、選挙で政権交代を起こす長期政権で起きた不正を
     けん制する作用が働かなければ、『アベ政治は終わらない」》

   『●赤木雅子さん「自民党以外の人が財務大臣になったら、全てを調査し直し
      て、本当のことを明らかにしてもらえる」はずだ…政権交代が希望の光
    《そして、こうも付け加えた。「自民党以外の人が財務大臣に
     なったら、全てを調査し直して、本当のことを明らかにして
     もらえるのではないかと考えることもあります」と。私は、
     その言葉を聞いて、そのとおりだと思った。裏金疑惑で絶体絶命の
     ピンチにある自民党政権が倒れて政権交代が起きれば、雅子さんの
     夢が叶うかもしれない。私は、心の底からそうなることを祈っている

   『●《検察は行政機関でありながらも政治からの中立性と独立性が求めら
     れる。しかし、安倍官邸は法務省を通じて検察の捜査に介入していた…》

 日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/「世間が忘れるのを待つ」自民・安倍派の裏金問題めぐる岸田首相の姑息な思惑】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/334416)によると、《自民党の裏金問題に検察はどこまで切り込むのか──、メディアと世論次第になってきている。日本の検察制度は「起訴便宜主義」で、起訴するか否かについて検察がサジ加減で決めることができる。政治資金規正法で言えば、会計責任者が有罪になれば議員も失職する「連座制」の規定が弱い》。

 そして、キシダメ政権による復興への支援や援助の鈍さ…。アベ様をはじめ、カルトとヅボヅボな利権政党がさんざん言ってきた「悪夢のような民主党政権」だが、キシダメ政権は「悪夢」どころか、「悪魔」的、「地獄」的政権。「利権」「裏金」党やお維の国会議員のやる気の無さも目に余る。お維祭りや賭博場開帳なんて、中止の一択でしょう。あまりに見苦しいだけ、山本太郎さんをバッシングして、何の意味があるのだろうか? 長周新聞【能登地震被災地で政府と行政が今すぐすべきこと れいわ・山本太郎参議院議員が現地から発信(全文)】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/28708)を読んでみればいい。
 長周新聞のコラム【能登を襲った巨大地震/コラム 狙撃兵】(https://www.chosyu-journal.jp/column/28629)。《役立たずかと思うほど鈍くさい動きに、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである。難儀な状況に置かれている国民にたいして、「愛はあるんか?」と思うのである》、《なお、今回の地震では、能登半島にある志賀原発の存在も危ぶまれている。福島第1原発の二の舞いにもなりかねず、震度7で無傷なわけがないからだ。そして、撤回に追い込まれたとはいえ、仮に珠洲原発が建設されていたらどうなっていたか――も考えさせられる。地震列島と原発列島が共存するという無謀さである》。

   『●アベ様派のデタラメの系譜…村上誠一郎議員《安倍氏の政権運営が「財政、
       金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と批判》
   『●《クーデター》《テロ》を追認する司法…《一内閣の一存で転換させた
     「解釈改憲」に追随…「憲法の番人」の本来の役目》を放棄した仙台高裁
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●世界中の《人を呼んで祭りをする会場にはそもそも不向き…ゴミ処分場とし
     ての優位性は、祭り会場としては最悪の欠陥…「ゴミの島 夢洲の正体」》
   『●《「自民党の自浄作用は期待できない」──。政治資金パーティーの
      裏金疑惑に火を付けた神戸学院大教授の上脇博之氏はそう断言する》
   『●(こちら特報部)《「政治とカネ」で孤軍奮闘…毎年発覚する政治資金問題、
      そろそろ「上脇さん頼み」を脱却した独立の公的監視告発機関が必要》
   『●自民党「政治刷新本部(仮称)」の凄いメンツ…本部長・キシダメ総裁、
     最高顧問・すがっちとド「アホウ節」氏、事務総長・木原誠二幹事長代理

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電
     所…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら

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https://www.chosyu-journal.jp/column/28629

能登を襲った巨大地震
コラム 狙撃兵 2024年1月5日

 元日から石川県能登半島で震度7(マグニチュード7・6)を記録する大規模な地震が起こり、その後も当該地域では震度5をはじめとする大きめな地震が続いている。地震の規模としては阪神淡路大震災に匹敵するもので、とてつもない揺れである。石川県のなかでも華やかな都市部の金沢市とは違って、人口減少と少子高齢化の著しい過疎地域だった能登半島――。その人口はおよそ16万6000人で、多くを占めるのが65歳以上の高齢者だという。石川県内だけでも3万人をこえる人々が避難所に身を寄せてここ数日を過ごしているというが、無理のきかないお年寄りが多く含まれている。水、食料、ガソリン、簡易トイレといった物資の供給や、低体温症すら心配されるような環境を早急に解決することが待ったなしであり、とくに現役世代が少ない高齢化地域という特性を捉えた外側からのバックアップ体制、フォローの体制が必須といえる。

 一階部分が押し潰された木造家屋や、傾いたり道路に崩れ落ちた家屋、折れた電柱や地上に突き出した上下水道のマンホール、アスファルトがズタズタに割れてとても車では通れないであろう凸凹の大地など、SNSや報道によって拡散される写真や映像だけ見ても、その揺れの大きさは尋常ではなかったことが伝わってくる。大地の隆起によって道路は半島の各所で寸断され、電気やガス、水道といったライフラインの供給もままならず、孤立する集落がいくつも点在するなど、おぼろげながら報道によって伝わってくる断片はあるものの、未だに被害の全容については自治体機能の混乱や麻痺とも相まってつかめていない。

 珠洲市では全6000世帯あるうちのすべてが全壊かほぼ全壊に近い状態で壊滅的なのだと市長が発信するほどで、しかも能登半島の最奥地で道路が寸断されて陸の孤島と化してしまい、支援物資が届かないという。その他の地域でも車中泊をしようにもガソリンがなくなり、さらに温かい飲み物を沸かそうにも水がなく、ガスもないとか、食料がそもそも尽きてしまって食べるものすらないといった状況が刻々と伝わってくる。いきなり地震に見舞われて誰もが混乱しており、なおかつ運搬手段も限られたなかで初動が後手後手になってしまうことは致し方ない側面もあるとはいえ、「早く物資を!」「水と食料を!」を動かさないといけない局面である。

 こうした国民の生命や安全が脅かされた緊急事態に際しては、基礎自治体や中二階となる都道府県行政が現場を掌握してまともに機能するのはもちろんのことだが、もっとも機敏に対応しなければならないのは、それよりもはるかに権限を有している国である。基礎自治体が備えとして保有している災害対応の物資などもたかが知れており、しかも現場は限られた人員で避難民対応だけでもパニックに陥ることなど目に見えている。災害に対応する司令塔として資金力や動員力を有する国が全面的に身を乗り出して、避難民への物資支援や災害救援体制をとる以外に被災地のフォローなどなし得ないことは明白である。

 しかし、あろうことか東日本大震災熊本地震、各地の豪雨災害など、いつも被災者の自己責任に丸投げしてきたのがこの国の政府で、今回の地震に際しても大臣や首相が作業服に着替えて記者会見こそするものの、数日たってなお「今から自衛隊に被災地のニーズを聞き取りさせます」などと能天気なことをいっている。役立たずかと思うほど鈍くさい動きに、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである。難儀な状況に置かれている国民にたいして、「愛はあるんか?」と思うのである。

 個人がいくら赤十字に募金しようが、「〇〇基金」なるものに募金しようが、目の前で困っている3万数千人の被災者の手助けとしては雀の涙ほどにしかなり得ず、残念ながら限られた力である。それはあるに越したことはないとはいえ、個人の善意やボランティアには限界があるのも事実なのである。それよりも国がマンパワーを動員し、必要なカネを注ぎ込み、初動にもその後の復興にも全面的に関わることの方がはるかに被災地にとっては強力な支援になるし、ボランティアがスコップ担いで被災地支援するよりも自衛隊なり土木のプロたちが重機を持ち込んで作業した方が圧倒的に事は前に動いていくというのも現実である。しかし、いつも放置して棄民するから、ボランティアに出向かなければならない――。これは地震や豪雨災害のたびにボランティアとして現場に赴いてきた人々の実感でもあろう。そもそも国民の善意に被災地支援や復興を丸投げすること自体がおかしいわけで、そんな構造の末端では、「愛は地球を救う」なんてお涙頂戴で募金を募っておきながら、人の善意をくすねるテレビ局幹部がいたり、その愛たるや腐ったものである

 なお、今回の地震では、能登半島にある志賀原発の存在も危ぶまれている。福島第1原発の二の舞いにもなりかねず、震度7で無傷なわけがないからだ。そして、撤回に追い込まれたとはいえ、仮に珠洲原発が建設されていたらどうなっていたか――も考えさせられる。地震列島と原発列島が共存するという無謀さである。

武蔵坊五郎 
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●〝辺野古〟破壊の設計変更でN値ゼロのマヨネーズ状軟弱地盤問題が解決するとでも? 新基地建設を完成できるとでも? 普天間が返還されるとでも?

2024年01月27日 00時00分55秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督/最新作『沖縄、再び戦場 (いくさば) へ(仮)』製作応援のお願い (https://okinawakiroku.com/images/hero_pc_l.png)]


(2024年01月08日[月])
2023年の年末、《米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は28日、沖縄県に代わって工事の設計変更を承認する代執行に踏み切った》(東京新聞)…大浦湾破壊工事の設計変更でN値ゼロのマヨネーズ状軟弱地盤問題が解決するとでも? 新基地を完成できるとでも? 普天間が返還されるとでも?

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
      ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行場
      も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…
   『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
        沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…
    「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法
     〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
     不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、一般国民の
     権利救済制度を使うこと自体がおかしい「個人」になりすまし
     救済を求め判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる
     安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている

   『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
     「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」
   『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
      辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず
   『●辺野古新基地建設: 国が寄って集って沖縄をイジメ、司法が沖縄イジメ
     にお墨付きを与える…野党議員は団結して立ち上がってくれないのか?
   『●地方自治を蔑ろにした沖縄イジメ、沖縄差別…それを助長する最「低」
      裁は司法判断を放棄し、政権に忖度した政治判断を乱発してばかり
   『●沖縄県は《「最高裁は…違反するとは認定していない」と…反論。…「明確
     な反対の民意こそ、公益として考慮すべきだ」と民意を前面に押し出す》
   『●目取真俊さん《無駄な時間と予算を費やしても…事件や事故が起きよう
     とも、政治家も官僚もだれも責任を取りはしない。本当に腐りきった国》
   『●目取真俊さん《沖縄に住む私たちが軍事基地に反対するのは、自分
     たちが被害を受けるだけでなく、加害の立場にも立たないためだ》
   『●玉城デニー沖縄県知事の素晴らしい「辺野古代執行訴訟 沖縄県知事
     の意見陳述」、それを一顧だにせず、即日結審する福岡高裁那覇支部…
   『●日本の腐敗した司法では、理はアベ様・スガッチ・キシダメ政権にある
     のか? 辺野古新基地代執行訴訟敗訴、《理は沖縄にある》はずなのに…

 日本の腐敗した司法がアベ様・スガッチ・キシダメ政権による沖縄差別・沖縄イジメを後押しする地獄絵図。ここは民主国家か? 《理は沖縄にあるはずなのに…。(東京新聞)《首相周辺は「対話をしたら何か変わるのか法的なプロセスが進んでいるのだから」と開き直っている》そうだ…一体どんな民主国家なのか? 
 目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/辺野古ゲート前抗議行動/不承認を貫く玉城知事を支持し、応援する座り込み】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/b2f9150dedd18b9fb5f47c342c7524ff)。《玉城デニー知事は設計変更不承認を貫き、上告の意思を示している。今ゲート前で座り込むことで、玉城知事の不承認を支持し、応援する意思を示したい。ゲート前の抗議行動は28日まで行われる。28日には国交相が代執行する、という報道がなされている。年末の忙しい時期だが、ぜひゲート前に来て、玉城知事の不承認支持と国の代執行反対の意思を示してほしい。26・27日は海上から抗議船による監視活動が行われる。海から抗議の声をあげたい人は、ヘリ基地反対協に申し込んで乗ってほしい。…クリスマスの日も抗議のこぶしを突き上げなければいけない沖縄の現実がある。日本人の大多数は、国の代執行を支えているのが自分たちだという自覚もないだろう日米安保の負担と犠牲を沖縄に強要して成り立つ日本の公益とは何なのかそのことへの自問や自省もないこんな日本人たちに良いように利用され、食い尽くされないように、沖縄人は心してかからねばならない国による代執行は、沖縄人の意思など考慮の必要もなく、犠牲の強要は当たり前だ、と宣言するものだ。これから沖縄人にとってさらに厳しい時代が来るが、負けてはいけないし、屈してもならない》。

 赤木雅子さんの裁判についての結論と同じ ――― 赤木雅子さんの仰るように、「自民党以外の人が財務大臣になったら、全てを調査し直して、本当のことを明らかにしてもらえる」はずだ。政権交代で、数多のアベ様案件の一つに希望の光が見えてくる ―――。目取真俊さん《裁判で勝てないなら、今の政治を根底から変えるような政権交代を実現すればいい》。
 目取真俊さんのブログをもう一つ。【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/海上監視活動/ガット船6隻が大浦湾に入る/工事用ゲートからの資材搬入はなし】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/64c6fdcee4fd3b0f7dd0842f581efcac)。《大浦湾での工事に対し、明日27日に沖縄県が上告し、明後日28日に国が代執行する。年末の最後まで沖縄は国に踏みにじられ、暗澹とした思いで新年を迎えねばならない。だからといってウッチント―して生きていくことはできない。腐りきった政治を変えていく努力を続けましょう裁判で勝てないなら、今の政治を根底から変えるような政権交代を実現すればいいだけのことだ。「絶望の虚妄なること希望に同じ」(魯迅)》。

 《理は沖縄にある》はずなのに…司法までもが沖縄イジメ・沖縄差別を支持する地獄な状況。
 佐藤裕介記者による、東京新聞の記事【「対話したら何か変わるのか」問答無用で辺野古工事「代執行」を決めた政府 岸田首相の「聞く力」とは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/298795)。《米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は28日、沖縄県に代わって工事の設計変更を承認する代執行に踏み切った。移設に反対する沖縄県は、一貫して対話による解決を求めてきた。だが国は、5年前の集中協議を最後に腰を据えた対話に応じていない。岸田政権は法に基づく対応を強調するばかりで、国と地方は対等とする地方自治の理念も揺るがし、沖縄県民の民意を軽視している》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/298795

「対話したら何か変わるのか」問答無用で辺野古工事「代執行」を決めた政府 岸田首相の「聞く力」とは
2023年12月29日 06時00分

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は28日、沖縄県に代わって工事の設計変更を承認する代執行に踏み切った

 移設に反対する沖縄県は、一貫して対話による解決を求めてきた。だが国は、5年前の集中協議を最後に腰を据えた対話に応じていない。岸田政権は法に基づく対応を強調するばかりで、国と地方は対等とする地方自治の理念も揺るがし、沖縄県民の民意を軽視している

     (沖縄県名護市辺野古沖の大浦湾=2022年1月)


◆沖縄県知事は対話による解決を求めていた

 玉城デニー知事は2018年10月の就任時、「対話によって解決策を導く、民主主義の姿勢を求める」と国に要求。国は11月、県との集中協議に応じたが、11月末には安倍晋三首相(当時)が「米国との計画通り、移設作業を進めたい」と押し切り、辺野古新基地の建設予定海域で埋め立て工事を始めた。

 建設予定海域の軟弱地盤が判明すると、国は県に設計変更を申請し、それが拒否されると是正措置をとり、さらに代執行訴訟という手段を選んだ。自治体の事務を国が代行する代執行は地方自治の根幹に関わる。


◆高裁那覇支部も「国と県が対話を重ねることが望まれる」

 玉城氏は「憲法が定めた地方自治の本旨をないがしろにする」と反発したが、岸田文雄首相が聞く力を発揮することはなかった首相周辺は「対話をしたら何か変わるのか。法的なプロセスが進んでいるのだから」と開き直っている

 福岡高裁那覇支部は今月の判決で代執行を容認したが「国と県が相互理解に向け対話を重ね、抜本的解決が図られることが強く望まれている」とも付言した。沖縄国際大の石原昌家名誉教授(平和社会学)は「国に対話の姿勢は感じられず『問答無用』という姿勢で地方の声を無視している」と批判した。(佐藤裕介


【関連記事】「国策なら」基地でも処分場でも自由に造れる?…沖縄県敗訴の辺野古判決にちりばめられた「矛盾」
【関連記事】<社説>「代執行」判決 辺野古は「唯一」なのか
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●軍事費倍増・消費税増税(法人税減税)…《政策をカネで買う》財界総理《自民党への政治献金について「企業がそれを負担するのは社会貢献だ」》

2024年01月26日 00時00分31秒 | Weblog

[↑ ※「サルまで怒る 自民の腐敗」(週刊金曜日 1454号、2023年12月22日・2024年01月05月合併号)]


(2023年12月25日[月])
「労」も〝労〟なら、「使」も〝使〟だね。労使共々腐っている。
 豊田章一郎氏(トヨタ自動車会長)あたりからだろうか、いや、それ以前からか、会長が酷くなったのは? 遠の昔に〝財界総理〟なんて期待してはいないが、3.11東京電力核発電人災以降、米倉弘昌氏(住友化学会長)、榊原定征氏(東レ会長)、中西宏明 (日立製作所会長)、十倉雅和 (住友化学会長)…とにかくロクデモナイのだ。
 デタラメの限りを尽くすキシダメ政権の評価が…「ひとつひとつの施策はいいことをやっている防衛GX脱炭素化)、原子力デフレからの完全脱却など、きちっとした政策だと私たちは思っている」。正気なのかね。消費税増税をせがむ…(法人税減税してね! 「輸出戻し税」分の還付・丸儲けもお願い!)。

   『●「死の商人」経団連会長人事…《安倍首相は「儲からない」
          原発輸出に国民の血税を投入してバックアップ》

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/国民とのずれっぷりがすさまじい、経団連十倉の上級国民ぶり】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202312010000047.html)。《岸田政権に対して「ひとつひとつの施策はいいことをやっている防衛GX脱炭素化)、原子力デフレからの完全脱却など、きちっとした政策だと私たちは思っている」「外交でも成果があるのに、それが数字に表れないのはどういうことなのか。むしろ皆さんにお聞きしたいぐらいだ」と発言した。この上級国民ぶりにはあきれるが、9月の会見では「若い世代が将来不安なく、安心して子どもを持つには全世代型の社会保障改革しかない。それには消費税などの増税から逃げてはいけない」と消費税増税を訴えた》。

 これまた、呆れたね。《裏金》《ヤミ金》やりたい放題の「利権」「裏金」党から《政策をカネで買う財界総理。そりゃぁ、政治献金という名の賄賂でしょ。どこが《社会貢献》か? 民主党政権時には無かったのに、アベ様が復権したとたんに政治献金を再開する財界。あからさま。
 岸本拓也木原育子両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/自民党への政治献金は本当に「社会貢献」で「問題ない」のか 経団連会長発言、実は全然唐突じゃなかった】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/294451?rct=tokuhou)。《経団連の十倉雅和会長は、自民党への政治献金について「企業がそれを負担するのは社会貢献だ」「何が問題なのか」と語った。社会貢献という言葉の使い方が根本的に間違っている上、そもそも企業団体献金を禁止する代わりに、毎年300億円以上の政党交付金が配られているはずでは。政策をカネで買うかのような財界・企業と政治献金の関係を見直すべき時が来ている。(岸本拓也木原育子)》


   『●耳を塞がれた「聞く力」なきキシダメ首相には届かない…軍事費倍増取止
     め、消費税減税・廃止、ガソリンの二重課税の廃止、インボイスの廃止…

 一方、キシダメ総理も酷過ぎる…耳を塞がれた「聞く力」なきキシダメ首相、答弁もソレか…。
 曽田晋太郎安藤恭子両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「対策を考えたい」「コメントは控える」を乱発…岸田首相のグダグダ答弁にただよう「人ごと感」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/292979?rct=tokuhou)。《開会中の臨時国会で、岸田文雄首相の答弁が気になる。与党・自民党の政治資金や所属議員らの発言を巡る問題を野党に追及されているが、説明が十分と言い難く、人ごとのようだという指摘も出ている。支持率低下の要因の一端を見るかのようだ。何より、取り沙汰されているのは法や人権に関わる重要な問題。審議を一時的に乗り切ればいい類いの話だろうか。(曽田晋太郎安藤恭子)》。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202312010000047.html

コラム
政界地獄耳
2023年12月1日8時0分
国民とのずれっぷりがすさまじい、経団連十倉の上級国民ぶり

★経団連会長といえば政財界をリードする知見と行動力が備わっていると期待するものだが、国民には土光敏夫(東芝会長)、稲山嘉寛(新日本製鉄会長)、平岩外四(東京電力会長)、豊田章一郎(トヨタ自動車会長)らの重鎮がイメージとして残る。つまり日本の大企業である東芝、新日鉄、トヨタが財界をリードしていた時代の話だ。加盟社は1512社。関連団体も含めれば少しは数も増えようが、たったこれだけが日本の経済界全体を表す。

★そのトップに今いるのは十倉雅和(住友化学会長)だが、最近の一連の発言を見ると、国民とのずれっぷりはすさまじい。十倉は日本国際博覧会協会会長も兼務。11月20日の定例会見では、万博会場を取り囲む木造の巨大屋根「リング」が無駄といわれていることに「立派に仕上げ、われわれが提示する命の大切さや多様性の尊重という価値観を共有してもらいたい」と発言。28日には志賀原発を視察し「核エネルギーは人類の英知なので安全安心科学の力で活用することは非常に大事なこと。社会に対する訴えかけもやっていきたい。安全安心と地元住民のご了解が前提ではあるが、一刻も早く再稼働できるよう心から願っている」と発言。

★岸田政権に対して「ひとつひとつの施策はいいことをやっている防衛GX脱炭素化)、原子力デフレからの完全脱却など、きちっとした政策だと私たちは思っている」「外交でも成果があるのに、それが数字に表れないのはどういうことなのか。むしろ皆さんにお聞きしたいぐらいだ」と発言した。この上級国民ぶりにはあきれるが、9月の会見では「若い世代が将来不安なく、安心して子どもを持つには全世代型の社会保障改革しかない。それには消費税などの増税から逃げてはいけない」と消費税増税を訴えた。聞けば住友化学は、来年3月期決算で960億円の赤字になる見込み。22年には1億1800万円の役員報酬を受けているが役員報酬の10%を5カ月間返上するという。(K)※敬称略
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/294451?rct=tokuhou

こちら特報部
自民党への政治献金は本当に「社会貢献」で「問題ない」のか 経団連会長発言、実は全然唐突じゃなかった
2023年12月7日 12時00分

 経団連の十倉雅和会長は、自民党への政治献金について「企業がそれを負担するのは社会貢献だ」「何が問題なのか」と語った。社会貢献という言葉の使い方が根本的に間違っている上、そもそも企業団体献金を禁止する代わりに、毎年300億円以上の政党交付金が配られているはずでは。政策をカネで買うかのような財界・企業と政治献金の関係を見直すべき時が来ている。(岸本拓也木原育子


     (経団連の十倉雅和会長=11月20日撮影)


あわせて読みたい
自民に毎年24億円献金「何が問題なのか」と経団連・十倉雅和会長 「社会貢献の1つ」


◆「政策提言とか言っちゃいけないんですか?」

 十倉会長の発言が出たのは4日の記者会見。企業による政治献金の目的を問われた際に「民主主義の維持にはコストがかかる。政党に企業の寄付(献金)をすることは一種の社会貢献だ」と言ってのけた。

 企業献金には、政策的な減税額が大きい業界ほど自民党への献金額が多い傾向があるなど、「政策を金で買う」との批判が付きまとう。しかし、十倉氏は「政策提言とか言っちゃいけないんですか? 希望とか要望とかどこの国でもやってる」と批判を一蹴した。

     (経団連の十倉雅和会長=11月20日撮影)

 政策誘導の危険をはらむ献金が十倉雅和という考え方は、およそ一般の市民感覚からは違和感しかないが、経団連にはそうではないらしい。20年も前から主張しているからだ。

 その考えが初めて示されたのが、奥田碩(ひろし)会長時代の2003年5月。「政党活動に要するコストの負担を社会貢献の柱の一つと位置付け、応分の支援を行うべき」との見解を出し、10年前に廃止されていた企業献金を04年から再開する足掛かりとした。


◆献金廃止で「自民党から相手にされず、相当焦っていた」

 なぜ社会貢献と言い出したのか。「政治献金」(岩波新書)を著した茨城大の古賀純一郎名誉教授(メディア論)は「当時、企業不祥事が頻発し、企業の社会的責任が問われていた。『政策をカネで買う』という評判を打ち消すために『社会貢献活動の一環』という意味合いを押し出した」と振り返り、こう続ける。

 「本音としては早急に復活したかったのだろう。廃止直後は、自民党から全く相手にされず、経団連は相当焦っていた。自民党はカネでないとなかなか動かないから。別の経済団体幹部が当時、自民党の有力政治家から『カネを出してくれる方の言うことを聞く』と言われ、悔しがっていた」

 以来、経団連は「社会貢献論」を繰り返す。09年の民主党政権の発足で一時中断した期間を経て、安倍政権下の14年に復活させた際も「企業の政治寄付は、社会貢献の一環」とした。その後も会員企業に献金を呼びかける文書には毎年「社会貢献」という主張が展開されている。

 しかし、この主張はかねて批判されてきた。政治資金オンブズマンなどは04年1月、経団連が各政党の政策を評価して各社に献金を促す形で関与を再開した際に「対価を公然と要求する寄付は、『企業の社会的貢献』ではない」と指摘。「カネも口も出す」(当時の奥田会長)という姿勢に、「対価を求めないからこそ評価されてきた社会貢献の概念をはき違えたもので、その概念をおとしめる」と批判した。

 経団連は長年、資金面で自民党を支えてきた。1950年代から、各社に献金額を割り当ててあっせん。自民党にはピーク時、年間約100億円もの金が集まった。これが金権政治の温床となり、国民の批判も受けて経団連は平岩外四会長時代の93年、あっせんを廃止した。企業・団体献金の廃止を前提に、国民負担による「政党交付金」が導入された。だが、前出のように2004年に献金は再開。廃止の約束は果たされないまま、今も交付金との「二重取り」が続いている。


◆政党交付金があるのに献金とパーティー券収入も

 政党交付金は過去10年、年間約315億〜320億円交付され、うち自民党は約150億〜175億円を得てきた。これで企業・団体献金、パーティー券収入も受けているのだから、二重取りとの批判は当然だ。

 もっとも企業献金の禁止を強硬に言い続けてきたのは政党交付金を受け取っていない共産党。5日には、企業・団体の寄付と政治資金パーティー券の購入を全面的に禁止する政治資金規正法改正案を参院に提出した。共産ほどではないが、立民、維新、れいわも、企業・団体献金を禁止する方針を打ち出している。

 ただ、政治ジャーナリストの泉宏氏は「政界はいまだカネが全てにおいて潤滑油だ。今回は自民党の派閥のパーティー券に照準が当たったが、政治資金を巡る問題のごくごく一部に過ぎない」と指摘、自民党が二重取り批判など気にもとめていない実態を明かす。

 11月下旬に公表された2022年分の政治資金収支報告書でも、企業・団体献金の総額は24億4970万円で、このうち自民が9割超の22億7309万円を政治資金団体「国民政治協会」などで集めた。


◆ようやく開いた「パンドラの箱」

 「自民と財界はずっと表裏一体の関係。自民党の経理局長が大企業でつくる経団連を回るのが慣例。経理局長は1年で交代せず5年も6年も担う。長年培ったリストを手に必死に献金を集めていた」と泉氏。「ようやく検察のメスが入った。これまでは安倍・菅タッグの強権政治で抑え付けてきたが、岸田首相では抑えきれず、ある種のパンドラの箱が開けられた状態と言える」と話す。

 一方、中央大の中北浩爾教授(政治学)は「実際、有権者への国会報告の送付など政治にはお金がかかる。政治資金を汚いと決め付ける議論は、民主主義を危うくする」と話す。自民党5派閥によるパーティー券問題は「これは完全なアウトパーティー券のキックバック分の不記載は明確な法律違反で、何のための裏金か疑問でならない」とするも、「法律違反の部分と、企業・団体献金の是非などの議論は切り分けるべきだ」と語る。

 とはいえ、やはり企業・団体献金に対する国民の目線は厳しい。駒沢大の山崎望教授(政治理論)は「企業献金はカネというツールを政治に持ち込み、自身の利益につなげる単なるビジネスの手法だ。大企業が政治をカネで買うことと同義で、大企業に有利な政策ばかり居並ぶことになりかねない」と指摘する。


◆このまま「市民の声」は反映されないのか

 例えば、今夏のマイナンバーカード問題を巡る騒動もそうだ。岸田政権が来秋の保険証廃止を掲げていることに対し、経済同友会の新浪剛史代表幹事が廃止時期を「納期」とし、「納期を守るのは日本の大変重要な文化だ」と語り、波紋を広げた。同友会は献金廃止の立場だが、新浪氏率いるサントリーは自民に献金をしている。山崎氏は「多額の献金をしているために、政策を買って発注したという目線とも取れる」とし、「極論ではあるが、寄付や献金などの政治資金はこの際、全てなくすべきだ。本当に応援したい政党があれば政治資金ではなく、声を上げて正々堂々と選挙活動をすればいい」と続ける。

 自民党と財界が一体化し、市民の声が反映されない構造は変わらないのか。

 思想家で神戸女学院大の内田樹名誉教授は「対米自立という国家戦略を放棄した自民党は、今や対米従属による権力維持以外に目的を持たないただの利権集団になった」と指摘。一連の派閥のパーティー券の問題も「利権を求めて議員になった者にとっては当たり前の収益事業だ」と一蹴する。「長年続いた財界との癒着を断ち切るだけの自浄力が自民にない以上、制度の根本的改革には政権交代しかない。このまま米の属国でいるのか、再び対米自立をめざすのか、有権者も問われている


◆デスクメモ

 政治献金は一応、見返りを求めない建前だ。見返りありなら賄賂との線引きが問われる。そういうあやうい関係を、あたかもクリーンなように言い換えてもう20年。「何が問題か」と気色ばむ表情からは、言い換えではなく本気で社会貢献と信じる様子がうかがえ、かえって怖い。(歩)


【関連記事】「なぜ岸田内閣の支持率が上向かないのか不思議」 経団連・十倉雅和会長は政策を評価
【関連記事】経団連、自民に消費税増税求める 少子化対策で「国民全体が負担する財源検討を」
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/292979?rct=tokuhou

こちら特報部
「対策を考えたい」「コメントは控える」を乱発…岸田首相のグダグダ答弁にただよう「人ごと感」
2023年11月30日 12時00分

 開会中の臨時国会で、岸田文雄首相の答弁が気になる。与党・自民党の政治資金や所属議員らの発言を巡る問題を野党に追及されているが、説明が十分と言い難く、人ごとのようだという指摘も出ている。支持率低下の要因の一端を見るかのようだ。何より、取り沙汰されているのは法や人権に関わる重要な問題。審議を一時的に乗り切ればいい類いの話だろうか。(曽田晋太郎安藤恭子


◆自民5派閥の不記載「経理状況は承知していない」

 「質疑者の質問にストレートに答えていただけていないのではないか。これでは国民は首相の言葉は分からないと思わざるを得ない」

     (参院予算委で答弁する岸田首相=国会で)

 27日の参院予算委員会で、会派のしんがりで質問に立った立憲民主党の石橋通宏氏は冒頭こう切り出した。

 続けて、自民党5派閥のパーティー収入過少記載問題を追及。自民の主要派閥が不記載を繰り返し、刑事告発されたことへの見解をただした。

 首相は党総裁かつ派閥の長だが「基本的に各派閥の政治団体はそれぞれ独立しており、(自分の派閥以外の)各派閥の経理状況について承知していない」と、他人の財布だから分からぬ、というような説明。とはいえ、告発されたことも意識してか「国民の厳しい目を考え、党として各政策集団に対して修正の内容を的確に説明することを幹事長に指示した」と述べた。

 だが、その他の団体にまで議論を広げるのは、避けたいようだ。


◆調査を指示するのか、しないのか

 石橋氏は派閥だけでなく、都議会自民党や党東京都連でもパーティー収入の不記載があったと指摘。首相は「都議会自民党は政党や政党支部と異なる政治団体。党都連も党本部とは別の政治団体で、会計責任者も別に置かれている」とし、それぞれの団体で説明すべき事柄だと答えた。

 また、全国の自民党組織に対して調査を指示しないのかと問われた際も「それぞれ別の政治団体」と表現。「党全体の信頼回復に向けて具体的にどう対応すべきか考える」と述べるにとどめ、指示するのかどうかも判然としなかった。

 煮え切らない答えを繰り返す首相に、石橋氏は「他人ごとのような答弁で、国民は極めて遺憾に聞いているのではないか」と不満を表した。ただ、歯切れの悪い答弁はこれにとどまらなかった。


◆馳浩知事の発言をめぐって「ゼロ回答」

     (東京五輪招致に関する発言について、一貫して回答を
      控えた馳浩石川県知事=石川県庁で)

 東京五輪招致を巡り、内閣官房報償費機密費)を使って国際オリンピック委員会(IOC)の委員に贈答品を渡したと述べた馳浩・石川県知事の発言について、首相の責任による調査を求められたが「基本的に個々の政治家の発言、なおかつ撤回した発言について、政府としてコメントすることは控える」と距離を置いた。

 「自民党としてこの問題をどう考えるか、発言撤回の経緯も踏まえて具体的対応を考えたい」と述べたものの、対応の内容については踏み込まなかった。

  IOCのルール違反の可能性を指摘されたが、答弁に立った松野博一官房長官が「(機密費は)国の機密保持上、使途を明らかにすることが適当でない経費だ」として説明を拒んだ


◆杉田水脈氏の問題発言についても一般論に終始

 また、同日の参院予算委で立民の岸真紀子氏から、自民の杉田水脈衆院議員のアイヌ民族などに対する差別的言動についても問われた。

 首相は「アイヌであることを理由にした差別はあってはならない」と一般論に言及しつつも「政府として議員の発言一つ一つにコメントすることは控える」と個別の言動への評価を避けた。

 当事者意識がないと評された岸田首相の答弁ぶりだが、事は重大だ。自民党5派閥の過少記載は、政治資金規正法違反の疑いで東京地検特捜部が捜査中。組織的な裏金づくり」が疑われている。


◆「その場しのぎの答弁ですね」

 「政治とカネ」の問題を20年以上調査し、今回の過少記載で告発者となった上脇博之・神戸学院大教授に、岸田首相の姿はどう見えるのか。「こちら特報部」が問うと「寄付してくれる人の声は聞いても、それ以外の国民はまるで眼中にないその場しのぎの答弁ですね」とため息をついた。

 上脇さんが考える説明責任とはこうだ。岸田首相は派閥の長として、会計帳簿、パーティー券の領収書の写し、金融機関の口座で受け取った記録をそれぞれ報道機関に提供する。個人情報に配慮しつつ、記載が義務付けられるパーティー1回につき20万円を超える購入団体について、なぜ不記載が起きたのか具体的に説明する。その上で他の4派閥には同様の対応をお願いする。「こうすれば、他の派閥の独立性は担保しつつ、岸田首相は説明責任を果たせる」と明快だ。

 上脇さんは、機密費に関連する行政文書の開示を国に求めた裁判も起こし、最高裁は2018年、部分開示を認める初判断を示した。「東京五輪招致の際に贈答品のアルバムを作った事実は間違いないと考えられる。もし、財源が機密費じゃないのなら、岸田首相がそう説明すれば済む話だが、それも言えない。逃げの姿勢が透ける」とみる。


◆「身内の議員に注意もできないとは…」

 アイヌ民族の多原良子さん=札幌市=は、杉田氏のブログやSNSの差別投稿について法務局に救済を申し立て、今年9月に投稿は人権侵犯と認められた

 だが、杉田氏はメディアが求める記者会見には応じず、ユーチューブ番組でアイヌ文化振興事業の関係者を「公金チューチュー」とやゆ。参院予算委のあった27日の夜にもX(旧ツイッター)で、人権侵犯と認定された投稿はアイヌ民族差別ではないと主張するなど、発信をエスカレートさせている。

     (27日、参院予算委員会のあった夜、アイヌ民族差別ではない
      と主張する杉田氏のXへの投稿)

 「国連の人種差別撤廃条約に加入する日本の首相が、身内の議員を注意もできないというのは残念ですよね…」と多原さんは嘆く。

 マイノリティー女性の当事者として「複合差別」の問題を提起してきた。「差別の放置を許している社会は誰にとっても危うい。首相こそ、今起きているジェンダー差別やヘイトスピーチをなくすための議論を呼びかけ、法制度や人権教育が必要だと発信してほしい」と話す。


◆「初めに結論、理由は三つまで」

 政治アナリストの伊藤惇夫さんは、自民党の世耕弘成参院幹事長が10月の参院本会議の代表質問で、首相の所得税減税の説明について「物価高に対応して何をやろうとしているのか、世の中に全く伝わらなかった」と、苦言を呈した場面が象徴的だったとする。「岸田首相には、説明力と発信力が欠けている。防衛費増大や所得税減税を打ち出してきたが、いずれも財源が明らかにされず、政策の必要性も見えてこない」

 総理(首相)の種類を、総理になったら何をしたいかが明確な「なったら総理」と、総理になることが目的の「なりたい総理」に分けると、岸田首相は後者に見えるという。「多くの国民が所得税減税を『選挙目当て』と受け止め、杉田氏に対応しないのは『政権を延命したいための党内右派への配慮だ』と見透かしている状況」と低支持率の理由を分析する。

 岸田首相には、日中国交正常化を果たし「なったら総理」の代表格とする故・田中角栄氏が言ったとされる、次の言葉を贈りたいという。「初めに結論を言え。理由は三つまで。この世に三つでまとめきれない大事はない」


◆デスクメモ

 今月、報道各社の世論調査で内閣支持率は軒並み20%台を記録した。下落の大きな要因は減税を巡る首相の不明確な説明だ。今、誠実な態度が求められている。核心を避ける姿勢で支持は取り戻せない。そして差別やルール違反を放置するとしたら、将来に残す傷は計り知れない。(北)


【関連記事】「ごまかす意図はない」大阪・関西万博の国民負担が大膨張 岸田首相に集まる批判と「あいまい答弁」
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●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》

2024年01月25日 00時00分08秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


/ (2023年12月30日[土])
当然の判決だ ――― とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない。
 大川原化工機でっち上げ事件。あまりに酷い冤罪事件というか、公安警察・検察によるでっち上げ事件・捏造事件。何度請求しても、保釈を認めなかった裁判所も、あまりに杜撰で冷酷。
 アサヒコムの記事【大川原化工機社長「しっかり検証し謝ってほしい」「墓前に報告する」】(https://www.asahi.com/articles/ASRDW56FSRDWUTIL01G.html?iref=comtop_7_02)。《軍事転用可能な機器を無許可で輸出したとして「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長らが逮捕、起訴され、後に起訴が取り消された事件で、社長らが捜査の違法性を訴えた訴訟で、東京地裁は27日、起訴や逮捕の違法性を認め、国と都に賠償を命ずる判決を出した。大川原社長は判決後、報道陣に「裁判長が適切な判断をしてくれたと受け止めている。警視庁と検察庁にはしっかり検証をして、できることなら謝罪をしていただきたい」と話した。同社元顧問の相嶋静夫さんは勾留中にがんが判明したが保釈はかなわず、起訴取り消しの前に72歳で亡くなった。大川原社長は「そして一緒に過ごしてきた相嶋さんの墓前に早く報告したい」とも話した》。

 神保哲生さんのビデオニュースドットコムの記事【警察にはこの事件が意図的な捏造だったことを正直に認めてほしい 大川原化工機社長らが国賠訴訟判決を前に会見】(https://www.videonews.com/press-club/20231221-ookawara)。《しかし、大川原氏らは最後まで自白をしなかったため、有罪に持ち込むことが困難と判断した検察は逮捕から331日目となる2021年2月5日、大川原氏と島田氏を釈放し、7月には起訴を取り消した。相嶋元相談役は勾留中に胃がんが悪化し、8度にわたる保釈申請もことごとく却下されたため、嫌疑が晴れないまま死亡している》。

   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」

 アサヒコムの記事【公安警察と政権の危うい蜜月 青木理さんがVIVANTに抱く違和感】(https://www.asahi.com/articles/ASRDQ5FPYRDBUPQJ00D.html?iref=pc_extlink)。《この事件は、見込み捜査と強い政治性を特徴とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判を浴びた。2019年夏の参院選での北海道警によるヤジ排除問題などとあわせ、近年、そのありようがあらためて問われている》。

   『●『日本の公安警察』読了(1/2)
    「1章 厚いベールの内側」、「2章 特高から公安へ」、
     「3章 監視・尾行から工作まで」、「4章 公安秘密部隊」、
     「5章 戦後の公安事件簿」、「6章 オウム・革マル派との〝戦い〟」、
     「7章 警察の外にある公安」、「8章 監視社会と公安警察」
    「奇々怪々な「菅生事件(すごう)という謀略とその後の無茶苦茶な経緯、
     〝爆弾犯〟の異常な出世」

   『●『日本の公安警察』読了(2/2)
    《情報は、大物政治家や警察OBの代議士に流れているというのが、
     仲間内での公然の秘密であった。元来、秘密のベールに
     包まれているはずの『第四係』の懇親会終了後に自民党選出の
     国会議員が顔を見せるというのも、警察と自民党との癒着
     物語るものであろう》

   『●アベ様をヤジって道警の警察官に排除…札幌地裁は《ヤジを公共的で
      政治的な表現行為と認め、その排除は表現の自由の侵害だと判断》
   『●アベ様の耳に続き、「聞く力」なきキシダメ首相の耳を塞いであげる警察
      …《今の警察は政権を応援する声には反応せず、批判だけ排除する》
   『●《どの演説会場も厳戒体制を通り越して近づきがたい異様な雰囲気…
     私にはかえって危険な状況を作り出しているとしか思えないのだが。》

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https://www.videonews.com/press-club/20231221-ookawara


【警察にはこの事件が意図的な捏造だったことを正直に認めてほしい 大川原化工機社長らが国賠訴訟判決を前に会見】
 (https://youtu.be/tAibXIvT6zc


2023年12月21日公開
警察にはこの事件が意図的な捏造だったことを正直に認めてほしい
大川原化工機社長らが国賠訴訟判決を前に会見

ゲスト
大川原正明 (おおかわら まさあき)
大川原化工機社長

島田順司 (しまだ じゅんじ)
大川原化工機元取締役

高田剛 (たかだ つよし)
弁護士


概要
 生物兵器の製造に転用可能な装置を不正に中国に輸出したとして逮捕・起訴されながら、約1年後に起訴が取り消されて釈放された横浜市の機械メーカー、大川原化工機の大川原正明社長らが、12月19日、日本外国特派員協会で会見し、今月27日に言い渡される判決を前に、警察はこの事件が意図的な捏造だったことを正直に認めてほしいなどと語った。

 同社が生物兵器の製造に利用可能な噴霧乾燥機を政府の許可を得ず中国に輸出していたとして、輸出管理法違反で2020年3月に逮捕され、11ヶ月間の勾留中に繰り返し自白を強要されたという。しかし、大川原氏らは最後まで自白をしなかったため、有罪に持ち込むことが困難と判断した検察は逮捕から331日目となる2021年2月5日、大川原氏と島田氏を釈放し、7月には起訴を取り消した。相嶋元相談役は勾留中に胃がんが悪化し、8度にわたる保釈申請もことごとく却下されたため、嫌疑が晴れないまま死亡している

 その後、大川原氏らは検察を管轄する国と、警視庁を管轄する東京都を相手取り、約5億7,000万円の国家賠償を求めて提訴していた。その一審判決が12月27日に東京地裁で言い渡される。

 この日の会見で大川原、島田の両氏と原告代理人の高田剛弁護士は、この事件は警視庁公安部が意図的にでっち上げたものであり、自分たちと同じような被害者を出さないためにも、警察と検察が自分たちの罪を認めることが重要だとの認識を示したほか、犯罪の立証が曖昧でも身柄を取り、長期の勾留を通じて自白に追い込む人質司法」が依然として日本では横行している実態にも警鐘を鳴らした。
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https://www.asahi.com/articles/ASRDQ5FPYRDBUPQJ00D.html?iref=pc_extlink

公安警察と政権の危うい蜜月 青木理さんがVIVANTに抱く違和感
聞き手・石川智也 2023年12月26日 14時00分

     (「警察の統制のあり方と政治との距離について、
      公安委員会制度の強化充実を含め、これを機に議論を
      深めるべきです」と語るジャーナリストの青木理さん)

 ふだん姿の見えない「公安警察」が注目を集めている。

 軍事転用可能な機器を無許可で輸出した容疑で逮捕され、初公判直前に起訴が取り消された「大川原化工機」(横浜市)の社長らが、国と東京都を訴えた損害賠償訴訟の判決が12月27日、東京地裁で言い渡される。

 この事件は、見込み捜査と強い政治性を特徴とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判を浴びた。2019年夏の参院選での北海道警によるヤジ排除問題などとあわせ、近年、そのありようがあらためて問われている。

 「日本の公安警察」の著書で、数々の冤罪(えんざい)事件やこの国の刑事司法の悪弊を取材してきたジャーナリスト青木理さんに、秘密のベールに包まれてきた公安警察の実態と問題について聞いた。(聞き手・石川智也)

     


戦後まれに見る「警察政権」

 第2次安倍政権と菅(すが)政権は、戦後例のない「警察政権」でした。各省庁を差配する事務担当の官房副長官には一貫して元警察官僚の杉田和博氏が座り、幹部官僚人事を牛耳る内閣人事局が新設されると、間もなくその局長も兼務。また、外交防衛政策を企画立案する国家安全保障局長にも、警察官僚の北村滋氏が起用されました。いずれも、警察組織のうち警備公安部門の要職を歴任した人物です。

 これには歴史的背景があります。

 公安警察は戦後長らく、「反………
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●新しい四文字熟語「集団泥縄」…【こちら特報部/「まるで集団万引した人間に万引防止策考えさせるよう」自民党の政治刷新本部の顔触れに…】

2024年01月24日 00時00分55秒 | Weblog

[↑ ※「3度目の政権交代は絶対にできる。…」(週刊金曜日 1456号、2024年01月19日号)]


(2024年01月22日[月])
(こちら特報部)《「まるで集団万引した人間に万引防止策考えさせるよう」 自民党の政治刷新本部の顔触れに透けるやる気のなさ》。カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」党という犯罪集団、反社会的集団、泥棒集団に自身を縛るためのお縄を綯わせる…泥縄ドロナワ。新しい四文字熟語「集団泥縄」。事実関係を明らかにする気など全く無し。会計責任者をトカゲのしっぽ切り。会計責任者は、「裏金」を何に使っていたのか暴露すればよいのにね。(リテラ)《会計責任者が裏金づくりや政治資金収支報告書への不記載などの犯罪行為を独断でできるはずがないのは明らかだからだ》。

   『●(こちら特報部)《「政治とカネ」で孤軍奮闘…毎年発覚する政治資金問題、
      そろそろ「上脇さん頼み」を脱却した独立の公的監視告発機関が必要》
   『●《「自民党の自浄作用は期待できない」──。政治資金パーティーの
      裏金疑惑に火を付けた神戸学院大教授の上脇博之氏はそう断言する》
   『●自民党「政治刷新本部(仮称)」の凄いメンツ…本部長・キシダメ総裁、
     最高顧問・すがっちとド「アホウ節」氏、事務総長・木原誠二幹事長代理

   『●上脇博之さん《政治にカネ…抜本的な見直し…「政党助成金、企業献金、
     パーティーの全廃」と「政策本位で当選する仕組み」の実現を訴えた》
   『●アベ様派議員だけでなく「利権」「裏金」党全体の問題 ―――― 青木理
      さん《永田町にあまたいる政治部記者はなぜ気づけなかったのか》?

   『●裏金問題:〝平和の党〟〝子育ての党〟…〝むじな〟ではなかったとして
     も、ボロボロの下駄にへばり付いた、泥の混じったどす黒い《下駄の雪》
   『●アベ《昭恵氏が引き継いだ「自民党山口県第4選挙区支部」の残金
     には約2400万円もの政党交付金が含まれている…原資は国民の血税》
   『●《検察は行政機関でありながらも政治からの中立性と独立性が求めら

     れる。しかし、安倍官邸は法務省を通じて検察の捜査に介入していた…》

 まず、何より大事なことが、政権交代。カネと「利権」「裏金」党問題が解決できないのならば、民主的な方法で政権交代するしかない。。
 東京新聞のコラム【<ぎろんの森>裏金と長期政権の驕り】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/298009?rct=discussion)によると、《政界に目を移すと、岸田文雄首相を取り巻く環境は年が押し詰まるにつれて厳しくなっています。内閣支持率下落の最大の要因は、自民党各派閥による政治資金パーティーを巡る問題です。還流による裏金づくりが指摘された安倍派は4閣僚や党役員が辞任、派閥事務所が家宅捜索されました。東京新聞は19、20両日、政治資金の透明化を求める社説を掲載し、政党から議員個人に渡され、使途公表が不要な「政策活動費」も「ほかの政治資金同様、使途公開を義務付け、透明化すべきである」と主張しました》。



デモクラシータイムス【日本を建て直す〜4つの改革【金子勝の言いたい放題】20231219】
 (https://www.youtube.com/watch?v=hnJaqe9_aYo
――――――――――――――――――――――――――――――――
2024年年頭の金子勝の言いたい放題。
年末「2023年吠え納め」でお送りした「破綻する裏金国家」の続編「日本を作り直す4つの改革」を提言します。

いまの自民党体制は、一つひとつの政策を批判して、もらちがあかない。
トータルに日本を変える全体像の提案が必要となっています。
そこで、今回は大まかな「ビジョン」を語ります。

①  独占・集中を排除し、分散型経済に
②  アベノミクスから日銀を解放する
③  未来の先端産業を立て直す
④  公正なルールと教育と科学技術の再建

つまり「暮らし」を中心に据える経済です。

裏ガネ政治とカネで明らかになった自民党の体質は、カネの出し手である経済界(旧態依然の古い財界)の意向に沿った政治をしているということ。「もり・かけ・さくら」で明らかなように、コネや縁故による仲間内の利権配分が行政を歪めてきた。これからは、独占・集中・大規模ではなく、食糧やエネルギーを軸に分散・自立・小規模のユニットいくつもつくり、地域におカネを回していく循環型経済システムを目指そう。大企業を利する円安・株高政策だったアベノミクスは、輸入インフレと国債依存の財政をもたらした。キッパリと終止符を打って、マクロ経済を立て直す必要がある。大転換は、政権交代なくしてできない政治も経済政策も行き詰まった自民党に退場を迫る。2024年は勝負の年ということです。
――――――――――――――――――――――――――――――――


 小渕優子氏って、何かの冗談か!? ドリルですよ。泥縄の典型。 ← それにしても酷いね…「利権」「裏金」党には、一人としてマトモな議員がいないのですもの、当然のメンツではあります。
 東京新聞の記事【派閥解消論、口々に「過去の改革なぁなぁ」「国民の理解得られない」 裏金事件で刷新本部初会合】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/302059)。《自民党が派閥の政治資金パーティー裏金問題を受けて設置した「政治刷新本部」の初会合が11日、党本部で開かれた。会合は冒頭を除き非公開。会合後、派閥に所属しない菅義偉(よしひで)前首相ら複数のメンバーからは「国民の理解が得られない」と派閥解消論が上がった。「過去の改革がなぁなぁだった」とし、派閥の力の源泉である人事とカネからの決別を訴える意見も。メンバーには麻生太郎副総裁ら派閥の領袖(りょうしゅう)も加わっており、派閥のあり方についての意見集約は難航する可能性もある。(我那覇圭小椋由紀子大野暢子宮尾幹成)》。
 この記事から、メンバーは以下の通り。


―――――――――――――――――――――――――――――
◎自民党政治刷新本部のメンバー

【本部長】岸田文雄(無派閥)
【最高顧問】☆麻生太郎(麻生派)、菅義偉(無派閥)
【本部長代行】☆茂木敏充(茂木派)
【本部長代理】☆森山裕(森山派)、渡海紀三朗(無派閥)、小渕優子(茂木派)、関口昌一(茂木派)、岡田直樹(安倍派)
【副本部長】逢沢一郎(無派閥)、浜田靖一(無派閥)、梶山弘志(無派閥)、金子恭之(岸田派)、平井卓也(岸田派)、野上浩太郎(安倍派)、牧野京夫(茂木派)
【幹事長】木原誠二(岸田派)
【幹事長代理】福岡資麿(茂木派)
【幹事】小泉進次郎(無派閥)、佐々木紀(安倍派)、鈴木馨祐(麻生派)、牧原秀樹(無派閥)、松本洋平(二階派)、島尻安伊子(茂木派)、高階恵美子(安倍派)、堀内紹子(岸田派)、上野通子(安倍派)、太田房江(安倍派)、松川るい(安倍派)、三原じゅん子(無派閥)、吉川有美(安倍派)
【事務局長】小倉将信(二階派)
【事務局長代理】小林史明(岸田派)、牧島かれん(麻生派)
【事務局次長】鈴木貴子(茂木派)、藤原崇(安倍派)、三谷英弘(無派閥)、高橋はるみ(安倍派)

(注)敬称略。☆は派閥会長
―――――――――――――――――――――――――――――

 「まるで集団万引した人間に万引防止策考えさせるよう」、至言。
 東京新聞記事。【こちら特報部/「まるで集団万引した人間に万引防止策考えさせるよう」 自民党の政治刷新本部の顔触れに透けるやる気のなさ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/303037?rct=tokuhou)によると、《自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で党内に設置された政治刷新本部。メンバーの複数の安倍派議員に政治資金収支報告書の不記載が判明し、批判が相次いでいる。そもそも裏金の規模が突出する安倍派から最多の10人を起用。幹部に麻生派会長の麻生太郎副総裁らが就き、派閥解消や抜本解決を求める声とはかけ離れている本気度に疑問符が付く顔ぶれの狙いは何なのか。(森本智之、岸本拓也)》。

 《世間に落胆と怒りが広がっている》…ならば、民主的に政権交代を。#選挙に行かないとこうなる #自民党に投票するからこうなる ← 諸悪の根源はコレ。政権の強弱で、検察が忖度したり、さじ加減を変えるようなことがあってはいけない、。
 日刊ゲンダイの記事【裏金疑獄「安倍派7人不起訴」で広がる落胆…検察は“ファッショ批判”に耐えられるのか】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/334826)。
《自民党派閥の裏金疑獄をめぐり、世間に落胆と怒りが広がっている。政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で捜査している東京地検特捜部が、最も悪質な安倍派の「5人衆」ら幹部7人を不起訴とする方針だと一斉に報じられたからだ。時効が未成立の2018年からの5年間でこさえた裏金は、安倍派が約6億円、二階派が2億円超。巨額だ。にもかかわらず、両派の会計責任者と、4000万円超をネコババした安倍派3議員だけが立件される見通しだという。「令和の空騒ぎ」なんて冗談じゃない。…どっこい、連中は胸をなでおろしているようだ。「昨年末に検察から任意聴取された秘書はゴリゴリやられたとコボしてはいたものの、収支報告書の訂正で決着しそうだと言っていた。楽観ムードが漂っていたところに池田佳隆衆院議員らが逮捕され、一様に気をもんでいましたが、一息つけそう」(安倍派関係者) 政治生命を失いかけている安倍派の「灰色5人衆」が息を吹き返したら、検察は返り血を浴びることになるんじゃないか。》

 一方、キシダメ派。《疎漏》って、アンタねぇ…。
 東京新聞の記事【「記載漏れ」岸田派のコメントは270字 会見も開かず「意図したものではない」【コメント全文】】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/303636)によると、《自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、政治資金収支報告書のパーティー券収入に記載漏れがあったとして訂正した岸田派(宏池政策研究会)は18日、会見を開かず、「不適切な処理を行うことを意図したものではなく、事務処理上の疎漏(そろう)だった」とするコメントを発表した》。

 「裏金」「利権」党派閥《幹部と会計責任者の共謀は認定できないと判断》してしまう検察、正気か? そもそも、裏金やキックバックの違法性は?
 日刊ゲンダイのコラム【適菜収「それでもバカとは戦え」/裏金事件で安倍派幹部7人「不起訴」…問われているのは「法の下の平等」だ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/334969)によると、《東京地検特捜部は、パーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載しなかったとする政治資金規正法違反容疑で告発された安倍派幹部7人を不起訴とする方針を固めたとのこと。同派幹部と会計責任者の共謀は認定できないと判断。収支報告書を作成・提出した会計責任者だけを立件するという。幹部らは…》。
 リテラの記事【検察の安倍派幹部“立件見送り”の不可解! 西村康稔前経産相、世耕弘成前参院幹事長、森喜朗元首相にくすぶる疑惑】(https://lite-ra.com/2024/01/post-6315.html)によると、《東京地検特捜部が政治資金パーティ裏金事件で“安倍派5人衆”ら幹部の立件を見送り、不起訴とする方針──そうメディアが伝えて以降、SNS上では「#検察仕事しろ」がトレンド入りするなど、検察に対する怒りの声が噴出している。当然の怒りだ。東京地検特捜部は〈幹部らと会計責任者の共謀は認定できないと判断〉(読売新聞16日付)というが、会計責任者が裏金づくりや政治資金収支報告書への不記載などの犯罪行為を独断でできるはずがないのは明らかだからだ》。

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https://lite-ra.com/2024/01/post-6315.html

検察の安倍派幹部“立件見送り”の不可解! 西村康稔前経産相、世耕弘成前参院幹事長、森喜朗元首相にくすぶる疑惑
2024.01.19 11:00

      (西村康稔オフィシャルサイトより)

 東京地検特捜部が政治資金パーティ裏金事件で“安倍派5人衆”ら幹部の立件を見送り、不起訴とする方針──そうメディアが伝えて以降、SNS上では「#検察仕事しろ」がトレンド入りするなど、検察に対する怒りの声が噴出している。

 当然の怒りだ。東京地検特捜部は〈幹部らと会計責任者の共謀は認定できないと判断〉(読売新聞16日付)というが、会計責任者が裏金づくりや政治資金収支報告書への不記載などの犯罪行為を独断でできるはずがないのは明らかだからだ。

 にもかかわらず、すでに逮捕された衆院議員の池田佳隆容疑者や、大野泰正参院議員、谷川弥一衆院議員といった不記載額が4000万円を超えた“小物議員”と会計責任者のみを立件し、下村博文・元文科相や松野博一・前官房長官、西村康稔・前経産相、高木毅・前国対委員長、塩谷立・元文科相、世耕弘成・前参院幹事長、萩生田光一・前政調会長といった安倍派幹部らは無罪放免にしようとは、到底納得できるはずがない。

 まず、合点がいかないのは、西村康稔氏の問題だ。

 一部報道によると、2021年11月に派閥会長となった安倍晋三・元首相がキックバックを問題視し、2022年4月に複数幹部や会計責任者らに対して「(キックバックは)不透明だからやめるべき」との旨を伝達したという。

 安倍元首相がキックバックの廃止を言い出したことについて、“安倍応援団”のジャーナリストである岩田明子氏は“裏金づくりは細田派時代の悪習であり、実態を知った安倍氏は激怒した”などと伝えたが、そんなことはまずもってありえない。裏金システムは森喜朗・元首相が派閥会長を務めていたころに始まったといわれているからだ。安倍氏が派閥会長となる直前の2021年7月には「桜を見る会」問題で検察審査会が安倍氏の不起訴を「不当」と議決、再捜査がおこなわれていたことを踏まえれば、さらなる不記載の問題が発覚することを恐れて自衛の策をとった……といったところだろう。

 だが問題は、その後、当時事務総長だった西村氏ら安倍派幹部が協議をおこなった結果、キックバックを継続させた、という点。つまり、違法性を認識しながら、裏金スキームを“復活”させたのだ。西村氏はキックバック分を個人のパーティ収入として記載する方法を提案したというが、その後、事務総長を高木氏に交代して以降もキックバック分は不記載となっている。裏金スキームの継続を主導した責任者として、高木氏ともども不記載は知らないなどという頬被りが通用するわけがない


■立件が確実氏される会計責任者のM事務局長と世耕弘成前参院幹事長の関係

 しかし、裏金づくりをはじめとする問題に深く関与し、徹底した捜査が必要な幹部は、まだいる。そのひとりが、世耕弘成・前参院幹事長だ。

 そもそも、立件の方針とされている会計責任者であるM事務局長は、世耕氏の前職であるNTT時代の先輩であり、世耕氏が事務局長に推薦したといわれている。つまり、裏金の流れについて、世耕氏は幹部の中でもとくによく知ることができる立場だったと見られている。

 しかも、少なくとも参院選がおこなわれた2019年と2022年に開催された安倍派の政治資金パーティでは、改選の参院議員には販売ノルマを設けず、集めたパー券収入を全額キックバックしていた。無論、この“参院への特例”はキックバックした金を選挙資金に充てるべく取られた措置であることは疑いようがないが、こうした金を選挙運動費用収支報告書に記載していなかった場合、公選法違反が問われることとなる。

 そして、このような金の流れを、参院を取り仕切っていた世耕氏が把握していなかったとは到底、考えられない。特捜部は、裏金未記載だけでなく、参院選への流用をきちんと捜査すべきではないのか。

 ここまであげた西村氏や世耕氏は安倍派幹部のなかでもとくに東京地検特捜部が裏金に深く関与していたと睨んでいる、といわれていた。だが、特捜部が「裏金の本丸」として目星をつけていた人物が、もうひとりいる。

 それは、安倍派の裏金システムがはじまった際の会長だといわれている、森喜朗・元首相だ。

 ご存知のとおり、森氏といえば、それまで党内非主流派だった清和会が小泉政権時代に最大派閥となった当時の清和会会長であり、会長退任後も20年以上にわたって “清和会=現・安倍派の事実上のドン”として君臨。さらに安倍氏の死去後は存在感を増し、派閥の意思決定機関である常任幹事会から下村博文・元文科相を外したのも森氏の意向とされているように、5人衆を使って安倍派を陰で操ってきた。

 だが、森氏が操ってきたのは人事だけではなく、金の流れにも関与してきたとの見方が強い。


■“疑惑の本丸”森喜朗元首相が12月5日に行った世耕弘成、西村康稔との会食

 今年の元旦には産経新聞が「森元首相の関与有無解明へ」と一面トップで報道したが、大手紙司法担当記者によると、特捜部が森氏の捜査に乗り出していたのは事実らしい。

「特捜部は、西村氏が事務総長だった際にキックバックが継続になった件や、高木氏が事務総長となってキックバック分の不記載が引き継がれた件、世耕氏が仕切る参院だけが全額キックバックされた件にも、森氏がかかわっているのではないかと捜査を進めていた。安倍派幹部だけでなく、立件される見込みのM事務局長とも直接やりとりしていたことをキャッチしているという話も出ていた」(大手紙司法担当記者)

 つまり、森氏は会長を退いてからも安倍派の裏金に関与し、詳細を把握していた最重要人物であると、特捜部は考えていたようなのだ。

 実際、特捜部の捜査がはじまって以降、森氏はキナ臭い動きを見せてきた。たとえば、捜査に動き出した直後である昨年11月末に、森氏は突如として北國新聞のインタビュー連載を終了。その後、12月1日に朝日新聞が「安倍派、裏金1億円超か」とスクープしたが、同月5日には丸の内にあるパレスホテル東京の日本料理店「和田倉」にて世耕氏や西村氏と会食しており、この場で“口裏合わせ”をおこなったのではないかという見方も流れた。

 さらに、森氏は裏金システムに関与していただけではなく、裏金が流れていた可能性まで浮上している。

 というのも、昨年末に発売された「週刊新潮」(新潮社)では、特捜部は関係者への事情聴取のなかで「キックバックの一部を森元総理に上納していなかったか」と尋ねていると報道。「週刊文春」(文藝春秋)も、髙木毅・前国会対策委員長が2015年に復興相に就任した後、「大臣に推薦してもらうため、髙木氏が組閣前に頻繁に政治資金パーティを開催し、集めた4、5000万円を森氏に献金した」という疑惑を福井の地元誌が報道していたことを指摘していた。

 裏金システムに関与していただけではなく、森氏に裏金が上納金として流れていたのではないかという、この重大疑惑。しかし、安倍派幹部への立件が見送られるようなことになれば、当然、本丸である森氏立件の線も消えることになるだろう。

 巨悪を眠らせたまま、安倍派裏金事件は終結となるのか。本サイトの取材では「特捜部はまだ諦めておらず、森氏や世耕氏の捜査を継続している」という情報も得ているが、このままでは世論が納得することはない。「裏金事件を終わらせるな」という声を高めることが重要だ。

(編集部)
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コメント
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●《検察は行政機関でありながらも政治からの中立性と独立性が求められる。しかし、安倍官邸は法務省を通じて検察の捜査に介入していた…》

2024年01月23日 00時00分37秒 | Weblog

[↑ ※「サルまで怒る 自民の腐敗」(週刊金曜日 1454号、2023年12月22日・2024年01月05月合併号)]


(2024年01月07日[日])
《ようするに、安倍政権時は安倍官邸と法務省・検察が内々に手打ちしていた…と田崎氏は言うのだ》。《検察は行政機関でありながらも政治からの中立性と独立性が求められる》、しかし、アベ様広報官・スシロー氏曰く《安倍官邸は法務省を通じて検察の捜査に介入していた、というのである》(リテラ)。言っちゃったょ、スシロー氏。

 検察のさじ加減で政権が左右されていはいけない。《権力の大きさによって捜査が左右されるようなことはあってはならない》(リテラ)。だからこそ、民主的な方法で政権交代を達成しなければいけない。傍観者ではいけない。単なる野党批判に堕していてはいけない。#選挙に行かないとこうなる #自民党に投票するからこうなる ← 諸悪の根源はコレ。選挙に行くべきだし、自公お維コミなどに投票してはいけない。参政党などは、論外。
 赤木雅子さんの仰るように、「自民党以外の人が財務大臣になったら、全てを調査し直して、本当のことを明らかにしてもらえる」はずだ。目取真俊さんも、《年末の最後まで沖縄は国に踏みにじられ、暗澹とした思いで新年を迎えねばならない。だからといってウッチント―して生きていくことはできない。腐りきった政治を変えていく努力を続けましょう。裁判で勝てないなら、今の政治を根底から変えるような政権交代を実現すればいいだけのことだ。「絶望の虚妄なること希望に同じ」(魯迅)》。
 政権交代で、数多のアベ様案件に希望の光が見えてくる。そして、自民党とカネの問題の解決、また、戦争法など、これまでの悪法の廃止を。

 《政治ジャーナリスト》ねぇ? スシロー氏は単なるアベ様広報官だと思いますけど、それにしても、その振舞いや言動、とても《政治ジャーナリスト》とは呼べない単なるアベ様の太鼓持ち。
 リテラの記事【裏金問題捜査で田崎史郎が「安倍政権時代なら法務省と官邸で内々に」とポロリ! 実際にあった安倍官邸の検察捜査ツブシ総まくり】(https://lite-ra.com/2024/01/post-6312.html)によると、《ようするに、安倍政権時は安倍官邸と法務省・検察が内々に手打ちしていたが、岸田官邸はそれをやっていないから捜査情報を把握できていない、と田崎氏は言うのだ。言わずもがな、検察は捜査権と公訴権を有する唯一の機関で、この国で閣僚クラスの大物政治家の汚職を摘発するのも実質的に検察だけだ。そのため検察は行政機関でありながらも政治からの中立性と独立性が求められる。しかし、安倍官邸は法務省を通じて検察の捜査に介入していた、というのである》。

   『●アベ様派のデタラメの系譜…村上誠一郎議員《安倍氏の政権運営が「財政、
       金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と批判》
   『●《クーデター》《テロ》を追認する司法…《一内閣の一存で転換させた
     「解釈改憲」に追随…「憲法の番人」の本来の役目》を放棄した仙台高裁
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●世界中の《人を呼んで祭りをする会場にはそもそも不向き…ゴミ処分場とし
     ての優位性は、祭り会場としては最悪の欠陥…「ゴミの島 夢洲の正体」》
   『●(こちら特報部)《「政治とカネ」で孤軍奮闘…毎年発覚する政治資金問題、
      そろそろ「上脇さん頼み」を脱却した独立の公的監視告発機関が必要》
   『●《「自民党の自浄作用は期待できない」──。政治資金パーティーの
      裏金疑惑に火を付けた神戸学院大教授の上脇博之氏はそう断言する》
   『●自民党「政治刷新本部(仮称)」の凄いメンツ…本部長・キシダメ総裁、
     最高顧問・すがっちとド「アホウ節」氏、事務総長・木原誠二幹事長代理
   『●上脇博之さん《政治にカネ…抜本的な見直し…「政党助成金、企業献金、
     パーティーの全廃」と「政策本位で当選する仕組み」の実現を訴えた》
   『●アベ様派議員だけでなく「利権」「裏金」党全体の問題 ―――― 青木理
      さん《永田町にあまたいる政治部記者はなぜ気づけなかったのか》?


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https://lite-ra.com/2024/01/post-6312.html

裏金問題捜査で田崎史郎が「安倍政権時代なら法務省と官邸で内々に」とポロリ! 実際にあった安倍官邸の検察捜査ツブシ総まくり
2024.01.01 10:36

     (首相官邸HPより)

 東京地検特捜部が松野博一・前官房長官、世耕弘成・前参院幹事長、西村康稔・前経済産業相、萩生田光一・自民党政調会長、高木毅・自民党国対委員長ら安倍派幹部への任意の事情聴取をおこなうなど、捜査が本格化している政治資金パーティ裏金問題。ある人物の発言がSNS上で注目を集めた。

 それは、政治ジャーナリスト・田崎史郎氏が昨年12月16日放送『情報7daysニュースキャスター』(TBS)で発したコメントだ。

「こういう事件の時は、法務省が官邸と内々に打ち合わせをして、黒を白にすることはないですけど、“このへんでね”という(妥協案の提示の)話が、行われるものなんですよ。安倍政権ではあったんです」
「それを岸田官邸は一切やってない。法務省の情報も東京地検特捜部の情報が全然、取れてないから分からない」

 ようするに、安倍政権時は安倍官邸と法務省・検察が内々に手打ちしていたが、岸田官邸はそれをやっていないから捜査情報を把握できていない、と田崎氏は言うのだ。

 言わずもがな、検察は捜査権と公訴権を有する唯一の機関で、この国で閣僚クラスの大物政治家の汚職を摘発するのも実質的に検察だけだ。そのため検察は行政機関でありながらも政治からの中立性と独立性が求められる。しかし、安倍官邸は法務省を通じて検察の捜査に介入していた、というのである。

 三権分立を踏みにじる安倍政権の横暴を、さも当然のことのように平然と語る政治ジャーナリスト……。これにはSNS上で田崎氏の倫理観を批判する意見が寄せられているが、問題は、安倍官邸が法務省と“手打ち”することで検察の捜査を歪めてきたという事実のほうだ。

 あらためて振り返るまでもなく、安倍政権下では政治家絡みの告発がことごとく潰され、今回の裏金よりも悪質性が高いと思われるような事件でも検察は「不起訴」を連発してきた。田崎氏は「黒を白にすることはないですけど」などと言っていたが、まさに黒を白にする行為をしてきたのだ。


■小渕優子の政治資金問題も、甘利明の1200万円賄賂疑惑も、なぜか不起訴に

 その最たる例が、2014年に経産相だった小渕優子衆院議員や、法務相だった松島みどり衆院議員など、当時の安倍政権閣僚に次々と噴出した公選法違反疑惑だ。

 小渕氏のほうは、選挙区内の有権者を含む女性支援者を集めて明治座を借りきって開催していた観劇会について、収支報告書では支出が収入を大きく上回る記載をしていることなどを「週刊新潮」(新潮社)がスクープ。その後も小渕氏の写真がラベルされたワインを有権者に配った疑惑なども持ち上がり、政治資金規正法違反や公選法違反(寄附行為)の疑いで告発された。一方、松島氏は似顔絵入りのうちわ(1本80円)を2万本作成し、自身の選挙区内のお祭りで無料配布していたことが発覚。公選法違反(寄附行為)の疑いで告発された。

 だが、東京地検特捜部は2015年、小渕氏の元秘書が在宅起訴したが、小渕氏・松島氏ともに嫌疑不十分で不起訴処分に。とくに小渕氏の場合、東京地検特捜部が関係先を家宅捜査をする前にハードディスクを電気ドリルで破壊していたと報じられただけでなく、架空の資金移動や収支の過少記載によって裏金をつくり、その裏金で観劇会の費用などを補填。虚偽記載の総額は約3億2000万円にものぼっていた。いや、そもそも小渕氏の問題は、虚偽・不記載だけではなく有権者買収での立件も可能な事件だったのに、だ。

 しかも、小渕氏が立件されないことを、かなり早い段階で安倍官邸は知っていたはずだ。小渕氏の問題では2014年10月20日に小渕氏が経産相を辞任し、30日には関係先の家宅捜査がおこなわれたが、小渕氏は自民党を離党することもなくこの年の12月におこなわれた総選挙に出馬したからだ。つまり、この時点から、安倍官邸と法務省・検察の一体化が疑われていたのである。

 そして、安倍官邸と法務省・検察の一体化が露骨に浮かび上がったのが、2016年に発覚した、経済再生担当相だった甘利明氏の“1200万円賄賂疑惑”をめぐる一件だ。

 この疑惑は2016年1月、千葉県の建設会社・薩摩興業の依頼で都市再生機構(UR)へ移転補償金の値上げを“口利き”した見返りに、甘利氏が少なくとも総額1200万円の現金や飲食接待の賄賂を受けとっていたと「週刊文春」(文藝春秋)がスクープ。薩摩興業の元総務担当者の告発によると、公設秘書ら2人に現金500万円、さらに甘利本人に50万円を2回、計100万円を手渡していたといい、「五十万円の入った封筒を取り出し、スーツの内ポケットにしまった」「甘利さんは『ありがとう』と言って、封筒を受け取りました」と証言。甘利事務所が現金を受け取ったことを証明する領収証や、甘利の公設秘書らがUR側に補償金アップの働きかけをする交渉を録音したテープなどの物証もあった。

 この甘利氏の口利き、賄賂疑惑はあっせん利得処罰法違反はもちろん、刑法のあっせん収賄罪の対象にもなりうる案件だ。東京地検特捜部も2016年4月にURを家宅捜索、甘利氏の元秘書らを事情聴取するなど、明らかに立件を視野に動いていた。

 ところが、それが2016年7月の参院選を前に事態は一転し、秘書を含め全員に「不起訴」の判断が下ってしまったのだ。


■安倍官邸が検察・法務省に圧力をかけていたことを示す証拠文書も!「官邸も、法務省に何度も巻きを入れている」との記述

 甘利事件の「不起訴」の裏には何があったのか。それは当時、法務省官房長で、2020年に賭け麻雀問題で東京高検検事長を辞任した黒川弘務氏の捜査介入だ。

 当時、国会議員秘書初のあっせん利得法違反を立件すると意気込んで捜査をおこなっていた特捜部に対し、法務省官房長だった黒川氏は「権限に基づく影響力の行使がない」という理屈で突っ返し、現場が今度はあっせん収賄罪に切り替えて捜査しようとしたが、これも「あっせん利得法違反で告発されているんだから、勝手に容疑を変えるのは恣意的と映る」などと拒否。さらには秘書の立件すら潰してしまったのだという。実際、甘利氏の不起訴の方針が決まった後、現場の検事の間では「黒川にやられたという台詞が飛び交ったという話もある。

 この甘利事件を潰した論功行賞として、黒川氏は2016年9月に法務省事務方トップの事務次官に就任したのだが、じつは甘利氏が不起訴となった前後にも、告発を受けていた自民党の松村祥史参院議員による計3500万円の不記載、同じく自民党の島尻安伊子・元沖縄北方担当相の計1050万円の不記載の問題でも、検察は不起訴処分に。

 さらに、同年11月には、国会でも問題となっていた下村博文・元文科相が自身の支援団体「博友会」を政治団体として届け出ずに年会費名目で政治資金を集めたり、同会からの寄付を会員からの寄付と偽ったりしたなどとして政治資金規正法違反の疑いで告発されていた問題が不起訴に。

 さらに、検察・法務省の安倍政権に全面屈服していることをあからさまに証明したのが、森友学園事件だった。

 森友事件では、公文書変造、虚偽公文書作成の疑いで財務省元理財局長の佐川宣寿氏らが刑事告発。また、国有地を8億円あまりも値引きし売却したことについても、近畿財務局と国土交通省大阪航空局の職員が背任容疑で告発された。しかし、大阪地検特捜部は2018年5月31日、告発された38人全員を不起訴とした。その4日後である6月4日、財務省はお手盛りの調査報告書を公表し、収束を図った。

 しかも、この森友公文書改ざん事件では、官邸と財務省、法務省が完全にグルになって政治的決着をはかっていたことを示す証拠が存在する。国交省と財務省のやりとりが記録された内部文書に、法務省との交渉についても記されていたのだ。これは、2018年6月18日の参院決算委員会で日本共産党の辰巳孝太郎・参院議員が公表したものだが、文書にはこうした記述があった。

〈5/23の後、調査報告書をいつ出すかは、刑事処分がいつになるかに依存している。官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れているが、刑事処分が5/25夜という話はなくなりそうで、翌週と思われる。〉

 つまり、大阪地検が不起訴処分を発表する前に官邸はその結果を把握しており、官邸は検察が捜査結果を早く公表するよう法務省に圧力をかけていたというわけだ。まさに、田崎氏の発言どおり、法務省を通じた“手打ち”がおこなわれていたのである。

 また、2017年には、安倍首相の友人がオーナーの加計学園国家戦略特区指定をめぐり、安倍首相本人や総理府・官邸が文部科学省に圧力を加えていた問題が浮上したが、これも検察は動かなかった。2018年8月には下村・元文科相が加計学園の秘書室長から政治資金パーティ券の代金計200万円を受け取りながら収支報告書に記載しなかった問題も不起訴となっている。


■安倍政権下で数々の不祥事を潰してきた黒川弘務・元東京高検検事長 安倍内閣は黒川の定年を勝手に延長

 森友・加計問題という安倍首相が深く関与していた重大事が、ことごとく不起訴になる──。そうして黒川氏は2019年1月、ついに東京高検検事長に就任。2020年1月14日には「桜を見る会」問題で安倍首相自身が背任罪で告発されるが、同月31日に安倍政権は黒川氏を検事総長にすべく、検察庁法で定められた定年を閣議決定によって勝手に延長。同じ日、安倍首相の背任罪の告訴は不受理となった。

 ご存知のとおり、黒川氏はその年の5月、記者との賭け麻雀問題を受けて辞表を提出し、安倍首相も9月に辞任した。だが、これで抑えつけられてきた検察による政界捜査が真っ当におこなわれるようになったわけではない。

 実際、やはり安倍元首相本人が公選法違反や政治資金規正法違反容疑で告発された「桜を見る会」前夜祭問題でも、検察はハナからやる気なし。東京地検は2020年12月、安倍元首相の公設第1秘書だった配川博之氏を政治資金規正法違反(不記載)の罪で略式起訴。しかし、前夜祭の費用負担が公選法違反の寄附にあたるとして告発された件では容疑不十分で2度にわたって不起訴となった。一方、安倍氏は公職選挙法(選挙区内の寄附)違反容疑などで不起訴となり、その後、検察審査会から「不起訴不当」の議決を受けたが、2021年11月に再び不起訴処分(容疑不十分)とした。

 だが、2022年に明らかにされた前夜祭の開催にかかわった秘書らの供述調書を読むと、当初から前夜祭の費用を事務所側が負担することの違法性を理解しており、確信犯で費用の補填と収支報告書への不記載を実行していたことが浮き彫りに。いかに捜査がお手盛りのものだったかを裏付けている。

 さらに重要なのは、河井克行・元法相と河井案里氏が引き起こした2019年参院選の大規模買収事件だ。

 河井事件は安倍首相が黒川氏の定年延長にこだわった理由とも言われたが、結果的に安倍首相が在任中の2020年6月に河井夫妻は逮捕され、克行氏は懲役3年の実刑判決、案里氏は懲役1年4カ月・執行猶予5年の有罪判決が確定した。だが、河井事件で東京地検特捜部は、元広島市議に対して最高検察庁が取り調べが不適正だったと認める供述誘導をおこなう一方、検察は買収の原資については捜査のメスを入れず、公判でも解明されることはなかった

 しかし、今年9月になって、中国新聞が2020年1月に検察当局が河井元法相の自宅を家宅捜索した際に発見されたメモの存在をスクープ。そのメモには、自民党本部から振り込まれた計1億5000万円を指す記述の下に、「+現金6700」「総理2800 すがっち500 幹事長3300 甘利100」と手書きで記されていたという。つまり、河井陣営に対しては自民党本部からの支出のほかに、安倍首相や菅官房長官、二階俊博幹事長らといった当時の政権幹部から「現金」で計6700万円が提供され、選挙買収の資金に充てられたのではないかと見られるのだ。

 ところが、時の総理大臣をはじめとする政権幹部が資金提供していたことが疑われる物証まで掴んでいながら、河井元法相の公判でも検察はメモを証拠として提出することもなかった。安倍・菅・二階・甘利という政権幹部4人は買収罪や買収目的交付罪に該当する疑惑が浮上していたというのに、家宅捜索はおろか、聴取さえ実施されなかったというのだ。


■安倍政権下や安倍氏の在命中は政治家の疑惑はまともに捜査されず 検察は今度こそ徹底的な捜査を!

 このように、安倍政権下や安倍氏の在命中には「政治とカネ」をはじめとする政治家の疑惑に対して真っ当な捜査がおこなわれず、闇に葬られてきた。検察がいまになって安倍派に捜査のメスを入れるという政界捜査を本格化させたのも、安倍元首相が亡くなったことにくわえ、岸田政権の支持率がだだ下がりでレームダック化していることと無関係ではない。

 権力の大きさによって捜査が左右されるようなことはあってはならないが、この自民党政権の約10年で溜まりに溜まった膿を吐き出すためにも、今回の裏金捜査は重要な意味をもつ。

 安倍派の裏金問題は、安倍派の事務総長を務めていた松野・前官房長官、西村・前経済産業相、高木・前国対委員長に加え、世耕・前参院幹事長、萩生田・前政調会長ら、安倍派5人衆の不正がかなり濃厚になっているが、彼らはまさに、安倍政権の検察メディア支配を支え、自らも官僚やマスコミに圧力をかけ、支配する安倍首相とそっくりの独裁体質を持つ政治家連中だ

 一部の政治勢力によって行政が歪められ、権力の不正が横行するような政治の再来を防ぐためにも、検察は今回こそ徹底した捜査を行う必要があるし、国民も最後まで検察の動向を監視し続ける必要がある

(編集部)
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●ん? 『めざまし8』の《アナウンサーが謝罪》? ? 元祖・初代大阪「ト」知事自身は謝罪無し? ? ? 《”うそ”を駆使して「相手を丸め込」む》…

2024年01月22日 00時00分33秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


/ (2023年12月03日[日])
ん? 『めざまし8』の《アナウンサーが謝罪》?? 元祖・初代大阪「ト」知事自身は謝罪無し??? 意味不明なのですが…。《うそ”を駆使して「相手を丸め込」む》なんて、得意中の得意でしょうに。いちいち《謝罪》してたらきりがないでしょうね。
 魚住昭さん《『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術』(日本文芸社刊)という本がある。橋下徹氏が10年前に書いたものだ。「黒を白といわせる」レトリック”うそ”を駆使して「相手を丸め込」む方法をかなり詳しく記している。相手を思い通り動かすには〈合法的に脅す〉〈利益を与える〉〈ひたすらお願いする〉の3通りしかない。なかでも有効なのが〈利益を与える〉で、とくに〈仮想の利益〉が重要なのだそうだ》。

   『●『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術』を
          持つ人達は反省してくれるでしょうか?
   『●お維「ト」知事…《口利きビジネス…ついこの間まで地方自治体の首長を
     務めた人物が、こんなビジネスに手を染めることが許されるはず》もなく

 デタラメの限りを尽くすお維。「第2自民党」を目指す党だけあって、カルト協会とヅボヅボな「利権」党なみに、「政治とカネ」問題山積でしょうに。(あまりにたくさんあり過ぎますがね)一番酷いのが、お維の政治家自身で自身の政治団体に寄付することかな。「セルフ領収書」。《法の抜け道を利用しながら政党交付金の残りを返還せずに基金としてため込んだり、文通費を関連団体に寄付してマネーロンダリングしたりとやりたい放題》(適菜収さん)。《そもそも、「文通費」問題は維新が「国会の非常識」などと鬼の首をとったように騒ぎ立ててきたが、キャンペーンの先頭に立っていた吉村洋文・大阪府知事自身が衆院議員を辞職した際、在職期間たった1日で満額100万円を受け取っていた事実が発覚。さらに、維新がHPで公開していた文通費の使途報告書を見ると、議員が自分が代表を務める政党支部や資金管理団体に寄付するという「セルフ領収書」が平然と横行していたことが判明した》(リテラ)。
 リテラの記事【橋下徹の「政治と金」めぐる“維新アゲ”発言の「デマ」に抗議殺到、『めざまし8』が謝罪! 語られなかった維新の金まみれ実態】(https://lite-ra.com/2023/11/post-6308.html)。《東京地検特捜部が捜査を進めている自民党の5派閥によるパーティー収入の過少申告をはじめ、関心が高まっている「政治とカネ」問題。そんななか、橋下徹氏が「政治とカネ」問題にかんしてテレビで「デマ」を飛ばし、アナウンサーが謝罪する事態となった》。

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https://lite-ra.com/2023/11/post-6308.html

橋下徹の「政治と金」めぐる“維新アゲ”発言の「デマ」に抗議殺到、『めざまし8』が謝罪! 語られなかった維新の金まみれ実態
2023.11.30 09:54

     (『めざまし8』公式HPより)

 東京地検特捜部が捜査を進めている自民党の5派閥によるパーティー収入の過少申告をはじめ、関心が高まっている「政治とカネ」問題。そんななか、橋下徹氏が「政治とカネ」問題にかんしてテレビで「デマ」を飛ばし、アナウンサーが謝罪する事態となった。

 デマ発言があったのは、11月27日放送の『めざまし8』(フジテレビ)。番組では岸田文雄首相が2021年に日本医師連盟から1400万円の献金を受けていたことを取り上げたのだが、その際、コメンテーターの橋下氏は、政党交付金があるにもかわわらず政治家が企業・団体から献金を受け取っている実態について批判。つづけて、こう発言したのだ。

「ただ、これね、野党は追及、なかなかやりにくいんです。というのは、野党も企業・団体献金もらってるからなんです」
日本維新の会は企業・団体献金を禁止するというのをやっているので……だから、質問できるんですね」
「ただ、パーティ券は買ってもらってるはずなので、そこを突かれると維新も……。だから、企業・団体から一切お金をもらってませんという野党はないんです

 橋下氏は「企業・団体から一切お金をもらっていない野党はない」と断言したのだが、これは大嘘。日本共産党は政党交付金を受け取っていないだけではなく、企業・団体献金を禁じ、政治資金パーティも開いていない。こんなことは元政治家、国政政党の元党首であれば必ず知っているはずだ

 当然、このデマ発言には抗議が殺到。翌28日の放送で小室瑛莉子アナウンサーが「昨日、政治資金にかんするニュースをお伝えした際、『企業・団体から献金を受け取っていない野党はない』という趣旨の発言がありましたが、企業・団体献金を受け取っていない野党もあります」と訂正し、謝罪した。ところが、橋下氏本人の旧Twitter(現X)では、30日20時時点で訂正・謝罪はない。

 自身や維新への批判には猛反論するのに、公共の電波で誤情報を垂れ流しても謝罪・訂正もせずにスルーを決め込む──あまりに無責任な態度だが、問題は「デマ」を口にしたことだけではない。

 橋下氏は「維新は企業・団体献金を禁止しているから(団体献金の問題を)質問できる」と発言し、あたかも維新は「政治とカネクリーンであるかのように印象づけたが、実態はまったく逆だからだ


■パーティ1回で1000万の利益も…政治資金パーティでボロ儲けする維新幹部たち 政策活動費も闇のまま

 まず、橋下氏も口にせざるを得なかったように、維新は企業・団体献金を禁じる一方で、維新の幹部連中は1回1000万円以上の大規模政治資金パーティを開いている

 たとえば、藤田文武幹事長は2022年11月23日に「藤田文武を応援する会」を開催。本人がSNSに投稿した写真には、吉村洋文知事や国際政治学者の三浦瑠麗氏も駆けつけるなど大盛況だったようだが、2022年分の政治資金収支報告書を確認すると、この日だけで1518万円の収入を得ている。会場費や食事代などの支出は510万9825円だったため、利益は1007万8215円利益率66.3%)にものぼる。

 また、遠藤敬・国対委員長も、2022年12月12日に「議員活動10周年記念パーティ」を開催し、1227万9615円の収入に対して支出は263万8640円。964万975円の利益を得ている(利益率78.5%)ことになる。

 さらに、維新が身を切る改革」「徹底した透明化豪語しながら、完全に言行不一致となっているのが、「政策活動費」の問題だ。

 維新の党支部「日本維新の会国会議員団」は例年、維新の幹部ら個人に対し、使途の報告義務がない「政策活動費」を支出。なかでも突出して「政策活動費」を支出してきたのが維新の代表である馬場伸幸氏で、2016年から2021年のあいだに馬場氏に支出された「政策活動費」は2億4300万円にものぼる

 この「政策活動費」について、2021年12月に当時、日本維新の会代表だった松井一郎氏は「領収書をもらえない支出もあるが、もらえる支出は領収書を公開する」と表明。会食相手や店名などは非公開にするかたちで、党のホームページでの公開を検討していると述べた。

 ところが、この表明から2年経っても、「政策活動費」の使途公開は一切おこなわれていないのだ。

 2022年11月に公開された2021年分の収支報告書では、「政策活動費」として馬場代表に5600万円、先日公開の2022年分では藤田文武幹事長に5057万5889万 (??) 円を支出しているが、その使途は相変わらず不明なままなのである。


■馬場代表の2億4300万円使途不明問題報じられ逆ギレした藤田幹事長 自身にも“裏金づくり疑惑”が浮上

 しかも、今年8月に「週刊文春」(文藝春秋)が馬場代表の「政治とカネ」問題を報じた際、馬場氏が巨額の「政策活動費」を支出されてきた事実を指摘すると、この報道に対して藤田幹事長は逆ギレ。こんなことを言い出したのだ。

「(政策活動費について)もう、すべて領収書があって、何に使ったかというのはわかるように党内のガバナンスとしてなってますから。だからこれを馬場代表、または党のガバナンスのあり方が杜撰で無茶苦茶であるかのごとく誤った認識のもとで書くということについては、これ、報道のあり方としては僕は明確に間違ってると思うので、そういうものについては抗議していく」
「そういう間違った情報を国民のみなさんも知ることになり、誤解になって正しい判断ができなくなる」

 巨額の政治資金が馬場氏に支出され、使途不明金となっている問題について、藤田幹事長は、なんと「何に使ったかは党内でわかるようになっている」と言い出したのである。明言したHPでの領収書の一部公開を反故にしておいて、何をか言わんや、だろう。

 そのうえ、「政策活動費」問題に対して逆ギレした藤田幹事長にも、「裏金づくり疑惑が浮上。藤田氏は2020〜2021年にかけて「文書通信交通滞在費」(現・調査研究広報滞在費)計450万円を、自身が代表・会計責任者を務める政治団体「藤田文武後援会」に寄付。しかし、「藤田文武後援会」の政治資金収支報告書には「藤田文武」からの寄付は計390万円。つまり、60万円分が記載されていない政治資金規正法違反(不記載)の疑いがあると「週刊文春」が報じたのだ。

 「週刊文春」から取材を受けた藤田幹事長は、「事務的なミスにより収支報告への記載が漏れ落ちていた」と回答し、訂正をおこなった。だが、藤田氏が寄付した先である後援会の代表・会計責任者は藤田氏自身なのだ。自民党派閥による不記載・裏金づくり問題と同じで、「事務的ミス」であるはずがない。この藤田幹事長の件についても、自民党派閥の不記載問題を告発した上脇博之・神戸学院大学教授が政治資金規正法違反の疑いで今年10月に刑事告発をおこなっている。

 そもそも、「文通費」問題は維新が「国会の非常識」などと鬼の首をとったように騒ぎ立ててきたが、キャンペーンの先頭に立っていた吉村洋文・大阪府知事自身が衆院議員を辞職した際、在職期間たった1日で満額100万円を受け取っていた事実が発覚。さらに、維新がHPで公開していた文通費の使途報告書を見ると、議員が自分が代表を務める政党支部や資金管理団体に寄付するという「セルフ領収書」が平然と横行していたことが判明した。

 たとえば馬場氏の場合なら、2016年から2021年の6年間の「文通費」の支出総額7200万円のうち、74%の約5318万円を自らが代表を務める政党支部「衆議院大阪府第17選挙区支部」に寄付していた。藤田幹事長は「政党支部に入るということは全部、収支報告で公開されますから」などと抗弁していたが、金には色がついていないため、政党支部や資金管理団体に流れた文通費が何に使われたのかを確認することはできない。しかも、維新議員の2020年分の政治資金収支報告書を見ると、文通費を横流しした先の政治団体では新興宗教団体への講習会費や飲み食い代、維新の地方支部・議員への会費・寄付に流れていたのである。これぞロンダリング」と言わずなんと言うのか。


■橋下徹は批判殺到の大阪万博「大屋根リング」についてもテレビでデマ垂れ流し、無理やり擁護

 このほかにも、「身を切る改革」「徹底した透明化」を掲げながら、自民党と同様、「政治とカネ」の疑惑が絶えることがない維新。これでよく、橋下氏は「維新は企業・団体献金を禁止しているから質問できる」などと宣ったものだ。

 しかも、橋下氏が悪質なのは、デマを飛ばすだけではなく、あきらかに維新を持ち上げる「維新の広告塔」でありながら民間人」「私人だと強調し、テレビでコメンテーターを務めていることだ。

 現に、橋下氏はつい先日も、フジテレビの『日曜報道 THE PRIME』(19日放送)で維新絡みで「デマを口にしたばかり。番組では、会場建設費が最大2350億円に膨らみ批判が高まっている大阪・関西万博で350億円もの巨額を費やして建設している「大屋根リング」を取り上げたのだが、橋下氏は「これはいわゆるいま、政治家たちが財政出動で経済対策をしろという、本当に好例なんです。すごい最適例」と擁護。さらに、「この建築技法は清水寺の建築技法と同じなんですよ。あの宮大工の釘を使わない」と述べた。

 この「大屋根リングには釘を使わない、清水寺の舞台と同じ」という主張は吉村洋文知事も展開しているものだが、じつはこれが嘘であったことが判明。というのも、24日の衆院予算委員会において、経産省は「(リングには)一部、くぎもボルト等も活用する」と答弁したのだ。

 狡猾な橋下氏は時に維新批判を織り交ぜることで「是々非々」のポーズをとってきたが、実際にはデマや嘘を垂れ流し、立憲民主党や共産党といった野党を攻撃するかたちで維新の宣伝・アシスト係を担ってきた政界への影響力を持ちつづける一方私人だと強調して自分に対する批判を封殺し、さらには政治からは距離を置いたかのように振る舞いながら維新擁護を口にする。──こうして橋下氏は、表と裏の使い分けによって、報道番組やワイドショーに連日のように出演してきたのだ。

 当然、これは橋下氏だけの問題ではなく、政治的中立性が疑われる橋下氏を使いつづけているメディアの問題でもある。今回のデマ発言を機に、その責任を厳しく問う必要がある。

(編集部)
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●「万博より被災地復興を」「万博の予算を被災地に」…アノ三代目司会者の下、『探偵!ナイトスクープ』に三代目大阪「ト」知事がパクパク登場

2024年01月21日 00時00分37秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


(2024年01月9日[火])
リテラの記事、嫌な写真やなぁ…司会者が三代目に代わって全く見なくなった『探偵!ナイトスクープ』。以前は夢中で見ていた。上岡龍太郎さんが司会の頃は面白かった。(2代目司会者に交代されていたかどうかは不明…調べてみると、2代目でした)当時、見た記憶は無いのだけれど、最近、Youtubeで見た日本城タクシー坂本篤紀社長の話は涙無くして見れないものでした。神回『社長さんと最後のお別れ』(参照 ➙ https://today247.info/sakamoto/https://ameblo.jp/yoshino0716/entry-12672173107.htmlhttps://ameblo.jp/dmh17c/entry-12214399382.html など)。
 大阪のテレビ局もどうかしているよな…。さて、一方、三代目大阪「ト」知事は未だに「空を見れば空飛ぶクルマが飛んでる」って、まだ言っているし…。どういう神経? ミャクミャクも同席。賭場開帳のためのお維博 … 対案を出せ? 「対案は、中止!一択、「ミャクミャク」に代わる「パクパク」、税金をパクパク丸呑み (西谷文和さん)。もう結論は出てるんです…世界中の《人を呼んで祭りをする会場にはそもそも不向き…ゴミ処分場としての優位性は、祭り会場としては最悪の欠陥…「ゴミの島 夢洲の正体」》
 リテラの記事【松本人志と並んで万博PRの吉村洋文知事 能登半島地震で救助や支援を自分の指揮のように演出して大顰蹙】(https://lite-ra.com/2024/01/post-6313.html)/《大阪府の吉村洋文知事が、昨日5日放送『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ)に出演し、SNS上で批判を浴びている。吉村知事は大阪・関西万博のジャンパーを着て出演し、「めちゃめちゃ嬉しいですね、きょう来れるの」「高校生ぐらいのときにめちゃめちゃ観てた」と大はしゃぎ。同番組の“局長”であり、大阪万博のアンバサダーを務める松本人志は「(吉村知事が来て)いつもと雰囲気、全然変わりましたよ!」などと盛り上げた。もちろん、番組の最後にはミャクミャクも登場し、万博をPR。吉村知事は「世界ではじめて海の上でやる万博なんですよ」「空を見れば空飛ぶクルマが飛んでる」「ぜひ万博、来てください」などと宣伝した》。

   『●《カジノありきだった大阪万博 “カジノ用地不当鑑定疑惑”をめぐり「公
     文書隠蔽」》《大阪市港湾局がサーバーからメールを削除…組織的隠蔽》
   『●お維「ト」知事…《口利きビジネス…ついこの間まで地方自治体の首長を
     務めた人物が、こんなビジネスに手を染めることが許されるはず》もなく
   『●自称「第2自民党」のお維…《「第2自民党」と揶揄された政治勢力は
       あったが、自らそう認めるとすれば異例。自民の補完勢力》宣言
   『●あぁ、お維に投票できる人の気が知れない…《所属議員の不祥事が止む
     ことがなく、最近は「政界のビッグモーター」などと揶揄される始末だ》
   『●この東京新聞の《こちら特報部》の記事を見て最初に頭に浮かんだ問い
         ――― お維のデタラメに対して、在阪メディアは何やってんの?
   『●お維の言う「身を切る改革」とは? 「政界のビッグモーター」・
     自称「第2自民党」のお維自身の「身」は決して切らないデタラメばかり
   『●「昨秋に共有できていれば…」…日本国際博覧会協会副会長(理事)で
      ある吉村洋文大阪「ト」知事が何を仰っているのか理解できない…
   『●「ミャクミャク」が静かに、さらに、最近は「大阪・関西」という冠も
     消えつつある万博…《大阪…「興味ないわ」…「早よやめたらええ」》
   『●【吉村洋文知事の3つの大言壮語/今西憲之】《予算は膨張に膨張》《阪神
        ・オリックスの優勝に便乗するも》《空飛ぶクルマもトーンダウン》
   『●ショボいお維「祭り」、今すぐ違約金を払って止めよう! 《大阪府が提供
      する生成AIの会話サービス…「万博は中止やって」と答える》そうだし
   『●【勤労感謝の日に職員3000人を7時間タダ働きさせようとする大阪府・大阪
     市のヤバさ これが「維新流」?】…お維万博、もう《中止でいいやん!》
   『●賭博場開帳のためのお維「祭り」、眉唾な経済効果を上回る巨額な税金
     投入になりはしまいか? 「対案は、中止!」一択、それが最良の道
   『●カジノへのお維祭り…「メディアは批判ばかりしているが…職員は盛り
     上げたい…」「喜んでいるファンや選手の顔を見て批判なんてできるのか」
   『●世界中の《人を呼んで祭りをする会場にはそもそも不向き…ゴミ処分場とし
     ての優位性は、祭り会場としては最悪の欠陥…「ゴミの島 夢洲の正体」》

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https://lite-ra.com/2024/01/post-6313.html

松本人志と並んで万博PRの吉村洋文知事 能登半島地震で救助や支援を自分の指揮のように演出して大顰蹙
2024.01.06 12:20

     (『探偵!ナイトスクープ』に出演した吉村知事)

 大阪府の吉村洋文知事が、昨日5日放送『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ)に出演し、SNS上で批判を浴びている。

 吉村知事は大阪・関西万博のジャンパーを着て出演し、「めちゃめちゃ嬉しいですね、きょう来れるの」「高校生ぐらいのときにめちゃめちゃ観てた」と大はしゃぎ。同番組の“局長”であり、大阪万博のアンバサダーを務める松本人志は「(吉村知事が来て)いつもと雰囲気、全然変わりましたよ!」などと盛り上げた。もちろん、番組の最後にはミャクミャクも登場し、万博をPR。吉村知事は「世界ではじめて海の上でやる万博なんですよ」「空を見れば空飛ぶクルマが飛んでる」「ぜひ万博、来てください」などと宣伝した。

 しかし、共演した松本は周知のように、性加害疑惑の渦中にある。吉本興業は性加害疑惑に対し「当該事実は一切なく、今後、法的措置を検討していく予定」としているが、海外メディアも松本の疑惑を報じるなど、このまま万博アンバサダーを続投するのかどうかに注目が集まっている。収録とはいえ、このタイミングで地方自治体首長の吉村氏が肩を並べて万博をPRすることに、批判の声があがるのは当然だろう。

 だが、吉村知事については昨夜の『ナイトスクープ』出演よりももっと問題なことがある。それは、1日に起きた、能登半島地震受けてのコメントだ。

 今回の地震によって壊滅的な被害を受けた能登半島などの状況が明らかになると、旧Twitter上では〈万博中止がトレンド入り。お笑い芸人のグレート義太夫が〈本気で思う万博やるお金があったら、被災地に回して欲しい#円形の屋根より被災地に屋根を〉と投稿するなど、万博のパビリオン建設よりも被災地復興を優先させるべきだという声が広がっている。

 しかし、4日に記者の取材に応じた吉村知事は、「万博より被災地復興を」「万博の予算を被災地に」という声を真っ向から否定したのだ。

「(復興支援と)万博は二者択一の関係ではないし、関係するものではない。それがなぜ二者択一になっているのか、よくわからない」
「万博があるから(復興の)費用が削減されるものではない」
「万博と比較されたり、あるいは万博と二者択一になるものではない

 言っておくが、万博に費やされる国費は、小さく見積もった結果でも1647億円にものぼる上、今後さらに追加費用が生じるのは必至だ。しかも、直近のNHK世論調査でも7割が万博に関心がない」と回答している。そんなものに1647億円もの巨額の国費を注ぐよりも、被災した人々の生活再建や復興支援に使うべきだと考えるのは当たり前だ。それを、吉村知事は「万博があるから(復興の)費用が削減されるものではない」などとうそぶいたのだ。


■万博と復興は二者択一だ! 東京五輪でも東北被災地で人手不足や資材高騰が起き復興妨げに

 しかも、吉村知事は「復興支援と万博は二者択一ではない」と言うが、そんなことはまったくない。東京五輪の例を見れば、万博の建設工事が被災地復興の妨げになるのは間違いないからだ。

 実際、東京五輪の際は、東京の五輪関連の建設ラッシュによって、東北の被災地では人手不足や建築資材の高騰が起こった

 たとえば、2015年9月25日付の毎日新聞では、〈工事原価の水準を示す「建築費指数」(鉄筋コンクリート構造平均)は、05年平均を100とすると今年7月は116.5。東日本大震災前は100を下回っていたが、五輪決定後の2013年秋から一気に上昇した〉と報道。〈復興工事が集中している被災地では人手不足に加え、建築資材費の高止まりにより採算が合わず、公共工事の入札不調が相次ぐ〉〈防潮堤や道路工事に使われる生コンクリートの価格は震災前と比べ各地で3~7割アップ。岩手県宮古市の場合だと、震災前の11年3月には1立方メートル当たり1万2800円だったが、今年8月は2万2300円と震災前の74%増となった〉と伝えている。

 また、2020年3月5日付で朝日新聞が掲載した平野公三・大槌町長のインタビューでは、「東京五輪が決定してから、かなりの労働力が被災地から首都圏に移動し、資材も高騰したのは報道の通りだ。公共施設の復興整備の作業員の賃金も別会計で調整しなければならないほど高騰した」と語っている。

 さらに、陸前高田市で建設会社を営む人は、橋の耐震工事に必要なボルトをメーカーに発注したところ、「五輪関連の工事を優先しているため」という理由で1年以上も待たされ、工事は8カ月も遅延。〈防潮堤の工事では、人員が五輪関連の工事に割かれ、現場の作業員は2~3割減った〉という(朝日新聞2020年3月10日付)。

 復興よりも東京五輪が優先されたばかりか、被災地にしわ寄せが行く──。東京五輪時のこの状況を考えれば、万博が被災地復興の妨げになる可能性はかなり高いといえるだろう。

 それでなくても、現在は円安によって建築資材がさらに高騰し、人手不足も起こっている。しかも、昨年末までに万博の海外パビリオンで建設着工した国はゼロ。今後、相当なスピードで工事を進めても開幕に間に合うかどうかもわからない状況となっている。つまり、被災地復興よりも万博関連工事が優先されるという事態が起こる可能性まである。


■あまりに下劣! 能登半島地震まで自己アピールに利用する吉村知事

 いや、さらに付け加えれば、万博は大阪カジノのインフラ整備のために実施されるようなもの。ギャンブル施設のために被災地が蔑ろにされるなど絶対にあってはならないはずだ。

 にもかかわらず、吉村知事は「万博があるから(復興の)費用が削減されるものではない」だの「万博と二者択一になるものではない」と言い、被災地と万博に相関関係はないかのように語ったのである。

 それも当然だろう。この男にとっては、能登半島地震などどうでもいいのである頭の中は、自分たちの権力をどう維持し、野望をどう実現するか、それだけ能登の惨状に想像力を働かせることも、住民に寄り添う気持ちもない

 そのことを象徴するのが、吉村知事が、今回の能登半島地震を自身のPRに利用していた一件だ。

 地震が発生した直後から、総務省消防庁は新潟県や富山県、福井県、愛知県、大阪府など8つの府県の消防に対し、「緊急消防援助隊」として石川県への出動を要請。愛知県の大村秀章知事や和歌山県の岸本周平知事などは旧Twitter上に「消防庁の要請」「消防庁長官から出動指示」を受けたとして、石川県への消防の出動を報告している。

 ところが、吉村知事は「消防庁からの要請」であることを明記せず、〈石川県能登地方の被災支援の為、府に「災害等支援対策室」を設置し、19時10分、大阪市消防の指揮支援隊航空隊(9名)をヘリで派遣、20時40分に統合機動部隊(49名)を派遣、大阪府大隊についても、現在派遣準備中で、整い次第速やかに現地に派遣します。人命救助と被災支援にできる限りを尽くします〉と投稿。まるで自身の判断によって派遣したかのように投稿したのだ。

 さらに、もっと露骨だったのは、支援物資の発送をめぐる“パフォーマンス”だ。

 大阪府は4日、石川県七尾市と羽咋市に支援物資を発送。これは関西圏の自治体でつくる「関西広域連合」が調整した上でおこなわれたものなのだが、なんと、吉村知事は大阪・八尾市にある府の広域防災拠点の備蓄倉庫に現れ、わざわざ作業着姿で搬出の模様を視察。NHKや読売テレビなどでは、吉村知事がトラックに支援物資を荷積みする作業員になにやら指差しをして指示しているふうの様子や、「困っているというときはなんとか助けたい」という吉村知事のコメントが放送されたのだ。

 そして、これが自己宣伝のための“パフォーマンス”だったことは明々白々だ。というのも、大阪府はHP上で事前に〈吉村知事がトラックによる物資の搬出を視察しますので、お知らせします〉と、わざわざプレスリリースを掲載していたからだ。


■阪神とオリックスの優勝パレードで選手に万博PRさせることを画策していたことが判明!

 倫理もへったくれもなく、人命救助までを自己宣伝に利用する──そのやり口には呆れるほかないが、この男はこれまでもそうしたことを繰り返してきた

 コロナ禍でも、大阪ワクチンポビドンヨードの効果を自らの会見で大々的に宣伝しておいて、失敗に終わると知らぬ顔を決め込んだ。

 昨年、阪神タイガースとオリックス・バッファローズの優勝パレード」を万博PRに利用しようとした件もそうだ。

 大ブーイングが巻き起こったため、吉村知事は「(万博は)意識していない」「万博とは切り離し、阪神とオリックスの優勝を祝うパレードができればと思っていた」などと口にしたが、当初はとんでもない政治利用を企んでいたことが発覚した。

 旧Twitter上で公開されている、府民が情報公開請求をおこなって開示された「弁護士相談結果票」という文書によると、阪神タイガースがリーグ優勝を決める10日前の時点ですでに、大阪府側は〈優勝パレードにおいては(中略)選手による万博のPRや万博PRブースの設置、万博開幕500日前関連イベント等をあわせて実施することを検討〉しており、その上で公金支出した際の住民訴訟リスクについて弁護士に相談していたのだ(ちなみに、この文書のPDFはほとんどが黒塗り状態で開示されたというが、マスキングが十分でなかったことから黒塗り部分もテキスト認識が可能になったという)。

 選手にまで優勝パレードで万博PRをさせようと考えていたくせに、「(万博は)意識していない」などとよくも嘘をつけたものだが、吉村知事は一事が万事、この調子。人の手柄を平気で横取りして自分や維新のPRに使い、批判が起これば他人のフリ。そうやって嘘と詭弁を振りまきながら、万博の会場建設費は当初から1.9倍にも膨れ上がってきたのである。

 繰り返すが、大阪万博・カジノのために、被災地の復興が妨げられるようなことは、絶対にあってはならない。「万博より被災地復興を」「万博の予算を被災地に」の声を、さらに大きくしていく必要があるだろう。

(編集部)
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●アベ《昭恵氏が引き継いだ「自民党山口県第4選挙区支部」の残金には約2400万円もの政党交付金が含まれている…原資は国民の血税》

2024年01月20日 00時00分03秒 | Weblog

[↑ 日刊ゲンダイ【救い難いチャラさ 昭恵夫人「蔵王温泉スキー」満喫の厚顔】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/200802)]


(2023年12月15日[金])
閣議決定「私人」は《政党助成金の国庫返納もなく無税で政治資金を相続」》。

   『●私人の「桜を見る会」、《政府の自粛呼びかけの最中であること》だけ
     《が原因ではない》…森友問題、アベ昭恵様が〝タマ〟を込めた結果…
   『●安倍昭恵氏に羞恥心があれば補欠選に立候補しないし、羞恥心あれば
     山口4区の自公支持者の皆さんも安倍昭恵氏には投票しないでしょ?
   『●「私人」の《首相夫人…安倍晋三首相の妻昭恵さんが、国有地の破格
      売却を受けた森友学園の名誉校長…「桜を見る会」の参加者推薦…》
   『●「私人」のアベ様元首相夫人・昭恵氏が今度は《政治資金の私物化》…
     《政治団体が持つ巨額のカネをそのまま非課税で継承》していいのか?

 閣議決定で「私人」とされた安倍昭恵氏が《政治資金の私物化》。アベ様といい、一体どうなってんのかね? (リテラ)《昭恵氏に安倍元首相そっくりの“私物化”疑惑が持ち上がった》《安倍元首相亡きあともつづく、昭恵氏の反省なき政治・公金の私物化──。》
 《公私混同の「桜を見る会」事件》や前夜祭事件も《まだ終わっていない》というのに。アベ様の大好きだった閣議決定によって決めた《「首相の公務の遂行を補助」する「私人」》…様々な〝種〟を撒きまくる「私人」のアベ昭恵様だったが…(さすがに厚顔にも自身が出馬することはなかったが)補選でも大活躍だった。《私人を理由に昭恵さんの説明責任が果たされなかった》というのに。そして、今度は、《政治資金の私物化》。それを擁護する方々が居るそうだ。カルトとヅボヅボだったアベ様に魔法でも掛けられてんのかね? 《まったくトンチンカンだ》(日刊ゲンダイ)。《昭恵氏が引き継いだ「自民党山口県第4選挙区支部」の残金には約2400万円もの政党交付金が含まれているという。言うまでもなく、政党交付金の原資は国民の血税だ》(リテラ)。さらには、《故安倍晋三元首相の妻・昭恵氏が、夫の政治団体「晋和会」を継承し、元首相の5政治団体から計約2億1000万円を集めていた》(こちら特報部)。アホウ素淮会方式を見てもらうと分かるが、お金に色は付いていないので、しっかりと税金が「晋和会」にも還流されている。アホウ》元財務相の大好きな「会合費」などの名の下に、好き勝手に使われる訳だ。



[※ 《#素淮会(そわいかい)…麻生太郎財務相…「会合費」として約二千万円…支払先は料亭や会員制サロンなど》(東京新聞 2018年12月1日)↑]




 腹立たしいことに、企業献金というワイロをもらっておきながら、さらに政党助成金という二重取りの詐欺ガネ…それを私物化。さらには、パー券キックバック・裏金大疑獄。二重取りどころか、三重取り

 何故にもっと大騒ぎされないのか、不思議で仕方がない。カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」党の、特にアベ様派の醜態が明らかになり、「アベノリンリ」の申し子たちの実態が明らかになった。閣議決定で「私人」とされた安倍昭恵氏による《政治資金の私物化》にもっと批判の声が上がるべき。
 安藤恭子山田祐一郎両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/安倍晋三元首相の政治資金をゴッソリ継承…これが許される「世襲優遇」の仕組み 国会で問われた岸田首相は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/295464?rct=tokuhou)によると、《故安倍晋三元首相の妻・昭恵氏が、夫の政治団体「晋和会」を継承し、元首相の5政治団体から計約2億1000万円を集めていたことが分かった問題。政党交付金の国庫返納もなく無税で政治資金を相続」した格好となり、国会でも「封建時代の領主」(枝野幸男立民前代表)と批判を浴びた。親族間の政治資金継承は一度、自民も旧民主も禁止とする改革案を出したが実現せずに、今回の夫婦継承問題に至った。このままでいいのか。(安藤恭子山田祐一郎)》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/295464?rct=tokuhou

こちら特報部
安倍晋三元首相の政治資金をゴッソリ継承…これが許される「世襲優遇」の仕組み 国会で問われた岸田首相は
2023年12月12日 12時00分

 故安倍晋三元首相の妻・昭恵氏が、夫の政治団体「晋和会」を継承し、元首相の5政治団体から計約2億1000万円を集めていたことが分かった問題。政党交付金の国庫返納もなく無税で政治資金を相続」した格好となり、国会でも「封建時代の領主」(枝野幸男立民前代表)と批判を浴びた。親族間の政治資金継承は一度、自民も旧民主も禁止とする改革案を出したが実現せずに、今回の夫婦継承問題に至った。このままでいいのか。(安藤恭子山田祐一郎


◆「全部で3.4億円」でも「相続税の課税は生じない」

 今月8日、岸田文雄首相が出席した参院予算委員会。安倍元首相が死去した昨年7月8日付で安倍氏の資金管理団体だった「晋和会」の代表が妻の昭恵氏に変更されて政治資金も引き継いだとして、蓮舫議員(立憲民主)が「全部で3.4億円これ、非課税ですか」と問うた。

     (衆院予算委で、立民の枝野氏(左手前)の質問に
      答弁する岸田首相(右)=8日、国会で)

 総務省の担当者が「相続税の課税は生じない」と答えると、蓮舫氏は「総理これね、変えませんか、この制度」と畳みかけた。

 安倍元首相が代表を務めていた「自由民主党山口県第4選挙区支部」の代表も、同日付で昭恵氏に変更されたが、昭恵氏は森友学園問題などで閣議決定により私人と定義された経緯がある。

 8日の衆院予算委で枝野幸男議員(同)は「なぜ亡くなった日に、私人であった配偶者が自民党の支部長になるんですか」と追及。これに対し岸田首相は「政治団体が代表を誰にするのか、資金をどうするのか、これは団体において判断する課題と考える」と述べて、問題視はしなかった

 枝野氏は「自民党の政治って古いと思っていたが、いやいや江戸時代、封建時代領主さまが亡くなったら身内が引き継ぐ自民党の支部ってそういうもんなんですか」と批判した。


◆継承した政治団体に、政党支部などから「寄付」

 億単位の政治資金の夫婦継承」は、どのように行われたのか。

     (北朝鮮による拉致問題解決を願う日韓合同コンサート会場を
      訪れた安倍昭恵さん=11月9日、東京都港区の韓国大使公邸で)

 総務省や山口県が公開した政治資金収支報告書によると、安倍元首相が亡くなった後の昨年7月〜今年1月、晋和会に五つの関連政治団体から総額計約2億1470万円が寄付の形で移され、このうち1億6434万円は5回にわたり、税金を原資とする政党交付金を受ける第4支部から受けていた

 このほか安倍元首相が生前に開いた政治資金パーティー収入や前年度からの繰越金を含め、蓮舫氏が「相続」とみなしたのが計約3億4200万円。晋和会は、安倍元首相の資金管理団体から通常の政治団体に衣替えし、4支部は今年1月に解散。同支部の政党交付金使途等報告書によると、昨年も700万円の交付金を受けていたが、前年の倍以上にあたる2131万円の人件費などを支出し、全額を使い切っていた


◆「政治資金の私物化と言える」

 現行の政治資金規正法では政治資金は非課税扱いで、政治団体の代表者が議員から親族に交代しても相続税や贈与税はかからない。政治団体が別の政治団体に寄付の形で資金を移した場合も、税金はかからない

 元国税調査官でフリーライターの大村大次郎氏は「相続税法は金銭的な価値があれば、すべて相続税の対象と定める。お金をかけて政治家の『地盤』をつくってきた政治団体にも本来、相続税はかかるはず。法律上認められても社会的には認めがたく、倫理的に問題がある」と指摘する。

     (2019年4月、「桜を見る会」で招待客と記念写真に納まる
      安倍晋三首相(当時、中央左)と妻の昭恵さんら
      =東京・新宿御苑で)

 昭恵氏のような政治能力の未知数な親族が政治団体を引き継ぐことについて「悪弊だが、法律の抜け道として政界で繰り返されてきた」と述べ、こう続ける。「これは自分の財産を政治団体として管理しているだけ公的な団体にふさわしい監査やチェックが働いておらず、政治資金の私物化』と言える」


◆「脱税」批判に激しく反論していた晋三氏

 そもそも「晋和会」の「相続」は2度目。晋三氏が父親の晋太郎元外相が亡くなった1991年に継承したのが1度目だ。第1次安倍政権時代末期の2007年には「週刊現代」が、晋太郎氏が晋和会などに個人献金した6億円以上の資金をそのまま晋三氏が引き継いだことを問題視。既に時効を迎えているとした上で、相続税が3億円に上るとし脱税疑惑」と報じた。

 第2次安倍政権時代の14年11月、参院予算委員会で社民党の吉田忠智党首(当時)がこの報道を取り上げると、晋三氏は「いまの質問は見逃すことはできない重大な名誉毀損(きそん)週刊誌の記事だけで私を誹謗(ひぼう)中傷するのは、議員として恥ずかしいことだこれは全くの捏造(ねつぞう)と激しく反論した。


◆継承規制の話はたびたび持ち上がっても実現せず

 ただ、政治団体「相続」の制限を求める声は、かねてから浮上している。

 政権交代を目指した09年、旧民主党は「世襲政治からの脱却」を掲げ、国会議員が死亡または引退した場合、配偶者や3親等以内の親族が政治団体を引き継ぐことを禁止▽その政治団体が親族らに寄付することも禁止、とする政治資金規正法改正案を国会提出した。だが成立しなかったばかりか、政権交代前後には、鳩山由紀夫首相(当時)の資金管理団体を巡る偽装献金問題の捜査で、実母からの巨額の資金提供が発覚し沙汰やみになった

 一方、自民党も同時期に党改革実行本部が党内ルールとして世襲制限を示し、その素案には資金管理団体や政党支部など国会議員がかかわる政治団体の継承の禁止を明記した。だが、最終的には「世襲を特別扱いしない」と抽象的な形の提言に終わった


◆「本来は国庫に戻されるべき資金」

 当時を知る政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「政権奪取後の民主党は公務員改革を優先し、政治家の身を正す改革は後回しにされた。自民党も世襲が問題視される一方で、(09年8月の総選挙で初当選する)小泉進次郎氏の人気が高く、及び腰だった」と話す。

     (山口県下関市にあった安倍晋三事務所。安倍氏の死去の後、
      閉鎖された=2019年撮影、一部画像処理)

 「いま批判を集めているパーティーによる政治資金集めについては今後、法改正が行われるかもしれない」とする一方、こう強調する。「政治家は、政治団体を『抜け道』として利用して相続税や贈与税を免れてきた一番の問題は、名義を変えるだけで、子どもに組織や資金を残せるというロンダリングの仕組みを政治家が残していることだ

 日本大の岩井奉信名誉教授(政治学)は「中選挙区制時代から続く後援会型の個人地盤が、小選挙区制になってもそのまま続いている政治家の都合のいい制度になっているのは間違いない」と政治団体がブラックボックス化する現行制度を批判する。「今回は特に政党支部の資金が移されていることに違和感を覚える。本来は党本部に帰属し、国庫に戻されるべき資金で個人が相続できるものではない


◆「世襲議員全体のあり方を見直すべき」

 政治家が引退したり、死亡したりした際の資産の継承について、岩井氏は早急なルール作りを求める。

 立憲民主党は、今の臨時国会に、旧民主党と同様の政治資金規正法改正案を提出。岡田克也幹事長は会見で「何億もの金が政治団体に残されて、そのまま親族に代表者が代わって選挙に出るということになると、これはあまりにも一般の立候補者と比べてバランスがおかしい。しっかり法律で禁じる必要がある」と理由を説明した。

 岩井氏はこう語る。「世襲議員だから悪いというわけではないが、スタート時に資金面で有利となるのは確か。全くルールがない中では、新たな人材を生み出すという意味で政党自体の活力がなくなる。お金の問題だけではなく、世襲議員全体のあり方を見直すべき時期にきている」


◆デスクメモ

 政治家が亡くなった後、その政治団体の残金はどう処理されるか。実は政治資金規正法には何も規定がない。当然予想される事態なのに、なぜ尻抜けを放置するのか。だが、岸田首相をはじめ世襲議員があふれる自民を見るに、その答えはすぐ浮かぶ穴はわざとあけてあるのだろう。(歩)


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●あのような事故があっても、ニッポン政府が飛行停止を求めても、《空飛ぶ棺桶》《ウイドーメーカー》はニッポンの空を飛んでいた…

2024年01月19日 00時00分23秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


(2023年12月07日[木])
あのイスラエルでさへ、購入しなかったモノ…。

   『●《空飛ぶ棺桶》《ウイドーメーカー》…1機200億円程度!! こんなモノ
      を喜んで購入しているのはどこのリッチな国? そんな国は一国だけ!?

 《空飛ぶ棺桶》《ウイドーメーカー》…このスタグフレーション下で、1機200億円程度!!(← 米軍産複合体から、いったい幾らボられているのやら?)、こんなモノを喜んで購入しているのはどこのリッチな国? 世界を見渡して、もしかして、そんな国は一国だけ!? その国の皆さんは、当然、御存じなのですよね?
 またしても、とんでもないオスプレイの事故が起きました。屋久島沖で、「不時着水」したそうです。ニッポン政府の番犬様へのお気遣い…7年前 (2016年12月13日) と全く変わらず。《空飛ぶ棺桶》《ウイドーメーカー》…そんなに安全なら、「言論の府」として死んでいる国会議事堂や、「責任者」である首相官邸の上空で訓練したらどう? 《着水》は無理でしょうが、《不時着》するので大丈夫。決して、《墜落》などしません。アベ様統治下当時と相も変らぬ「美しい国」の「言葉の偽装」。

   『●言論の府として死んでいる国会議事堂や、責任者である
        首相官邸の上空で「空飛ぶ棺桶」の訓練したらどう?
    《米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸機
     オスプレイが13日夜、沖縄本島東方の海岸付近に墜落
     機体はバラバラに壊れ、海中に沈んだ。これがもし
     市街地だったらと思うと、背筋が寒くなる》。
    《相手に配慮した婉(えん)(きょく)表現は日本人の美徳
     とされる ▼しかし、「墜落」を「不時着」や「着水」と
     言い換えるのはどうだろう…
     ▼この政権は言葉の偽装に長けている》。

   『●「オスプレイ墜落事故が「看板」の偽りを証明」…
              最「低」裁裁判長に感想を聞いてみたい!
   『●アベ様の頭上は、なぜ「空飛ぶ棺桶」「ウイドーメーカー」の
                  飛行ルートに入っていないのか?

 あのような事故があってもキシダメ首相らは番犬様に何も言わず、何も言えず、言っても無視…《空飛ぶ棺桶》《ウイドーメーカー》はいまもニッポンの空を飛んでいる(た)…。

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(※2023年12月7日午前、【米軍、オスプレイ飛行一時停止 屋久島沖事故は機材不具合の疑い】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/294563)《鹿児島県・屋久島沖の米空軍輸送機CV22オスプレイ墜落事故で、米軍は6日、空軍のほか海軍や海兵隊を含め全てのオスプレイの飛行を一時停止すると発表した。予備調査の結果、機材の不具合により事故が起きた可能性があるとしている。現段階で詳細は不明で、飛行の一時停止により徹底的な調査を実施するとした。日本政府は米側に安全性が確認されるまで飛行を停止するよう求めていた。…米軍は発表で「飛行停止により原因究明に向けた十分な時間を確保し、運用再開を確実にするための勧告に結び付ける」とした。米兵の安全確保に向けた追加措置を実施すると表明したが、具体的な内容には言及しなかった。同盟国と緊密に連携を図るとも強調した》。)
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 西田直晃山田祐一郎両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/オスプレイ墜落、なぜこんな大事故に? 事故率「他の航空機より低い」は本当か、専門家の考えは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/294236?rct=tokuhou)によると、《鹿児島県・屋久島沖の米空軍垂直離着陸輸送機オスプレイ墜落から1週間。死者6人が確認され、開発段階を除いて米オスプレイの事故で過去最多となった。エンジン部から火を噴いたとの目撃情報から、機体トラブルがあったとの見方が強いが、なぜこれほど大きな事故になったのか。当時の状況を振り返り、考えられる原因を専門家に尋ねた。(西田直晃山田祐一郎)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/294236?rct=tokuhou

こちら特報部
オスプレイ墜落、なぜこんな大事故に? 事故率「他の航空機より低い」は本当か、専門家の考えは
2023年12月6日 12時00分

 鹿児島県・屋久島沖の米空軍垂直離着陸輸送機オスプレイ墜落から1週間。死者6人が確認され、開発段階を除いて米オスプレイの事故で過去最多となった。エンジン部から火を噴いたとの目撃情報から、機体トラブルがあったとの見方が強いが、なぜこれほど大きな事故になったのか。当時の状況を振り返り、考えられる原因を専門家に尋ねた。(西田直晃山田祐一郎


◆目撃者は語る「よく見るコースと同じだった」 それが…

 事故が起きた29日、何があったのか。「こちら特報部」は屋久島で取材した目撃者の平田耕作さん(68)にあらためて尋ねた。

 墜落現場から400メートルほど離れた海岸で釣りをしていた平田さんは、屋久島空港に向かって飛んでくるオスプレイを見た。「緊急着陸だと思った。いつも同じ場所で釣りをしていて、よく見ている民間航空機の飛ぶコースと同じだった」。

 高度は上空300メートルか、それを下回る程度。プロペラは斜め前方を向いており、「飛行機モード」と「ヘリモード」の間の「転換モード」のような状態だったという。平穏に飛んでいたが、突如姿勢が乱れた。

     (漁船が回収したオスプレイのものとみられる残骸を
      指さす林岳信さん=鹿児島県屋久島町で)

 「急に、機体の左側が上になる横回転で180度ひっくり返り、背面飛行の形になった。数秒後には乾いた破裂音が聞こえ、左側のプロペラの辺りが爆発し、火が出た。プロペラは遠くに吹っ飛び、機体が海に落ちていった」


◆状況が急変?「転換モード」でバランスを崩した?

 米軍横田基地(東京都)所属だった事故機。当日は岩国基地(山口県)を経由し、嘉手納基地(沖縄県)に向かった。墜落の15分ほど前、国土交通省鹿児島空港事務所に「緊急状態。屋久島空港に着陸したい」と連絡が入っていた。

 オスプレイは両翼にエンジンを搭載し、片方に不具合があっても、もう片方だけで飛行や着陸が可能だが、墜落は避けられなかった。航空評論家の青木謙知氏は「パイロットが空港事務所と交信した段階では、異常を感じながらも『緊急着陸は可能』というレベルだったのでは。その後、状況が急に悪化したのだろう」と推察する。

 航空ジャーナリストの坪田敦史氏は「目撃情報が本当であれば」と前置きし、「屋久島空港への最終進入ルートの適正高度。墜落地点から考えても、事故直前まで飛行制御できていた。不時着水の考えはなかったはずだ」と説明する。

     (墜落したのと同型のCV22オスプレイ
      =東京・米軍横田基地で(資料写真))

 エンジン付近から出火したという情報について、坪田氏は「一口にエンジントラブルと言っても、燃料系統や電気系統の故障、シャフトの破損、異物混入などさまざまな可能性がある。左側のエンジンに何らかの不具合が生じた状況で、プロペラの角度を変える『転換モード』のさなかにバランスを崩したのでは。両翼の回転数やパワーが異なれば、機体は傾いて最終的にはひっくり返ってしまう。その段階で燃料の逆流など、トラブルが複合した可能性もある」と話す。

 原因は明らかになっていないが、「米軍はかなりの情報を得ている」と坪田氏はみる。事故機は軍事ミッションで動いていたわけではなく、単純な移動に該当し、密集した3機編隊で互いに交信していたためという。「緊急着陸を試みる際には、別機の随伴を必要とする米空軍内の規則がある。墜落の直接の理由は分からなくても、機体のトラブルを把握していた可能性は高い」

 取材に対し、防衛省は「米軍に事故の状況について情報提供を求めているが、現時点で予断をもって答えることは困難。その他、事故の詳細は米側に確認中」と回答した。在日米軍司令部広報部からは期限までに回答がなかった。


◆開発段階の10年間に30人が死亡した「ウィドーメーカー」

 オスプレイはこれまでも安全性の懸念が指摘されてきた。開発段階の1991〜2000年に4件の墜落事故で計30人が死亡し、「ウィドーメーカー」(寡婦製造機)と呼ばれた。92年には試作機が着陸時に右エンジンから出火して墜落し、搭乗員7人全員が死亡。漏れた潤滑油がエンジンの熱で発火、高熱でドライブシャフトが作動しなくなったことが原因とされた。

 05年に量産化が決まり、配備が始まった後も各地で事故が発生。12年にモロッコで演習中に墜落して2人が死亡したほか、15年には米ハワイ州で着陸に失敗して2人が死亡。16年には、普天間飛行場所属の機体が空中給油機に接触し、沖縄県名護市沖に墜落して大破、負傷者2人を出した。近年も、昨年6月に米カリフォルニア州で5人が死亡するなどの事故が相次ぐ。

 米外交・安全保障専門誌の東京特派員で国際ジャーナリストの高橋浩祐氏は「2000年に19人が死亡する事故があったが、8人の死者・不明者を出した今回の事故はそれに次ぐ規模の重大事故だ。操縦ミスではなく機体に何らかの不具合があったのだろう」と指摘する。

     (オスプレイ捜索の準備をする米軍関係者
      =鹿児島県の屋久島空港)

 カリフォルニアの事故について、米軍は今年7月の調査報告書で、クラッチが一時的に離れて再び結合する際に衝撃が発生する「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」という現象が原因と断定。機体に問題があったと結論付けた

 「姿勢が制御できなくなってエンジンから火が出たということで、今回もクラッチの可能性は否定できない」と高橋氏。一方で、前出の青木氏は「クラッチの不具合で、エンジンから火が出たという報告は聞いたことがない。今回の事案が同じ事象だとは考えにくい」と話す。

 今年8月には陸上自衛隊のV22で「プロップローター・ギアボックス」に金属片が入って警報が点灯し、航空自衛隊静浜基地(静岡県)に予防着陸した。今回火が出たエンジン付近のトラブルではあるが、青木氏は「ギアボックスに金属片が入り込んだだけでは、エンジン全体が壊れることは想定しにくい。エンジンが汚れて火が出る可能性はあるが、それが致命的な不具合だったのかは調査結果を見なければ分からない」と話す。


◆飛行時間当たりの事故件数、CVはMVのほぼ倍

 政府はこれまで国会などでオスプレイの事故率について、「他の航空機よりも低い説明を繰り返してきた。今回の事故後の定例会見でも、吉田圭秀統合幕僚長は「オスプレイが他の航空機より安全上問題があるわけではない強調している。

 オスプレイの重大事故の発生率について、高橋氏は米軍の事故統計データを挙げる。「今回墜落したCV22の10万飛行時間当たりの事故件数は21年12月末時点で6.00に上る。この事故率は、今年9月時点の米空軍全体の有人機の1.35や無人機の2.58と比べ極めて高く、上昇傾向が続いている」。これに対し、基本構造が同じ米海兵隊のMV22は、カリフォルニアでの事故報告書では10年間で10万飛行時間当たり3.16で、海兵隊機の平均と同レベルだという。「特殊作戦用という使途からCV22の事故率が高くなっていると推察されるが、それでも高い

     (陸上自衛隊のオスプレイ(資料写真))

 今回の事故を受けて陸自はV22の飛行を停止。米軍にも停止するよう要請したが、飛行は継続している

 軍事ジャーナリストの清谷信一氏は「事前の整備などでその機体固有の原因があるのであれば、公表した上で他の機体は飛行停止にしないと説明するべきだ。飛行停止した際の日本の世論を考えての対応ならば、誠実な態度とは言えない。他の機体でもあり得るのなら、一度飛行停止して調べるのが当然だ」と指摘する。


◆デスクメモ

 沖縄配備が焦点だった十数年前のオスプレイの記事では、頭に「新型垂直離着陸輸送機」という長い説明が付いていた。今回の事故でメディアの表記は「米空軍輸送機」などと簡潔。確かにもう新型ではないが、垂直離着陸が一般化したわけでもない。「輸送機」だけで良かったのか。(本)


【関連記事】米、オスプレイ搭乗8人全員の死亡認定 捜索協力の日本に謝意
【関連記事】「何で?何で?」釣りの最中、目の当たりにしたオスプレイ爆発の瞬間 プロペラとともに吹っ飛んだ屋久島の日常
【関連記事】オスプレイ墜落は構造的欠陥ではないのか…米軍の調査報告書を読んでみて分かったこと
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●【小塚かおる 安倍晋三 VS. 日刊ゲンダイ/著者に訊く!】《日刊ゲンダイと安倍晋三氏との「10年戦争」の軌跡…安倍晋三氏の「通信簿」》

2024年01月18日 00時00分30秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


(2023年11月12日[日])
【小塚かおる 安倍晋三 VS. 日刊ゲンダイ【著者に訊く!】】
 (https://www.youtube.com/watch?v=pGvtCr5mbL0


   『●首相は産経や読売以外も読んでるのね!?:
          「首相はくず」とは言っていないけれど…
   『●続・「首相はくず」とは言っていないけれど、
       「息吐く様に嘘つく」「ネット右翼の書き込みと大差なし」

    「安倍首相は昨年2月に国会で「ある夕刊紙は私を毎日
     “人間のくず”と報道している」と答弁。恐らく日刊ゲンダイ
     本紙を指したのだろうが、これもデマだ。本紙は安倍首相を
     ボンクラ」「嘘つきと評したことはあっても、創刊以来
     「人間のくず」と報じたことは一度もない」

   『●「ピーターパン症候群」のアベ様が語る途方もない「夢物語」
               ~「息吐く様に嘘つく」「ボンクラ」~

 アベ様をボンクラ」「嘘つきと呼んだ日刊ゲンダイはサスガでした…《毎日“人間のくず”と報道》してなどはいないが…『日教組ヤジは氷山の一角…安倍首相こそ「息吐く様に嘘つく」』と。
 そして、いま、スガッチに続き、首相の座に執着しているだけのキシダメ首相も無能の限りを尽くす。国葬モドキ強行カルト協会とヅボヅボだらけの数多の案件を放置、福島の原状回復を放棄して原発回帰原発復権、ましてや、広島選出にもかかわらず「核なき世界を放棄軍事費倍増紙の保険証を廃止マイナ保険証を強制などなどなどなど……この2年間、デタラメの限りを尽くし、市民の生活を破壊。そして、アベ様の遺志を継いでか、なんと壊憲して日本にトドメを刺そうとしている。

   『●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》
     《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》
   『●「平和憲法」を違憲に壊憲し、戦争できる国に…最早、《平和国家》などと
     諸外国のどこも思っていない。「専守防衛」の組織どころか軍隊となり…
   『●トランプ氏により《安倍政権が「戦争のできる国」への大転換を行い》、
      バイデン氏により《岸田政権は「軍事国家」へ大転換》(琉球新報)
   『●アベ様の国葬モドキ《招待者名簿》隠蔽、キシダメ首相は何の《検証》も
     実施せず…《重要な政策転換を国民の幅広い合意なく押し切る原動力》に

 鈴木耕さんによる、デモクラシータイムスのインタビュー記事【小塚かおる 安倍晋三 VS. 日刊ゲンダイ【著者に訊く!】】(https://www.youtube.com/watch?v=pGvtCr5mbL0)。《本書は日刊ゲンダイと安倍晋三氏との「10年戦争」の軌跡、もしくは安倍晋三氏の「通信簿」といえる。アベノミクスから始まり、安保法制での「戦争のできる国」へ。危険な宰相を批判した日刊ゲンダイの記事を取り上げながら安倍長期政権の「大罪」を克明に追った! 2023年10月24日収録》。


 同様に、dot.に出ていたシリーズ記事『安倍晋三 VS. 日刊ゲンダイ』:

1. 【〈この国の首相はアホかホラ吹きか〉安倍晋三元首相の経済政策がのっけから躓いた当然の理由】(https://dot.asahi.com/articles/-/204359)/《第2次安倍政権において、安倍晋三元首相が主導した経済政策「アベノミクス」。金融緩和財政出動成長戦略3本の矢を掲げ、日本経済の再生を目指したが、低迷を抜け出すことはできなかった。アベノミクス失敗の要因は、3本目の矢の「成長戦略」にあるという。小塚かおる氏の新著『安倍晋三 VS. 日刊ゲンダイ 「強権政治」との10年戦争』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集して解説する。(肩書は原則として当時のもので、一部敬称略)》

2. 【「安いニッポン」インバウンドはいいが…貧しい国、人権も尊重しない国に外国人は住みたいか】(https://dot.asahi.com/articles/-/204519)/《長きにわたる日本経済の低迷で、物やサービスの内外価格差が拡大し、外国人にとっては「安いニッポン」。円安は日本の「貧しさ」をより際立たせた。経済成長がなければ、賃金は上がらない。外国人労働者は今後もやってくるのだろうか。》

3. 【防衛相がこぼした「安倍さんが約束しちゃったから」 米から武器を爆買いしたツケの「兵器ローン」】(https://dot.asahi.com/articles/-/204520)/《岸田政権が防衛費をGDP比の2%、5年間で43兆円に倍増することを決めた。財源確保に向けた防衛増税の背景には、安倍政権時代に米国製兵器の爆買いがあるという。その流れは岸田政権に引き継がれ、兵器ローンが重くのしかかる。》

4. 【「軍備の増強と、使わない外交をセットで」 “軍人”梶山静六が残した言葉の重み】(https://dot.asahi.com/articles/-/204521)/《「軍備を増強しても、それを使わないという外交をセットでやらなきゃダメなんだ」。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増し、岸田政権が防衛費を膨らませている中、「軍人」梶山静六氏の言葉は重みを増す。》

5. 【公文書改ざん問題で、自死した赤城俊夫さんの苦悩を、妻・雅子さんが無念とともに明かす】(https://dot.asahi.com/articles/-/204522)/《今年9月、森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざんを関与させられ、自死した近畿財務局の赤木俊夫さんの妻・雅子さんが、元理財局長の佐川宣寿氏に賠償を求めた訴訟は、佐川氏らへの尋問を認めず結審した。小塚かおる・日刊現代第一編集局長が、俊夫さんの苦悩と雅子さんの無念を綴る。》

6. 【安倍政権の「国会軽視」をさらに加速する岸田首相 「野党に7割の配慮をする」自民党の謙虚さはどこに】(https://dot.asahi.com/articles/-/204523)/《安保法特定秘密保護法など、強行採決があまりにも多かった安倍政権。国会軽視国民軽視の姿勢は、岸田政権にも引き継がれている。だが、かつて自民党はできる限り野党の意見を聞く配慮をしていたという。》

7. 【「3年間、抱っこし放題」と発言した安倍首相 女性は喜ぶと疑わなかったズレの根深さ】(https://dot.asahi.com/articles/-/204524)/《安倍政権下、2016年に年間の出生数が初めて100万人を割り込み大きな話題になった。あれから少子化は歯止めがかからず、2022年には80万人割れを記録した。なぜ政府は有効な対策を打てないのか。背景には時代錯誤の家族観がある。》

8. 【なぜ今も?「夫が働き、妻は家で子育て」自民党内は古い価値観に固執 安倍政権の罪深さ】(https://dot.asahi.com/articles/-/204525)/《日本では長年、選択的夫婦別姓制度の導入が検討されてきたが、いまだに実現していない。1990年代半ば、男女平等や男女共同参画を背景に制度導入の機運が高まっていたが、小塚かおる・日刊現代第一編集局長は、「2023年の今の方がむしろ自民党内に反発や嫌悪感を示す空気が強い」と指摘する。》

9. 【岸田首相「女性ならではの感性と共感力」で漏れた自民党の古い“オッサン政治”の本音】(https://dot.asahi.com/articles/-/204526)/《世界と比べて女性議員の比率が低い日本。世界経済フォーラムの2023年「ジェンダーギャップ報告書」によると、政治分野は146カ国中138位と下から8番目だ。自民党女性議員はこの現状をどう見ているのか。》

10. 【「息子が政治家を目指している」 勝率“8割”世襲議員に国民の苦しみは理解できるのか】(https://dot.asahi.com/articles/-/204527)/《岸田文雄首相の長男・翔太郎氏が首相公邸で忘年会を開催、岸信夫元衆議院の長男・信千世氏がホームページで家系図を掲載するなど、世襲への批判が高まっている。小塚かおる・日刊現代第一編集局長は、「世襲議員の増殖が、自民党の活力低下の要因のひとつであることは間違いない」と断言する。》

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●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」

2024年01月17日 00時00分49秒 | Weblog

[↑ がん判明 続いた保釈却下大川原化工機 起訴取り消し (朝日新聞、2023年12月24日(日))]


(2024年01月14日[日])
《無実を訴えた大川原社長らは2020年3月の逮捕後、11カ月にわたり身柄拘束された。元顧問の男性は勾留中に体調を崩し、被告人の立場で72歳で亡くなった》、《訴訟では、警視庁公安部の捜査員が証人尋問で「(事件は捏造(ねつぞう)と証言》、《代理人の高田剛弁護士は「控訴審では、つくり上げられた事件だと踏み込んで認定してもらうため立証を尽くしたい」と強調》(東京新聞)。
 大川原化工機でっち上げ事件。あまりに酷い冤罪事件というか、公安警察・検察によるでっち上げ事件・捏造事件。保釈を認めない裁判所も、あまりに杜撰で冷酷。恥ずかしくて、当然、控訴など出来ないものと思っていた。控訴するなら、大川原化工機側かと。大川原化工機側は、謝罪が当然あるものと考えていたのでは。人の命は戻りはしないし、会社としてはあまりの痛手、《大きな不利益》を被った訳だが。




   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の

     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…

 で、………呆れた、謝罪すらしない…《国と東京都が控訴》。冤罪の真相を明らかにしようともしない。再発防止もやる気無し。ならば仕方なく、同社も控訴。《同社側の代理人弁護士は取材に、控訴の理由を「警視庁と検察から謝罪がない冤罪(えんざい)の真相を明らかにすべく、立証を尽くしたい」と話した》(東京新聞)。
 山田雄之記者による、東京新聞の記事【「大川原化工機」国賠訴訟、国と東京都が控訴「上級審の判断を仰ぐことが妥当」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/301875)。《軍事転用可能な機械を不正輸出したとして逮捕・起訴され、後に起訴が取り消された機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長(74)らが国家賠償を求めた訴訟で、国と東京都は10日、計約1億6000万円の支払いを命じた2023年12月の東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。同社側も控訴した》。

 国賠控訴審では大幅な賠償金アップを。関係者の責任と処分を。
 同紙の記事【控訴は「警視庁が結論」と長官 起訴違法認定の東京地裁判決で】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/302038)。《横浜市の「大川原化工機」を巡る外為法違反事件での警視庁などの捜査が違法と判断された昨年12月の東京地裁判決を受け、警察庁の露木康浩長官は11日の定例記者会見で「警視庁で精査した結果、上級審の判断を仰ぐことが適当との結論に至った」と述べた。10日に東京都側と国側、社長側の双方が控訴している。2021年7月に起訴が取り消されたことについては「真摯に受け止めるべきもの」と述べ、「全国の都道府県警察に対する指導をさらに徹底していく」とした。検証の必要性を問われると、上級審に対応する過程の中で、警視庁が事実関係を整理するとし「今後の捜査に生かしていくと承知している」と話した》。
 山田雄之池田悌一両記者による、同紙の記事をもう一つ。【大川原化工機社長「あきれた」そして「やっぱりか」 国と東京都が控訴 警察庁長官が語ったのは…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/302120)/《機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長(74)らによる国家賠償訴訟で、捜査の違法性を認めた東京地裁判決不服として国と東京都が控訴したことについて、大川原社長は11日に東京都内で開いた記者会見で「あきれた」と語った》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/301875

「大川原化工機」国賠訴訟、国と東京都が控訴「上級審の判断を仰ぐことが妥当」
2024年1月10日 19時18分

 軍事転用可能な機械を不正輸出したとして逮捕・起訴され、後に起訴が取り消された機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長(74)らが国家賠償を求めた訴訟で、国と東京都は10日、計約1億6000万円の支払いを命じた2023年12月の東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。同社側も控訴した。


◆大川原社長側も控訴「冤罪の真相を明らかにして」

 公安部の逮捕と東京地検の起訴が違法だったのかどうか、高裁で改めて審理されることになった。警視庁は控訴後「上級審の判断を仰ぐことが妥当との結論に至った。今回の件を契機に部内教養を強化していく」とコメントし、東京地検の新河隆志次席検事は「判決内容を検討し、上級審の判断を仰ぐことにした」との談話を出した。

 訴訟では、警視庁公安部の捜査員が証人尋問で「(事件は捏造(ねつぞう)と証言したが、地裁判決では言及がなかった。同社側の代理人弁護士は取材に、控訴の理由を「警視庁と検察から謝罪がない冤罪(えんざい)の真相を明らかにすべく、立証を尽くしたい」と話した。

 地裁判決では、大川原化工機の機械を輸出規制の対象と判断した逮捕と起訴を「合理的な根拠が欠如している。必要な捜査が尽くされていない」として違法と判断した。

 無実を訴えた大川原社長らは2020年3月の逮捕後、11カ月にわたり身柄拘束された。元顧問の男性は勾留中に体調を崩し、被告人の立場で72歳で亡くなった。(山田雄之


関連記事】警視庁公安部が「無理筋」の捜査で繰り返した「独自解釈」 違法判決を受けた暴走はなぜ起きたか
【関連記事】逮捕、起訴は「合理的な根拠が欠如」 国と東京都に1億6000万円賠償命令 大川原化工機の国賠訴訟
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/302120

大川原化工機社長「あきれた」そして「やっぱりか」 国と東京都が控訴 警察庁長官が語ったのは…
2024年1月11日 19時34分

 機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長(74)らによる国家賠償訴訟で、捜査の違法性を認めた東京地裁判決不服として国と東京都が控訴したことについて、大川原社長は11日に東京都内で開いた記者会見で「あきれた」と語った。


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「大川原化工機」国賠訴訟、国と東京都が控訴「上級審の判断を仰ぐことが妥当」


 大川原さんら同社の3人は2020年3月、軍事転用可能な機械を不正輸出したとして、警視庁公安部に逮捕され、東京地検に起訴された。大川原さんらは11カ月間にわたり身柄拘束された後に起訴が取り消され、国賠訴訟を起こした。

     (記者会見する大川原化工機の
      大川原正明社長(左から2人目)ら)

 大川原さんは会見で、国と都の控訴について「『やっぱりか』が第一の感想。まだやるのか、という思いです」と述べ、勾留中に体調を崩し被告人のまま72歳で亡くなった元顧問相嶋静夫さんの長男(50)は「落胆した」と話した。

 会社側も控訴したことについて、原告で元取締役の島田順司さん(70)は「(捜査機関側が)再発防止策も取らず控訴するのであれば、私たちも再度主張して真相を明らかにしてほしいと思った」と語った。

 一審では公安部の捜査員が証人尋問で「(事件は(ねつ)(ぞう)と証言したが、判決は言及しなかった。代理人の高田剛弁護士は「控訴審では、つくり上げられた事件だと踏み込んで認定してもらうため立証を尽くしたい」と強調した。(山田雄之


◆「警視庁は判決受け入れが難しかった」と警察庁長官

 警察庁の露木康浩長官は11日の定例記者会見で、大川原化工機を巡る国家賠償訴訟で東京都が控訴したことについて「一審判決が『捜査を怠った』『原告を誤解させて供述調書に署名させた』とした点が、警視庁として証拠上受け入れることが難しかったと報告を受けている」と述べた。

     (警視庁(資料写真))

 問題点の検証作業については、控訴審の審理過程で「警視庁が事実関係をさらに整理し、判明した教訓を今後の捜査に生かしていく」と説明した。

 露木長官は「捜査が法と証拠に基づいて緻密かつ適正に行われなければいけないことは言うまでもない」と強調。起訴が取り消されたことは「警察庁としても真摯(しんし)に受け止める」とし、全国の都道府県警への指導を徹底していく考えを示した。(池田悌一


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【関連記事】2年前の警察白書、「捏造」事件の記述やっと削除 捜査員が異例の証言した6日後に ネット版
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