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●大川原化工機でっち上げ事件…なぜ、警視庁公安部は事件をでっち上げたのか? 《逮捕の時期は、安倍政権が「経済安保」を推進していた時期だった》

2024年07月11日 00時00分28秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


(2024年06月14日[金])
恣意的な捜査がえん罪を引き起こした大川原化工機でっち上げ事件…《取調官は知ったこっちゃないですよ組織の方針に従うだけですよ」》。
 なぜ、警視庁公安部は事件をでっち上げたのか? 《逮捕の時期は、安倍政権が経済安保を推進していた時期だった》(長周新聞)。公安部という《組織》を暴走させた元凶を辿っていくと、またしても、アベ様。

 長周新聞の記事【大川原化工機事件について――経済安保法制が導く恐怖の未来予想図 和田倉門法律事務所・弁護士 高田剛】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/30810)。《公益社団法人・自由人権協会は1日、2024年総会記念講演「大川原化工機事件~経済安保法制が導く恐怖の未来予想図~」を開催した。大川原化工機事件とは、2020年3月、大川原化工機(横浜市)の大川原正明社長ら3名が、「生物兵器の製造に転用可能な機器を中国に不正輸出した」との外為法違反容疑で、警視庁公安部に逮捕・起訴された。起訴後も身柄拘束は長期に及び、その間に1名が死亡したが、その後冤罪であることが明らかになり、東京地検は初公判直前に異例の起訴取り消しをおこなった、という事件である。逮捕の時期は、安倍政権が経済安保を推進していた時期だった。現在、大川原化工機の社長らが、東京都と国に約5億6500万円の損害賠償を請求する国家賠償請求訴訟をおこなっている。同事件の弁護人であり国賠訴訟代理人でもある高田剛弁護士の報告を紹介する》。

   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」
   『●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴
     とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠、国と都が控訴…《今回の事件は、日本の警
     察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている》(長周新聞)
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
     死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
    《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の
     大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

   『●東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 大川原化工機冤
     罪事件「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」のに…
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
      …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
    《◆無罪主張するほど保釈されない「人質司法」問題
   『●人質司法…《保釈請求…東京地裁も却下。否認を貫く相嶋さんに妻が「うそを
     ついて自白して、拘置所から出よう」と頼んだが、首を縦に振らなかった》
   『●大川原化工機でっち上げ事件《勾留後に亡くなった1人》…《無罪主張
       するほど保釈されない「人質司法」》の問題点が最悪の形で顕在化
   『●《恣意的な捜査がえん罪を引き起こした》大川原化工機でっち上げ事件…
     《取調官は「知ったこっちゃないですよ。組織の方針に従うだけですよ」》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国家賠償訴訟・東京高裁控訴審…《原告側
      は事件そのものを「捏造」》《社長らは「真相を明らかにする」》と

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https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/30810

大川原化工機事件について――経済安保法制が導く恐怖の未来予想図 和田倉門法律事務所・弁護士 高田剛
2024年6月12日

 公益社団法人・自由人権協会は1日、2024年総会記念講演「大川原化工機事件~経済安保法制が導く恐怖の未来予想図~」を開催した。大川原化工機事件とは、2020年3月、大川原化工機(横浜市)の大川原正明社長ら3名が、「生物兵器の製造に転用可能な機器を中国に不正輸出した」との外為法違反容疑で、警視庁公安部に逮捕・起訴された。起訴後も身柄拘束は長期に及び、その間に1名が死亡したが、その後冤罪であることが明らかになり、東京地検は初公判直前に異例の起訴取り消しをおこなった、という事件である。逮捕の時期は、安倍政権が経済安保を推進していた時期だった。現在、大川原化工機の社長らが、東京都と国に約5億6500万円の損害賠償を請求する国家賠償請求訴訟をおこなっている。同事件の弁護人であり国賠訴訟代理人でもある高田剛弁護士の報告を紹介する(表や図は講師が示した資料から作成した)。


○         ○


     (高田剛弁護士)

 大川原化工機事件とは、一言でいえば、外為法の法令解釈に関する見解の違いで、手続き違反を疑われた中小企業の大川原化工機が、公安警察の標的にされて、役職員の自宅を含む一斉家宅捜索を受け、さらにその後1年半近くで291回の事情聴取を受けた挙げ句、社長を含む幹部3名が逮捕され、起訴後も保釈がされずに身柄拘束は330に及び、その間に1名は病死した。その後、冤罪であったことが判明して起訴が取り消された事案である。

 事件のポイントを挙げると、まず経産省による法令の解釈運用の不備があげられる。経済安保をめぐっても、法律の曖昧さがベースにあってそれが国家に悪用される懸念を持つ方がおられると思うが、共通する問題だ。

 次に、事件に飢えた公安警察が不備をついて暴走した。解釈が曖昧なことをいいことに、公安部が独自に解釈を打ち立てて経産省を説得にかかり、経産省は最終的に押し切られて立件を容認した。経産省は「解釈の明確化→業界への指導監督」を先行させるべきなのに、自分たちの頭を乗りこえて、しかも自分たちが指導していないところからまったく関係ない解釈を持ち出す公安警察の立件を許した問題は大きい。ただ、それを利用したのは公安警察だ。

 公安部は、事件の捜査を進めるなかで、消極的な証拠を黙殺し、有利な証拠を捏造してまで立件に進む。なぜ公安部はこえてはいけない一線をこえたのか。また、取り調べはなぜ1年3カ月・291回にも及んだのか。そこには自白調書を重視する刑事裁判のしくみがあったのではないか。

 さらに起訴するのは検事だが、なぜ検事は公安部の暴走を止められなかったか。公安事件における公安部と検事には密接な関係がある。検事の元には警察から立件に有利な資料しか送られてこないので、検事には消極証拠を見抜く力が求められる。今回は公安にいわれるまま起訴に進んだ。検事の役割を見直さなければならない事件だった。

 最後に、無実を訴えれば訴えるほど保釈を認めず、身柄拘束が続く裁判所のあり方人質司法)は是正されなければならない。自白した人とたたかう人では、身柄拘束の期間が有為に違う。身柄拘束をされている人は自白に誘導されてしまい、冤罪が生まれてしまう。今回は身柄拘束中に1名が進行癌(がん)であることが発覚したが、保釈が認められず、そのまま亡くなってしまった


外為法による輸出規制 リスト規制の仕組み

 外為法は安全保障貿易管理をおこなっており、今回問題になったのは輸出管理の部分だ。輸出管理とは、「先進国が保有する高度な貨物や技術が、大量破壊兵器開発や製造等に関与している懸念国やテロリスト等の懸念組織に渡ることを未然に防止するため、国際的な枠組みのもと、各国が協調して実施」している。わが国だけでなく、国際的にルールをつくっているものだ。先進国が中心になった「国際輸出管理レジーム」という集まりがあり、こういう規制をかけていこうという取り決めをし、各国が持ち帰って法律化している。

 「国際輸出管理レジーム」には主に四つの枠組みがあるが、今回問題になったのはAG(オーストラリア・グループ)といって、生物・化学兵器を対象とした輸出規制の枠組みだ。これには日本も加入している。

 規制の手法としては、大きくはリスト規制と、それを補完するキャッチオール規制の二つがある。リスト規制は法令や省令で貨物の品目や性能を定め、そのリストに該当する製品を輸出するさいには経産大臣の許可が必要というものだ。リスト規制のジャンルは15あり、今回問題になったのは3の2の「生物兵器」だ【表参照】。

 生物兵器のなかにはどういう規制対象貨物があるのかというと、1はウイルスや細菌そのもの、2は細菌を使った兵器の製造・保存・持ち運びに使える機械で、10種類がリストにあがっている。今回問題になったのは5-2の噴霧乾燥器だ。噴霧乾燥器は2013年に凍結乾燥器の項目に追加されており、これだけが新しい規制だ。

 そして、噴霧乾燥器ならなんでもかんでも輸出許可が必要かというと、そうではない。生物化学兵器の製造に用いられそうな、いわば性能のいい機械だけが規制の対象になっている。具体的にはイ~ハの三つの要件があり、それを全部満たすものは輸出するさいに許可が必要となっている。今回問題になったのは、ハの「定置した状態で内部の滅菌または殺菌をすることができるもの」という要件だ。

 一方、キャッチオール規制というのは、リスト規制の対象外であっても、「用途要件」といって、その貨物や技術が「大量破壊兵器」などの開発のために使われる場合は許可が必要というものだ。また「需要者要件」といって、経産省が15カ国・地域、706組織を指定するユーザーリストをつくっており、このリストに該当する要注意の相手に輸出する場合は許可が必要というものだ。

 次に、事業者が経産省に許可申請した場合はどうなるか。経産省は、事業者の許可申請提出書類を見て、「輸出許可基準」をもとにその用途や需要者を審査する。輸出許可基準の内容は、①貨物が実際に需要者に到達するのが確からしいか、②申請内容にある需要者が貨物を使用するのが確からしいか、③貨物が国際的な平和及び安全の維持を妨げる恐れのある用途に使用されないことが確からしいか、④貨物が需要者によって適正に管理されるのが確からしいか、の四つだ。

 今回の場合、噴霧乾燥器が問題になって2件が立件されているが、1件目の噴霧乾燥器RL-5は、リチウム電池材料をつくるのが目的で、需要者はドイツのBASF(世界最大手の化学メーカー)の中国子会社。2件目の噴霧乾燥器L-8iはアクリル樹脂をつくるのが目的で、需要者は韓国の液晶メーカーLGの子会社LG MMAだった。いずれも、「もし許可申請があれば許可していたと経産省が明言している。

 では、経産省の許可がないまま輸出した場合はどうなるか。その場合、経産省は事業者に資料を提出させて事後審査をやり、違反の事実が判明した場合は指導・処分をおこない、そうでない場合にも再発防止策を策定させる。もっとも重い処分としては行政罰(3年以内の輸出等禁止など)があり、それより軽い警告や、原則非公表の報告書の提出のみというのもある。さらに悪質な場合は、経産省が告発し刑事事件になる。

 ところが大川原化工機事件の場合、経産省による事後審査もなければ行政罰も警告もなく、そして告発もなかった。つまり経産省は何も動いていない。にもかかわらず警視庁公安部が勝手に事件化し、勝手に立件した


噴霧乾燥器とは何か? 新たに規制に加わる

 さて、今回問題になった噴霧乾燥器(スプレードライヤ)とはどういうものか。

 液体を熱風中にシューッと霧状に噴霧して、液体の部分を蒸発させ、液体に混じっていた固体の部分が粉末として落ちてくるというものだ。言葉でいうと簡単だが、技術的にはかなり難しい。たとえば、コーヒーの液体からインスタントコーヒーの粉末をつくる。インスタント食品についている粉末スープもそうだ。その他、健康食品などの食品分野やセラミックなどの化学の分野、製薬産業における乾燥粉体の調製などに幅広く用いられている。

 乾燥器には、噴霧乾燥器の他に凍結乾燥器がある。凍結乾燥器は古くから規制の対象になっていた。噴霧乾燥器はここ数十年で性能が向上し、凍結乾燥器より効率的に粉体を得ることができるようになったので、規制の対象に加えられた。

 構造を見てみたい【図参照】。真ん中にズドーンとあるのが乾燥室。その中に上のアトマイザから、原液が霧状に噴射される。同時に左側の電気ヒーターから熱風を送る。すると乾燥室の上で噴霧されたものと熱風がぶつかる。そこで液体部分が蒸発し、粉末が乾燥室の下に落ちてくる。そして右のサイクロンに集められ、粉体は製品ポットに落ちてくる。他方で風は、右上の排風機から外に出ていく。粉体は製品ポットから回収される。

 大川原化工機は、日本における噴霧乾燥技術のリーディングカンパニーで、シェアは約7割。国内の企業のみならず、中国をはじめとする東アジア、東南アジア、ヨーロッパ、アメリカに多くの噴霧乾燥器を古くから輸出している。

 噴霧乾燥器は先ほどものべたように、もともとは規制の対象ではなかった。しかし性能が向上し、2011年に噴霧乾燥器のパイオニアであるデンマークからAG参加各国に提案があり、2012年のAG会議で規制対象品目への合意が成立した。これを受けて経産省が政省令を改正し、日本におけるリスト規制の対象品目に噴霧乾燥器を追加したのが2013年10月だ。

 そして規制の要件だが、2012年のAG会議で三つの要件をすべて満たす噴霧乾燥器が規制の対象になると合意された。この三つの要件について、合意された翌年に経産省が明文化したのがイ、ロ、ハの三つの要件だ【上表参照】。

 今回問題になったのはハの要件で、「定置した状態で内部の滅菌又は殺菌をすることができるもの」と訳している。このなかで「滅菌」というのは微生物学で定義されている。だが「殺菌」というのは、微生物学上も法律上もなにが殺菌かという明確な定義がない。なぜ、概念がないものを法律で明文化したのか。もともとの英文を見ると「disinfected」となっており、これは学術的には「消毒」を意味する言葉だ。ところが10年前に訳したとき、経産省は「殺菌」という言葉をあてた。

 これについて経産省を支援する民間団体CISTEC発行の「ガイダンス」では、「装置を分解せず組み立てた状態で、乾燥粉体が漏れない状態にして、又は製造作業者が粉体を吸入したり、粉体に接触したりすることなく内部を滅菌・殺菌ができる構造」と定義している。つまり、作業者が安全に作業できるように、粉がモヤモヤと出てこない状態で菌を殺すことが必要ということだ。

 大川原化工機はこれを読んでいたので、規制対象になるのは曝露が防止できるような性能を有する噴霧乾燥器だと考えていた。

 具体的にはCIP機能といって、ボタン一つで薬液が出てきて内部が自動洗浄される機能の付いた高性能噴霧乾燥器が規制の対象だと考えていた。同社の噴霧乾燥器はそうではない(ハの要件を満たさない)ので、だから許可をとらずに輸出していた


いきなりのガサ入れ 逮捕に至る経緯

 ところが、2018年10月3日、噴霧乾燥器を規制する法律ができてから5年後に、警視庁公安部によるガサ入れ(捜索差押)がいきなりおこなわれた公安部外事第1課長を総括指揮官とし、129人体制で、大川原化工機の本社や開発棟、静岡の研究所、大阪営業所など7カ所と役職員7人の自宅、合計14カ所を一斉捜索し、2287件の押収をおこなった。役職員の自宅には朝7時頃にやってきて、2時間余り捜索し、携帯やタブレットなどを持っていった。

 このときまで公安警察は、大川原化工機には知らせずに捜査していたので、自分たちが標的になっていることすらわからない。ある日の朝、いきなり警察が自宅に来たという事態だ。

 そして2カ月後の同年12月11日から2020年2月まで、同社の50人に対して任意の取り調べが延々と続いた。3年ごしで、のべ291回にもなった。大川原化工機は「なにも悪いことはしていないのだから、全面協力」という方針を立てたが、しかしいつまでたっても終わらない

 取り調べで聞かれたのは主に次の2点だった。一つは「噴霧乾燥器になにも入れない状態で、付属のヒーターだけ回して空焚きしたら、内部の殺菌ができることを知っていた?」。普通はこんなことはしない。そして「殺菌」は明確な定義がない。たとえば「殺菌作用のある石鹸」といっても、それで手を洗ったとして、それで手にいる細菌がすべて死ぬわけではないが、でも「殺菌できる」という。「殺菌」の定義が示されないまま「空焚きすれば殺菌できる」といわれ、よくわからないまま誘導されて供述調書をとられている

 もう一つ、「許可を得ずに輸出することを決めたのは誰?」とみんなが聞かれた。同じようなことを毎回聞かれるという状態だった。

 その過程では不当な取り調べもあり、うつ病になる社員もいたので、警視庁公安部にクレームを入れた。

 また、1年間取り調べが続くなかで、「許可をとっていなかったけど、われわれの解釈は間違っていたのか」ということで、警察の捜査への協力と並行して、経産省に判定の基準について問い合わせをおこなった。警察の取り調べは過去のことだが、事業者はこれからも輸出し続けなければいけないので、許可申請の基準をつくらないといけないからだ。2019年の年明けから1年間対話を続けたが、経産省は回答を先延ばしし、判断基準を示してくれなかった。後で話すが、この段階ではすでに経産省は公安部と打ち合わせをして基準を持っていた。が、それを教えてくれなかった。

 そして2020年3月11日、大川原化工機社長・大川原正明氏、同社取締役・島田順司氏、同社顧問・相嶋静夫氏の3人が逮捕された。このとき第二次捜索差押もされた。

 このときのことを大川原社長は次のようにいっている。

 警察が朝7時頃に自宅に来て任意同行を求められ、警視庁に行くのかと思っていたら、自宅から会社に行って社長室に案内され、社長室で2時間ぐらい待たされる。それで警察に促されて社長室を出て、警察の車に乗り込んで警視庁に向かうのだが、会社の扉を開けたら、そこにはマスコミがズラッと並んでいたわざわざ社長を自宅から会社に連れてきて、マスコミが集まるのを待って、マスコミの前に出すということを公安部はやった


逮捕から起訴されるまで 従業員の証言が局面変える

     (警視庁本部庁舎(東京都千代田区霞が関))

 逮捕された日、3人から警察を通じて私のところに弁護人選任・接見希望の連絡が入った。私は順次接見した後、弁護団を結成した。

 翌3月12日、3人の身柄が検察庁に送られた。3人に接見し、話しあって完全黙秘の方針を決めた。

 3月13日から、検事が従業員10人に対して参考人聴取の出頭要請をおこなった。当初、自白調書がほぼできていたので、検事は簡単に調書がとれると思っていたが、3人が完全黙秘に転じたため、従業員を呼んで「殺菌できる」という調書をとろうとしたわけだ。結果的にはこれが、彼らにとって墓穴を掘ることになった。

 逮捕当日、マスコミは3人の顔写真入りで大きく報道した。取引先や金融機関から問い合わせが続き、取引停止にもなったので、一方的な報道をなんとかしようと、われわれは3月16日にマスコミ向けに自分たちの考えを送信した。いくつかのマスコミから取材も受けたが、結果、なにも報道されなかった

 取り調べで公安部は、黙秘権を行使する3人を切り崩そうと、「あの弁護士はだめだ。刑事弁護を知らない」と弁護士と切り離そうとしたり、「他の2人は雑談には応じている。雑談にも応じないのは人としてどうか」と他の被疑者から切り離そうとした

 一方、われわれは3月13日に大川原化工機の従業員と面談をおこなった。なにせなにが疑われているのかがよくわからず、どこが論点かを探っていった。「殺菌できる、できない」が問われる、よくわからない取り調べが一年間続いたので、ここがポイントではないかということになった。

 そのなかで従業員から、「噴霧乾燥器の内部は温度が均一に上がらない部分もあるため、菌は一部生き残る可能性があるし、器械が密封されていないため、菌が風とともに尻から出て、曝露もするだから完全に死滅させるという意味での滅菌・殺菌はできない」という意見が出された。われわれは、「では実験しよう」となった。

 一方、大川原社長ら3人は完全黙秘を続けた。そこから検事は、故意および共謀を立証するため、従業員の参考人聴取を幅広くおこなった。

 それまでに公安の取り調べによる「殺菌できる(殺菌の定義をいわないまま)」という調書がたくさん積み上がっていた。しかし、検事は「殺菌」というのを「菌が全部死ぬ」こととわかっているので、従業員に「全部死にますか?」と聞く。すると従業員は「全部は死なない」「測定口という管に入った菌は、そこは熱風が通らないから温度が上がらず、死なない」「(公安の取り調べのときには)全部殺すと聞かれなかった」と答えた。3人の従業員がこの取り調べを録音しており、それがその後の国賠訴訟一審で決定的な証拠となった。

 検事はそこでどうしたか。本来なら温度が上がらないことを調べるべきだ。しかし、塚部検事それを黙殺する形で3月31日、起訴した。


起訴後の弁護活動 胃癌発覚後も勾留

 起訴後の弁護活動としては、まず身柄の早期解放に向けて保釈請求を、2020年4月から翌年1月まで8度にわたっておこなった。しかし、まったく保釈されず、勾留は約11カ月続いたその間に相嶋氏は進行胃癌が発覚し、発覚しても保釈が認められず、勾留執行停止が認められて大急ぎで大学病院で診察を受けるところまでいったが、それでも自由ではないので後手後手になってしまって、保釈請求が通らないまま2021年2月に亡くなった身柄拘束がされていなければ、もっと生きられたはずだ

 第二に、無罪を勝ちとるための弁護活動をおこなった。一つの切り口は法令解釈で、そもそも公安部の理論、ヒーターの熱で菌を殺せるという乾熱殺菌理論が学術的にはありえず、国際基準にもない。国際基準は薬液を流してやるのが殺菌だという考え方だ。日本だけが「消毒」を「殺菌」と誤訳し、「熱風を送れば殺菌できる」という殺菌理論ができたわけだが、その理論自体が間違っているのではないか。

 もう一つの切り口が器械性能で、測定口は温度が上がらないのだから、公安部の殺菌理論を前提としても殺菌性能はないという主張だ。そこでヒーターによって滅菌・殺菌できるほどの温度に上がるかどうかを実験してみた。すると測定口の温度がまったく上がらないことが判明した。「微生物を微粒化した場合、測定口に粉体が入り込むこともあるか?」と同社の従業員に聞くと、「粉体は入り込む。風の流れない所なので温度が高くなり難い箇所になる」との返事をもらった。この段階でわれわれは無罪判決を意識した。公安部がやった実験の結果も出てきたが、測定口は測っていなかった

 2019年11月には、警察の内部告発文書が届いた。われわれの方向が間違っていないことを確信した。

 さらに法令解釈の部分で怪しい動きを見つけた。捜査の初期の段階で、経産省と警視庁が非常に長い期間、何回も密談していることがわかった。その内容が捜査資料として出ていない。裁判所を通じて開示請求すると、検事は「経産省メモはあったが、経産省が拒絶していて開示できない」という。裁判官が何度も促すことで、検事は「(2021年)7月30日までに黒塗りの場所を決めて開示する」と約束した。そして約束の日、検事は起訴を取り消した。経産省メモはそれほど出したくないものだった。今、公安部が作成した検事相談メモ(2021年7月21日)が明らかになっている。そこで検事は起訴を取り消す理由として、一つは「実験したけど殺菌できなかった」、もう一つは「経産省メモを読むと、うがった見方をすると意図的に立件方向にねじ曲げたという解釈を裁判官にされるリスクがある」とのべている。経産省メモには、公安部が立件方向にねじ曲げ、経産省を寄り切ったという内容が書かれていることが想像される。経産省メモは後日、入手した。


国家賠償請求訴訟 事件捏造の認定求め

     (国家賠償請求訴訟の第一審では大川原化工機側が勝訴
      (昨年12月27日、東京地裁前))

 検察官の起訴取り消しを受け、東京地裁は2021年8月3日に公訴棄却を決定。その翌月の9月8日、大川原化工機は国家賠償請求訴訟を提起した。

 一審ではわれわれが勝訴した(2023年12月)。しかし双方が控訴した。われわれがなぜ勝ったかというと、「(公安部や検事が)従業員から指摘を受けていたのに、測定口の温度に関する捜査をおこなわずに逮捕・起訴したことは違法」、つまり測定口を測っていないという「捜査ミス」「捜査不足」で勝っている。

 しかしこの事件は、証人尋問でH警部補が捏造と認めたように非常に悪質な事件だ。ところが一審では、公安部が殺菌解釈について経産省見解を立件方向にねじ曲げたこと事件そのものが捏造だったことについて認定を受けることはできなかった

 だからわれわれが控訴したのは、真相を裁判所に事実認定してもらわないと、警視庁公安部や検察庁は事件を真摯(し)に振り返らないと思ったからだ。


公安部はなぜ暴走した 経産省は検証もせず

 最後に、公安部はなぜ暴走したのか? この事件が報道されることでいろんな協力者が出てきて、だいたいの事実がわかってきた。それをわれわれの見立てで話す。

 端緒は2017年3月だ。ガサ入れの1年半前から、捜査は始まっていた。

 捜査をおこなったのは警視庁公安部外事第1課第5係で、不正輸出の捜査を担当するチームだ。不正輸出の案件をいつも捜している。しかし不正輸出の案件は少なく、検挙された数も少ない。ここ7~8年で数件しかない。大川原化工機事件の前に第5係は安井インターテックを書類送検したが、検事が起訴猶予にした。2017年3月24日だ。

 今回、なぜ捜査が始まったかというと、3月8日の税関の貿易講習会に若い巡査長が参加して、そこで「殺菌の概念が曖昧で、国際的にも規制できていない」という話を聞く。戻って報告すると、係長が「いいね」「噴霧乾燥器と凍結乾燥器について聞きに行こう」といって講師のところに行く。聞くと、「噴霧乾燥器は規制が始まって5年で、規制要件が曖昧だ」「業界ナンバーワンの大川原化工機という事業者があり、高性能の噴霧乾燥器をつくれる」「トップ企業で外資系でもないし、中小企業だ」とわかった。「いいねということで捜査が始まった

 第5係は東京税関の協力を得て、規制が始まってからの大川原化工機の輸出実績49件を調べた。すると、噴霧乾燥器の三つの規制要件のうち、ハの滅菌・殺菌の要件をいつも「非該当」にして輸出していることを把握した。それなら滅菌・殺菌できることを証明できれば非該当をひっくり返せると気づく。そして要件ハだけ非該当にしている9件の中から中国向けの汎用機にしぼったら、噴霧乾燥器RL-5が出てきた。つまりこの器械が危ない使い方をされたから狙われたのではまったくなく、あげるために、あげやすいものにしぼることで浮上したわけだ。

 第5係は次に、同業他社やユーザーにヒアリングしたが、ヒーターで乾熱して殺菌できるとして輸出許可をとっているメーカーは一社だけ。他社は大川原化工機と同様、薬液で流すのが殺菌だから、そうでないものは輸出許可申請をしていなかった。また、実際に乾熱殺菌しているユーザーはゼロだった。公安部の考え方は通らなかったが、宮園第5係長は「実務は関係ない。理論的に殺菌できるなら立件できる」と捜査を進めた。

 2017年9月から、第5係は「規制に該当する」という経産省の見解を得るための折衝を始める。経産省は当初、公安部の解釈を否定したしかし2018年2月、急転直下、ガサ入れまでなら協力するというきわめて政治的な対応をとった。それまでに公安部が経産省とのミーティングで、ガサ入れで黒い証拠が必ず出るからと働きかけていたことがわかっている。

 他方で第5係は実証実験をおこなった。細菌が死滅する温度条件を乾熱乾燥器で特定した(110度で2時間温めればよい)が、機器の下部の温度が上がらないことがわかり、その場所も温度条件をクリアするような実験をおこなってなんとか資料をそろえた。

 こうして警視総監の承認や検事の了解もとって、大々的にガサ入れを実行した。しかし、なにも出てこなかった。そうなると任意の取り調べを延々とやって、「殺菌できると自白をとるしかない

 ところが2018年12月、取り調べを始めた3日目に、従業員から「測定口は温度が上がらない」という話が出てくる。翌1月には、噴霧乾燥技術にもっともくわしい故・相嶋顧問からも同じ指摘がされた。

 これを聞いた捜査員の一人が測定口の温度を確かめるよう進言するが、しかし宮園係長は「従業員の言い訳だ。信じる必要はない」「結果が出なかったらどうするんだ。事件潰れて責任とれんのか」といい、測定口の温度を測らせなかったそれを握り潰したまま、塚部検事の了解を得て立件に進んだ。

 なぜ宮園係長は実験を握り潰したのか。証人尋問の中で明らかになったのは、係長は大川原化工機の前に別の事業者を書類送検したが、検事にハシゴを外された。彼の任期から考えて、この事件が最後のチャンスだった。そのうえ実験を10回以上もやり、警視総監の了解もとって、120人体制でガサをやったのだから、もう立ち止まれない。

 証人尋問では「捜査員の出世欲からそうなった」という発言が出た。彼にとっては万が一にも測定口を測って温度が上がらないことがわかったら、それを隠すことはできない。だから測定口の温度は、彼としては測れなかった。

 最後に、経産省は大丈夫か? そもそもできの悪い省令をつくったのは経産省で、その検証もせず、そのうえ公安部のガサを受け入れ、大川原化工機からの相談に対しては事後審査すらおこなわず、解釈も示さないままだった

 日本の産業を育てるべき経産省が、結果的に法令の不備を公安部に利用され、企業を売った形となった。こうしたことはけっしてあってはならない。
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●「市民が自由に発言できるよう改憲をくい止め共謀罪法、秘密保護法を廃止することが戦争への道を止める」

2018年06月23日 00時00分02秒 | Weblog

青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも… ↑】



1年以上前の記事を二つ。東京新聞の伊東浩一記者による記事【27年前の「横浜事件」映画が続々再上映 「共謀罪」審議の中「歴史の教訓に」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017051590135422.html)と、
桐山桂一さんのコラム【【私説・論説室から】松川事件を記憶遺産に】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017061902000139.html)。
今日の東京新聞』(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/)から、再びすいません、コピペ・マゴビキさせて頂きました。【言わねばならないこと/「戦える国」に変質 斎藤貴男さん】(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2018/06/15/125008)。

 《戦時下の治安維持法による言論弾圧を題材に、27年前に富山県朝日町などで撮影された映画「横浜事件を生きて」が今、各地で上映されている。生き証人として事件を語り続けた元雑誌編集者、木村亨さん(1998年に82歳で死去)を追ったドキュメンタリー。戦争に批判的な言論人らを取り締まるため警察が拷問で事件をつくり上げていく過程が当事者の証言で生々しく再現され、反響を呼んでいる》。
 《奪われた自由 戦前想像して…思想信条の自由が奪われた戦前を思い起こしてほしい。無理にでも想像する力を働かせないと、歴史は必ず繰り返される》。

 アノ無茶苦茶から、もう1年。
 「平成の治安維持法」が、与党自公・癒党お維のオカゲで衆院、そして、参院を突破して1年。森達也さんの《4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ》が思い出される…《ならばこの4年で憲法を変えることが充分に可能に…つまり法案はさくさくとすべて通る》…その通りの酷き状況。




   『●「平成の治安維持法」=「テロ対策には 
     全く役に立たない共謀罪を、誰が何のために作ろうとしている」?
   『●「官憲が内心に踏み込んで処罰して、
     人権を著しく侵害した戦前、戦中の治安維持法」が亡霊のように…
   『●「戦前の治安維持法」の亡霊…「共産党幹部の
     夫のために家事をしただけで処罰の対象に」という悍ましさ
   『●ソレは既に彼らの手中…「大量監視の始まり。
      日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものに」
   『●「国連とは別の個人の資格」な訳のない
     国連特別報告者のアピールを無視?…沖縄でのプレ「治安維持法」

   『●『キネマ旬報』…「戦前・戦中の言論弾圧につながる
        治安維持法が成立した大正末期と…現在が似ている」
   『●Leaderでなく、狂気なDictator…
      しかも、壊憲に向け、使う話法はドアホウワホウ
   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」
      「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」
   『●「本当の権力の恣意的運用というルビコン川を渡った」自公お維
                         …「平成の治安維持法」参議院突破


 主犯「A」の好き嫌いで、「こんな人たち」と指差される社会…それでいいの?
 東京新聞の記事【「共謀罪」成立1年 「監視社会強化招く」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018061602000139.html)によると、《自由人権協会代表理事の芹沢斉(ひとし)・青山学院大名誉教授は、一年前に与党が参院法務委員会で採決を省略する異例の手続きで議論を打ち切り、参院本会議で採決を強行したことを振り返り「こんな暴挙をしたのは、近代刑法の原則に違反する悪法だからだ」と指摘。「『犯罪』をかぎつけ、立証するには通信の秘密やプライバシーを侵害する捜査手法が伴う。人権からも大いに問題がある」とも述べ、「皆さんと一緒に廃止に向かっていきたい」と呼び掛けた。…弁護士有志らでつくる「共謀罪対策弁護団」の海渡雄一弁護士は、市民のプライバシー情報が集まるIT企業の警察への情報提供について複数の市民団体でアンケートをとったところ、国内大手八社から回答がなかったことを報告し、情報収集に対する監督機関の必要性を指摘。「市民が自由に発言できるよう改憲をくい止め、共謀罪法秘密保護法廃止することが戦争への道を止める」と訴えた》。

   『●「平成の治安維持法」…「いつの間にか「こんな人たち」に
                くくられる危険性が、この法には色濃く潜む」
    「沖縄タイムスの磯野直記者のコラム【[大弦小弦]具体的な犯罪行為が
     なくても…】…《合意という「心の中」を処罰できる「共謀罪」法が11日、
     施行された…軍国主義が拡大し、同法は一般人の権力批判と
     少数意見も徹底的に弾圧した。何かが劇的に変化したわけではない。
     昨日より今日と、なし崩し的に社会の空気を変え、言論の自由を
     消滅させた》。…よっぽど後ろめたいのだろう、こんな短期間で
     「平成の治安維持法」を施行。じわじわとボディーブロ-のように…
     今は何も感じなくても。気づいた時には茹でガエル。いま踏んばらねば」


 《毛利正道弁護士…治安維持法の制定時にも、政府や警察は『乱用はしない』と再三説明していた。実際には拡大解釈され、戦争に反対した人たちが摘発された。歴史的教訓としなければならない》。
 《戦後最大の冤罪…一審で死刑判決を受けた男性(93)は十年近く拘置所に入れられ男盛りの時代を奪われた。本紙に「『共謀罪』に反対だ実行行為すらいらず、何にでも適用できる。権力の横暴に歯止めがかからなくなる」と答えていた。冤罪。人間の愚かしさも記憶として後世に伝えねばならない》。

 平成の治安維持法と監視・密告社会。冤罪・謀略と国鉄三大謀略「事件が、一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」…。

   『●『日本の公安警察』読了(1/2)
    「GHQの策略・謀略。《一九四九年は、いわゆる公安事件が続発した
     年だった。下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件
     (八月一七日)…。いずれをとっても謀略の色が濃く、…
     「キャノン機関」が実行に関わったと指摘されるなど、今も多くが
     謎に包まれている事件ばかりだ》」

   『●国鉄三大謀略「事件が、
       一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」

 斎藤貴男さん曰く、《奪われた自由 戦前想像して》と。さらに、《権力が市民を監視し、民主主義の絶対条件である「思想信条の自由」を奪う内容に危機を感じ、廃止を訴え続けてきた。その自由を安倍政権に奪われてしまったことに、改めて怒りと屈辱を感じている…思想信条の自由が奪われた戦前を思い起こしてほしい。無理にでも想像する力を働かせないと、歴史は必ず繰り返される》とも。
 是非、斎藤さんの警鐘に耳を傾けてほしい。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017051590135422.html

27年前の「横浜事件」映画が続々再上映 「共謀罪」審議の中「歴史の教訓に」
2017年5月15日 13時54分

 戦時下の治安維持法による言論弾圧を題材に、27年前に富山県朝日町などで撮影された映画「横浜事件を生きて」が今、各地で上映されている。生き証人として事件を語り続けた元雑誌編集者、木村亨さん(1998年に82歳で死去)を追ったドキュメンタリー。戦争に批判的な言論人らを取り締まるため警察が拷問で事件をつくり上げていく過程が当事者の証言で生々しく再現され、反響を呼んでいる。 (伊東浩一)

 三月下旬、長野県岡谷市で開かれた上映会。スクリーンの中で、生前の木村さんが問い掛ける。「『おまえたち、ここで殺していいんだぞ。天皇陛下の命令だ』と(警察官が)堂々と言う。まさに殺されそうだった。こんなむちゃくちゃな時代を想像できますか

 雑誌「中央公論」の編集者だった木村さんは四二年、朝日町出身の国際政治学者、細川嘉六らと新潟県境の親不知(おやしらず)海岸を観光し、同町の旅館「紋左(もんざ)」に宿泊。だが、警察はこの集まりを共産党再建を準備する目的だったと決め付けた。治安維持法違反容疑で木村さんら編集者、研究者ら六十人以上を芋づる式に逮捕し、拷問で四人が獄死。木村さんは丸太の上で正座させられ、さらに警察官が膝の上に乗るといった拷問を受け、うその自白をした

 映画製作では、朝日町で木村さんらを接待した芸者、横浜拘置所の看守らにも取材。証拠がない中、事件がつくり上げられた実態を浮き彫りにする。「情けないことに、あの侵略戦争に屈し、拷問に屈したが、もうこれ以上は許せない」。木村さんが再審請求で冤罪(えんざい)を勝ち取ることを誓い、涙ぐむ場面で映画は終わる。

 上映会を企画した毛利正道弁護士は「大きな衝撃を受けた。今、政府は共謀罪(組織犯罪処罰法改正案)の成立を目指しているが、治安維持法の制定時にも、政府や警察は『乱用はしない』と再三説明していた。実際には拡大解釈され、戦争に反対した人たちが摘発された歴史的教訓としなければならない」と語る。

 <横浜事件> 1942年、細川嘉六(1888~1962)が雑誌「改造」の掲載論文を「共産党の宣伝」と批判され、警視庁に治安維持法違反容疑で逮捕された。その後、神奈川県警特別高等課(特高)が押収した紋左の写真をもとに、細川らが共産党再建準備会を開いたとして、同容疑などで言論、出版関係者ら60人以上を投獄。拷問で4人獄死、30人余りが起訴される戦時下最大の言論弾圧事件となった。2010年2月、元被告5人の刑事補償を巡る横浜地裁決定は「共産党再建準備会の事実を認定する証拠はない」とし、「実質無罪」と認められた。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017061902000139.html

【私説・論説室から】
松川事件を記憶遺産に
2017年6月19日

 戦後最大の冤罪(えんざい)は松川事件であろう。一九四九年に福島県内で起きた列車転覆事故である。線路継ぎ目のボルトが緩められレール一本も外され、転覆するように仕組まれていた。機関士ら三人が死亡した。

 警察は当時の国鉄の大量人員整理に反対していた労働組合員による犯行だと決め付けていた芋づる式に組合員らが逮捕された。

 一審では被告二十人が全員有罪、うち死刑が五人、五人が無期懲役だった。二審も有罪だったが、最高裁が二審を破棄。差し戻し審で全員が無罪となり、これが確定した。

 冤罪であったことが明白となったが、その背景には弁護団の活躍ばかりでなく、作家の広津和郎が「中央公論」で無罪論を書くなど、作家らの支援運動があったことがある。

 福島大学には松川事件の資料がある。八八年に開設した松川資料室には十万点にのぼる関係資料を収集・公開している。同大ではこれをユネスコの「世界記憶遺産」への登録を目指している。既に国内委員会に対して登録申請の手続きを済ませた。

 一審で死刑判決を受けた男性(93)は十年近く拘置所に入れられ男盛りの時代を奪われた。本紙に「『共謀罪』に反対だ。実行行為すらいらず、何にでも適用できる。権力の横暴に歯止めがかからなくなる」と答えていた。

 冤罪。人間の愚かしさも記憶として後世に伝えねばならない。 (桐山桂一
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http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2018/06/15/125008

今日の東京新聞
購読している東京新聞の記事を紹介します。読者の応援ブログです。

                       2018-06-15
       言わねばならないこと110 斎藤貴男さん

言わねばならないこと/「戦える国」に変質 斎藤貴男さん/2面


奪われた自由 戦前想像して

 「共課罪」法(改正組織犯罪処罰法)の成立から1年。権力が市民を監視し、民主主義の絶対条件である「思想信条の自由」を奪う内容に危機を感じ、廃止を訴え続けてきた。その自由を安倍政権に奪われてしまったことに、改めて怒りと屈辱を感じている。

 共謀罪は、テロの未然防止の名目で一般市民がテロリストか否かを見分けるところから捜査を始める。性悪説に立ち、市民を見張るべき対象に位置づけている。本来、見張るべき対象は権力側ではないのか

 この1年間に財務省の文書改ざんや自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)などの問題が次々と明らかになった。権力こそ暴走したら恐ろしい。「権力は判断を誤らない」という考えはもはや信用できない

 こういう話をすると「被害者意識ばかり膨らませている」と批判を受ける。確かに共謀罪の疑いで逮捕された人はまだいない。でもそれは、単に権力が逮捕しなかったということにすぎない恣意(しい)的な判断で逮捕できるという現状は変わらず、むしろ社会は監視の度合いを強める方向に向かっている

 共謀罪法が成立した前年には通信傍受法が改正され、警察が会話を盗聴できる対象犯罪が広がった。今月から他人の罪を密告すれば自分の罪を軽くできる司法取引制度も始まっている。

 全ての動きは連動している。この国の「自由度」は極端に狭まっている

 気掛かりなのは、社会が現状に無関心であるように感じられること。戦争がない状態が当たり前の時代に育った人が大半を占めているから仕方ないかもしれない。だが、思想信条の自由が奪われた戦前を思い起こしてほしい。無理にでも想像する力を働かせないと、歴史は必ず繰り返される


 さいとう・たかお/フリージャーナリスト 1958年、東京生まれ。早稲田大卒。日本工業新聞、週刊文春などの記者を経てフリーに。2013年から放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会委員。主な著書に「戦争経済大国」など
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●「2大ファシスト」「独裁者」のための憲法違反の「ト」な「デモ封じ条例」=東京都迷惑防止条例壊悪案

2018年04月07日 00時00分33秒 | Weblog

[※ 東京「ト」迷惑防止条例壊悪案 (『サンデーモーニング』2018年3月25日)↑]



日刊ゲンダイの記事【都議会で可決の“デモ封じ条例” 「憲法違反」と学者が批判】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/225674)。
リテラの記事【官邸前で「安倍は嘘つき」と声をあげたら逮捕? 東京都でデモや直撃取材を取り締まれる恐ろしい条例が成立寸前!】(http://lite-ra.com/2018/03/post-3899.html)。

 《たった1時間の審議で小池都知事がスピード成立をもくろむ「デモ封じ条例」こと、都迷惑防止条例の改悪。22日、都議会の警察・消防委員会で、11対1の大差で可決された。都民ファースト(都F)や公明、自民など大半が賛成し、反対は共産だけ。小池知事は29日の本会議で一気に成立させるつもりだが…この条例案は明らかに憲法違反だ…抜き打ち立法や憲法無視は安倍首相と同じ独裁者の常套手段だ。本会議採決は何が何でも阻止しないとダメだ》。
 《それに隠れるかのようにひっそりと、恐ろしい条例案が成立しようとしている。「東京都迷惑防止条例改正案」》。


 水質汚濁防止法の一律排水基準に対する〝上乗せ基準〟をトファ・キトが悪用か? 《法律よりも厳しい環境基準など、特例的に規制の“上乗せ”を容認》。あくまでも「一律排水基準」より《厳しい》ものであるが、それを憲法違反の「ト」な「デモ封じ条例」へと《厳しい》ものへと壊悪。《憲法で保障された市民のデモや抗議活動、ジャーナリストによる取材を取り締まることが可能になる、共謀罪にも通じる弾圧・ファシズム条例案》。

   『●金子修介監督ショートムービー『希望の党☆』(2005年)…
                 「…を日本の政界が後追いしているみたい」

 『サンデーモーニング』(2018年3月25日)にて青木理さんは、東京都迷惑条例について。「名誉を害することを告げる」「監視していると告げる」「みだりにうろつく」…デモ集会ビラが抵触したり、取材を規制することに、なると。既に3月22日に委員会可決。3月29日本会議で採決。
 採決の結果は、言うまでも無く、可決。東京新聞の記事【改正迷惑防止条例が成立 都議会 市民活動萎縮の恐れも】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201803/CK2018033002000150.html)によると、《2018年3月30日 朝刊…東京都議会は二十九日、本会議を開き、つきまとい行為や盗撮の規制を強化する都迷惑防止条例改正案を、共産などを除く賛成多数で可決した。施行は七月一日。恨みやねたみなど悪意の感情に基づくつきまといの禁止行為を四種類から七種類に拡大する。罰則は一年以下の懲役か百万円以下の罰金に強化する…条例に対し、弁護士らでつくる自由人権協会は、恋愛感情による嫌がらせ行為を取り締まるストーカー規制法と異なり、悪意の感情は定義が曖昧なため、「乱用の危険が大きい」と指摘。市民活動や報道を萎縮させる恐れがあるとして、反対声明を出している》。

 この「数多」のアベ様御夫妻案件のドサクサに紛れて、一体、トファキトは何を考えてるのか…。《「乱用の危険が大きい」…市民活動や報道を萎縮させる》ことで、一体どんな「ト」政を目指しているのだろう。似た者同士、似た体質のアベ様の「政」を支援するつもりだろうか? 《抜き打ち立法や憲法無視は安倍首相と同じ独裁者の常套手段だ》《事実上、小池都知事と安倍首相という“2大ファシスト”がタッグを組み、市民を上から押さえつけようというのだ》…怖い世の中になったものだ。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/225674

都議会で可決の“デモ封じ条例” 「憲法違反」と学者が批判
2018年3月23日

     (デモがヤバいぞ(C)日刊ゲンダイ)

 たった1時間の審議で小池都知事がスピード成立をもくろむ「デモ封じ条例」こと、都迷惑防止条例の改悪。22日、都議会の警察・消防委員会で、11対1の大差で可決された。

 都民ファースト(都F)や公明、自民など大半が賛成し、反対は共産だけ。小池知事は29日の本会議で一気に成立させるつもりだが、日刊ゲンダイが再三、指摘している通り、この条例案は明らかに憲法違反だ

 この条例案でハッキリ違憲と断言できるのが名誉毀損の規制強化だ。名誉毀損規制を見ると、刑法の要件が大幅に緩和されている。現行の刑法は公然と人の社会的評価を低下させることに限定されており、被害者の告訴も必要。しかし、条例案はこれらの要件がすべて削除されていて、主観的な感情でも、捜査機関の腹ひとつで取り締まりが可能になるのだ。

 確かに憲法94条は地方公共団体が「法律の範囲内で条例を制定することができる」と規定している。法律よりも厳しい環境基準など、特例的に規制の上乗せを容認しているのがその例だ。これを理由に警視庁の市村諭生活安全部長は委員会審議で「刑法が容認している」と説明していたが、冗談ではない。


■3・29本会議の安易な賛成は許されない

 この条例が成立すれば、抗議デモや市民のオンブズマン活動、記者の取材が大幅に制約される可能性が高くなる。都議会でこの点を問われた小池知事は基本的には乱用されないシレッとしていたが、何ら乱用防止策はないのだから信じられるはずがない。立正大の金子勝名誉教授(憲法学)が言う。

   「名誉を害することは許されることではありませんが、名誉というのは広い概念。
    捜査当局が何でも取り締まれることになり、表現・言論の自由を
    侵害しかねない。そのため刑法は、被害者の告訴を必要とした上、
    社会的評価に限定したのです。これが名誉毀損罪の肝です。
    その要件を削除するなどとんでもない。都条例の名誉毀損規制は
    明らかに憲法94条違反です」

 憲法学者からも批判の声が続出しているにもかかわらず、小池チルドレンの都議会最大会派「都F」の増子博樹幹事長は日刊ゲンダイの取材に、「本会議でも会派全員で賛成する」と言うからアングリだ。抜き打ち立法や憲法無視は安倍首相と同じ独裁者の常套手段だ。本会議採決は何が何でも阻止しないとダメだ。
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http://lite-ra.com/2018/03/post-3899.html

官邸前で「安倍は嘘つき」と声をあげたら逮捕? 東京都でデモや直撃取材を取り締まれる恐ろしい条例が成立寸前!
2018.03.24

     (小池ゆりこオフィシャルサイトより)

 森友文書改ざん問題が世間を大きく揺るがしているが、それに隠れるかのようにひっそりと、恐ろしい条例案が成立しようとしている。「東京都迷惑防止条例改正案」だ。

 この条例案の何が恐ろしいかといえば、憲法で保障された市民のデモや抗議活動、ジャーナリストによる取材を取り締まることが可能になる、共謀罪にも通じる弾圧・ファシズム条例案だからだ。

 しかも、一昨日22日、東京都議会の警察・消防委員会でこの「迷惑防止条例改正案」が、共産党をのぞく都民ファーストの会、自民、公明、民進・立憲民主党などのすべての会派による賛成多数で可決。29日に本会議で採決がおこなわれる予定で、ここで可決・成立すれば、今年7月には施行されてしまうのである。

 この迷惑防止条例改正案のどこが危険なのか。そもそも、この改正案は警視庁が定例議会に提出したもので、警視庁は改正について「盗撮を取り締まるため規制対象の場所を拡大」と、ストーカー規制法を補うために「SNS利用者の増加に伴って新たなつきまとい行為に対応するべく行為類型を追加」するものだと説明している。

 問題は、このつきまとい行為の類型に追加されるものだ。以下に挙げよう。

   「みだりにうろつくこと」
   「監視していると告げること」
   「電子メール(SNS 含む)を送信すること」
   「名誉を害する事項を告げること」
   「性的羞恥心を害する事項を告げること」

 これらの行為自体はすでに改正ストーカー規制法によって規制対象となっている。しかも、同法では規制対象は「特定の者に対する恋愛感情その他好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」、すなわち「恋愛感情」を理由にした行為であることと規定されている。これはストーカー行為の大半が恋愛感情をもとにして引き起こされているからだ。

 しかし、現行の迷惑防止条例の規制対象は、「正当な理由なく、専ら、特定の者に対するねたみ、恨みその他の悪意の感情を充足する目的」となっている。ストーカー規制法にくらべて対象が広範囲に及ぶのだ。その上、罰則のほうも改正によって「6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金」から「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」へと大幅に引き上げられる。

 つまり、この条例改正案が成立・施行されれば、国会前や官邸前などで安倍は嘘つき」「アホ首相はさっさと辞めろと抗議したり、SNS上で発信することあるいは都庁前で小池百合子はファシストと叫ぶことさらには労働者が会社の前でブラック企業だと抗議したりビラを配布することなども、すべて「名誉を害する事項を告げること」だとされ、条例違反として逮捕される可能性があるのだ。

 さらに、ジャーナリストが取材のために会社や自宅周辺で聞き込みをしたり、張り込むこともみだりにうろつくとみなされる可能性もあるし、写真を撮ったり、当事者に直撃することも監視していると告げるに該当しているとして検挙されることも考えられる。


小池百合子都知事は乱用の危険性を問われ、「“基本的に”ない」と

 こうした市民による正当な抗議活動やジャーナリストの取材活動は、当然、言論・表現の自由、報道の自由、国民の知る権利といったように憲法によって保障されている。今回の都の迷惑防止条例改正案は憲法に違反する疑いさえあるのだ。

 しかも、もっとも危険極まりないのは、被害者ではなく警察官の判断によって逮捕・告訴ができるという点。警察官が安倍は嘘つき」「安倍は辞めろという抗議を悪意の感情と判断すれば、逮捕できてしまうのである。定義の曖昧さをもって乱用される危険はかなり高いと言えるだろう。

 実際、迷惑防止条例の「つきまとい行為にかんする規制」は、2002年にも警視庁が都議会定例会に提出していたが、〈規制対象の広範性から憲法が保障する人権侵害であるとの世論の力によって削除され、実質廃案〉となった経緯がある(自由法曹団東京支部「東京都迷惑防止条例改正に反対する意見書」より)。にもかかわらず、そうした世論の危惧はまったく反映されないまま、唐突に都議会にあげられ、いままさに可決寸前のところまでトントン拍子で進んでしまったのだ。

 16日におこなわれた定例記者会見で小池百合子都知事は、乱用の危険性を記者から問われた際、「基本的にはない」と回答した。成立前から基本的には」と言っていることからしても、小池都知事の狙いは明白だ

 だいたい、この条例改正案でもっとも利するのは安倍政権であることは間違いない。連日、官邸前では、文書改ざんや森友問題に対する抗議活動が高まっているが、一方で警察による過剰警備はますますひどくなっている。もし条例改正案が施行されれば、「逮捕されるかも」という不安から足が遠のく人が出てくるだけではなく、不当な逮捕が続出する可能性まである。事実上、小池都知事と安倍首相という“2大ファシストがタッグを組み、市民を上から押さえつけようというのだ

 先述したように、この危険な改正案は29日に本会議で採決がおこなわれる。東京がこうした改正案を成立させれば、その動きが地方に広がることも大いに考えられる。言論に対する弾圧が平気でおこなわれる社会への、その瀬戸際に立っているのだ。

 都庁前では危機意識をもった市民たちが抗議の声をあげている。まだ、やれることはある。都議会第一党である都民ファーストをはじめ、賛成に回っている共産党以外の会派への抗議、メディアへの働きかけなどを含めて29日までに世論を高め、なんとしても廃案に追い込む必要がある。

(編集部)
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●アベ様による沖縄破壊: 「はるか遠く離れたノースダコタ州の先住民から沖縄の人々へのメッセージ」

2017年03月05日 00時00分30秒 | Weblog


東京新聞の記事【トランプ氏、環境保護より雇用 パイプラインの建設推進に署名】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201701/CK2017012502000238.html)と、
沖縄タイムスのコラム【米先住民らの抵抗現場を見た 民主主義の抹殺現場「スタンディングロック」 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(23)】】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/82928)。

 《米国は、地球環境保護より産業振興や雇用確保を優先する政策に転換した。建設を推進するのは、カナダで採掘した原油を米メキシコ湾へ運ぶ「キーストーンXLパイプライン」と、中西部ノースダコタ州からイリノイ州へ石油を運ぶ「ダコタ・アクセス・パイプライン」。キーストーンは、オバマ前大統領が環境破壊や地球温暖化につながるとして計画を却下していた。約九割が完成しているダコタは、予定地近くの先住民が水質汚染の懸念から反対運動を続け、建設が中断している》。
 《ノースダコタ州のスタンディングロック・スー族居留地…先住民たちにとってこの土地および近くを流れるミズーリ川は、先祖代々受け継いできた「聖なる土地・聖なる水」であり、彼らの生き方・世界観の礎となっている》。

   『●「民主主義の圧殺現場」としての
      辺野古破壊や高江破壊…生活と生態系を根こそぎ破壊
   『●沖縄破壊、「まるで学校における「いじめ」そのもの」…
            「傍観者たちが見て見ぬふりをすることで…」
    「「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設では、
     スタンディングロック・スー族やその支援者による反対運動により、
     オバマ政権は中止を決定したそうです。一方、辺野古や高江といった
     「民主主義の圧殺現場」(金平茂紀さん)では、オバマ政権は
     沖縄破壊や日米地位協定の滅茶苦茶ブリを全く無視している」

   『●オバマ政権の「二重基準」: 
      沖縄差別・沖縄破壊はトランプ次期大統領の就任で悪化?
    《オバマ政権は国内の先住民らの主張に配慮する一方、
     同じく自然環境への悪影響が指摘される沖縄の辺野古新基地建設や
     北部訓練場の新ヘリパッド建設では、県民の反対にかかわらず
     工事推進の立場を堅持している。“二重基準”が浮き彫りになった格好だ…
     ただ、トランプ次期大統領は建設を推進する方針を明言しているため、
     今回の決定が覆される可能性も指摘されている》
    「内政問題でさえも《トランプ次期大統領は建設を推進する方針を明言
     しているそうだ。外国であり、(トランプ氏が知っているとは思えないけれど)
     「本土」から「遠く離れた」沖縄破壊や沖縄差別が改善するとは全く思えない」

 沖縄では、トランプ大統領に対する無根拠な「夢」は無惨に打ち砕かれ…そして、番犬様の本国でも、「ダコタ・アクセス・パイプライン」が再開。沖縄および本国で、負の方向で「二重基準」が解消されました。翁長沖縄県知事らによる訪米も、残念ながら、無駄足だったと言わざるを得ない状況です。次の手は…?
 数週間前の『報道特集』でも、金平茂紀さんが報告されていました。《「…沖縄の人々にメッセージを持ち帰ってもらえるならば、彼らにこう伝えてください。彼らが立ち、守っているその土地は、スタンディングロックで私たちが立っているこの土地と同じです。私たちはそれほど遠く離れてはいません。心に勇気を持つように彼らに伝えてください私たちは成し遂げることができます。私は彼らのために祈ります。この世界でもがき苦しむ全ての人が共に立ち上がるべきなのです」 はるか遠く離れたノースダコタ州の先住民から沖縄の人々へのメッセージである》。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201701/CK2017012502000238.html

トランプ氏、環境保護より雇用 パイプラインの建設推進に署名
2017年1月25日 夕刊

 【ワシントン=後藤孝好】トランプ米大統領は二十四日、ホワイトハウスで国内の二つの石油パイプラインの建設を推進する大統領令に署名した。環境保護規制の緩和に関する大統領令にも署名。米国は、地球環境保護より産業振興や雇用確保を優先する政策に転換した。

 建設を推進するのは、カナダで採掘した原油を米メキシコ湾へ運ぶ「キーストーンXLパイプライン」と、中西部ノースダコタ州からイリノイ州へ石油を運ぶ「ダコタ・アクセス・パイプライン」。キーストーンは、オバマ前大統領が環境破壊や地球温暖化につながるとして計画を却下していた。約九割が完成しているダコタは、予定地近くの先住民が水質汚染の懸念から反対運動を続け、建設が中断している。

 トランプ氏は、パイプライン建設時に米国製の資材を優先して使用させることや製造業の工場建設などの規制緩和、優先度の高いインフラ整備で環境影響評価にかかる時間短縮の計五つの大統領令に署名。その後、記者団に「米国でパイプラインを建設するなら米国製を使うべきだ。これで多くの労働者を生むだろう」と強調した。キーストーンのパイプラインの建設部門では二万八千人の雇用が創出される可能性があると述べたが、人数の根拠には言及しなかった。
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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/82928

米先住民らの抵抗現場を見た 民主主義の抹殺現場「スタンディングロック」 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(23)】
2017年2月6日 14:35

金平茂紀
TBS報道記者、キャスター、ディレクター
1953年北海道生まれ。TBS報道記者、キャスター、ディレクター。2004年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に「ホワイトハウスから徒歩5分」ほか。


 アメリカ合衆国第45代大統領にドナルド・トランプ氏が就任した。ホワイトハウス執務室の椅子に座るや、彼は大統領令を頻発し内外に混乱を引き起こし続けている。今、世界はトランプ大統領によって引っかき回されていると言っても過言ではない。僕は、そのトランプ大統領の就任式などを取材するために先月中旬からアメリカへと取材に向かった。

     (スタンディングロック・スー族居留地のキャンプ=1月、
      米国ノースダコタ州(筆者撮影))

 就任式翌日、全米で「女性大行進(Women,s March)」という大規模デモ行進があった。いやはや、大変なものだった。正直に記せば、この女性大行進こそが「歴史的」という形容詞にふさわしい出来事だと実感した。そのワシントンの数10万人規模のデモ行進の一角に、鮮やかな原色の衣装をまとった米・先住民たちの小集団がいた。立錐(りっすい)の余地もなく移動がままならない人ごみの中で、僕らは何とか体をずらして少しずつ彼らに近づいていった。

 彼らこそ、米ノースダコタ州でダコタ・アクセス・パイプライン(以下、DAPLと記す)という石油パイプライン建設工事に反対して闘っているスタンディングロック・スー族の人々だったのだ。彼らについてはすでにこの欄で触れてきたが、今回の米国取材で僕らは現地にまで足をのばして、どのようなことが進行中なのかを直接取材することができた。

 現地、ノースダコタ州のスタンディングロック・スー族居留地は、州都ビスマークから車で2時間あまり。現地に近づくにつれ風景が変わっていく。季節は真冬だ。雪原以外には何もない白い雪と潅木(かんぼく)のみの世界が広がっていた。寒い。日本から持っていった携帯カイロをいくつも体に貼り付けて取材にのぞんだ。先住民たちにとってこの土地および近くを流れるミズーリ川は、先祖代々受け継いできた「聖なる土地・聖なる水」であり、彼らの生き方・世界観の礎となっている。

 折から国連人権理事会傘下の作業部会などが主催する先住民たちからのヒアリングが行われていた。パイプライン建設に反対する先住民と支援者らの非暴力直接行動に対して、州政府警察、事業主が雇った警備員らが何をしたのか。それを丁寧に聴き取り、記録していく作業が行われていた。

 先住民の生々しい証言が続く。ゴム弾で撃たれた。催涙ガスを散布された。放たれた犬に噛(か)みつかれた。拘束され大きな檻(おり)に入れられ、腕に番号を刻印された。ビスマーク市の白人住民多数の社会の反対の声は聞き入れられ、パイプラインのコースが変更されたのに、先住民居留地の近くを通るのならいいのか。少なくとも現時点では国連人権理事会はこの問題に重大な関心をもっているようだ。

 今現在、現地では工事は止まっていた。なぜならば、前回この連載で記した通り、オバマ政権下で、工事の許可権限をもつ陸軍工兵隊が、去年12月に環境アセスメントの見直し等を決め、事業主に建設を許可しないという決定を下したからだった。だが現地に行って先住民たちから話を聞くと、彼らの多くは、これは「嵐の前の静けさ」だと冷徹に認識していた。そしてその通りになったのだ。

 トランプ大統領は就任わずか5日目の1月24日、DAPLを含む石油パイプライン工事の当初計画どおりの工事再開を命じる大統領令を発出したのである。まさにその日、僕らは現地で取材していた。何というめぐりあわせだろうか。「明らかにこの大統領令は先住民たちの顔に平手打ちを食らわせるようなものだ。彼らは環境アセスメントをやる気などさらさらない」(現地にいたアメリカ自由人権協会、ジャミール・ダコワール弁護士の発言)。

 先住民が抗議行動の拠点にしているキャンプには、さまざまな意匠に富んだテントが数多く設営されていた。僕らが訪れた時はせいぜい400人位しかいなかったが、一時は数千人がこのキャンプ地および近郊に結集していたという。スタンディングロック・スー族の行政庁で歴史編さん部の仕事をしている歴史家ジョン・イーグルさんに話を聞くことができた。

 「ここアメリカで主流とされる社会と私たち先住民とでは〈神聖〉とするものが異なるのです。私たちの祖先はこの土地から生まれでたこの土地から私たちの物語が始まったのです。アメリカ人のほとんどは海外から来た人たちです。私たちの先祖はこの土地に眠っていますが、彼らの先祖たちはここから遠く離れた土地に眠っています。ですから彼らのこの土地との絆は私たちが持つ絆とは異なるのです。土地を守り、水を守るのは私たちの当然の責任だと思っています。それで私たちは〈水の番人〉と呼ばれるようになったのです。ですから抗議活動とかデモなんていう軽い言葉は使いたくありませんね」

 豊かな知識に裏打ちされた確固とした語り口だった。実際、イーグルさんの話の内容は、7世代前の先祖たちの予言にまつわるものから、はるか未来の世代への責任など、時間のスケールが桁違いに壮大なのだった。最も懸念されるのがパイプラインからの石油漏れだ。実際かなりの頻度で石油漏れと環境汚染が起きている現実がすでにある。「私たちがそれを許したばかりに、子供や孫やひ孫が大惨事に対処しなければならなくなるのです」

 イーグルさんは、こちらが切り出す前にすでに沖縄の米軍基地建設に絡んで進行中の出来事のことを知っていた。

 「私たちにとって、この世の中にあるものの中で1番の薬はです。水は命です。沖縄の人々にメッセージを持ち帰ってもらえるならば、彼らにこう伝えてください。彼らが立ち、守っているその土地は、スタンディングロックで私たちが立っているこの土地と同じです。私たちはそれほど遠く離れてはいません。心に勇気を持つように彼らに伝えてください私たちは成し遂げることができます。私は彼らのために祈ります。この世界でもがき苦しむ全ての人が共に立ち上がるべきなのです

 はるか遠く離れたノースダコタ州の先住民から沖縄の人々へのメッセージである。

 (テレビ報道記者・キャスター)=随時掲載
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●マスコミと癒着する「司法・最高裁」の堕落ぶり

2012年02月09日 00時43分05秒 | Weblog


MY NEWS JAPANに出ていた黒藪哲哉さんの記事(http://www.mynewsjapan.com/reports/1563)。「押し紙による詐欺事件、どうも最近風向きが変わっているようで気になるところ。やはり司法の腐敗ぶりとも関係しているのか。

 堕落する司法と堕落するマスコミの癒着に関する興味深い記事。
 最高裁判事は、公正であろうとか、中立であろうとか、身綺麗であろうとか、そういう矜持はないものかね? 裁判員制度導入に際してのマスコミと共同してのタウンミーティングやらせ事件でも、恥じないその神経を疑う。

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http://www.mynewsjapan.com/reports/1563

ナベツネ&読売の代理人・TMI総合法律事務所に3人の最高裁判事が天下り 癒着するメディアと司法
黒薮哲哉
15:03 01/21 2012

 日本でトップ5に入る規模を誇るTMI総合法律事務所(東京・港区)に、最高裁の判事3人が天下っている事実が判明した。泉徳治、才口千晴、今井功の各氏だ。TMIは「読売VS清武」裁判で、読売側の代理人を務めている。さらに、最高裁は様々な研究会や懇談会を設置しているが、そこに2人の読売関係者が委員として抜擢されていることも分かった。読売から請求額が計約8千万円にのぼる訴訟を起こされている黒薮哲哉氏の裁判でも、そのうち1件でTMIが読売の代理人に入ってから、高裁まで勝ち進んでいたにもかかわらず、昨年12月、口頭弁論を開く旨の通知があり、最高裁で判決が覆る見通しとなるなど、異例の事態となっている。日本の司法制度に公平な裁判の土壌はあるのか、検証した。


Digest
裁判に固執する渡邉主筆
弁護士事務所への天下り
裁判官の任期は10年
内閣による最高裁長官の指名
最高裁と新聞業界の癒着
黒薮裁判、読売が逆転勝訴?
作曲家・穂口雄右さんの裁判



 読売の渡邉恒雄主筆とジャイアンツの清武英利代表が互いに宣戦布告して2カ月が過ぎた。提訴をほのめかした清武氏に対して、渡邉主筆は、

 「こっちが法廷に持っていくよ。10人の最高級の弁護士を用意している。法廷なら我が方の最も得意とするところだ。俺は法廷闘争で負けたことがない」

 と、自信のほどを示したのであった。

 発端は清武英利氏が、ジャイアンツのヘッドコーチの人事をめぐって渡邉恒雄会長のワンマンぶりを批判する声明を発表したことである。これに渡邉氏が応戦するかたちで係争が始まった。

 新聞人、それも大新聞の主筆が、ペンによる論争よりも、無条件に司法判断を求めるという姿勢は歪んでいるが、それ以前の問題として、そもそも彼らが過信している日本の裁判制度は、公平な土壌の上に成り立っているのか

 本稿では司法のタブーを検証してみたい。


裁判に固執する渡邉主筆

 渡邉主筆が代理人を依頼した「10人の最高級の弁護士」とは、次の方々である。(敬称略)

喜田村洋一、田中克郎、升本喜郎、高山崇彦、荻野敦史、宮下央、稲垣勝之、吉野史紘、金子剛大、谷口達哉


 このうち喜田村洋一氏は、薬害エイズ裁判で帝京大学の元副学長・安部英被告やロス疑惑事件の三浦和義被告を無罪にした著名な弁護士である。辣腕との評価が高い。読売新聞の代理人も務め、これまで一貫して読売には「押し紙」は存在しないと主張してきた。販売店に対する読売の強制改廃事件でも、改廃を正当とする複数の判決を勝ち取っている。

 また、伝統ある人権擁護団体・自由人権協会の代表理事も務めている。

 田中克郎弁護士らその他9名は、いずれもTMI総合法律事務所に所属している。この事務所に所属する弁護士は200名を超え、日本でも有数のマンモス弁護士事務所である。

 田中弁護士は創立メンバーのひとりで、現在は事務所の代表を務めている。

弁護士事務所への天下り
 裁判取材でわたしが着目する事柄のひとつが、裁判所と何か特別な関係を持った勢力が裁判に関与していないか、という点だ。たとえば、「原発は安全」判決書いた最高裁判事が東芝に天下りしていた事実は、マイニュースジャパンでも三宅勝久記者が報じた通りである。

 このような観点から、渡邉主筆が選んだ弁護士の大半が所属するTMI総合法律事務所について調査したところ、最高裁の元判事3名を含む、多数の官僚が天下りしている事実が判明した。

 TMI総合法律事務所に天下りしている元官僚は次の方々である。「」は元最高裁判事。

泉治:元最高裁判所判事・東京高等裁判所長官

 頃安健司:元大阪高等検察庁検事長

 三谷紘:元公正取引委員会委員・横浜地方検察庁検事正

 相良朋紀:元広島高等裁判所長官

今井功:元最高裁判所判事・東京高等裁判所長官

 塚原朋一:元知的財産高等裁判所長

 樋渡利秋:元検事総長

才口千晴:元最高裁判所判事


 さらに事務局長も天下りである。次の方である。

 松山隆英:元公正取引委員会事務総長


裁判官の任期は10年

 最高裁から特定の弁護士事務所への天下りは、現状では制限はないが、公平な裁判という観点からすると問題がある。最高裁が下級裁判所に対して甚大な影響力を持っているからだ。

 意外に知られていないが、裁判官には10年という任期がある(通常は再任され、裁判官を続ける)。一旦、裁判官になれば退職まで地位が保証されているわけではなく、勤務評定によっては、再任されないこともあるそれゆえ、下級裁判所の裁判官は、最高裁の動向に敏感になる.・・・・・・。

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●強大な氷山の一角としての冤罪発覚

2011年12月11日 01時22分28秒 | Weblog


CMLの記事の抜粋(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-November/013265.html)。さらにそれに関連した、同所からの2つの記事の抜粋(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-November/013267.htmlhttp://list.jca.apc.org/public/cml/2011-November/013269.html)。
 また、asahi.comから、布川事件支援団体の受賞の記事(http://www.asahi.com/national/update/1202/TKY201112020124.html)。

 犯人でもないのになぜ自白するのかとついつい思いがち。『冤罪ファイル』を見れば、警察の誘導や脅しで、やってもいないことを自白することはあり得ることが理解できる。名張毒ぶどう酒事件の冤罪発生から50年である。奥西勝さんは40年以上無実の罪で囚われたままだ。折角の再審開始にこぎつけたのに、その後も酷い経過。ということは、警察や検察と同様に、裁判官が無能か「悪(わる)」かだ。
 氷山の一角で、幸運にも冤罪をはらし得た人は、更にわずか。死刑にされた飯塚事件久間三千年さんのような例まである始末。冤罪の根は警察か、検察か、裁判官か、それともその全員か?

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-November/013265.html

[CML 013405] 【イベントのご案内】なぜ、無実の人が『自白』をしてしまうのか~取調べの全過程の録画が必要なワケ~

・・・・・・
2011 11 29 () 10:45:02 JST

みなさま

 いつもお世話になっております。監獄人権センターの松浦です。取調べの可視化に関するイベントのご案内をお送りいたします。よろしくお願いいたします。

***
【転送転載・歓迎】

□■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                        127日(水)

                取調べの可視化を求める市民集会
       なぜ、無実の人が『自白』をしてしまうのか
             ~取調べの全過程の録画が必要なワケ~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□

相次ぐ冤罪事件の無罪判決により、捜査機関の密室での無理な取調べが明らかになっています。取調べの可視化を導入すべきという声は高まっていますが、依然として、取調べの全過程の録画によって取調べの機能が低下し、供述を得にくくなるといった主張が捜査機関を中心に根強くあります。また、「罪を犯していないのに自白するわけがない」という意見も、いまだによく聞かれます。

今回は、自白の心理を研究し、『証言の心理学』(中公新書)の著者である高木広太郎さん、布川事件の冤罪被害者であるの桜井昌司さんなどをお招きし、無実の人が自白する過程や背景を考えながら議論していきます。ふるってご参加ください。

日時: 127日(水) 19:0020:30 (開場 18:30
会場: 弁護士会館2階講堂クレオ
     http://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/organization/map.html
    東京都千代田区霞が関1-1-3

    地下鉄丸の内/日比谷/千代田線「霞が関」駅 B1-b 徒歩1
    地下鉄有楽町線 「桜田門」駅(5番) 徒歩8
参加費:無料(事前申し込み不要)

□■□ プログラム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(1)
基調講演「自白の心理学-なぜ無実の人が『自白』をしてしまうのか」

  講師:高木光太郎さん(青山学院大学教授、法心理学)

(2) パネルディスカッション「取調べの可視化(全過程の録画)が必要なワケ」
  パネリスト
   高木光太郎さん
   桜井昌司さん(布川事件 冤罪被害者)
   青木和子さん(弁護士/布川事件弁護団/
          法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会委員)
   小坂井久さん(弁護士/法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会幹事)
  コーディネーター
   若林秀樹 氏(アムネスティ・インターナショナル日本事務局長)

主催:取調べの可視化を求める市民団体連絡会
【呼びかけ団体】アムネスティ・インターナショナル日本/監獄人権センター
            日本国民救援会/ヒューマンライツ・ナウ
【構成団体】国際人権活動日本委員会/社団法人自由人権協会/人権と報道・連絡会
        菅家さんを支える会・栃木/富山(氷見)冤罪国賠を支える会
        フォーラム平和・人権・環境/名張毒ぶどう酒事件全国ネットワーク
        袴田巖さんの再審を求める会/袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会
        布川事件・桜井さん、杉山さんを守る会/無実のゴビンダさんを支える会
        無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会

共催:日本弁護士連合会
共催予定:東京弁護士会/第一東京弁護士会/第二東京弁護士会
……………………………………………………………………………………………………

【お問合せ】
アムネスティ・インターナショナル日本    tel: 03-3518-6777
監獄人権センター                        tel: 03-5379-5055
日本国民救援会                  tel: 03-5842-5842
--

***********************************
特定非営利活動法人 監獄人権センター
事務局 松浦亮輔
Email : cpr at dolphin.ocn.ne.jp
Tel&Fax: 03-5379-5055

ホームページをリニューアルしました!
URL:http://www.cpr.jca.apc.org
***********************************

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================================================================================
http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-November/013267.html

・・・・・・
救援連絡センター kyuen at livedoor.com
2011
11 29 () 14:47:47 JST

救援連絡センターの・・・・・・です。「救援」などでも「可視化」を巡る危うさを訴えていますが、警察庁や法務省は「可視化」と引き替えに新たな捜査手法の検討に入り、すでに法制審も動き出し、日弁連の取り込みに入っています。「可視化」をするなら「自白偏重」の警察のこれまでの捜査方法を改めて、もっと証拠収集をやりやすくしなければ、治安対策が遅れるとして、これまでは人権侵害の恐れがあるとして取り上げられてこなかった、司法取引やおとり捜査、黙秘権制限などのあらゆる捜査手法が一気に実行されようとしています。すでに法制定なしに「GPS装着」や「DNA採取」などが現場では実践されています。「可視化」に反対ではありませんが、陪審員制度を要求する運動を逆手にとって、裁判員制度が作られたように、国家は我々の要求を利用して、より治安弾圧強化をねらってくることを阻止しなければもっと危険な状況になると思います。
・・・・・・。
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================================================================================
http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-November/013269.html

・・・・・・
2011 11 29 () 17:06:03 JST

前田 朗 です。
11月29日

「検察改革は 何をどう反省したのか」救援510号(2011年10月)を私のブログにアップしました。

     http://maeda-akira.blogspot.com/2011/11/blog-post_28.html

取調べの可視 化は必要です。重要です。
しかし、現在 の可視化論には疑問もあります。

第1に、取調 べの可視化だけに焦点を絞り、代用監獄その他の問題を隠蔽しています。取調べの可視化によって重大人権侵害はなくなりません。

第2に、検察 が主導している取調べの可視化は、警察による無法な取り調べの規制につながりません。現在主張されている取調べの可視化によって冤罪はなくなりません

第3に、検察 改革で進められているのは、取調べの可視化とバーター取引の検察権限の拡大です。現在主張されている取調べの可視化論によって、人権侵害はむしろ増える懸念すらあります。同様に、冤罪も形態を変えるだけに終わる懸があります。

・・・・・・。================================================================================

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http://www.asahi.com/national/update/1202/TKY201112020124.html

20111221656
再審無罪確定の布川事件支援団体に人権賞 東京弁護士会

 東京弁護士会は1日、優れた人権擁護活動をした団体に贈る「第26回人権賞」に、再審無罪が確定した布川事件の支援団体などを選んだと発表した。

 受賞するのは「布川事件桜井昌司さん杉山卓男さんを守る会」(事務局・東京)と、虐待被害にあった子どもらが避難するシェルターを民間で初めてつくった社会福祉法人「カリヨン子どもセンター」(同)。

 「守る会」は1976年に設立。今年5月に無罪判決を得るまで、犯人扱いされた桜井昌司さん(64)と杉山卓男さん(65)のため、裁判所への要請や署名活動を続けた。「カリヨン」は2004年からシェルターで子どもに衣食住を提供し、自立に向けた支援をしている。これまで190人以上の子どもが利用した。

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●最早嫌がらせが目的

2010年03月29日 05時00分32秒 | Weblog

My New Japan再び押し紙問題の記を発見。本問題の第一人者のジャーナリスト黒藪哲哉さんの記事で、押し紙問題での読売新聞の悪行について、再び。もはや、ほとんど嫌がらせです。

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【http://www.mynewsjapan.com/reports/
                                  1216】
読売「弱いものイジメ・嫌がらせ訴訟」第7戦へ 言論封殺の特高警察体質浮き彫りに
                  
黒藪哲哉 20:01 03/24 2010

 2001年に、配達部数6百部弱に過ぎない1店主である真村久三さんが、自称1千万部を発行する読売新聞との裁判に巻き込まれてから10年近い歳月が流れた。これまでの判決は、真村さんの6勝0敗。そして2月初旬、読売が判決を不服として保全抗告の申立て手続きを行い、裁判の舞台を福岡地裁から福岡高裁に移しての「第7戦」が決まった。最高裁が真村さんの地位を保全してもなお、ビラやパンフレットの配布、ノボリを立てる行為、さらに単行本の出版などの言論活動を解任理由にあげて最高裁決定に従わない読売。あらゆる手段を動員して言論を抹殺しようとするその姿勢は、正力松太郎元社主が幹部だった特高警察の活躍を連想させる。
【Digest】
◇読売による保全抗告
◇人権問題としての真村事件
◇「読売攻撃=悪」の視点
◇読売は憲法21条を否定するのか?
◇ノボリを立てたのはけしからん
◇出版の自由があやうい
調査報道に足枷
◇推測の記述に対しても名誉毀損
◇ペンに自信がないから裁判?
◇自由人権協会への疑問
・・・・・・
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●『死刑弁護人 ~生きるという権利~』読了(2/4)

2008年12月12日 08時01分09秒 | Weblog

【安田好弘著、『死刑弁護人 ~生きるという権利~』
光市事件での最高裁の弁論延期申請無視について (pp.32-35)。最高裁は、安田さんたちから事情聴取さえすることなく、却下。過去の慣例を無視し、この事件に限って、延期を拒絶。最高裁は、「・・・新弁護人が欠席することがわかっていて、弁論を強行した。わざわざ検察官に・・・非難の意見を述べさせ、・・・非難した。・・・自分たちの責任を棚に上げて、もっぱら非難の矛先を私たちに向けるための演出であった。・・・皮肉にもこれを差配した裁判長は弁護士出身で自由人権協会のメンバーでもあった」(pp.34-35)

刑事弁護の基本を理解していない府知事 (2) に、「懲戒請求が扇動され、総計六〇〇〇件もの懲戒請求が行われた」(p.43)。氏の主張に対し、広島地裁は「職責を正解せず失当」と判断 (102)

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