「大列車作戦」 1964年 アメリカ

監督 ジョン・フランケンハイマー
出演 バート・ランカスター ポール・スコフィールド
ジャンヌ・モロー ミシェル・シモン
シュザンヌ・フロン シャルル・ミロ
アルベール・レミー ジャック・マラン
ストーリー
ナチスドイツの敗戦濃くなった頃、連合軍はパリへ進撃していた。
パリでは独軍のフォン・ワルドハイム大佐は軍事費にあてるという名目で美術品の掠奪を開始していた。
美術館長のビラール女史は仏国有鉄道の操車係長ラビッシュに運び出しの阻止を哀訴、彼はパリ解放の日の近いことを知り、輸送列車の出発引き延ばしを決議した。
だが、美術品は列車に積まれ、ブル親爺の運転で出発することになったが、彼は機関車のエンジンに仕かけをして事故を偽装するというサボタージュを冒した。
彼とてレジスタンス要員として熱血漢だったのだが、それが露顕してブルは射殺された。
大佐は今までのサボタージュに激怒し、ラビッシュにその運転を命じた。
ドイツの警備兵たちは美術列車がパリを離れてドイツに近づいていると信じていた。
が、一夜明けてみると列車は出発点に戻っていた。
列車は一晩中パリ周辺を回っていたのだ。
ラビッシュの指令で通過駅の駅名標示板が一斉に書きかえられていたのだった。
大佐は激怒して関係者を殺害するように命じ、ラビッシュはホテルの経営者女性の助けを得て逃亡を図る。
大佐は一刻も早く国外へ運び出さねばと、部隊を総動員して機関車を出発させた。
今までのレジスタンス運動で多数が傷つき、ラビッシュが独力で阻止しなければならなくなった。
彼は傷つき、疲れながらパリ郊外へ先回りして線路を爆破して脱線させた。
その頃、すでに敗走する独軍部隊の流れが認められた。
警備兵たちは大佐を見捨てその流れにまぎれこんで行った。
パリでは独軍のフォン・ワルドハイム大佐は軍事費にあてるという名目で美術品の掠奪を開始していた。
美術館長のビラール女史は仏国有鉄道の操車係長ラビッシュに運び出しの阻止を哀訴、彼はパリ解放の日の近いことを知り、輸送列車の出発引き延ばしを決議した。
だが、美術品は列車に積まれ、ブル親爺の運転で出発することになったが、彼は機関車のエンジンに仕かけをして事故を偽装するというサボタージュを冒した。
彼とてレジスタンス要員として熱血漢だったのだが、それが露顕してブルは射殺された。
大佐は今までのサボタージュに激怒し、ラビッシュにその運転を命じた。
ドイツの警備兵たちは美術列車がパリを離れてドイツに近づいていると信じていた。
が、一夜明けてみると列車は出発点に戻っていた。
列車は一晩中パリ周辺を回っていたのだ。
ラビッシュの指令で通過駅の駅名標示板が一斉に書きかえられていたのだった。
大佐は激怒して関係者を殺害するように命じ、ラビッシュはホテルの経営者女性の助けを得て逃亡を図る。
大佐は一刻も早く国外へ運び出さねばと、部隊を総動員して機関車を出発させた。
今までのレジスタンス運動で多数が傷つき、ラビッシュが独力で阻止しなければならなくなった。
彼は傷つき、疲れながらパリ郊外へ先回りして線路を爆破して脱線させた。
その頃、すでに敗走する独軍部隊の流れが認められた。
警備兵たちは大佐を見捨てその流れにまぎれこんで行った。
寸評
第二次世界大戦でのドイツ占領下におけるフランスのレジスタンスを描いているが、ドイツと戦うのではなく略奪されそうになった絵画を守る鉄道員たちの活躍を描いているのがユニークだ。
主演はバート・ランカスターなのだが、真の主演は機関車と言っても良い。
敗色濃厚となったドイツのワルドハイム大佐がフランス所有の名画を機関車に乗せてドイツに運び出そうとする。
レジスタンスたちはそれを阻止しようとするので、必然的に機関車が登場するシーンが多い。
時に疾走し、時に爆破される。
冒頭のベイル操車場が連合軍によって空爆されるシーンは迫力がある。
セットではなく実際の操車場を使ったようで、当然ながら現場の背景がリアルである。
珍しい装甲機関車の登場もある。
フランスの国鉄が全面協力したとのことなので機関車が登場するシーンはカメラアングルによって迫力あるものとなっている。
恐らくドイツと戦った先輩たちに対する尊敬の念が全面協力をもたらしたのだろう。
バート・ランカスターの所作は熟練の技術者らしい本物の鉄道員に見えるし、機関車のパーツを作る場面をワンカットで撮っているのもすごい。
一つの事をやり遂げようとするフランス国鉄職員たちの一糸乱れぬチームワークに感動する。
大佐の報復によって擬走に協力した鉄道関係者が多数殺害されたことが語られるが、シーンとして描いても良かったのではないか。
その方が鉄道員たちの覚悟と犠牲が伝わってきたと思う。
レジスタンスでなくても当時のフランス国民がドイツを嫌悪する感情を持っていたことは容易に想像できる。
ジャンヌ・モローのホテル経営者はそんなフランス人女性である。
毅然とした態度が頼もしいし、不敵な表情が印象深い。
自分の命がかかってしまう迷惑な存在であるラビッシュを匿うことになる。
ビッグネームの割には活躍シーンが少ないように思うが、当時における最大公約数的なフランス人の代表者のような存在だったのだろう。
ワルドハイム大佐の絵に対する執着がすごくて、彼は本当にドイツの為に略奪しようとしていたのだろうか。
パリは立ち去るドイツ兵によって破戒される危険性もあったわけで、もしかすると名画を守りたかったのかもしれないと思わせるほどの入れ込みようなのだが、将校としての能力は部下の少佐に比べても低そうだ。
ラストでラビッシュがワルドハイム大佐と一対一で対峙する。
その時、ワルドハイム大佐はラビッシュに「なぜ自分が苦労したのか言えないだろう」と言う。
労働者階級である彼らが犠牲者を出しながら絵画を守り切ったのだが、おそらく美術館に行くような人々ではなく、梱包されている名画の数々を見たことはないのだろう。
自国の文化を守るという一点で、中身も知らずに彼らは散っていったのだ。
だからこそ彼らはリスペクトされているのであり、映画を彼らへの鎮魂歌としてフランス国鉄は協力したのだろう。
今の日本に有事が起きた時、果たしてそのような気概が生まれるだろうか。
主演はバート・ランカスターなのだが、真の主演は機関車と言っても良い。
敗色濃厚となったドイツのワルドハイム大佐がフランス所有の名画を機関車に乗せてドイツに運び出そうとする。
レジスタンスたちはそれを阻止しようとするので、必然的に機関車が登場するシーンが多い。
時に疾走し、時に爆破される。
冒頭のベイル操車場が連合軍によって空爆されるシーンは迫力がある。
セットではなく実際の操車場を使ったようで、当然ながら現場の背景がリアルである。
珍しい装甲機関車の登場もある。
フランスの国鉄が全面協力したとのことなので機関車が登場するシーンはカメラアングルによって迫力あるものとなっている。
恐らくドイツと戦った先輩たちに対する尊敬の念が全面協力をもたらしたのだろう。
バート・ランカスターの所作は熟練の技術者らしい本物の鉄道員に見えるし、機関車のパーツを作る場面をワンカットで撮っているのもすごい。
一つの事をやり遂げようとするフランス国鉄職員たちの一糸乱れぬチームワークに感動する。
大佐の報復によって擬走に協力した鉄道関係者が多数殺害されたことが語られるが、シーンとして描いても良かったのではないか。
その方が鉄道員たちの覚悟と犠牲が伝わってきたと思う。
レジスタンスでなくても当時のフランス国民がドイツを嫌悪する感情を持っていたことは容易に想像できる。
ジャンヌ・モローのホテル経営者はそんなフランス人女性である。
毅然とした態度が頼もしいし、不敵な表情が印象深い。
自分の命がかかってしまう迷惑な存在であるラビッシュを匿うことになる。
ビッグネームの割には活躍シーンが少ないように思うが、当時における最大公約数的なフランス人の代表者のような存在だったのだろう。
ワルドハイム大佐の絵に対する執着がすごくて、彼は本当にドイツの為に略奪しようとしていたのだろうか。
パリは立ち去るドイツ兵によって破戒される危険性もあったわけで、もしかすると名画を守りたかったのかもしれないと思わせるほどの入れ込みようなのだが、将校としての能力は部下の少佐に比べても低そうだ。
ラストでラビッシュがワルドハイム大佐と一対一で対峙する。
その時、ワルドハイム大佐はラビッシュに「なぜ自分が苦労したのか言えないだろう」と言う。
労働者階級である彼らが犠牲者を出しながら絵画を守り切ったのだが、おそらく美術館に行くような人々ではなく、梱包されている名画の数々を見たことはないのだろう。
自国の文化を守るという一点で、中身も知らずに彼らは散っていったのだ。
だからこそ彼らはリスペクトされているのであり、映画を彼らへの鎮魂歌としてフランス国鉄は協力したのだろう。
今の日本に有事が起きた時、果たしてそのような気概が生まれるだろうか。