マニラ市内の歯医者さんでのセラミック・クラウンの完成までに2日間かかり、その合間に約10年振りに「イントラムロス」まで出かけて来ました。
「イントラムロス」とはスペイン語で「壁に囲まれた街」という意味で、16世紀にスペイン人初代総督レガスピがフィリピン統治の本拠地として建設した城塞跡で、マニラの原型とも言える場所です。
マニラ市内にありながら、市内の喧騒を忘れさせてくれる静かな所です。
このイントラムロスは、かつてはマニラ湾を中心に貿易都市としても発展しましたが、第2次世界大戦で破壊され、当時の建物として残るのはサン・オーガスチン教会のみになってしまいました。
それでもイントラムロス内にはスペイン統治時代からの長い歴史を伝える風景がいたる所にあり、戦後再建されたマニラ大聖堂のほか、カサ・マニラ博物館、サンチャゴ要塞などとともに、マニラ観光の中心になっています。
下の写真のサンチャゴ要塞はイントラムロスの北西の端にあって、かつては戦略上非常に重要な役割を果たしていたそうです。
もとは海賊を防ぐために造られていた木造の砦をスペイン人が城塞化したものですが、その後のアメリカ統治時代、日本軍占領時代には軍司令部としても使用されたそうです。
太平洋戦争末期に立て籠もる日本軍への集中砲火によって破壊されましたが、その後改修、整備され、今では緑豊かな公園として解放されています。
城壁内には、総督官邸をはじめ大規模な教会、修道院、病院、大学、豪華な住宅などが次々と建てられ、それらはスペイン文化の影響を受けたロマネスク風建築です。
城壁内で特に目をひく建物はマニラ大寺院と世界文化遺産のサン・アグスチン教会です。