世界二大運河を渡って。
定年後には必ずやってみようと思っていた「地球一周の船の旅」に行ったのが今から8年前の2001年5月のことでした。
96日間に及ぶスエズ運河、パナマ運河の二大運河を渡るこのクルーズは、今まで旅した中で3本指に入る楽しい旅となりました。
合計17ヵ国を96日間に亘って巡り歩き、初めて訪れる国々の各寄港地で歩いた街、出会った人々、そして船の中で巡り会った素晴らしい友人たちとの出会いの数々。
お金では買えない大切な「想い出」をいっぱい手にすることが出来ました。
この航海で印象に残っているのが<世界二大運河>を渡ったことです。
紅海から地中海へと砂漠の景色を見ながら航行するスエズ運河。
カリブ海から太平洋へと抜けるユニークな水門開閉式のパナマ運河のパノラマを見ながらの航海は圧巻でした。
100数十キロにも及ぶ細長いスエズ運河の通行は1方通行になっていて、中間地点に設けられた幅広い湖のような場所で上り、下りの船の運航交代をして地中海側からやって来る船の通過待ちをします。
日によって船の数が変る為、中間地点から地中海へ抜け出せる予定時間がこの場所に到着しないと事前には分からないそうですが、運がいい事に我々の船がその地点に着いた時には地中海側からの船が殆ど無くて、ほぼストレートにエジプトのポートサイトに向かう事が出来た為、予定より大幅に時間短縮が出来て夕方6時には上陸が出来ました。 (スエズ運河:写真下)
また、1903年から10年の歳月と3億8,700万ドルを投じて建設されたパナマ運河は、スエズ運河とは全く異なる驚異的な運河と言うのが第一印象でした。
地球一周クルーズ最大のハイライトのひとつである「パナマ運河」通過では大西洋側から太平洋へ抜ける為には高地にあるガトン湖を越えて行かなければならないので、水位を変えながら航行する為の開閉式の水門(正しくは開門と言うそうだ)が3ケ所設置されています。
船を開門と開門の中に一旦閉じ込めてから海水を注いで水位を上げ、準備された次の水位の高い(下りの場合は低い)位置の開門を開いて船を徐々に進めながら運河を進んで行きます。 (トップ写真)
そして、パナマ運河の通行が可能なギリギリのサイズ(パナマックスサイズ=船幅32m)の巨大な貨物船が次々に通過して行く様子は正に壮観そのものです。
1914年、人類史上最大の土木工事の結果完成されたこのパナマ運河の開通によって、世界経済および商業開発の形態が変わり、発展途上国の成長を促進させて顕著な効果を発揮して、その重要性は今では地球的規模にまで広がっております。
96日間の船旅で訪れた国々は合計17ヵ国で、その中で特に印象に残った国が世界遺産に指定され「アドリア海の真珠」と呼ばれるクロアチアのドゥブロヴニクでした。(写真下)