ダバオで暮らしていた頃、今から3年半程前にマニラまで出向いてフィリピンに帰化している日本人の歯科医でインプラントを4本施術して貰いました。
そのインプラントの歯の1本のセラミック・クラウン部分に緩みが発生した為、思い切ってマニラまで行って治療を受けることにしました。
フライトスケジュールと航空運賃などを調べた結果「クエート航空」の利用がベストとの結論に達し、クエート航空に乗って一路マニラに向かいました。
クエート航空は株式全部をクエート政府が握っている航空会社で、日本への乗り入れはありませんが、今回私が利用したフライトは、クエート⇔バンコク⇔マニラを結ぶ便で、週4便が就航しています。
昼の12時にバンコクを出発しましたが、バンコクからの乗客は私を入れてたったの6人で、機内は既にクエートから乗り込んでいたフィリピン人で満席状態です。
聞くところによると、最近のフィリピン人の海外就労地の人気ナンバーワンが「クエート」やその近辺の都市とのことで、マニラからクエートに行く唯一の航空会社がこのクエート航空ということから最近はフィリピン政府もクエート航空に対して「増便」の依頼をしているそうです。
「歯」の治療の方はマニラに到着した夕刻に歯科クリニックに直行して早速治療を開始、翌々日の夕方には無事新しいセラミッククラウンの装填が完了しました。
そして、帰国の際にもクエート航空ではユニークな体験を2つすることになったのです。
先ず第一に、今では「死語」となっているとばかり思っていた<Re-Conformation>を出発予定時間の72時間前まで必ずするようにとのお達しです。
二つ目はチェックイン時間を<出発予定時間の4時間前>と言われたことです。
その理由は、前者はキャンセル待ちの人が常時沢山居る為の措置だそうです。
そして後者は4時間前にチェックインカウンターに行って、その理由が判明しました。
クエート航空では航空会社のセキュリティ担当社員がカウンター前に設けたテーブルの上で、乗客一人一人の全ての荷物の中身をチェックしているのです。
念入りなチェックの様子を目の当たりにして『これでは2時間前では到底間に合わないだろう・・・』と納得した次第です。
クエート航空はイラン・イラク戦争のあった1980年代に2回ハイジャックされた苦い経験から、このような厳しいチェックを行うようになったのでしょう。
帰国便の機内も約9割がフィリピン人で、中継地のバンコクで降りた乗客は20名弱でした。