Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

<雪>その代償(5)

2013-06-14 01:00:00 | 雪2年(球技大会~ホームレス事件前まで)
夏の暑い夜、太一は家へ帰るバスを待っていた。



バス停には太一の他に誰もいない。

蝉の鳴く声だけが、ムッとした空気を震わせていた。



同じ頃、雪と横山は修羅場の真っ最中だった。

ポケットから滑り出たミュージックプレイヤーについて、二人は言い争っていた。

「録音って何のこと?音楽聞いてただけだし」



雪の言葉に横山は、それなら見せてみろよとにじり寄った。

「どうしてあんたに見せなきゃいけないわけ?」

その言葉にも、どんな曲を聴いてるか知りたいだけなのに、見せてもくれないのかと譲らない。



「ふざけんじゃねーよ。俺を変態扱いするなんて失礼だと思わないのか?

この前は警察を呼ぶなんて騒いでたし‥。今だって録音してんのバレバレだっつーの!」


雪はぎゅっと目を閉じた。



そして大きく息を吸うと、

「きゃああああああ!」



一目散に逃げ出した。

しかしさすがに男の足から逃げられるはずもなく、



追いつかれた雪は腕を思い切り引っ張られ、その拍子にミュージックプレイヤーは地面に落ちた。

「ったく‥お前マジムカツク女だな。今まで俺がどんだけよくしてやったと思ってんだよ」



横山がミュージックプレイヤーを拾うためにかがむその一瞬、

雪は思い切り横山の足にタックルした。

「とりゃああああっ!」



横山はその場に倒れ、

雪がミュージックプレイヤーを取り返し逃げ出そうとすると、

また横山が腕を引っ張って雪が転ぶ。

二人は痛みをこらえながら、その場にうずくまった。



「てめぇ‥!死にてぇのか!」



凄んだ横山が、ミュージックプレイヤーを出せば許してやってもいいと手を差し出してきた。

雪は応じず、ますます力を込めてミュージックプレイヤーを握った。

横山は力づくで奪おうと手をこじ開けようとする。



雪が悲鳴をあげようと息を吸った次の瞬間、

ふいに誰かが横山の手を掴んだ。



横山がふっ飛ばされる。



「あんた‥雪さんに何すんだよ!」



力を込めて腕を掴む太一に、横山は殴りかかろうとしたが、

「雪さんに‥」



「何したって聞いてんだろ!!」

ゴーン!!

太一の頭突きの音が、辺りにこだました。

横山は頭を抑えて転げまわるが、鼻息の荒い太一は無傷である。

「この野郎‥俺は先輩だぞ!」



殴りかかろうとする横山に、太一はもう一度‥といわず連続で頭突きを返した。



「先輩扱い!されたいなら!先輩らしく!しやがれ!」
*!の度に頭突き入れてます。

横山の頭には太一スズメがぴよぴよと舞った‥。

「あ‥!また鼻血‥!」



鼻血を見た横山は、怒りのあまり太一に向かって訴えてやると叫んだ。

社会復帰出来ないくらいに痛めつけ、殺人未遂で監獄にぶち込んでやると半狂乱しながら言った。



太一は固まっていたが、ここからは雪の出番である。

「あんたも人のこと言えないんじゃないのかなぁ?!」



「そう来るなら、私だってあんたのことストーカー罪で訴えてやる!

あんたが犯した一部始終が、これに全部入ってるんだから!」


雪は横山にストーカー罪とは何か、どういった条件がそれに当てはまるのかを切々と説いた。

そして横山の行動は全てそれに当てはまるとして、

あんたは有罪間違いなしだと強い口調で言い切った。

心の中では半信半疑、実際どうなるのかは分からなかったが、とにかくビビらせなくちゃと思う一心で、

雪は全てを言い切った。



それを聞いた横山は弱気になり、

そんなつもりはなかったと下手に出てきた。

ここまでしても俺の本心を分かって欲しかったという横山だが、

そんなのは本当の心じゃないと、雪は正面切って言った。

「あんたは私のことが本当に好きなんじゃない。

そんな自分に酔ってるだけだよ。本当に好きな人に、こんなことは出来ないよ。

たとえあんたの気持ちが本心だとしても、これはただの一方通行なの。あんたのせいで私がどれだけ怖い思いをしたか‥」




すると横山は、なんとその場で土下座し始めた。

「ゆ、雪!俺が悪かった‥!許してくれよ!」



俺は一人息子だから後々家を守っていかなきゃいけないんだ、俺が捕まったら俺の両親はどうなる?と

涙ながらに訴えた。

どうしたら許してもらえるか、お前の前から一生姿を消せばいいのか、教えてくれよと懇願された。

「ゆきぃ、頼むから許してくれよぉ」




結局、太一に手を出さないことと、学校が始まってからも雪や他の女子に二度と同じ真似を

繰り返さないという条件で雪は横山を許した。



横山はそれを承諾し、ストーカーによる起訴を取り消すということを確かめると、そのまま去って行った。



そして横の太一を見ると‥



なぜか号泣していた‥。

というのも、太一も暴行罪で捕まるかと思ってビビっていたのだ。

でも太一が一番気にしているのは、聡美に嫌われたらどうしようということみたいだった。



聡美は人に手を上げる行為がとても嫌いで、太一が横山にバスケットボールを投げつけたことだって、

なんだかんだ良く思ってはいなかった。



雪はシクシクと泣く太一を見て、

少し物哀しい気分になった。



聡美には、こんなに頼もしい子がついているんだ。

その頼もしい子が、もしかして嫌われるんじゃないかとその大きな体を縮めて、気を揉んでいる。



聡美が羨ましいと思った。

自分にも、いつかそんな人が現れるのだろうか

自分の周りは、荒んでいく一方なのに‥。





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一番助けて欲しい時に、

頼る人がいないというのはどこか物哀しい。

いや正確に言えば、いないわけじゃない。

言えないだけで。

自分の感情の向こう側、

そのありのままの吐露を、

他人の都合や状況がそれを許さない場合がある。

理性がそれを見越してしまえば、

感情を優先させることは出来ない。

そんな自分を、

そんな自分の理性も理屈もふっ飛ばして、

引っ張って行ってくれる誰かが必要なのだ。

そんな誰かが現れるのを、

きっと彼女は待っている。



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<雪>その代償(5)でした。

やはり最後のモノローグは私の解釈ですので、そう思って読んで頂ければ幸いです。

ようやく横山のストーカー事件も一段落ですね。

次回は若干蛇足的な、<その代償>のエピローグ、並びに次々回の淳の視点でのプロローグ、です。

(わけわかんないですね‥すいません。。)


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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (yun)
2013-11-08 22:10:23
U+C774U+C7A5U+BA74U+C5D0U+C11CU+B294..

U+B0B4U+AC00 U+B108 U+CC2CU+AC70U+B2E4?

U+C774 U+B300U+C0ACU+AC00 U+D788U+D2B8U+C600U+C8E0 U+314BU+314B

U+CC0CU+C9C8U+D55C U+C601U+ACE4U+C774..
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oh.. (Yukkanen)
2013-11-08 23:22:57
何て書いて下さったんだろう~!
気になる‥(T T)
yunさん本当すいません‥またお待ちしてます!
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