Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

運の悪い日

2013-10-19 01:00:00 | 雪3年2部(密会~再会)


また月曜日がやって来て、夕方雪はSKK学院塾にいた。

一人もくもくと勉強している。



ギッシリと書き込まれたノートは、努力の証だ。

真面目に授業を受ける雪の隣で、近藤みゆきが話しかけてきた。

「ゆっきぃ~~!あのさあのさ~!」



相変わらずの大声に、雪は「もうちょっと静かに喋ろうか」と小声で諭す。みゆきちゃんの扱いにも慣れたものである。

近藤みゆきはごめんと謝った後、今度はコソコソと耳打ちした。

ボールペンのインクが切れてしまったので、貸してほしいと言う。



至近距離で彼女に接した雪は、思わず俯いた。タバコの臭いがするのだ。

タバコの臭いが大嫌いな雪は、ボールペンを差し出してから手で鼻を覆った。聡美はそうでもないのにこの子はヒドイ。

するとみゆきが「あっ!」と声を出した。ボールペンを落としてしまったのだ。



落としたボールペンはインクが出なくなっていた。

雪はボールペン代300円がパァになったことに愕然とする‥。






なんとかみゆきから逃れて廊下で水を飲んでいると、彼が現れた。

「うへ~泣けるね~。水飲みながらも勉強とは。エグいね~」



ノート片手に水を飲んでいた雪を見て、モップ掛け最中の亮は呆れたように言った。

雪は至極真面目な勉強家だが、それは雪に限ったことではない。

「私だけじゃありませんよ。皆も常に教材片手に暗記してますし」



雪の言葉に、亮は確かにそうかもしれない、と言った。

亮がヘルプで入っている幼稚部の子供達でさえ、そんな感じだという。勉強していくということは、思った以上に大変そうだ。

「下宿で国家試験の勉強してる奴らもそんな感じだな」



雪は同意した。大学の勉強も大変だが、国家試験となると尚の事であろう。

亮は「まぁオレの知ったこっちゃねーけど」と言うと、モップにもたれかかりながら言葉を続けた。

「そういやさっき怒られちまってよー。ここの有名講師ってやつがオレに届け物を頼みやがったんだが、

オレが他の物届けちまったんだよ」




有名講師はミスをした亮を、グチグチと嫌味たらしく非難した。

亮は大人しく頭を下げ、ひたすらに謝ったと言う‥。

「切られるかと思ってハラハラしたけど、それだけで済んで何よりだぜ」

そう言った亮を、雪は少し意外に感じた。

「へぇ~ そういうの心配したりするんですね?」



雪の言葉に、亮は「金がいいからな」と言った後、自分の非を認めた。

「それにオレがミスったんだ。どうこう言える立場じゃねーだろ?」



グチグチと言われるのは腹が立つが、怒られたこと自体は自分に非があると亮はサラリと言った。

雪はそんな亮を見て、色々なことを我慢して頑張って生きているんだなとやはり意外に思った。

もっと向こう見ずだと思っていたが、案外真面目な人なのかもしれない‥。



亮は続けてモップ掛けをしながら、雪の持っているノートに目を留めた。

そして彼女の手からそれを取り上げると、横文字がズラズラと書かれたそれを見て顔を顰めた。

「とにかくコイツがいけないんだコイツが。このヘナチョコ言葉が全世界を混乱させてやがるんだ。ったく」



雪はノートを返してもらおうと手を伸ばした。授業中一生懸命取ったノートだ。

そんな彼女に構わず亮は、パラパラ捲って中身を見た。しかし何が書いてあるのかさっぱりだ。

そのまま亮はノートを持ちながら、雪に届かないように高く掲げた。



困った雪を見ながら亮は笑い、「届かねーだろ?」と意地悪く言う。



しかし次の瞬間、亮の手からノートが滑り落ちた。

そのままそれは宙を舞い、バサバサと音を立てて地面に落ちた。



ただそれだけなら良かったのだが、落ちた先が問題だった。

ノートは先ほど亮がモップ掛けを終えた後の、濡れた地面にベシャっと落ちた。



雪は血相を変えてノートを拾い上げると、声にならない叫びを上げた。

後ろで亮がそれを恐る恐る窺っている。



中身を見た雪は呻き声を上げ、傍に居た亮は何も言わずに、そっとその場から離れたのだった‥。












教室に戻った雪は、ひたすらに自分の運の悪さを呪った。

もう一度ノートを開いてみるも、それは見るも無残なものだった。



濡れたページは字が滲み、せっかく細かく書き込んだ内容も水の泡となった。

雪はクラスメートの何人かに、ノートを貸してくれないかと頼み込む。

「あの‥申し訳ないんですけど、ノート取ったやつ見せて貰えませんか?すぐに返しますんで‥」

  

すみません、今使ってるんで‥ 次の授業の予習があるから‥ 無理です‥

しかし皆自分のことで精一杯で、誰もノートを貸してくれなかった。

それを責めることも出来ず、雪は項垂れた。



ドアから教室に入ってくる近藤みゆきの姿を見かけたが、あの子に限ってノートを取ってるはずもないだろう。

雪は諦め、一人溜息を吐いた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<運の悪い日>でした。

水を飲んでいる雪の後ろ姿、スタイルいいですね~!

余談ですが作者さんが思う雪に一番似合うファッションは「スキニージーンズ」だそうです。

スタイルいいから似合いますね!


次回は<どしゃ降りの中で>です。


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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
左手 (ちょびこ)
2013-10-19 04:43:58
ノートが手から離れちゃったのは先輩のせいでしょうか。←亮の左手の真実もまだ明かされてないが(笑)
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ほんとだ! (Yukkanen)
2013-10-20 08:17:55
ノート持ってるの左手ですね!
姉様、よくお気づきになられましたね~!さすがです!
私気づいてなかった‥(^^;)
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