さー、勢い良く夕方の散歩スタート!
グイグイと力強くリードを引き、スベルべトーちゃんを散歩に連れて行くって態。
小雪のちらつく中、気の向くままにあちらへふらふら、こちらへふらふら。
もうここのところは、自動車の心配でも無い限り、行先はマックスの気分に任せます。
でも、行きたいと態度で示していたコースも半ばを過ぎるとガクンとガス欠状態。
足取りの重くなるマックス。
もう、疲れ果てたちゃったー、なんて雰囲気がありあり。
ようやく、家に帰り着いたのは良いけれど、小屋を目前にしてストップ。
「ほら、マックス!お家に入ろう!」なんて軽くツンツンとリードを引いて小屋へ。
さて、先日マックスの各種病気に対する「ワクチン接種」をしてきました。
ほら、問題のワクチンはこの丸で囲まれた『G 犬レプトスビラ』ですよ。
今はどうかは定かではないけれど、この『犬レプトスビラ』は東日本では発症例の少ない病気とされていました。
そこで、親切な獣医さんは必要無いと判断し、接種を省いたのが4歳だったか5歳の時でした。
スベルべトーちゃん、カーちゃんと颯爽と「権現堂山」登山に挑んだマックス。
意気揚々と人間をリードする形で楽々と登頂を果たし、ただ、七合目だったかの唯一の清水、
「弥三郎清水」に先着したマックスは、熱くなった身体を冷やすべくじゃぶじゃぶと入ってしまった。
トーちゃんとカーちゃんはお陰で楽しみにしていたその清水を飲む事は叶わなかったのでした。
無事に下山した何日か後、マックスは体調を崩して寝込む事になります。
最初は冗談半分で「ほら、マックス!トーちゃんカーちゃんに清水を飲ませなかったからだぞ」
なんてからかっていたけれど、日増しに体調は低下するばかり。
そして、この獣医さんに連れて行く頃には餌はおろか水さえも喉を通らないような状態。
入院して、血液検査のための血液を取ったりして、情けないような顔つきで病院の檻に入ったのでした。
それでも、一考に快方には向かわず、点滴を受けたけれどもその細い管も噛みちぎって抵抗。
最後は「一旦退院させましょうか」の言葉は、言外に家で看ってくれというふうにも取られた。
帰宅してからはスベルべママと娘の必死の介護で生き伸びていた。
嫌がる口をこじ開けて、薬を口の端から詰め込んで飲ませていたのです。
16キロ有った体重が13キロまでにやせ細り、スベルべはただただ涙をこぼすばかり。
しかし、奇跡は起こりました。
立ち上がる事も出来ないような状態の中で、ある日大好きだった鶏肉の一片を口にしたのです。
それがきっかけとなり、徐々に食べ物を口にするようになり、命拾いをしたのです。
その後の診断時に、血液検査の結果を知らされ「犬レプトスビラ」の感染痕跡ありと診断されたのです。
血液検査は、県の機関と製薬会社の二箇所で行われ、両方とも同じ結果でした。
そして、獣医さんのお話では「治っても腎臓にダメージが残り、人工透析状態になるかもしれません」との事。
しかし、幸いと言おうか奇跡と言おうか、その後遺症は残らず元気を取り戻したのでした。
一度は諦めかけたようなマックスの命は、みんなの必死の介護で復活し、やんちゃなマックスに戻ったのです。
さて、マックスも間も無く満15歳の誕生日を迎えます。
奇跡とも言うべき復活劇を演じてくれたマックスは、まだ当分トーちゃんカーちゃんを散歩に連れ出しそう。
そんな気持ちで、一日一日の命、そして散歩を噛み締めるように楽しむ毎日が続いています。