
駅構内の雪はさっぱりとして消えた。
さて、スベルべママのプランター整備の仕事でも手伝おうかな。

プランターの土をブルーシートの上に広げて日光消毒。
何回も上下を切り返して消毒を繰り返す。

スベルべ夫婦の掃除も有って駅構内は清潔を保っている。
でもねー、やはり綺麗、清潔だけでは物足りないよねー。

これは二月、いや三月の風景かな。
雪国の環境の変化って劇的ですからね。

こんなに有った雪も今はもう残り少ない。

駅舎の前に消毒済みの土を詰めたプランターを並べた。
さて、スベルべママは何の種を播くのか、何の苗を植えるのか。

ホームだって花で綺麗に飾って上げよう。
実はスベルべは十八歳でこの駅の構内に有った保線の線路班に就職した。
何度も辞めようかと思うほどの辛い思いもしたけれど、
早期退職を敢行した58歳まで40年近くも働き続ける事が出来た。
そして、今、冬はあの40年前と同じように除雪作業に従事。
次いで、夏季、無雪期は妻と二人で駅舎の整備をする事となった。
私たち夫婦には「浅田 次郎」さんの『鉄道員(ポッポ屋)』程の格好良さも無いし、
時たま顔を合わすお客にも「広末 涼子」のような美少女にも出くわさない。
でも、たいした出世も出来なかった鉄道員の余生として考えると、
まんざら悪くも無い人生かも知れないなんて思ったりするのです。