今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

「神戸文学館」会館の日

2007-12-04 | 歴史
2006(平成18)年の今日(12月4日)は「王子市民ギャラリー」が「神戸文学館」として会館した日。
王子市民ギャラリーは、兵庫県神戸市灘区王子町にあったギャラリーで、レンガ造りの建物であった。かつてこのあたりは原田村、いわゆる「原田の森」と呼ばれる緑の多い場所であった。(※「原田の森」という呼称は、建御名方尊(たけみなかたのみこと)神社〔通称原田神社、現、王子神社〕の神域の松林を意味していた。場所その他以下参考に記載の神戸市文書館・灘区・王子神社参照)。1886(明治19)年、南メソヂスト監督教会のジャパン・ミッションとして、父とともに上海経由で来日し、1889(明治22)年、神戸外國人居留地47番館にて、夜間英語学校(後のパルモア学院)の読書室を開いていた米国人宣教師ウォルター・R・ランバスによりWest Japan College、すなわち関西学院大学が創立されたのもこの地である。
王子市民ギャラリーの建物は、1904(明治37)年にアメリカバージニア州リッチモンドの銀行家トマス・ブランチ(T.Branch)の寄付により関西学院のチャペル=礼拝堂兼講堂として建てられたものであり、建設費を寄付した実業家の名を取りブランチ・メモリアル・チャペルと呼ばれていた。 以後、1929(昭和4)年に関西学院が西宮市上ケ原(関西学院大学 アクセスマップ〔西宮上ケ原〕)に移転するまで礼拝堂兼講堂として使用されていたものであり、この建物は、関西学院が当時この地にキャンパスがあった時代を偲ばせる象徴的建築物もである。関西学院移転後、一時阪急電鉄が所有していた建物を、1940(昭和15)年に神戸市が買い取り所有するものとなったが、この建物は、1945(昭和20)年の神戸大空襲で、塔と屋根及び内部の大部分も消失してしまい外壁のみが残るという姿となったが、1949(昭和24)年には、翌年に開催される神戸博覧会での瀬戸内海観光館として大規模な改造がなされたが、この時は、屋根は修理されたが、尖塔(せんとう)は復元されず、木造の小屋組も創建時とは異なる形式が採用され、その後も1962(昭和37)年三宮から移転してきた、アメリカ文化センターとして、1967(昭和42)年同センター廃館後は、神戸市立中央図書館の王子分館として開館(1972年からは市立王子図書館と改称)として、用途を変更しながら活用されてきた。
1989(平成元)年4月、灘図書館の開館により王子図書館が閉鎖された後、この建物のもつ歴史・文化的価値が再評価され、旧チャペルとしての外形をできる限り復元することを主旨に、1991(平成3)年から修復工事が始められ、工事はレンガの外壁だけを残して基礎から新しく作り直す方法で行われ、戦災で失われていた尖塔や柱頭の飾り、 窓ガラスのぶどうの模様も古い写真をもとに再現され、1993 (平成5)年に神戸市立王子市民ギャラリーとして開館した。 以下ではスライドショーで20枚ほどの王子市民ギャラリーの写真が見れる。
王子市民ギャラリー(旧関西学院チャペル)
http://www.picmate.jp/146633267/albums/49744/
1995(平成7)年1月17日阪神淡路大震災が発生。この大震災からの文芸復興のため神戸市が策定した「文化創生都市推進プラン」(以下参考に記載の「[PDF] 3.文化創生都市推進プラン」参照)の一環として、2006 (平成18)年12月4日に「神戸文学館」は開設された。神戸市文学館条令(神戸市条例第79号)の第1条には、「神戸ゆかりの文学作品および文学者の遺品その他の資料(以下「郷土文学資料」という)を収集し、保管し、及び展示するとともに、郷土文学資料の調査研究及び文学に関する事業等を行うことにより、文学に関する市民の知識及び教養の向上を図り、以って、豊かな地域文化の発展に資するため、神戸文学館を設置する。」とあるように、近代に活躍した神戸ゆかりの小説家・詩人・文学者41人の原稿や所縁の品々等を時代ごとに区切りその時代の神戸の風景写真とともに常設展示している。また企画展示のコーナーでは神戸ゆかりの作家を特集した展示が行なわれており、土曜の午後には講師を招いてセミナーが開かれている。
入場料は無料である。しかし、場所的なこともあるのか、会館から本年3月くらいまでの入場者数は低調のようである。その後はどうなのであろうか?
神戸市立王子市民ギャラリーの改装時の設計を手掛けた一粒社ヴォーリズ建築事務所は、アメリカに生まれの建築家で、来日後、日本に住み着き、数多くの西洋建築を手懸けたW.M.ヴォーリズの設立した「W・M・ヴォーリズ建築事務所」が戦時体制の影響によりやがて事務所は解散、所員は各方面へと散って行ったが、戦後、ヴォーリズが起こした近江兄弟社内に建築部門が復活すると、再びヴォーリズの元へ次々と所員が集結。その建築部門が、1961(昭和36)年6月に独立し、一粒社ヴォーリズ建築事務所が設立されたもの。ヴォーリズの代表建築の1つに、関西学院大学建築群(西宮市)や神戸女学院大学(西宮市)がある。
明治維新のあと、神戸は国際港都として発展を続けてきた。外国との門戸であり国内外からさまざまな人たち、文人たちが訪れて独自の文化を築き上げてきた。文学や芸術の分野でもいち早く、新しい芽を育んできた神戸の街。 このような風土の中で多くの文人が生まれ、神戸に魅かれた作家たちが訪れて数多くの作品を残した。幾多の時代を超え、歴史を刻む「原田の森」で、神戸のまちが育んだ文学の足跡をたどってみませんか。その近辺には、色々名所もあり、その後、近辺の街の散策もしてみてください。以下参照。
神戸市立王子市民ギャラリー&近くにあるスポット
http://machi.goo.ne.jp/snd/spotID_TO28002190/leisure/details.asp
(画像は、神戸文学館。住所:神戸市灘区王子町3丁目1−2。googleマップ 
参考:
神戸文学館 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%88%B8%E6%96%87%E5%AD%A6%E9%A4%A8
神戸文学館オフィシャルサイト
http://www.kobe-np.co.jp/info/bungakukan/access.html
ウォルター・R・ランバス - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BBR%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%B9
関西学院を創ったひとたち
http://www.kwansei.ac.jp/Contents?cnid=5475
神戸市文書館(灘区。灘区地図もあり)
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/06/014/map/nada13_20.html
[PDF]近畿地域経済の動向(平成19年3月5日)
http://www.kansai.meti.go.jp/1-7research/chiiki/downloadfiles/1902honbun.pdf
建御名方神 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%BA%E5%BE%A1%E5%90%8D%E6%96%B9%E7%A5%9E
神戸のこといろいろP-13,No63 神戸・B29の空襲と連合軍進駐 、No64 神戸博覧会 など
http://www.geocities.jp/yousan02/kobenokoto-013.htm
archives098神戸市住宅局営繕部+(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所《旧ブランチ・メモリアル・チャペル》
http://forum.inax.co.jp/renovation/archives/098oji/
神戸市立王子市民ギャラリー&近くにあるスポット
http://machi.goo.ne.jp/snd/spotID_TO28002190/leisure/details.asp
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%BA
王子市民ギャラリー(旧関西学院チャペル)
http://www.picmate.jp/146633267/albums/49744/
[PDF] 3.文化創生都市推進プラン
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/06/013/aratanavision/koube2010bijyon1903/03bunka.pdf[PDF] 平成18年4月18日神戸市公報題956号/神戸市文学館条例(神戸市条例第79号
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/09/010/kouhou/pdf/2956_1.pdf
一粒社ヴォーリズ建築事務所
http://www.vories.co.jp/
神戸情報館へ ・神戸市中央区役所まちづくり推進課hp
http://www.kobe-johokan.gr.jp/

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