今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

世界勤倹デー

2007-10-31 | 記念日
今日(10月31日)は、「世界勤倹デー」
1924(大正13)年の今日(10月31日)、イタリアのミラノで開催されていた国際貯蓄会議の最終日に、この日を「世界勤倹デー」とすることが決定された。日本は1952(昭和27)年に加わっている。
戦後の高度経済成長の中で、まるで消費をすることが美徳のような感じにさえなった現代に、「勤倹(きんけん)」などと言う言葉はもう忘れかけていた非常に懐かしい言葉のような気さえする。「勤倹」とは、勤勉で倹約につとめる・こと(さま)をいい、「勤倹貯蓄」などといった使い方をする。
家計における「貯蓄」とは、将来に備えて銀行や郵便局などにお金を預けることをいい、多少のリスクを伴ってでも貯蓄以上に元手を増やしたい場合は、「投資」をすることになるが、貯めることに重点をおいた「貯蓄」か、殖やすことに重点をおいた「投資」を重視するかは、人それぞれのライフプランやライフスタイル(生活の様式=その人の人生観、価値観、アイデンティティを反映した生き方)などによって変わってくるだろう。
しかし、私達の銀行などへ預けた預金も、企業への貸し付けという銀行の行為によって、企業に投資されているわけである。以下参考に記載の金融広報中央委員会の「貯蓄と消費に関する世論調査」によれば、貯蓄の目的として挙げられている内容は、「病気・災害への備え」が最も多く、これに「老後の生活資金」「こどもの教育資金」が続いている。「明日は明日の風が吹く」などと言って、将来のことは「ケセラセラ」で貯蓄などしなくてローンで現実を楽しむのもそれなりの生き方であろうが、神戸などのように阪神大震災のような災害にあったときには、酷い目に会う。わが妹夫婦などがその例だ。
戦後の日本の高度経済成長の要因には、良質で安い労働力、余剰農業労働力の活用、輸出に有利な円安相場(固定制)、消費意欲の拡大、安価な石油、管理されたケインズ経済政策としての所得倍増計画、など色々有るが、これら以上に重要な要因として、投資の源泉となる国民の高い貯蓄率が上げられる。また、それを利用した高率の民間投資、安定した投資資金を融通する間接金融護送船団方式があげられるであろう。中でも、間接金融としての郵便貯金の役割は非常に大きいものであったと言えるであろう。
貯蓄金融機関とは、主に個人に貯蓄を奨励し、その資金を個人生活の安定などのために地域還元することを目的とする公益的な金融機関であり、貯蓄銀行もしくは郵便貯金の形で世界中に普遍的に存在する機関といえる。その歴史は古く、慈善や相互扶助を目的とした機関を前身に、貯蓄銀行は、イギリスで住宅金融組合(1775年)、信託貯蓄銀行(1810年)を初めとして18世紀後半から設立され、また、郵便貯金は19世紀後半からその貯蓄銀行の一類型として発達してきた。
貯蓄金融機関の特徴は、商業金融機関が比較的小口の金融を扱うことがない状況下で、勤労者などの庶民を対象として勤倹貯蓄を奨励し、資産の貯蓄手段を提供し、安全確実に資産運用を行ってきたことにある。貯蓄金融機関は、その成立・発展過程において、金融機関の普及した地域が都市部に集中するなど限定的であり、経営陣に十分な資金運用能力がなかったり、預金を着服するケースが多数発覚したり、あるいは詐欺事件から破綻する銀行も現われるなどの問題が出てきたため、安全・便利で効率的な運営を行い、郵便局を拠点とする貯蓄金融機関の創設が提唱され、1861年に世界で始めての郵便貯金制度がイギリスで郵便貯蓄銀行として創設された。
世界各国の貯蓄金融機関は、貯蓄の奨励と預金者の保護を目的として1924(大正13)年に国際貯蓄銀行協会(INTERNATIONAL SAVINGS BANKS INSTITUTE:ISBI)を設立し、この活動は、現在、世界貯蓄銀行協会(WSBI)に引き継がれ、1991(平成 3)年1月現在で、81か国、ISBI直接加盟機関118、傘下に約2,800の貯蓄金融機関を擁していたが、2006(平成18)年9月20日現在では、世界89か国、WSBI直接加盟機関103機関、傘下に2,000を超える貯蓄金融機関を擁しているという(世界貯蓄銀行協会(WSBI)資料から)。
日本の郵便貯金は、1875(明治8)年、イギリスの郵便貯金制度を手本として前島 密によって創設されたが、世界の郵便貯金の中では、イギリス、ベルギー、ニュージランドに次いで4番目の創設だそうだ。郵便貯金の創設に先立ち、国立銀行条例が1972(明治5年)に公布され、翌年に第一国立銀行が創設されているが、貯蓄預金が認可されたのは1878(明治11)年であるため、日本では郵便貯金が最も早く創設された公的金融機関ということになる。その後、国立銀行(※国立銀行は国立銀行条例に基づく銀行の意味で、国営銀行ではなく民間銀行であった)、私立銀行(最初の私立銀行は、1876〔明治 9〕年 3月31日に設立された旧三井銀行)、日本銀行が順次設置されて行く。
貯蓄銀行に関しては、(1880(明治13)年初の専業貯蓄銀行である東京貯蔵銀行が認可され、1893(明治26)年に貯蓄銀行条例が施行され、これを契機に多くの貯蓄銀行が設立されたが、1922(大正11)年に「貯蓄銀行法」が施行され、兼業禁止や独立性の維持が求められ、運用面でも地方公共団体以外への貸出を禁じ、主として株式や債券市場での運用を強要される等厳しい条件が定められると、多くは普通銀行へ転換した。1943年に普通銀行の貯蓄銀行業務兼業が認められると普通銀行への吸収合併が進み、1949(昭和24)年1月に青森貯蓄銀行が普通銀行「青和銀行」(現在のみちのく銀行)へ転換したのを最後に貯蓄銀行はなくなり、貯蓄銀行法は、1981(昭和56)年に廃止された。
この結果、2007(平成19)年9月末現在、日本に現存する貯蓄金融機関は郵便貯金のみであり、郵便貯金は世界貯蓄銀行協会(WSBI)にも加盟している、世界最大の貯蓄銀行であった。しかし、2007(平成19)年10月1日、郵政民営化が実施されたことにより、現在、日本には貯蓄銀行という名称のついた金融機関は存在しなくなった。郵政民営化以前に預入され、日本政府による保証を継続させるため、定額郵便貯金・定期郵便貯金は、(株)ゆうちょ銀行に承継されず「独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構」に承継された。旧 契約については、契約が終了するまで政府保証が残る。なお、実務的な運用・管理業務は(株)ゆうちょ銀行および(株)かんぽ生命保険に委託している。2007 (平成19)年10月1日、郵便貯金法も同日廃止されて、ゆうちょ銀行は今後、銀行法に基づき運営されることとなっている。
明治時代に前島は、貯蓄によって老人や子供を養うことができるという点に着目し、貯蓄の道徳についてを、小学校の教育に取り入れることを発案した。このような積極的な活動を通じて、徐々に庶民の間に貯蓄思想が普及し、郵便貯金の資金は徐々に増大し、貯蓄率も1887(明治20)年ごろから増加するようになった。しかし、せっかく集められた郵便貯金の資金運用先が見つからない。結局、1907(明治40)年以降から、大蔵省預金部の運用は、国債ばかりではなく、特殊銀行債(特殊銀行参照)や社会資本の整備など、財政の分野でも活用されるようになり、後の財政投融資の基礎となっていたのである。(明治末・大正・昭和初期には、戦費調達のために最大の資金源泉であったろう)
このようなお金を湯水のように使い切り、バブルが弾けて、気がついてみれば、国の財政赤字は目を覆うばかり。今、国民1人あたりの債務がいくらあるか?以下で見てみると良い。
リアルタイム財政赤字カウンター
http://www.kh-web.org/fin/
上記のものでいくと、生まれたばかりの赤ちゃんも今にも死に掛けの老人もすべて1人は1人として計算し、2007年4月1日現在の 借入金、政府短期証券を含む「日本全体の債務残高」 を1人当りに、計算すると850万円以上も有るんだよ。もし、夫婦と子供2人の4人家族に国の借金を0にするためその請求書を送るとなると、3400万円になると言うことだ。もし、これだけの資産がないとなれば、その差額を貴方の家では借金を抱えていることになる。日本の国は豊かだなんて思って、好き勝手贅沢をしている人達・・・あなたたちはこれからそれだけの借金に見合う税金を支払っていかなければならないことだけは肝に銘じておかなければいけないね~。今の豊かさは自前にお金でなく借金で満たされているもの。もうぼちぼち浪費の時代から「勤倹」時代に切り替えないといけなくなっているのでは・・・。
(画像は民営化以前の郵便貯金の看板)
Category:銀行-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E9%8A%80%E8%A1%8C
新聞記事文庫:貯蓄銀行
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/sinbun/vlist/tyot01.html
金融広報貯蓄委員会・知るぽると
http://www.saveinfo.or.jp/
高度経済成長 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%BA%A6%E7%B5%8C%E6%B8%88%E6%88%90%E9%95%B7
特殊銀行 (日本金融史) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E6%AE%8A%E9%8A%80%E8%A1%8C_(%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%87%91%E8%9E%8D%E5%8F%B2)
リアルタイム財政赤字カウンター
http://www.kh-web.org/fin/
大和総研/コラム:財政赤字の真実
http://www.dir.co.jp/publicity/column/051025.html

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2 コメント

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始末の極意 (Linda)
2007-11-01 17:20:39
よーさん、こんにちは。
最近続けて「始末の極意」と言う落語を聴きました。
始末する方法を訊きに来た男を庭の松の木に両手でぶら下がらせて「片手」「小指」「薬指」「タカタカ指」と順番に外させます。そして「人差し指」を外せと命じると「これを放したら落ちてしまう」と言いますので「そうやろ。それを絶対に放さんことが始末の極意や」
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辛抱 (よーさん)
2007-11-02 07:23:14
Lindaさん、日本は経済成長の果てにバブルがはじけ、永いトンネル時代をやっと抜け出せたかに見えますが、バブルが弾けた時代に解決しておかなければいけない基本的なことが出来ないままに今日に来ています。
その1つは、ダイエーなど不良大企業と銀行の倒産です。これを恐くてようさせなかった。今、それらの企業は、今後倒産や企業買収を防ぐために合併などで企業を巨大化することで防ごうとしています。
もう1つは、公務員改革をして、公務員を減らすことです。この最も重要なことに手につけていない以上、これからも世界経済の影響を受けても有効な手立てを打てないでしょう。根本問題に手をつけずに問題は解決しません。これからの日本は、世界一の財政赤字をかかえ、これからやってくる食糧難、インフレ時代に銀行金利も上げられず、税金は高くなるのに、医療費など社会負担費はどんどん高くなる。もう、貧乏人が住んでゆけない国になりそうですね。それは、結果として、犯罪王国日本を作ることになるでしょう。
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