今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

十三夜

2006-11-03 | 行事
2006年の今日(11月3日)は「十三夜 」
日本には、満月など月を眺めて楽しむ、月見(観月とも言う)の風習がある。俳句の世界で単に月と言った場合、それは秋の月を指す。月は春の花に対して秋の季語であり、「木の間よりもりくる月のかげ見れば心づくしの秋は来にけり」よみびと知らず(古今和歌集)、「月見れば千々にものこそかなしけれ我が身ひとつの秋にはあらねど」大江千里(同)など、秋の月を賞し、月に物思うこころは古くから歌に作られている。
そして、月見というと太陰太陽暦(旧暦)の8月15日の「十五夜」がもっとも有名であるが、もうひとつ(旧暦)9月13日の十三夜」もまた美しい月であると重んじられている。旧暦8月15日を「中秋」と呼ぶためこのときの月を「中秋の名月」と呼ぶ。中秋の名月(十五夜)はもともと中国で行われていた行事が日本に伝来したものであるが、この十三夜の月見は日本固有のものである。旧暦8月15日の「中秋の名月」のことは、以前に、2006年の今日(10月06日[旧暦8月15日])は、「中秋の名月」で書いたので、今日は触れない。
樋口 一葉の代表作でもある『十三夜』に、”今宵は舊暦の十三夜、舊弊なれどお月見の眞似事に團子(いし/\)をこしらへてお月樣にお備へ申せし、これはお前も好物なれば少々なりとも亥之助に持たせて上やうと思ふたけれど、亥之助も何か極りを惡がつて其樣な物はお止(よし)なされと言ふし、十五夜にあげなんだから片月見に成つても惡るし、喰べさせたいと思ひながら思ふばかりで上る事が出來なんだに、今夜來て呉れるとは夢の樣な、ほんに心が屆いたのであらう、自宅(うち)で甘い物はいくらも喰べやうけれど親のこしらいたは又別物、奧樣氣取をすてゝ今夜は昔しのお關(せき)になつて、外見(みえ)を構はず豆なり栗なり氣に入つたを喰べて見せてお呉れ、・・・」・・とあるように、十五夜にはサトイモなどを供えることが多いため「芋名月」と呼ばれているが、十三夜はちょうど食べ頃の大豆や栗などを供えることから、この夜の月を「豆名月」または「栗名月」という。そして、十五夜の月だけをみて、十三夜の月を見ないなど片方の月見しかしないのは「片月見」といって忌まれていた。また、中秋の名月の後なので、「後の月」といわれたりもする。そして、十五夜の時期は、すっきりしない夜空が多いのに対し、十三夜の夜は晴れることが多く、「十三夜に曇り無し」という言葉もある。
中秋の月に続いて行われる旧暦9月13日の「十三夜」は、望月(ぼうげつ=陰暦一五日の夜の満月)前の少し欠けた月であるが、日本では十五夜の月と同じように丸い鏡として捉えられていたようだ。月見の風習について、現代の民俗学者などは、農耕儀礼との深い関係を指摘しているようだが、なぜ8月は「十五夜」なのにたいして、9月は「十三夜」なのだろうか?
由来は諸説あるようだが、以下参考に記載の「やまとうた」の中の「和歌雑記・折節」にも書かれているが、”平安時代後期の藤原宗忠の日記『中右記(ちゅうゆうき)』には、ある年の九月十三日夜、たまたま明月を愛でていた宇多天皇(在位西暦887~897)の発意により、この夜が「名月の夜」と定められた由書かれている”という。
また、これは貞享五年(1688)に芭蕉が書いた「芭蕉庵十三夜」にも、以下の句がある。
「木曽の痩せもまだなほらぬに後の月」
この句にたいするの解説文には”仲秋の月は、更科の里、姨捨山になぐさめかねて、なほあはれさの目にも離れずながら、長月十三夜になりぬ。今宵は、宇多の帝のはじめて詔をもて世に名月と見はやし、後の月、あるは二夜の月などいふめる。これ、才士・文人の風雅を加ふるなるや・・・とある。(以下参考の「庵十三夜/芭蕉db」)
平安後期になると、十三夜の月は中秋の名月に劣らずよく詠まれるようになる。むしろ、藤原俊成の歌には次のように詠まれている。
十三夜月
「先まくりいま二夜をば満てずしてくまなきものは長月の月」
(「丹後守藤原為忠家百首」)
「先まくり」は「先回り」と同じような意味のようで、「先回りして、あと二夜を満たさずに、隈なく照らすのは九月十三夜の月であるといって、十五夜の月より十三夜の月を愛でているのである。これは、吉田兼好の徒然草が、「花はさかりに、月はくまなきをのみ、見るものかは」の有名な文句で始まるが、徒然草の最も早い時期の読者である正徹(室町時代の歌人・禅僧)が、”兼好が書きたるやうなる心根を持ちたる者は、世間にたゞ一人ならでは無き也。此心は生得にて有る也”(生得=しょうとく。生まれつきもっていること。生まれながらにして身に備わっているもの)と絶賛しているが、雲ひとつない月夜より、少し雲に隠れた月。満月よりも、少し欠けた月。・・・これが、いかにも中世的・隠者的な風雅の趣味であったよだ。こうして、中世になると、9月13日の晩には歌会や歌合が盛んに催され、「十三夜」の月が競って歌われるようになったという。
しかし、中国や、日本とは異なり、西洋では月が人間を狂気に引き込むと考えられ英語で"lunatic"とは、気が狂っていることを表す。また満月は人の心をかき乱し、狂わせるものであったようで、人の心をかき乱し、狂わせるものであったようで、女神が死を暗示したり、狼男が月を見て変身するというのは、その典型的な例で、とても月を眺めて楽しむという気分にはなれなかったようだ。そのようなことから、満月の日は他の日よりも自殺や殺人などの発生件数が多いといった都市伝説が流布している。
十三夜(旧暦9月13日)の・・・13日は英語圏の多くとドイツ、フランスなどで不吉な日であると信じられている日なのである。これらの国には、「13は不吉な数である」という迷信があり、この数字に対する恐怖症・十三恐怖症 といわれるものがあるが、十三恐怖症の中でも特に13日の金曜日に対する恐怖症がある。何でもキリストは13番目の弟子(マティア :Matthias) に裏切られた。それに死んだ日が金曜日なので、13日の金曜日は縁起が悪い日となった。また、処刑前夜の最後の晩餐にはユダを除いた12人の弟子とキリストの13人が揃ったことから、13人で何かを成すと死者が出る・・・といったような事だからだなどといわれているが、そのようなこと詳しく知りたい人はここ・13日の金曜日を読まれるとよい。
13日の金曜日 (映画) ( Friday the 13th)は、1980年、アメリカでホラー映画にもなり、大ヒットしたよね~。
今日は、何曜日だっけ???・・・金曜日の十三夜・・・!!!。日本では、十五夜の月より愛でられる月であるが・・・。
「ウオ~~~ン」・・・(・_・)......云?・・・なんだ、今の雄たけびは・・・・(^^;; 。
今日、わが地元兵庫県の加古川市にある鶴林寺 では、「第十回 十三夜観月会」(入場無料)が行われ、ハープコンサートも行われるらしいよ。近くの人は行ってみたら・・・。
鶴林寺 ハープコンサート↓http://plaza.rakuten.co.jp/erikaharp/diary/200606010000/
播磨の法隆寺と呼ばれる鶴林寺・十三夜観月会 様子はここで見れるよ。
参考:
月見 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E4%BA%94%E5%A4%9C
図書カード:十三夜著者名: 樋口 一葉 (青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000064/card386.html
やまとうた
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/index.html
庵十三夜/芭蕉db
http://www.ese.yamanashi.ac.jp/~itoyo/basho/others/jusanya.htm
風俗博物館◆月見(つきみ)(観月(かんげつ)) 
http://www.iz2.or.jp/rokushiki/8.html#top
舊暦とは
http://www.nnh.to/yomikata/qreki.html
国立歴史民族博物館 第112号 歴史の証人・藤原宗忠『中右記』
http://202.255.200.30/koohoo/journal/no112/rekishi.html
近江の歴史と文化と人物 【スサノヲの滋賀学】◆秋の風情、仲秋の名月、月見と十五夜
http://oumi.shiga-saku.net/e5768.html
徒然草の部屋・兼好と宣長-その理想と現実-
http://ksugiura2.hak.hokkyodai.ac.jp/myweb/kennori.htm
13日の金曜日 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/13%E6%97%A5%E3%81%AE%E9%87%91%E6%9B%9C%E6%97%A5
播磨の法隆寺と呼ばれる鶴林寺・十三夜観月会 
http://kobe-mari.maxs.jp/kakogawa/kakurinji_kangetsu.htm

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3 コメント

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色っぽい (Linda)
2006-11-04 10:19:47
よーさん、お早うさんです。
満月より十三夜や十六夜が色っぽい感じがします。
花も満開より五部~七部咲きや散り初めが色っぽいです。これってオーガズムを向かえる直前やの高まりとそのあとの気だるい感じに結びつけるのは聊かこじつけ過ぎですね。
返信する
ヾ(〃⌒ ー―――⌒)ノ~~コンニチワァ♪ (reiko)
2006-11-04 10:48:20
よーさん
色々勉強になりました ありがとうございます
知らないことが一杯σ(^◇^;)
また 寄せて頂きます
返信する
完全の手前が美しいが・・ (よーさん)
2006-11-05 07:45:37
Lindaさん、何でも勧善よりは、その前がいいですよね。(^0^)
でもダイエーの前のマークは太陽の欠けたマークでしたが、ちょっと、かけてる部分が多すぎて、ちょっと、満月になる前におかしくなってしまいましたね。
reikoさん、書き込み有り難う!
また、暇なときにでも見に来てね。
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