今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

戦後民主主義到来の日

2005-07-19 | 歴史
今日(7月19日)は「戦後民主主義到来の日」
1949(昭和24)年の今日(7月19日)、新しい民主主義の到来を謳った青春映画『青い山脈』が封切られた。ランランラン ランランラン ララララランラー♪
若くあかるい 歌声に・・・・・
1949(昭和24)年、藤山一郎と奈良光枝がデュエットで歌った明るい歌『青い山脈』(西条八十作詞、服部良一作曲)は、同名の映画の主題歌として作られたが、映画の封切りを待たず発売され、爆発的にヒットした。  
映画『青い山脈』は、1947(昭和22)年に、朝日新聞に連載された石坂洋次郎の同名小説の映画化である。封建思想が残る地方都市を舞台に若い男女の交際をめぐって起こる騒動を描いた明朗快活な青春映画だった。既に、前もって、歌の方が爆発的にヒットしており、7月19日の映画封切りの初日、東宝映画劇場には入場を待つ長蛇の列が出来たという。映画も主題歌もヒットし、ラストにはサイクリングのシーンが登場したお蔭で戦後最初の自転車ブームを呼んだという。この作品はその後何度もリメイクされ又、テレビでも放映されている。
戦前は国家統制、戦後は、占領軍による指導と、映画界は、常に圧力にさらされていた。当時、占領軍が映画界に課した最大のテーマーは、”民主主義”であった。戦後に、『文部省著作教科書 民主主義』。(以下参考に記載)という本があったらしい。1948年秋と1949年夏に、それぞれ上巻・下巻として出版された本らしい。当時の教育行政はGHQの管理下にあり、これを書いたのもGHQの教育行政スタッフたちであろうと推測している。本では、戦前日本の封建主義的権威主義や国家主義はまちがっていたんだと教える。逆に、個人主義をもとにした民主主義こそが、人類が長い年月かけて育てた、世界的に普遍な価値であり、平和のいしずえであると、くりかえし情熱的に説いているという。
兎に角、映画も検閲をされており、映画人は民主主義の啓蒙映画づくりに取り組んでいたが、その中心をなしたのは左翼主義的な思想をもつ映画作家であった。しかし、かれらのつくる民主主義映画はファッシズム批判をテーマーに描いた作品が多く一般の人々に、民主主義のよさをわからせるという点では難解に過ぎた。そんな時に、封切られたのが今井正監督の青い山脈である。この映画では、戦後の新しい社会における理想的な男女関係の追求を通じて、多くの人々に「民主主義」というものを伝えようとしていたのだろう。自由な恋愛、男女の平等な関係、個性の重視、お互いの精神を発展させることを目指す夫婦関係等々。この映画は、「キネマ旬報」の「邦画ベスト100作品の1つにも選ばれているという。
しかし、主題歌が大ヒットし、老若男女を問わず、知らない人はいないくらい多くの人に知れ渡っている歌のわりには、映画の方の内容は余り知られていないかもしれない。私も、子供の頃に、映画を見た記憶はあるが、歌を知っているほどには余り詳しいことは覚えていない。まだ、この映画を見るには、子供過ぎたのであろう。当時、女子生徒が男子生徒と、口を利いても駄目だった時代である。当時の日本人には、日本文化の独自性とか個性とかを強調したいために、民主主義であってもそれがアメリカ流だというだけで拒否感をあらわす人たちもいた。しかし、おそらく、この映画を観た当時の若者達は、戦前の軍国主義をまだ分からずにいた幼年時代から戦後の180度変わった新しい社会にすんなり入れ、この映画に勇気づけられたものだろう。当時の若者にとって、『青い山脈』はまさしく、戦後の民主主義の申し子的な作品であったろうといえる。
懐かしい歌「青い山脈」の歌詞つきのMIDIを以下にリンクしておいた。映画を思い出しながらハモッてみますか。
二木紘三「MIDI歌声喫茶」:青い山脈(歌詞つき)
(画像は、昭和24年「青い山脈」のポスター。日本映画100年(アサヒグラフ)より)
参考:
新しき時代への導き★石坂洋次郎『青い山脈』
http://members.jcom.home.ne.jp/burari/essay/e510.html
『文部省著作教科書 民主主義』
書いたのは日本人文部官僚か、ニューディーラーか。
http://home.att.ne.jp/apple/tamaco/2005/20050509minshu.html
東宝年代記☆1946-1953
http://www010.upp.so-net.ne.jp/tohoscope/19461953.html

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2 コメント

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石坂洋次郎 (Linda)
2005-07-19 10:17:06
よーさん、お早うさんです。

「青い山脈」僕も母に連れられて見に行きました。同じ様な感じの映画の「山の彼方に」とごっちゃになって居ます。出演者も同じような人だったような・・。原節子さん、桂木洋子さん、若山セツ子さん、伊豆肇さん、池辺良さん、などだったような気がします。六助は池辺良さんじゃなかったかな?石坂洋次郎さんの本も読みました。
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青い山脈 (よーさん)
2005-07-19 21:40:26
六助は池辺良さんでしたね。

私もこの映画は母に連れられていきましたが、この当時はチャンバラ映画が好きで、余り真面目な映画は好みじゃありませんでしたよ(^0^)
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