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ホテルニュージャパンの火災でで33人の死者を出した日

2007-02-08 | 歴史
今日(2月8日)は、ホテルニュージャパンの火災でで33人の死者を出した日。
1982(昭和57)年2月8日午前3時過ぎ、東京のホテル・ニュージャパンの9階客室から出火。火は9階から10階へ燃え広がり、約9時間後にようやく鎮火した。ホテルには315人の宿泊客がいたが、煙にまかれたり、窓から飛び降りるなどして33人(うち日本人11人)が死亡。29人が重軽傷、都内のホテル火災としては戦後最大の惨事となった。
(過去の大きな火災についてはを火災の年表参照)
原因は、宿泊客の寝タバコだったが、延焼範囲が広がった原因は、同ホテルの防火施設・設備は、必要なスプリンクラー設備の不備(散水孔に配管はなく、天井に部材を接着していただけの偽装だったという)、火災報知器の故障やホテル館内放送設備の故障、および使用方法の誤り、客室壁内部の空洞施工の整備もせず内装も耐火素材にしていないなど、関係消防法令の求める基準と程遠いものであり、東京消防庁の再三の警告にもかかわらず、改善せず違法状態のままだった。また、従業員数もオープン当時の半数以下に減らされており、教育不足による初動対応も不備で、避難誘導もなかったという。いずれも、横井英樹社長(当時68歳)の「営利優先」経営によるものであり、この大惨事は、人災とも言えるものであった。火災から1ヶ月近くたった3月横井社長は、初めて「住人被害者の会」との直接交渉に応じ「誠に申し訳ない」と何度も頭を下げたものの、自らの防火管理責任は認めず、記者会見でも刑事責任を追及される事には納得できないなどと語った。結局、多数の死者を出した火災の責任を問われ、11月18日横井社長ら4人が逮捕された。金儲けに邁進し、防火・防災設備にかかる経費を惜しんだホテル経営者の「防災設備は万全」「足りない人員はガードマンなどで補充していた」という言い逃れは、9ヶ月余に及ぶ捜査で否定された。東京地裁(1987年)・東京高裁(1990年)、ともに業務上過失致死傷罪で禁固3年の実刑判決が下された。
ホテルニュージャパンは、東京都千代田区永田町のプルデンシャルタワーの場所にかつてあったホテルで、二・二六事件の際に部隊が立ち寄った日本料亭「幸楽」の広大な跡地に建てられていた。
同ホテルは、かつて藤山コンツェルンによって建築され、1960(昭和35)年開業した。建物本体は大隈講堂などの作品で知られる佐藤武夫、内装は剣持勇がそれぞれ担当したもので、当時は東洋最大の格式を謳い文句に、旅館部とホテル部の設置、日本初のポリネシア料理のレストランを構えるなど画期的なアイディアが盛り込まれていたが、その後に開業したホテルニューオータニや東京ヒルトンホテル、ホテルオークラと比較すると、ノウハウ、規模・設備に見劣りすることや莫大な借入金の負担から苦戦を強いられていた。それゆえに第二次ホテルブームを見込んで造成した藤山愛一郎ら一族の、落日の象徴ともいえるホテルであったが、火災時には横井英樹に買収されていた。
火災後ホテルは廃虚となり放置され続けていたが、2002(平成14)年12月、跡地に>プルデンシャルタワーが完成した。
横井英樹は、1952(昭和27)年から1955(昭和30)年までの大規模な白木屋乗っ取り劇を仕掛けたことでよく知られている実業家であるが、最終的には東急の出馬を引き出し、乗っ取りを貫徹はしたものの数億の損を出したと言われるが、この一件で力をつけ、その後も次々と乗っ取り劇などを繰り替えしており、兎に角、面の皮の厚い事では誰にも引けを取らない男であったという。生涯、資産に執着していたが、最晩年には、事業の失敗が重なり、最後の砦である、田園調布駅前に構えていた豪邸も手放さざるを得なくなった。1998(平成10)年11月30日、虚血性心疾患のため85歳で死去。
実在のモデルを主人公にしたノンフィクション風の小説を数多く著している城山三郎の小説「乗取り」の、株の買占めにより老舗デパートを乗っ取ろうとする主人公、青井文麿は横井がモデルだとされている。高度成長期である昭和30年代の「白木屋デパート乗っ取り事件」を題材としているものだが、今、また、ミニバブル再開か?などと言われているが、格差社会の中で、持てるもののお金の行き場がなく、またまた、買占め・乗取り・TOBが流行りそう。企業のそのような行為を全面的に否定するわけではないが、買収・乗っ取った会社の経営については、金儲けだけでなく、企業としての社会的責任だけは十分に果たしてもらいたいもである。
(画像は、1982年の火災後も廃墟のまま放置されていた(1993年)ホテル・ニュージャパン。フリー百科事典Wikipediaより)
ホテル・ニュージャパン
http://www5f.biglobe.ne.jp/~punch-ht/hnjap01.html
プルデンシャルタワー(プルデンシャルタワーレジデンス)
http://www.eonet.ne.jp/~building-pc/tokyo/tokyo-157puru.htm
さんぽみち総合研究所-渋谷コース
http://www.e-sampo.co.jp/column-shibuya3.htm
城山三郎 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%8E%E5%B1%B1%E4%B8%89%E9%83%8E
株式公開買い付け - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E5%85%AC%E9%96%8B%E8%B2%B7%E3%81%84%E4%BB%98%E3%81%91

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