障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

メンタルヘルスを考える 1

2011-09-29 | 社労士のメンタルヘルス対策
こんにちは!社労士の吉野です。


今日と明日はメンタルヘルスについて考えてみたいと思います。

1の今日は、会社としての対策。
2の明日は、個人として精神疾患にならないように気をつけること。


会社として、メンタル不調者に対して、どのように対応したらいいのでしょうか?

ものの本や行政パンフには、「4つのケア」が大事と書かれています。

4つのケアとは、

1セルフケア

自分だけでなく、管理監督者もここに入るそうです。
自分自身の健康管理という意味かと思っていましたが、どうやら違い、
メンタルヘルスの正しい理解、ストレスサインの気づきと初期対応などが
ここに入っています。

First approach。会社として対策を立てる時に初めに行う研修などがここに入るのでしょう。

私は前職でメンタルヘルス対策も行っていましたが、最初に精神科医の松崎一葉先生をお招きして
全社員向けにメンタルヘルスの基本的な理解のための講義をしていただきました。

費用はかかりましたが、私が勉強したことを稚拙に社員の皆さんに伝えるよりは
松崎一葉先生の講義の方が大きな効果があったと思っています。

参加社員の反応はマチマチでした。今ほどメンタルヘルスが問題になっていない時期で、
同僚にメンタルヘルス不調者もいませんでした。
(外資系企業は何でもスタート時期が日系企業より5年以上早いんですね。)

同僚に不調者がいて、その課全体でなんとかしなきゃ!と思っている時期の方が興味を持って
先生のお話を聞いてもらえたでしょう。

でも、不調者がいる状況では遅いと考えています。

対策は起きてからでは遅い、予測して先手先手で行うのが必要です。

ただし、今現在、問題がないのに(表面にでていないだけ)、予算をとって、社員にも無駄使いじゃないと
納得してもらって、対策を行っていくのは大変と思います。

中小企業の場合は、担当者にとって、かなりの厳しさと理解します。
その場合は、担当者が研修に参加して、自ら社員教育を行うのが効果的かもしれません。
産業保健センターなどで、無料か安い料金で数日間の充実した研修を行っています。

 
2ラインによるケア 

管理監督者が担う部分で、4つのうち、最も重要と思います。

いつもと違う様子の部下を発見し、相談対応し、
万一メンタル不調者になってしまった場合には職場復帰の支援も行う。

管理者が一人で数名か数十名の部下を持っている場合、上記を理想通り行うことが
可能でしょうか?

管理者は自分の部署の成果を出すことに精一杯でないですか?

いつもと違う様子の発見は、現実的には同僚が見つけることが多いと思います。
その時に、上司に相談できるような人間関係ができていることが重要かもしれません。


いつもと違う様子とは?

1 仕事の能率が悪くなる←思考力や判断力の低下のため
2 不自然な言動がある
3 表情に活気がなく、動作にも元気がない(あるいはその逆)
4 服装が乱れている
5 遅刻、早退、欠勤が増える
6 残業が増える(1の理由で仕事がはかどらない)     など。

先日の創業塾報告で、多くの先生が指摘した微差を認める感性が、ここでも必要となるわけですね。

1,3,4,5の原因は、夜眠れていないことにより起きている可能性が高いと思います。

声を掛けるとすると、「遅刻が多いね」「元気ないね」などの直球ではなく
「夜、眠れてる?」「昨日は何食べた?何時頃寝た?よく寝れた?」などがいいかもしれません。

相談対応は、ケースバイケースと思います。
基本は話を聞く、自分にできることは?と聞く、人生の先輩だからと勝手に判断して話を進めない、など。

先日の講義では、うつ病とパーソナリティ障害では対応が真逆とのことでした。
例えば、うつ病は励まさないのに対して、パーソナリティ障害では叱咤激励が効果的 など。

でも、現場の上司はそこまで精神疾患の知識はないですよね?どうすればいいんでしょう?

困ったら、シンプルに考えてみたらどうでしょうか。

「自分はあなたが心配なんだよ。だから声を掛けているんだよ。」というメッセージが伝われば、
とりあえずいいんじゃないでしょうか。

職場復帰の支援
数か月間の休職を経ての職場復帰は、本人にとっても受け入れる同僚や上司、会社にとっても重要ですよね。

ただ、中小企業の場合、一人の休職で、そのグループがかなり疲弊していることが想像できます。
つまり、受け入れる余裕がなくなってしまっていることが問題と思います。

リハビリ出勤の初期段階(通勤だけ、1-2時間勤務だけ)は、休職期間末期の1-2週間に行って、
「まだ休職期間なんだけど、出てきているんだよ」というスタンスで回りの理解を得るのも手だと思います。

それでやってみて、大丈夫そうだったら職場復帰を認めると、その後のトラブルを防止することもできるかもしれません。

再発を防ぐためにも、ストレス原因を探って少なくすることも重要ですね。


3自社の産業保健スタッフによるケア

中小企業に産業保健スタッフいるのでしょうか?

50人以上の会社なら、産業医や衛生管理者がいるかもしれません。
いない場合は、現実的には、人事労務部の部長やスタッフが対応することが多いのでしょう。

実務的に、産業医の意見を聞いたり、主治医と面談したり、就業規則に基づいて職場復帰の判断を行う、
リハビリ出勤の文書作成、勤怠管理、労働時間管理など行うことは多いと思います。

重要なことは、「会社として支援しています」ということを本人に伝えて、症状を悪化させないことと思います。

どうしてもラインケアに比べて、距離を感じてしまいます。
もし、不調の原因がラインにあるのなら、異動するなどの根本的な解決策の判断は、人事部やトップが行う必要もあります。

現実的には、トップの判断でどこまで会社として対応できるかが決まるのでしょう。


4事業場外資源によるケア

メンタルヘルスが問題となっている現在、多数のEAPが揃っています。

先ほど少し紹介した、うつ病とパーソナリティ障害の対応の違いなど、専門家に相談しなければ
わからないことがたくさんあります。

現代型うつなどの対処方法も、研究している専門家に相談するのがいいと思います。

EAPじゃなくても、産業保健センターなどの行政機関で無料相談できます。

自社にメンタル不調者がいる場合は、必ず専門家に相談するのが鉄則と思いますよ。
産業医として精神科医とも契約するのは、予算が許せばありと思いますが、中小企業では敷居が高そうです。


さて、仕事の話はここまで。

昨日は夕方まで自宅で仕事をして、図書館へ向かったところ、なんと休館。
月曜日でないのに?
虫干し?みたいなことで1週間休んでいるのでした。

その後、髪を切ろうと自由が丘の美容室へ行きました。
久しぶりの帰宅ラッシュに遭遇し、必要以上に疲れてしまいました。

それから、渋谷をうろうろして買い物して、帰宅しました。

なんだかんだで、いつも帰宅は夜10時過ぎ。
早く帰って、早く寝たらいいのですが、なかなかできないのです。
すっかり夜型で、朝が弱いのは小学生の頃から治りません。

See you tomorrow!

chika yoshino

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