障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

障害年金 初診日=確定診断日???

2019-11-08 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

11月の連休は、和歌山のアドベンチャーワールドと熊野へ行きました。

パンダ(桜浜)の食事を、最初から最後までゆっくりと観察しましたよ!

ブログの一番最後にパンダの写真を載せておきますね〜。

可愛いので最後まで読んでくださいね!

さて、連休中の11月4日に

障害年金、診断確定まで不支給相次ぐ」という記事が

共同通信より配信されて、

各新聞社のネットニュースに流れていましたね。

診断確定まで不支給」という見出し。

障害年金の初診日を「初めて受診した日」でなく、

何年か後の「確定診断日」と認定されてしまう問題ですから

「診断確定まで不支給」とひとくくりにするのでなく、

初診日が「確定診断日」にずれて認定されることにより生じる

数々の不利益を被っている方がいることが問題なんですよね。


【問題の本質は何か?】

障害年金の初診日が「確定診断日」にずれることによる問題は、

障害年金の3つの要件に直結することが問題です。

障害厚生年金の3つの要件
1 初診日において会社員だったかどうか?
2 初診日の前日において、年金保険料の納付要件を満たすかどうか
3 初診日から1年6ヶ月後の「障害認定日」に3級以上に該当するかどうか

初診日=確定診断日と認定されてしまう

1つめの被保険者要件では、以下のような不利益が生じることがあります。

たとえば、交通事故日には会社員だったAさん。

交通事故を原因とする脳脊髄液減少症のために

仕事を続けられなくなり、事故から数年後に退職しました。

退職後に「確定診断」を受け

その確定診断日を初診日と認定されてしまうと、

会社を退職した後ですから

障害厚生年金は受給できません。

すると

障害基礎年金を請求することになり、

もし、3級の程度だったら、

障害年金は受給することができなくなります。

2つ目の要件、3つ目の要件でも、

基準となるのは「初診日」ですから、

具体例は出しませんが、それぞれ問題が生じます。


【なぜ確定診断日を初診日にするのか?】

障害年金の初診日とは

傷病の原因となった傷病につき、

初めて医師の診療を受けた日」と定義されています。

原因→結果が定かでない傷病は、

相当因果関係があるかどうかの検証が必要です。

これが、なかなか難しく・・・

認定に時間がかかるし、

認定にバラツキも生じます。

いっそ確定診断日を初診日とした方が

認定のバラツキは少なくなるし、

手取り早いのでしょう・・・か?


【確定診断日を初診日とするメリットもある】

人によっては、

確定診断日を初診日とした方が

障害認定日に遡って受給できるメリットもあるのです。

本来の初診日では

障害認定日請求(遡及)できなくても

確定診断日を初診日とすると

初診日から1年6ヶ月後の「障害認定日」には

すでに確定診断されて治療もされているわけですから

障害認定日請求(遡及)ができますね。

もし、初めて受診した日が初診日になると

1年6ヶ月後の障害認定日に

まだ確定診断されていないために

事後重症請求しかできないデメリットもあるのです。


【確定診断日を初診日とされないように】

私が担当した案件では、

認定が難しいとされている傷病で

近年においても確定診断日=初診日とは認定されていません。

それは、確定診断日を初診日とされないように

確定診断日を初診日とする傾向を踏まえたうえで

工夫しているからです。

すなわち、すべての認定が難しい傷病が

確定診断日=初診日となるとは限らないのです。

障害年金を専門としている社労士に断られたという案件

何件も引き受けて、

確定診断日でなく本来の初診日を初診日と認められています。


【まとめ】

診断の難しい傷病では、確定診断日を初診日とされる傾向は確かにあります

しかし、初診日は請求者が申し立てるものですから

きちんと根拠を示して、

障害年金の請求を行えば、

確定診断日前でも、ちゃんと初診日と認定されます!


お待たせしました。

パンダ桜浜の食事中の写真です!

竹の食べ始め


竹を1本ほぼ食べ終わりました!


癒されてくださいませ〜。

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【関連記事】障害年金請求サポート専門社労士吉野千賀ブログの「社労士の障害年金」記事一覧
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おかげさまで、2015年9月刊行後、2か月で1万部に到達しました。ありがとうございます。

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Have a nice day!

Chika Yoshino

障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀

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