障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

障害年金 不服申立の容認率(令和5年度)

2024-09-13 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

東京は9月になっても暑くてたまりませんね。
北海道へお墓参りに行きましたが、
気温は高くても風が涼しくて快適な気候でした。

さて、社会保険の不服申立機関である「社会保険審査会」の
令和5年度の(再)審査請求裁決等の状況が公開されました。

いや〜、驚くばかりの結果でした。
不服申立をしても、最近は容認が全く出ないことは実感していましたが、
数字で見ると愕然としました。

容認数が少なすぎです!

国民年金の容認は、たったの13件(267件のうち)!
被用者年金(厚生年金保険・健康保険)も、たったの19件(362件のうち)!
容認の合計は、32件(涙)

裁決629件のうちの容認32件です。

裁決による容認」は5%!え〜、少なすぎ。
95%が裁決で「棄却」または「却下」とは

不服申立のハードル、上がりすぎてませんか?

ちなみに「原処分変更による取下げ」というのもあり、
これは、不服を認めたから取下げしてね、というもので
実質上の容認です。

「原処分変更による取下げ」の件数も低いですよ。
国民年金 32件
被用者保険(厚生年金保険・健康保険) 36件 
合計 68件

【令和5年度の容認率(容認+取下げ)は?】

令和5年度の裁決状況によると、

容認 32件 すくな!←しつこ
棄却 541件 なんてこと!
却下 56件 
取下げ(原処分変更による取下げ)68件
取下げ(上記によらない取下げ)21件
合計処理数 718件

不服が認められたのは「容認」と「原処分変更による取下げ」なので
容認 32件
原処分変更による取下げ 68件 
合計100件が認められた件数です。

合計718件のうち100件ですので、
容認率(容認+取下げ)は、13.9%です。

【過去の容認数は?令和5年度だけ低いの?】

裁決による容認の数は、右肩下がりです。
ただ、処理件数も右肩下がりではあります。
( )は取下げを除いた処理件数、%は取下げを除いた容認率です。

平成24年 126件(2,242件)5.6%
平成25年 209件(1,873件)11.1%
平成26年 219件(1,744件)12.5%
平成27年 227件(1,784件)12.7%
平成28年 152件(1,943件)7.8%
平成29年  99件(1,676件)5.9%
平成30年  91件(1,345件)6.7%
令和元年   90件(1,256件)7.1%
令和2年   89件(1,244件)7.1%
令和3年   93件(1,299件)7.1%
令和4年   73件(1,013件)7.2%
令和5年   32件(629件)5.0%

やっぱり、令和5年度は低いのですね。 

弊事務所でも、平成25年から平成27年は容認を勝ち取っていたのですが
もはや過去の話。ここのところは、さっぱりです。

なので、不服申立の相談を受けても「やりましょう!」とは言えず、
他の方法を提案しています。

【他の方法とは?】

・不支給になった場合は、
もう一度やり直して請求することを考えてみる。
※ この場合は事後重症請求になります。

・決定された等級が不服の場合は、
1年経ってから「額改定請求」を行うことを検討する。

・障害認定日(遡及)が不支給や等級に不満の場合は、
不服申立を行うしかないですが、ほぼ認められることはない。

・更新(再認定)で等級が下がった場合は、
1年経ってから「額改正請求」を行うことを検討する。

・更新(再認定)で支給停止になったなら、
新たな診断書と「支給停止事由消滅届」を提出する。

不服申立と他の方法の両方を行うことはできますので、
正直ダメ元で不服申立を行いつつ、他の方法を検討するといいかもしれません。

令和5年度の社会保険審査会審査状況
厚生労働省のホームページに掲載されています。
こちらをクリック

では、よい週末を!
北海道の広い景色で涼んでください。


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【関連記事】障害年金請求サポート専門社労士吉野千賀ブログの「社労士の障害年金」記事一覧
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障害年金 2025年制度改正 その2

2024-06-18 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

2024年5月13日開催の「第15回 社会保障審議会年金部会」で提示された

「障害年金の制度改正」のうち、後半(4〜6)の3つについて記載します。

【障害年金の制度改正 6つの論点】

次期制度改正(2025年改正)では、障害年金に関して6つの論点が示されています。

1 初診日
2 障害年金受給者の国民年金保険料免除の取扱い
3 直近1年要件
4 障害基礎年金2級の年金額
5 障害年金と就労収入の調整(20歳前の障害基礎年金以外)
6 事後重症の場合の支給開始時期

※ 前半3つは前回のブログをご参照くださいね!


【4 障害基礎年金2級の年金額】

障害基礎年金2級の年金額は、

老齢基礎年金の満額(20歳から60歳までの40年間、年金保険料を支払った場合と同額)で

令和6年度の障害基礎年金2級の年金額は、816,000円です。

検討事項として、

老齢基礎年金は、20歳から65歳までの45年間、年金保険料を支払うことになりそう

老齢基礎年金の満額も40年→45年の5年分多くなるかもしれません

障害基礎年金2級の年金額を

45年化の老齢基礎年金の満額と同じ金額に引き上げるかどうか・・・を検討しています。

2級の受給者数は、全体(251万人)の70%(178万人)のため、

検討課題では「2級の年金額」としていますが、

2級の年金額が改正されれば、当然、1級や3級の年金額も改正されると思います。

公平性という観点から

障害基礎年金2級の年金額が引き上げになった場合、

施行日前に初診日がある受給者の年金額はどのように取り扱うか・・・も検討しています。

いずれにしても、

障害年金の年金額が引き上げになるなら、朗報ですね。


【5 障害年金と就労収入の調整(20歳前の障害基礎年金以外)】

障害年金では、原則として、就労して収入を得たとしても

直ちに障害年金が支給停止になったり、

減額されることはありません。

ただ、「直ちに」ということではなくても

次回診断書提出年月(更新)の障害の状況を判断して

支給停止や減額されることはあり得ます。

また、20歳前傷病による障害基礎年金では収入要件があるため、

定められた以上の収入があれば、支給停止や減額することはあります。

検討事項として

障害の種別によっては、

更新時の就労状況で、年金額の減額や支給停止があると

就労の開始や就労時間の増加を躊躇させる要因になってしまうため、

たとえば「在職老齢年金」のような

年金と収入の間で一定の調整を行うべきか・・・を検討しています。


「障害の種別によっては」というのは、

人工関節(原則3級)や人工透析(2級)などでは

どんなに収入が多くても、障害等級が変更になることはないのに対し、

精神疾患や内部疾患など症状に波のある傷病では

就労の有無や収入増により

障害等級が変更になることです。

この論点は、

解消方法を導くことに時間がかかりそうな気配を感じます。

2025年改正に間に合うかどうか・・・と思っています。


【6 事後重症の場合の支給開始時期】

障害年金には3つの請求方法があります。

1 障害認定日請求(遡及請求とも呼ばれています)
2 事後重症請求
3 初めて2級(1級)請求 ← 件数も少なく今回の論点になっていないので説明は省きます

障害認定日とは、

初診日から1年6ヶ月経過した日(または1年6ヶ月以内に症状固定した日)」で

障害認定日請求すると、障害認定日の翌月から障害年金は支給開始されます。

一方、事後重症請求とは、

障害認定日では症状が軽かった人が、症状悪化に伴い請求する方法で

請求日(提出日)の翌月から障害年金は支給開始となります。

事後重症請求の問題点として、

障害認定日から3ヶ月以内に障害等級に該当しなければ

途中で症状が悪化し障害等級に該当したとしても

あくまでも請求日(提出日)の翌月からしか障害年金は支給されないこと


全員が障害年金の制度を熟知していて

速やかに障害年金を請求しているなら、何の問題もないでしょう。

しかし、

現実問題として、障害年金制度すら知らずに

請求が何年も遅れるケースは多々あります。


検討課題として、

事後重症請求の場合でも、

障害等級に該当した日が診断書で確定できるのであれば、

その翌月まで遡って障害年金を支給することを認めるべきかどうか・・・です。


これは、今まで2つの選択肢(遡及か事後か)しかなかったことからすれば

朗報ですね!

でも「障害等級に該当した日」を確定するのは、

症状に波のある傷病(精神疾患など)では難しいかもしれません。

初診日から1年6ヶ月以内に症状固定した日がわかる傷病

額改定請求を1年待たずに行える傷病

「障害等級に該当した日」の確定ができますので

これらの傷病に限るとすれば、スムーズな運用ができるのではと思っています。


2025年改正に向け、年金部会では夏以降に二巡目の議論を行い

取りまとめの発表時期は2024年末の見込みということです。

現行の制度より改善される方向へ向かうといいですね!

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障害年金 2025年制度改正 その1

2024-06-05 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

年金制度改正は2025年に予定されています。

次回制度改正の主軸は

被用者保険(厚生年金保険)の更なる適用拡大

基礎年金の45年化(現在は20歳〜60歳の40年)などで

マスコミの報道で知っている方も多いことでしょう。

遺族年金も男女格差の是正などが議論されており、

障害年金も一部見直しが検討されています。

2024年5月13日「社会保障審議会年金部会」第15回会合

厚労省年金局が提示した障害年金の6つの論点について

ブログを書いてみます。

なお、障害年金の制度改正が予定されていると言っても

現在受給中の障害年金が支給停止になることはありません(症状が軽快した場合を除く)ので

過度に心配する必要はありません・・・念のため。


【障害年金の制度改正 6つの論点】

次期制度改正では、障害年金に関して6つの論点が示されています。

--------------------------------------------------------
1 初診日
2 障害年金受給者の国民年金保険料免除の取扱い
3 直近1年要件
4 障害基礎年金2級の年金額
5 障害年金と就労収入の調整(20歳前の障害基礎年金以外)
6 事後重症の場合の支給開始時期
--------------------------------------------------------
それぞれの論点のうち、今回は1から3について記載します。


【1 初診日に係る論点】

「初診日がいつか?」は

障害年金請求において重要課題であることに変わりはありません。

次回の制度改正では、

長期間 会社員や公務員で厚生年金保険に加入していた方

退職してから受診した日が初診日になると

過去どんなに長く厚生年金保険に加入していても

障害基礎年金の対象となってしまう・・・

という悲しい現状を是正できるかどうかを検討しています。

具体的には、

「延長保護」「長期要件」を認めるかどうか、

認めるにはどのような場合か適切か等を検討しています。

延長保護」とは?

 退職後の一定期間内に初診日があれば厚生年金保険の給付対象にする考え方

長期要件」とは?

厚生年金保険の納付済期間が一定以上あれば、退職後でも厚生年金保険の給付対象にする考え

簡単に言いますと、

初診日に関する論点は、障害厚生年金の「被保険者要件」に係る論点です。


【2 障害年金受給者の国民年金保険料免除の取扱い】

2級以上の障害年金を受給すると、

国民年金保険料は「法定免除」となります。

しかし、65歳前に障害の状態が良くなり

障害基礎年金の支給が停止になると

65歳以降の「老齢基礎年金」は

法定免除の期間、減額されてしまいます。

症状固定などで65歳以降も2級以上の障害の状態が確実であれば

引き続き、障害基礎年金(2級で老齢基礎年金の満額)を受給できますので

それでも何ら問題ないのですが、

症状に波のある傷病の方

・法定免除にするべきか・・・

・将来(老後)のために国民年金保険料を納付するべきか・・・

迷う方が大勢います。

制度改正としては

障害年金の法定免除期間

保険料納付済期間と同じ扱いにするべきかどうか

検討しています。

もし決定されたら、朗報ですね!


【 3 直近1年要件】

保険料納付要件を満たしているかどうかは、

障害年金を請求する場合、一番先に確認するべきことです。

納付要件は、

初診日の前日までの被保険者期間に

保険料納付済期間と免除期間の合計が3分の2以上あること、が原則です。

特例措置として、

令和8年4月1日前に初診日がある場合は

3分の2以上の要件を満たさなかったとしても

直近1年で納付済間と免除期間があれば(=未納期間がなければ)

保険料納付要件を満たす取扱いがあります。

これを、直近1年要件と呼んでいます。

この特例措置は

1985年改正時に10年間の期限付きで始められ

その後も10年延長が繰り返されて、早40年。

特例措置としての役割は終えたのではという意見もあります。

実務上の感じでは

この直近1年要件で受給できた方は今でも多数いるので

また10年延長できればいいな・・・と思っているし

たぶん、今回の議論でも10年延長されるとの見方が多いようです。


6つの論点のうち後半(4から6)は

次回のブログで紹介しますね!

厚労省の資料はこちらから

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1型糖尿病の認定基準(裁判)

2024-04-23 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

先週金曜日(4/19)大阪高裁で、1型糖尿病の集団訴訟の判決がでました。
結果は「逆転勝訴」でした!

長い戦いで心労も多くあったと思います。
本当にお疲れさまでした。

【1型糖尿病と障害年金】

糖尿病には「1型」と「2型」があり

生活習慣病の延長線上で発症する「2型」糖尿病

中高年になり発症することが多いのに対し、

「1型」糖尿病は、膵β細胞が何らかの理由により破壊され

インスリン分泌が枯渇して発症する糖尿病で

幼少期・若年期に発症することが多い疾患です。

障害年金の観点でいうと

20歳前に発症(受診)したなら、
障害基礎年金(20歳前傷病)に該当します。

障害基礎年金は2級以上でないと受給できないのですが、

障害認定基準の「代謝疾患による障害」では

3級に該当する基準しか明確にされていません。


【事件の概要】

大阪の裁判は、若年期(20歳前)に1型糖尿病を発症し、

障害基礎年金2級を受給していた複数の控訴人が、

障害認定基準の2016年6月改正による影響か

2017年以降の更新時に3級(2級不該当)と認定され、支給停止になったため

支給停止の解除を求めて集団訴訟を行なった裁判です。


【障害認定基準では原則3級】

2016年6月に改正された障害認定基準の認定要領では、以下と定められています。
——————

糖尿病については、必要なインスリン治療を行ってもなお血糖のコントロールが困難
なもので、次のいずれかに該当するものを3級と認定する。

ただし、検査日より前に90 日以上継続して必要なインスリン治療を行っていること
について、確認のできた者に限り、認定を行うものとする。

なお、症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に
認定する


ア 内因性のインスリン分泌が枯渇している状態で、空腹時又は随時の血清Cペプチド値
が0.3ng/mL未満を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの


イ 意識障害により自己回復ができない重症低血糖の所見が平均して月 1 回以上ある
もので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの

ウ インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシス又は高血糖高浸透圧症候群による
入院が年1回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
———————-

この改正により、3級の例示は具体的に記されたため

1型糖尿病で障害厚生年金3級を受給できるようになった事例は多々あります。

しかし、

2級に該当するかどうかは、

「症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する」

記されているのみ。

この書き方が曖昧なので、新規裁定で2級認定は困難な現状です。

認定基準改正前に障害基礎年金2級を受給していた方が

2級不支給(3級)となったら、提訴するしかありません。

補足:
不服申立(審査請求・再審査請求)を行なっても
障害認定基準ベースで判断されるので難しいです。


【障害認定基準に2級の例示を!】

1型糖尿病は、幼少期・若年期に発症する傾向があるとのこと。

障害基礎年金(20歳前傷病)になるなら、

どのような場合に上位等級(2級)に該当するのか

障害認定基準に具体的な記載をして欲しいです。


【裁判までしないと受給できないのでは・・・】

裁判になると、時間と費用がかかり負担が大きい・・・。

今回の大阪高裁の裁判は紆余曲折があり、

勝訴まで7年(提訴は平成29年11月20日)もかかっています。


他にも、1型糖尿病の障害基礎年金の不支給決定(2級不該当)で

令和4年7月26日東京地裁で勝訴した事案もありますが

勝訴まで丸4年(提訴は平成30年7月27日)費やしています。


時間も弁護士費用もかかる裁判を行わないと

1型糖尿病で2級受給への道は開けないのでしょうか。

繰り返しになりますが、

障害認定基準の認定要領で「2級」に該当する具体的な例示を示して欲しいです。

そうすれば、1型糖尿病で重症の方は

裁定請求(最初の手続きによる申請)から2級と認められ、

何年も裁判に費やす時間や費用や心労がなくなることでしょう。

そうなることを願ってやみません。

【ご参考】
大阪高裁1型糖尿病訴訟の記事はこちら
東京地裁1型糖尿病訴訟の書籍はこちら 賃金と社会保障1820 2023年2月下旬号

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障害年金の再認定(更新)時期

2024-04-03 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

今年は桜の開花が遅かったですね。
九段下の千鳥ヶ淵は、桜も咲いて、入学式でとても華やいだ雰囲気です。

障害年金の受給が決まり、ホッとするものの
更新が心配になる方も多いようです。

今回は、更新時期(期間)について書いてみますね。

【再認定(更新)とは】

障害年金には、症状に波のある傷病症状が固定している傷病があります。

症状に波のある傷病とは、精神疾患や内科的疾患などが該当し

人工関節置換や人工弁などは、症状固定とされています。

症状に波のある傷病は、

定期的に診断書を提出して再認定を受けることにより

年金受給が更新されます。

これを、再認定(更新)と呼びます。

再認定時期は、年金証書の右下(次回診断書提出年月)に記載されていますので

是非、確認しておいてくださいね!


【再認定(更新)期間はどれくらい?】

自分の更新時期が短いのか、長いのか、よくわからなくないですか。

そこで、障害年金業務統計(令和4年度)から

全体の(他の人の)更新期間がどれくらいなのかを紹介します。

⚪︎新規裁定(初回の申請)の障害基礎・障害厚生の全体

更新期間  
1年 1.6%
2年 23.4%
3年 34.6% ←一番多い
4年 0.9%
5年 30.3% ← (注1)ご参照ください
永久固定 9.2% 

⚪︎障害厚生年金3級だけみると
1年 4.2% ← 比較的多い
2年 39.4% ←2年と3年更新は全体の74.1%
3年 34.7% 
4年 0.8%
5年 8.5%
永久固定 12.5% ← 人工関節・人工弁などで3級の永久認定

障害厚生年金3級は、1級や2級の更新時期と若干違うのかなと思います。

傷病の種類(外部障害・内部障害・精神疾患)によっても

更新時期の設定が異なるようです。

例えば、

人工透析の2級認定では、ほとんどの方が5年更新(注1)、

精神疾患の3級・2級では1〜2年更新が多い印象です。


【更新後の更新時期(次の次の更新)は長くなる傾向】

これが、再認定(更新)後=次の次の更新になると時期が長くなる傾向があります。

⚪︎障害基礎・障害厚生の全体

更新期間(次の更新) 
1年 0.7%
2年 3.9%
3年 19.2%
4年 0.9%
5年 52.0% ← 一番多い
永久固定 23.2% ← 永久固定も増えている

⚪︎障害厚生年金3級
1年 3.0%
2年 8.8%
3年 43.7% ← 一番多い
4年 0.6%
5年 38.9% ←増えている
永久固定 5.1% 

弊事務所で担当した精神疾患(気分障害)の方は、

何度も更新しているうちに永久固定になりました。

この方は、毎年更新(1年更新)が何年も続き、5−6年後に永久認定されたんですよね。

症状に波のある傷病(気分障害)でも永久認定されるんだ!とちょっと驚きました。

それなら、知的障害の方も更新を続けているうちに、永久認定されるかもしれません。


【更新時期の不服について】

毎年更新!なんて面倒だし解せない〜と思っても

更新時期設定の不服は、

審査請求・再審査請求(不服申立)の範疇にないため、不服申立はできません。

何回か更新していると、次の更新期間が延びたり、

いつか永久認定されたりすることもある、と考えて

受け入れるしかないかもです。


開花したばかりの3月29日(金)の千鳥ヶ淵です。
照明があたっているだけで、満開のように見えて綺麗です!



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若年性認知症と障害年金

2024-01-13 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

令和6年能登半島地震で被災された方に心よりお見舞い申し上げます。
地面が4メートルも隆起するような激しい揺れに見舞われて
どんなに怖かったことでしょう。
被害を受けられた方が一日でも早く平穏な生活に戻られるには何が必要か
遠くから助けになることは何かを考えています。

さて、昨年1月に受けた東京都主催の「若年性認知症」セミナーの備忘録です。
講師は順天堂東京江東高齢者医療センターの柴田医師で
とてもわかりやすくて、勉強になりました。

最近、若年性認知症の障害年金請求のご依頼も増えています
100%ご家族からのご依頼です。

【若年性認知症とは】

65歳未満に発症した認知症を「若年性認知症」と呼んでいます。

若年性認知症の発症年齢は、50代前後が多いとのこと。働き盛りですね。

若年性認知症を発症すると

80%以上の方は、退職しているとのこと。

まさに、障害年金の受給が必要な疾患と考えます。


【若年性認知症の診断基準】

若年性認知症の診断基準や傷病名は、老年性認知症と同じ。

診断基準は、
1 ひとつ以上の認知領域の低下
2 日常生活の支障
3 せん妄のときのみの症状でないこと(画像診断)
4 他の精神疾患の否定(画像診断)

画像診断が主ですから、専門医を受診しないと診断は難しそうです。

自発的な受診はほとんどなく

家族や職場で「物忘れがひどい」と気づかれ、促されての受診になるそうです。

【若年性認知症の傷病名】

4大認知症と呼ばれているものは、老年性認知症と同じ。

1 アルツハイマー型認知症 67.6%
2 前頭側頭型認知症 8.6%
3 レビー小体病 4.3%
4 脳血管性認知症(高次脳機能障害) 19.5%

この中で、高次脳機能障害は原因があるため気づかれやすく

アルツハイマー型認知症は全体の6-7割も占めているのに、気づかれにくいという特徴があるそう。

【若年性認知症の就労上の問題】

50代で発症した場合。

大企業であれば、配置転換や障害者雇用で

定年まで在籍できるケースが多いそうです。

しかし、会社に在籍できても、一番の懸念は通勤

通勤途中の事故(労災)や行方不明などで

通勤ができなくなったら、大企業でも退職せざるを得なくなるそうです。

二番めの問題点は、本人からパワハラやいじめの訴えがあること。

会社の支援や配慮を受けていても

若年性認知症の症状のひとつとして

他罰的だったり、被害妄想や不安妄想があるため

パワハラやいじめを訴える事例が多いとのこと。

双方からの聞き取りを十分に行なって

医師にも相談して対処することが必要と思います。


【若年性認知症と障害年金】

若年性認知症は高次脳機能障害と同じく

精神疾患の年金診断書を用いて請求します。

障害認定基準も高次脳機能障害と同じで

「症状性を含む器質性精神障害」に沿って認定されます。

弊事務所で何件が取り扱った感想ですが、

他の精神疾患(うつ病や発達障害など)と比較して

高次脳機能障害や若年性認知症は認定されやすく

障害等級も高く認定される傾向があるように思います。

【若年性認知症のこれから】

就労継続や障害者雇用での再就職での課題は

傷病のキーワードが「進行」であること。

今年、軽度の認知症に対する進行抑制治療薬が承認されたので

保険適用となって治療効果が出ることに期待したいですね。

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【関連記事】障害年金請求サポート専門社労士吉野千賀ブログの「社労士の障害年金」記事一覧
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障害年金の等級4【精神疾患と就労】

2023-11-27 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

すっかり秋も深まりましたね。
肌寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回は、障害年金の「障害の等級」に関する第4弾

「精神疾患と就労」について書いてみます。

【精神疾患と就労について】

まず最初に。

障害年金の認定は、個別に認定されますので

単純に(画一的に)

「就労しているなら受給できません」とか

「就労していても受給できます!」とか

明確にお答えすることは、なかなか難しいです。

でも、ある程度の「傾向」であれば

お答えできるので、ご参考になれば・・・と思います。


【働いていても障害年金を受給できるかどうか】

これから請求する制度が

障害厚生年金か

障害基礎年金か によって

答えは変わってきます。

初診日において「会社員や公務員」で社会保険加入中 → 障害厚生年金

初診日において学生・自営業・扶養(第3号被保険者)など → 障害基礎年金

障害厚生年金には3級があり

障害基礎年金は1級と2級だけですので

初診日に社会保険加入中だったかどうか?

受給可否の見極めとしては重要になります。


【障害厚生年金の3級該当とは?】

3級該当とは、労働に支障がある状態です。

労働に支障があるとは、たとえば

・障害者雇用で就労(フルタイムでも可)
・休職と復職を繰り返している(障害認定日や請求日には休職しているとか)
・短時間勤務の配慮を受けている

などに該当するなら

就労していても3級と認定される可能性が高いようです。

逆に言うと

一般雇用でフルタイム勤務をしているのであれば、

残業や出張免除などの配慮を受けていても

なかなか3級認定にはならない・・・と思います。

なお、精神疾患には症状固定という概念がないため

障害手当金(一時金)の設定はありません。


【障害基礎年金の2級該当とは?】

2級該当とは、日常生活に著しい支障がある状態です。

たとえば、

幼少期から発達障害や知的障害の診断を受けている方

特別支援学校を経て

障害者雇用で就労しているなら

就労していても

障害基礎年金2級と認定されるケースは多いです。

逆に言うと・・・

大学生の頃に発達障害やうつ病と診断された方などが

障害者雇用で就労していても

障害基礎年金2級認定は、難しいケースもあります。


【働き始めると障害年金は支給停止になるかどうか】

障害年金を受給中の方からよく受ける質問です。

障害年金を受給している方が

最近働き始めたとしても

即座に支給停止になることはないです。

少なくとも、次の再認定(更新年月)までは支給継続されます。

再認定時(更新時)に

提出した更新診断書や

被保険者記録(社会保険加入かどうか等)を元に

障害等級は再認定されるためです。

症状が改善して

働いてみようと思えるのは、とてもいいこと。

障害年金受給が、せっかくの就労意欲の足かせにならないように願っています。

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【関連記事】障害年金請求サポート専門社労士吉野千賀ブログの「社労士の障害年金」記事一覧
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障害年金の等級3【精神疾患の傷病名】

2023-11-16 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

すっかり秋も深まりましたね。
肌寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回は、障害年金の「障害の等級」に関する第3弾!

「精神疾患の傷病名」について書いてみます。

精神疾患と就労との関係については、

関心のある方も多いと思いますので、次のテーマにしますね!

【精神疾患の傷病名について】

精神疾患は傷病ごとに

A〜Eのカテゴリーに分けられています。
———————————-
A 統合失調症・気分(感情)障害 
 ↑気分障害はうつ病や双極性障害など
B 器質性精神障害 
 ↑ 高次脳機能障害や若年性認知症など
C てんかん
D 知的障害
E 発達障
———————————

それぞれの傷病ごとに、医学的な観点から障害認定基準は定められています。

小職が問い合わせを受けた時

「傷病は何ですか?」と一番初めに質問するのは、

障害認定基準のどこに該当するのかを確かめたいからなんですよ。


【精神疾患には対象外とされる傷病がある】

障害年金は、原則として傷病名ではねられることはない、ということになっていますが

「認定の対象とならない」と障害認定基準に記載されている傷病があります。

それは・・・
・人格障害 
・神経症 
・精神作用物質使用による精神障害  です。

人格障害は、パーソナリティ障害とも言われ、

ICD-10の「F6」に分類されてます。

神経症とは、不安障害・強迫性障害・解離性障害・身体表現性障害などで

ICD-10の「F4」に分類されている傷病です。

精神疾患の年金診断書には、傷病名の欄にICD-10も記載するようになっており、

F4やF6の傷病名ですと、障害認定基準上、なかなか等級認定されづらいのが現状です。

とはいえ、不安障害はうつ病や発達障害と併発していることもあり、

強迫性障害は発達障害の症状にもありますので、

診断書の傷病名欄にあるから、即座にダメということでもありません。

このように、歯切れが悪くなってしまうのが

障害年金の特徴とも言えます(困りますね)。


【傷病名が該当=障害年金を受給できる ではない】

「発達障害と診断されたので、障害年金を受給できますか?」

という相談をよく受けるのですが

障害認定基準に載っている傷病と診断された=障害年金を受給できる

ということではなく、

その傷病の重症度によって、障害年金の等級に該当するかどうかが決定されます。

発達障害でいうと、

幼少期から症状が顕著で特別支援級や特別支援学校へ通学していた方と

大人になってから発達障害と診断された方とは、

元々の傷病の重症度(等級認定)が異なりますよね。

大人の発達障害からうつ病などを発症していて

日常生活や労働に支障があるなら、その重症度によって等級認定されます。


【まずは主治医の先生へ相談を!】

私の事務所へお問い合わせいただいた方へ、必ずアドバイスしているのは、

「まずは、主治医の先生へ障害年金について相談する」ことです。

真っ先に社労士へ相談される方も多く、

それはそれで信頼されているように感じて嬉しいのですが

小職としては、主治医の先生のご意見(=傷病名含む診断)はどうなのかなぁ・・・

そこがとっても気になります。

障害者手帳を申請しているなら、

手帳申請時の診断書は医師のご意見が反映されているので、参考になります。

そして、

主治医の先生が年金診断書を書いていただくことに同意していないと

先へ進むことはできないので

繰り返しになりますが、

主治医の先生へ障害年金について相談してみることから始めてくださいね!

言いづらいという方もいますが、

普段の通院の時から日常生活や会社で困っていることを

主治医の先生へ伝えておくことや

相談しやすい関係でいることは大切なことと思いますよ〜。


日本年金機構のホームページで、障害認定基準を確認できます。
精神疾患の障害認定基準はこちらをクリック!



↑2023年10月日比谷公園のバラ

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障害年金の等級2【内科的疾患】

2023-03-24 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

昨日は社会保険審査会の公開審理のため霞が関へ行きました。
帰りに寄った日比谷公園。
桜は雨のためか、散り始めていました。

障害年金の「障害の等級」に関する第2弾、
内科的疾患について書いてみます。

【内科的疾患の障害の等級について】

内科的疾患とは、慢性腎不全、1型糖尿病、心臓病、難病、がんなどが該当します。

障害認定基準では障害の部位ごとに、以下のように分けて定められています。

・心疾患による障害
・腎疾患による障害
・肝疾患による障害
・血液・造血器疾患による障害
・代謝疾患による障害
・悪性新生物による障害
・高血圧症による障害
・その他の疾患による障害

細かく定められているんですね。

それぞれの部位ごとの障害認定基準は、

日本年金機構のホームページで確認できます。


【内科的疾患の共通した特徴】

色々と細かく障害等級を定めているわけですが、

内科疾患の障害認定には

共通する特徴があります。

それは、「検査数値」と「一般状態区分表」の組み合わせにより

障害等級が定められている、ということです。


【一般状態区分表とは】

内科的疾患の診断書をみると、

表面の真ん中あたりに「一般状態区分表(令和・平成  年  月  日)」という欄があり、

ア〜オのどれに該当するかを

医師が◯をつけるようになっています。

これが「一般状態区分表」です。

なお、一般状態区分表の年月日は「診断書現症日」とも呼ばれ、

いつの状態(障害認定日か請求日か)かを確認する非常に重要な項目です。

一般状態区分表のア〜オは、以下のとおりです。
------------------
ア 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえ るもの

イ 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの  例えば、軽い家事、事務など
 
ウ 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、 軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの

エ 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの

オ 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活 動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
-------------------

【一般状態区分表による等級】

障害認定基準には、

一般状態区分の「ウ」または「イ」→3級程度

「エ」または「ウ」→2級程度

「オ」→1級程度と書かれています。

もちろん、検査数値との組み合わせですので、

一般状態区分のみで等級認定されるわけではありません。


【一般状態区分の等級からわかること】

3級の状態は、軽い家事や軽労働、座業はできるもの(一般状態区分イ)で、かつ、検査数値が3級に該当すること

実際には、検査数値が定められていない疾患で、かつ、一般状態区分「イ」であれば、等級不該当になる確率は高いようです。

2級の状態は、軽労働はできなく(ということは労働ができない状態)、日中のほとんどの時間横になっていて、外出に付き添いが必要なこともある状態でしょうか。

検査数値との組み合わせで等級が決まる疾患では、一般状態区分が「ウ」や「エ」であっても、それだけでは2級には該当しないことになります。

1級の状態は、常に介助が必要で、一日中横になって過ごしている状態

医師が一般状態区分「オ」と判断するからには、検査数値も高度異常を示していることが多いです。


【一般状態区分が等級認定に無関係な部位もある】

内科的疾患には、一般状態区分や検査数値に関係なく等級が定められているものがあります。

一例ですが、

人工透析→2級
人工弁→3級
人工心臓→1級
ペースメーカ→3級  などです。


【検査数値のチェックも忘れずに】

一般状態区分表が大事という話をしてきましたが、

内科的疾患では、検査数値も同じように重要です。

まずは、自分の検査数値が等級に該当するかどうかを

障害認定基準で確認してから

障害年金の準備を始めると、無駄がないかなと思います。

写真は、日比谷公園の桜です。
まだ満開ではありませんが、雨で散り始めていました。


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障害年金の等級1【外部障害】

2023-03-22 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

九段下の千鳥ヶ淵は桜の季節となりました。
お堀の冷気があるせいか、まだ五部咲きといったところです。

私は花粉症がひどくて、お花見を楽しめるような気分ではありませんが
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

障害年金は2つのハードルがあり、

前回は「初診日の確認」について書きました。

「初診日の確認」が終わったら、次は「障害の等級」に該当するかどうかが問題です。

【障害の等級について】

障害の等級は、1級から3級まであり、3級の下に障害手当金という一時金もあります。

障害基礎年金は1級と2級のみ、

障害厚生年金(初診日に会社員か公務員)であれば、3級と障害手当金という選択肢も広がります。

初診日の確認と同じように、障害の等級に該当するかどうかは傷病によって異なります

それぞれの障害の部位ごとに障害の等級が定められていて、

それを「障害認定基準」といいます。

この障害認定基準は、日本年金機構のホームページに掲載されていますので

自分や家族が該当する障害の部位を

まずはチェックしてみることをお勧めします。

ただ・・・

独特の言い回しで、読みづらさや表現のわかりづらさはあると思います。


【大きく分けて3つのカテゴリー】

障害認定基準による等級認定方法は、

大きく3つのカテゴリーに分られます。

・外部障害(聴覚・眼・肢体)

・内科的疾患(慢性腎不全、1型糖尿病、心臓病、難病、がんなど)

・精神疾患(気分障害、統合失調症、発達障害、知的障害、高次脳機能障害など)

複数の傷病(たとえば、慢性腎不全とうつ病)であれば、

それぞれの傷病の初診日を確認し、さらに

それぞれの傷病の障害認定基準を確認する必要があります。

ただし、

精神疾患だけは、傷病名が複数あっても(たとえば、発達障害とうつ病)

初診日証明(受診状況等証明書)も診断書も分けなくていいです。

まずは、外部障害の障害認定について書いてみます。


【外部障害(聴覚・眼・肢体)の障害認定】

聴覚と眼の障害等級は、他の部位と比較するとわかりやすいです。

どちらも検査数値で障害等級が定められているためです。

聴覚の障害の認定基準はこちら

眼の障害の認定基準はこちら

一方、肢体の障害等級は、関節可動域・筋力・日常生活動作の組み合わせで判断することになり、

社労士でも何級に該当するかどうかの判断は難しい・・・と感じています。


聴覚・眼・肢体の障害の特徴として、

就労しているかどうかは

等級認定の判断材料にはなりません(原則として)。

ここは、他の障害と大きく異なる点ですね。

「原則として」と書いたのは、

肢体の障害で、下肢に障害があるのに

通勤に不自由がないことを理由に等級不該当になったと

再審査請求(社会保険審査会)の公開審理を傍聴していた時に

訴えていた人がいたからです。

小職が担当した案件では、就労を理由に肢体の障害が不支給になったことは

今までありませんでしたが、少し気をつけるようにしています。


内科的疾患や精神疾患の障害等級認定については、引き続き書いてみます。

写真は、まだ3部咲きくらいの九段下 北の丸公園入り口の夜桜です。
撮影日は2023年3月20日です。
満開は来週でしょうか。楽しみですね!




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障害年金の初診日確認

2023-03-01 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

今日から3月ですね。
3月と言えば、花粉症。目が痒くてくしゃみが止まりません・・・。
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

障害年金は、2つのハードルを越えれば受給できます。

ひとつめは「初診日の確認(納付要件と被保険者要件含む)」。

もう一つは、「障害の等級」に該当するかどうかです。

【初診日の確認について】

今日は、ハードルのひとつめ「初診日」について書いてみますね。

障害年金の初診日の定義は、

「障害の原因となった傷病につき、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日」です。

つまり、障害の原因となった傷病ごとに、初診日の認定は異なるということ。

複数の傷病で請求するのであれば、

もちろん、傷病ごとに「初診日はいつ?」を確認しなければなりません。

障害の原因となった傷病によっても、初診日認定は多少異なります。

たとえば、

事故などの外部障害であれば「救急搬送された日」と、初診日がいつかと迷うことはありませんが、

内科的疾患では、

難病など確定診断までに数年かかり、どこが初診日かわからないという問題が生じ、

糖尿病性腎症による透析では、

糖尿病の初診日がいつか記憶にない!という問題が生じます。

一方、精神疾患では

複数の精神疾患の診断を受けていても

ひとつの傷病として扱われます。

したがって、「初めて精神科や心療内科を受診した日」が初診日と認定されています。


【実は難しい初診日の確定】

障害年金の代理業務を10年以上行っていますが、

それでも「初診日はいつになるのかな・・・」と考えてしまうことはあります。

十人十色で簡単にはいかない、ということ。

ちなみに、初診日の認定が上手くいかないと

せっかく準備して提出した障害年金請求は「却下」されることになり、

もう一つのハードル「障害等級」の審査までコマを進めることができません。

障害年金の準備を始めると、どうしても「まずは診断書を書いてもらうんだ!」と先走って進んでしまいがちですが、

まずは落ち着いて「初診日はいつか?」の特定から準備を始めましょう。

付録
シャンシャン、中国でも幸せにね!
小さい頃から可愛いのー。



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2023年の初めに

2023-01-04 | 社労士の日記
新年あけましておめでとうございます!
社会保険労務士の吉野千賀です。

2023年が始まりました。早くも令和5年です。
皆さまにとって良い一年になることをお祈り申し上げます。

昨年から続くウクライナ戦争・・・
3年目になるコロナ禍・・・
なにかと暗いニュースばかりですが、

個々人レベルでは、これからも健康に気をつけて、
なんでもない日常が貴重なものであること」を意識して過ごしたいと思います。

よしの社労士事務所としては、
今までとおり
障害年金の業務に専念して参りますので
どうぞよろしくお願い致します。

ブログとしては、
障害年金に関わることはもちろんですが、
前職で関わり共有できそうなこと、
仕事以外で興味がありそうなことを
少しづつ書いてみたいと思っています。
ともかく、もう少し頻繁にブログをアップすることが目標です。

さて、早速の小ネタですが、
昨日(1月3日)、渋谷のシアターコクーンへいそいそと
小栗旬さんの「ジョン王」を観に行ったところ、
なんと!劇場入り口を前にして
出演者のコロナ感染で中止」と知らされました・・・。

これって、踵を返すしかないってことですかぁ(涙)。
小栗旬さんを前から5番目の席で観ることを
ずーっと前から楽しみにしていたのに・・・。
なんなら、今年一番のイベントと言ってもいいくらいでした。

あまりにショックすぎて、
そのまま手ぶらで帰宅する気にはなれず、
渋谷で映画「ラーゲリより愛を込めて」を観ました。

二宮くんで憂さを晴らそうという魂胆です。
憂さを晴らすというより、号泣・・・。
ジョン王で号泣はなかったと思うので
感情的には落ち着きました。

冒頭の「なんでもない日常が貴重なものであること」は、
「ラーゲリより愛を込めて」を見ていて実感しました。

こうして映画を見ていられることが、
いま平和であることの恩恵
すごく幸せなことですよね。


2022年12月 嵐山二尊院にて
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【関連記事】障害年金請求サポート専門社労士吉野千賀ブログの「社労士の障害年金」記事一覧
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障害年金 不服申立の現状

2022-10-15 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

10月になり、保険料控除証明書が届き始めました。
いよいよ年末の気配がしてきましたね。

さて、令和3年度の社会保険審査状況が公表されましたので、

その結果と不服申立の現状について書いてみます。

【社会保険の不服申立制度とは】

社会保険の不服申立制度は「二審制」です。
———————-
保険給付等の決定に不服があれば・・・

① 社会保険審査「官」へ審査請求(第一審、地方厚生局)。棄却されたら↓

② 社会保険審査「会」へ再審査請求(第二審、厚労省本省)する
————————
このうち、第二審の「社会保険審査会」

令和3年度 社会保険審査状況が公表されました。

前年度との比較では、とりわけ大きな変化は感じませんが、

過去12年の審査状況を比較すると、数年単位の波があるようです。

たとえば、

社会保険審査会の審査委員が交代 → 容認裁決が少なくなったり、多くなったりする

日本年金機構の審査が厳しくなる → 不服申立件数は増える

ガイドラインなどが浸透してきた →不服申立件数は減った

などの波はあるように思います。


【不服申立制度は障害年金が8〜9割を占める】

令和3年度の社会保険審査会の「裁決」の内訳によると

障害年金の占める割合は、

障害厚生年金保険は社会保険の84.5%

障害基礎年金は国民年金の90.3% です。

社会保険で次に多いのが健康保険の「傷病手当金」ですが、

件数でいうと

障害厚生年金の514件に対し、

傷病手当金は39件ですから

障害年金の10分の1にも及びません。

社会保険の不服申立≒障害年金と言えると思います。


【どうしてそんなに障害年金の不服申立が多いのか】

老齢年金や遺族年金、健康保険の療養費などは

よほどのことがない限り、必要書類を揃えて提出すれば通ります。

たとえば、

老齢年金は一番重要な要件が「年齢」です。

一定の年齢(現在では原則65歳)に対して、不服の持ちようもありません。

一方、障害年金で一番重要な要件は・・・

「初診日はいつか」や

「どれくらい症状が重いか(等級に該当するかどうか)」です。

フワッとしていますよね・・・。

一応、障害認定基準初診日認定の基準はありますが、

カルテが廃棄されていて初診日を証明できなかったり、

医師の判断によって診断書の内容が異なったり、

加えて、認定する側によっても判断が変わることもあり、

グレーゾーンが大きいことが

障害年金の不服申立が多い要因ではないかと考えます。


【裁決の容認率は低めで推移】

令和3年度の社会保険審査会の処理状況をみると・・・

処理件数 1,467件のうち

容認  93件
棄却 1,151件
却下  51件
取下げ 168件(うち、事実上の容認で取下げ146件)
 
「事実上の容認で取下げ」とは、

社会保険審査会より保険者(厚労省)へ再検討を促した結果、

保険者が訴えを認め、再審査請求を取下げた件数です。

なので、容認93件+事実上の容認146件=238件は、

不服申立を行って、良い結果が出た件数ということです。

良い結果が出たのは、全体の16.2%・・・

なかなか厳しい現状は変わりません。

なお、「棄却 1,151件」は訴えが認められなかったことで、

「却下 51件」は、2ヶ月の期限を超過したなどの理由で審理もされなかったということです。


【不服申立で決定を覆すことは難しいと考えて準備する】

繰り返しになりますが、

一度下された決定を覆すことができたのは

令和3年度はわずか16%です。

それだけ、不服申立のハードルは高いということ。

最初の裁定請求ですんなり受給できることを考えて

はじめから社労士へ相談して欲しい・・・と思います。


令和3年度の社会保険審査状況 はここをクリック!

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障害厚生年金の制度改正案とは?

2022-08-15 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

今週も猛暑が続きそうですね。

さて、週末の8月14日に共同通信の市川亨編集委員から、

「約40年ぶりに障害年金の制度改正が検討される」というお知らせがありました。

記事配信によるネットニュースはこちらです。

初診日に国民年金だった人が請求できる「障害基礎年金」

初診日に会社員(社会保険加入)だった人が請求できる「障害厚生年金」

このうち、障害厚生年金の要件の改正が検討されるとのことです。

【どんな風に改正されるのか?】

障害厚生年金の3つの要件のうち、

初診日において、会社員(社会保険加入)=厚生年金保険の被保険者であること

↑この部分が、改正されるらしいです。

長い間、会社員をしていても、退職後の国民年金の時に初診日があれば、

障害基礎年金しか受け取れなかった・・・

これはちょっと悔しいですよね。

私も代理業務をしていて、残念に思うこともありました。

ここの要件が緩和され、具体的には、

厚生年金保険の加入期間が一定以上ある場合

退職から短期間の場合に、

初診日が国民年金加入中でも、障害厚生年金の支給を認めるといった案を検討するそうです。


【いつ、改正されるのか?】

今後、年金制度の改正法案の具体策を厚生労働省の審議会で議論して、

2025年に国会提出を目指す、ということです。

まだ先になりそうですね。


【現在、障害年金の請求を検討している方はどうすべきか】

2025年に国会提出するとして、

法改正後の施行日がいつになるかは、現時点では不明です。

いずれにしても、何年も先になるのは明白です。

法改正の施行日以降に請求しないと適用されませんし、

現行の退職後の初診日で、障害基礎年金になったとしても、

障害の状態にあるのなら(2級以上に該当するなら)

早めに受給した方がいいのではと思います。


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コロナ後遺症の初診日

2022-08-05 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

昨日から少し涼しくなりましたが、今年の猛暑はきついですね。

皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

さて、初診日の認定について、いい方向に変わってきたなーと実感しています。

それは、難病や線維筋痛症・慢性疲労症候群など

「認定困難」とされている傷病の初診日認定についてです。

【確定診断までに時間がかかると・・・】

これらの傷病は、専門医の数が少なく、

専門医にたどり着いて確定診断されるまでに

数ヶ月や数年かかることもあります。

今までは、これらの傷病の初診日は「確定診断日」と認定されることが多く、

症状が出始めて受診した「本来の初診日」であれば

会社員(社会保険加入中)で障害厚生年金が請求できたのに、

確定診断日を初診日とされてしまうと、

それまでの間に、体調不良で退職していることが多く

国民年金(障害基礎年金)になってしまうという弊害がありました。

これは、とても理不尽な事態で、納得いくものではありませんでした。

でも、2021年8月に線維筋痛症に関して初診日の認定を変更する旨の通知が出てから改善したようです。

この通知はブログにも書きましたので、参考にしてください。

そして、現在は・・・。

線維筋痛症に限らず、難病や慢性疲労症候群などでも、

確定診断日ではなく、

「関連する症状によって初めて受診した日」を初診日と認められるようになっています。

【具体的な事例では・・・】

今年になって不服申立の相談を受けた難病の案件。

提出した書類を見せてもらうと、

初診日証明(受診状況等証明書)のみならず

障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)の傷病名も

確定診断の病名ではなかったんですよね。

それでも、本人申出の初診日を認めていることに、

少なからず驚きました!

これは、2021年8月の通知前と比較すると、大きな前進です!

【コロナ後遺症の初診日は?】

最近は、新型コロナウイルス感染症の後遺症の相談も多くなりました。

COVID感染後に筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)へ移行した方も多いです。

今のところは、

ME/CFSの確定診断日でなくても、

COVID-19陽性診断がなくても、

発熱などで初めて受診した日を初診日と認定しています。

ME/CFSの初診日で却下されたことは、弊事務所で担当した案件ではありません。

【精神の疾患の初診日】

精神の疾患では、今も昔も変わらず

「初めて精神の不調で受診した日」が初診日で

発達障害等の確定診断日は初診日ではありませんから、

混同しないでくださいねー。


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