障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

社会保険審査官(第一審)

2017-08-07 | 社労士の障害年金
こんにちは!

社会保険労務士の吉野千賀です!


8月の暑さに、もうバテバテです。

早く涼しくならないかなぁ・・・。



前回、不服申し立ての第二審を行う「社会保険審査会」の

統計等を元に、相手を知るシリーズを書きました。



裁判まで行わないとすると

第二審の社会保険審査会は、

不服申し立ての「最後の砦」だからです。



ふと、思いました。

そういえば、第一審の社会保険審査官」について

まともに書いたことがあっただろうか・・・。

・・・ない。

ほとんど、ない。



なぜかというと、

私の中では、第一審は「通過点」

という認識だからです。


そう認識すると、

たとえ棄却だったとしても

第二審へ進む勇気が湧きますよ。



第一審は「通過点」たる所以を

関東信越厚生局で公表している統計を基に

書いてみますね。



【社会保険審査官とは】

社会保険審査官は、

厚生労働省職員の中から

厚生労働大臣によって任命され、

地方厚生局に置かれます。

定員は103人。


障害年金を含む公的年金の

最終責任者は、厚生労働大臣です。


「不支給決定」は

厚生労働大臣が行っています。



自分の所属する組織の長が下した決定に対して、

部下である社会保険審査官が

覆すことは簡単ではないでしょう。



そうであれば、

最初に「棄却」ありきの「決定書」も

致し方ないとスルーして、

第二審へ進むしかないのではと

割り切って、

落ち込まないことです。



【関東信越厚生局の統計】

とはいえ、本当はどれくらい「容認」があるのでしょうか?


第一審で容認されないのは、

私だけなのか(笑)、確認したいと思います。



関東信越厚生局で「審査請求取扱状況」が公開されています。


まずは、過去2年の受付状況です(関東信越厚生局のみ)。

平成26年度  899(繰越)3,504(新規)  4,403件(合計)
平成27年度  749(繰越)3,234(新規)  3,983件(合計)


そして、

関東信越厚生局では、どれくらい認められているか・・・。

平成26年度  78(容認)3,049(棄却)207(却下)
平成27年度  77(容認)2,760(棄却)189(却下)



第一審の社会保険審査官が作成する「決定書」だけの容認率は、

平成26年度 2.3%
平成27年度 2.5%      

低いですね〜。

やっぱり・・・、上司の決定には逆らえないのでしょうかねぇ。


※ご参考に、第二審の社会保険審査会では・・・

平成26年度 12.5%
平成27年度 13.2%

第二審でも10%台の容認率は、低いなぁと思いますが、

第一審の狭き門といったら、なんとも・・・。



しかし!!!

第二審の統計でも書いたとおり、

事実上の容認」というべき

保険者の処分変更による取り下げ」がありましたね!



関東信越厚生局の審査請求取下件数は、

平成26年度 303件
平成27年度 239件  です。


実は、取下げの理由が公開されていないため、

保険者が処分変更したから取下げしたのか、

請求人の心が、途中で折れて取下げしたのか(笑)、

詳細は不明の件数です。


仮に、請求人の心が折れていない場合、

「事実上の容認率」は、

平成26年度 11.4%
平成27年度 10.4%


第二審の社会保険審査会における「事実上の容認率」は、

平成26年度 22.0%
平成27年度 22.5% ですから


第二審の方が2倍、

認められているということですね。


社会保険審査会(第二審)は、

元裁判官や医師などによる合議制であるため、

厚労省の上司がどうのとかは、

もう関係ないからでしょうか。



【障害年金はどうなのか】

関東信越厚生局の統計では、

国民年金、厚生年金保険というカテゴリーでしか

数値が発表されていません。


前回、第二審で障害年金が占める割合

厚生年金保険では 75.3%
国民年金では 89.2%  という結果を前回書きました。


第一審を経ての第二審ですから、

障害年金が占める割合は、第二審とほぼ同じと考えて間違いないでしょう。



【国民年金、厚生年金保険の割合】

関東信越厚生局の統計では、

<厚生年金保険>

平成26年度  24(容認)962(棄却)88(却下)容認率 2.2%
平成27年度  12(容認)875(棄却)92(却下) 容認率 1.2%


<国民年金>

平成26年度  16(容認)1,614(棄却)85(却下)容認率 0.9%
平成27年度  14(容認)1,464(棄却)64(却下)容認率 0.9%


国民年金の容認率が1%を切っているなんて・・・

狭き門にもほどがありませんか!!!



いや、しかし「事実上の容認」というのがありましたね。

そう、保険者が自ら決定を見直した「取下げ」です。


関東信越厚生局での取下げ件数は、

平成26年度 厚生年金保険 217件 国民年金 40件
平成27年度 厚生年金保険 164件 国民年金 38件


これを、さっきの容認率に含めましょう。そうしよう。

そうすると、

<厚生年金保険の事実上の容認率>

平成26年度 18.6%
平成27年度 15.3%


<国民年金の事実上の容認率>

平成26年度 3.2%
平成27年度 3.3%


う〜ん、やはり国民年金の容認率の低さが際立ちます。


それと、厚生年金保険の処分変更(=取下げ)が

やけに多くないですか。

だって、処分変更なしでは 2.2%だったのが、

処分変更されて18.6% に急上昇です。



【結論!第一審の特徴を踏まえて、ぜひ第二審へ】


繰り返しになりますが、

第一審を決定する社会保険審査官は、

厚生労働省の職員で、いわば身内です。

厚労省職員が反旗を掲げた容認率は、2%台前半。



同僚を説得して(?)処分変更になった「事実上の容認率」は、平均して10%くらい。

第一審とは、そういうものだと割り切ってください。



第一審の社会保険審査会の決定が

たとえ「棄却」だったとしても、

そこで心を折って、諦めるのはもったいないです。



第一審で容認されるのは、全体の2%台ですから

98%の方々も、同じようにガッカリな結果なのです。

第二審で決定が覆る可能性は残っています。



決定書の日付から2ヶ月以内に、

第二審(社会保険審査会)へ進みましょう。



第一審の決定書を見せてもらえれば、

第二審で覆るかどうか、

その可能性を判断しています。


相談は無料ですので、

弊事務所へ連絡をしてみてくださいませ。


【参考資料】

関東厚生局 社会保険審査官 審査請求取扱状況

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Chika Yoshino

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