障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

若年性認知症と障害年金

2024-01-13 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

令和6年能登半島地震で被災された方に心よりお見舞い申し上げます。
地面が4メートルも隆起するような激しい揺れに見舞われて
どんなに怖かったことでしょう。
被害を受けられた方が一日でも早く平穏な生活に戻られるには何が必要か
遠くから助けになることは何かを考えています。

さて、昨年1月に受けた東京都主催の「若年性認知症」セミナーの備忘録です。
講師は順天堂東京江東高齢者医療センターの柴田医師で
とてもわかりやすくて、勉強になりました。

最近、若年性認知症の障害年金請求のご依頼も増えています
100%ご家族からのご依頼です。

【若年性認知症とは】

65歳未満に発症した認知症を「若年性認知症」と呼んでいます。

若年性認知症の発症年齢は、50代前後が多いとのこと。働き盛りですね。

若年性認知症を発症すると

80%以上の方は、退職しているとのこと。

まさに、障害年金の受給が必要な疾患と考えます。


【若年性認知症の診断基準】

若年性認知症の診断基準や傷病名は、老年性認知症と同じ。

診断基準は、
1 ひとつ以上の認知領域の低下
2 日常生活の支障
3 せん妄のときのみの症状でないこと(画像診断)
4 他の精神疾患の否定(画像診断)

画像診断が主ですから、専門医を受診しないと診断は難しそうです。

自発的な受診はほとんどなく

家族や職場で「物忘れがひどい」と気づかれ、促されての受診になるそうです。

【若年性認知症の傷病名】

4大認知症と呼ばれているものは、老年性認知症と同じ。

1 アルツハイマー型認知症 67.6%
2 前頭側頭型認知症 8.6%
3 レビー小体病 4.3%
4 脳血管性認知症(高次脳機能障害) 19.5%

この中で、高次脳機能障害は原因があるため気づかれやすく

アルツハイマー型認知症は全体の6-7割も占めているのに、気づかれにくいという特徴があるそう。

【若年性認知症の就労上の問題】

50代で発症した場合。

大企業であれば、配置転換や障害者雇用で

定年まで在籍できるケースが多いそうです。

しかし、会社に在籍できても、一番の懸念は通勤

通勤途中の事故(労災)や行方不明などで

通勤ができなくなったら、大企業でも退職せざるを得なくなるそうです。

二番めの問題点は、本人からパワハラやいじめの訴えがあること。

会社の支援や配慮を受けていても

若年性認知症の症状のひとつとして

他罰的だったり、被害妄想や不安妄想があるため

パワハラやいじめを訴える事例が多いとのこと。

双方からの聞き取りを十分に行なって

医師にも相談して対処することが必要と思います。


【若年性認知症と障害年金】

若年性認知症は高次脳機能障害と同じく

精神疾患の年金診断書を用いて請求します。

障害認定基準も高次脳機能障害と同じで

「症状性を含む器質性精神障害」に沿って認定されます。

弊事務所で何件が取り扱った感想ですが、

他の精神疾患(うつ病や発達障害など)と比較して

高次脳機能障害や若年性認知症は認定されやすく

障害等級も高く認定される傾向があるように思います。

【若年性認知症のこれから】

就労継続や障害者雇用での再就職での課題は

傷病のキーワードが「進行」であること。

今年、軽度の認知症に対する進行抑制治療薬が承認されたので

保険適用となって治療効果が出ることに期待したいですね。

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2 年金事務所の委任状を郵送し、ご返送いただきます。
3 納付要件を確認してから、契約書等を郵便で取り交わします。
4 ご契約後は、通常通りに進めています。
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Have a nice day!

Chika Yoshino

障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀

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