障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

障害年金の等級2【内科的疾患】

2023-03-24 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

昨日は社会保険審査会の公開審理のため霞が関へ行きました。
帰りに寄った日比谷公園。
桜は雨のためか、散り始めていました。

障害年金の「障害の等級」に関する第2弾、
内科的疾患について書いてみます。

【内科的疾患の障害の等級について】

内科的疾患とは、慢性腎不全、1型糖尿病、心臓病、難病、がんなどが該当します。

障害認定基準では障害の部位ごとに、以下のように分けて定められています。

・心疾患による障害
・腎疾患による障害
・肝疾患による障害
・血液・造血器疾患による障害
・代謝疾患による障害
・悪性新生物による障害
・高血圧症による障害
・その他の疾患による障害

細かく定められているんですね。

それぞれの部位ごとの障害認定基準は、

日本年金機構のホームページで確認できます。


【内科的疾患の共通した特徴】

色々と細かく障害等級を定めているわけですが、

内科疾患の障害認定には

共通する特徴があります。

それは、「検査数値」と「一般状態区分表」の組み合わせにより

障害等級が定められている、ということです。


【一般状態区分表とは】

内科的疾患の診断書をみると、

表面の真ん中あたりに「一般状態区分表(令和・平成  年  月  日)」という欄があり、

ア〜オのどれに該当するかを

医師が◯をつけるようになっています。

これが「一般状態区分表」です。

なお、一般状態区分表の年月日は「診断書現症日」とも呼ばれ、

いつの状態(障害認定日か請求日か)かを確認する非常に重要な項目です。

一般状態区分表のア〜オは、以下のとおりです。
------------------
ア 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえ るもの

イ 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの  例えば、軽い家事、事務など
 
ウ 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、 軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの

エ 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの

オ 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活 動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
-------------------

【一般状態区分表による等級】

障害認定基準には、

一般状態区分の「ウ」または「イ」→3級程度

「エ」または「ウ」→2級程度

「オ」→1級程度と書かれています。

もちろん、検査数値との組み合わせですので、

一般状態区分のみで等級認定されるわけではありません。


【一般状態区分の等級からわかること】

3級の状態は、軽い家事や軽労働、座業はできるもの(一般状態区分イ)で、かつ、検査数値が3級に該当すること

実際には、検査数値が定められていない疾患で、かつ、一般状態区分「イ」であれば、等級不該当になる確率は高いようです。

2級の状態は、軽労働はできなく(ということは労働ができない状態)、日中のほとんどの時間横になっていて、外出に付き添いが必要なこともある状態でしょうか。

検査数値との組み合わせで等級が決まる疾患では、一般状態区分が「ウ」や「エ」であっても、それだけでは2級には該当しないことになります。

1級の状態は、常に介助が必要で、一日中横になって過ごしている状態

医師が一般状態区分「オ」と判断するからには、検査数値も高度異常を示していることが多いです。


【一般状態区分が等級認定に無関係な部位もある】

内科的疾患には、一般状態区分や検査数値に関係なく等級が定められているものがあります。

一例ですが、

人工透析→2級
人工弁→3級
人工心臓→1級
ペースメーカ→3級  などです。


【検査数値のチェックも忘れずに】

一般状態区分表が大事という話をしてきましたが、

内科的疾患では、検査数値も同じように重要です。

まずは、自分の検査数値が等級に該当するかどうかを

障害認定基準で確認してから

障害年金の準備を始めると、無駄がないかなと思います。

写真は、日比谷公園の桜です。
まだ満開ではありませんが、雨で散り始めていました。


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【関連記事】障害年金請求サポート専門社労士吉野千賀ブログの「社労士の障害年金」記事一覧
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Chika Yoshino

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障害年金の等級1【外部障害】

2023-03-22 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

九段下の千鳥ヶ淵は桜の季節となりました。
お堀の冷気があるせいか、まだ五部咲きといったところです。

私は花粉症がひどくて、お花見を楽しめるような気分ではありませんが
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

障害年金は2つのハードルがあり、

前回は「初診日の確認」について書きました。

「初診日の確認」が終わったら、次は「障害の等級」に該当するかどうかが問題です。

【障害の等級について】

障害の等級は、1級から3級まであり、3級の下に障害手当金という一時金もあります。

障害基礎年金は1級と2級のみ、

障害厚生年金(初診日に会社員か公務員)であれば、3級と障害手当金という選択肢も広がります。

初診日の確認と同じように、障害の等級に該当するかどうかは傷病によって異なります

それぞれの障害の部位ごとに障害の等級が定められていて、

それを「障害認定基準」といいます。

この障害認定基準は、日本年金機構のホームページに掲載されていますので

自分や家族が該当する障害の部位を

まずはチェックしてみることをお勧めします。

ただ・・・

独特の言い回しで、読みづらさや表現のわかりづらさはあると思います。


【大きく分けて3つのカテゴリー】

障害認定基準による等級認定方法は、

大きく3つのカテゴリーに分られます。

・外部障害(聴覚・眼・肢体)

・内科的疾患(慢性腎不全、1型糖尿病、心臓病、難病、がんなど)

・精神疾患(気分障害、統合失調症、発達障害、知的障害、高次脳機能障害など)

複数の傷病(たとえば、慢性腎不全とうつ病)であれば、

それぞれの傷病の初診日を確認し、さらに

それぞれの傷病の障害認定基準を確認する必要があります。

ただし、

精神疾患だけは、傷病名が複数あっても(たとえば、発達障害とうつ病)

初診日証明(受診状況等証明書)も診断書も分けなくていいです。

まずは、外部障害の障害認定について書いてみます。


【外部障害(聴覚・眼・肢体)の障害認定】

聴覚と眼の障害等級は、他の部位と比較するとわかりやすいです。

どちらも検査数値で障害等級が定められているためです。

聴覚の障害の認定基準はこちら

眼の障害の認定基準はこちら

一方、肢体の障害等級は、関節可動域・筋力・日常生活動作の組み合わせで判断することになり、

社労士でも何級に該当するかどうかの判断は難しい・・・と感じています。


聴覚・眼・肢体の障害の特徴として、

就労しているかどうかは

等級認定の判断材料にはなりません(原則として)。

ここは、他の障害と大きく異なる点ですね。

「原則として」と書いたのは、

肢体の障害で、下肢に障害があるのに

通勤に不自由がないことを理由に等級不該当になったと

再審査請求(社会保険審査会)の公開審理を傍聴していた時に

訴えていた人がいたからです。

小職が担当した案件では、就労を理由に肢体の障害が不支給になったことは

今までありませんでしたが、少し気をつけるようにしています。


内科的疾患や精神疾患の障害等級認定については、引き続き書いてみます。

写真は、まだ3部咲きくらいの九段下 北の丸公園入り口の夜桜です。
撮影日は2023年3月20日です。
満開は来週でしょうか。楽しみですね!




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障害年金の初診日確認

2023-03-01 | 社労士の障害年金
こんにちは!
社会保険労務士の吉野千賀です。

今日から3月ですね。
3月と言えば、花粉症。目が痒くてくしゃみが止まりません・・・。
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

障害年金は、2つのハードルを越えれば受給できます。

ひとつめは「初診日の確認(納付要件と被保険者要件含む)」。

もう一つは、「障害の等級」に該当するかどうかです。

【初診日の確認について】

今日は、ハードルのひとつめ「初診日」について書いてみますね。

障害年金の初診日の定義は、

「障害の原因となった傷病につき、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日」です。

つまり、障害の原因となった傷病ごとに、初診日の認定は異なるということ。

複数の傷病で請求するのであれば、

もちろん、傷病ごとに「初診日はいつ?」を確認しなければなりません。

障害の原因となった傷病によっても、初診日認定は多少異なります。

たとえば、

事故などの外部障害であれば「救急搬送された日」と、初診日がいつかと迷うことはありませんが、

内科的疾患では、

難病など確定診断までに数年かかり、どこが初診日かわからないという問題が生じ、

糖尿病性腎症による透析では、

糖尿病の初診日がいつか記憶にない!という問題が生じます。

一方、精神疾患では

複数の精神疾患の診断を受けていても

ひとつの傷病として扱われます。

したがって、「初めて精神科や心療内科を受診した日」が初診日と認定されています。


【実は難しい初診日の確定】

障害年金の代理業務を10年以上行っていますが、

それでも「初診日はいつになるのかな・・・」と考えてしまうことはあります。

十人十色で簡単にはいかない、ということ。

ちなみに、初診日の認定が上手くいかないと

せっかく準備して提出した障害年金請求は「却下」されることになり、

もう一つのハードル「障害等級」の審査までコマを進めることができません。

障害年金の準備を始めると、どうしても「まずは診断書を書いてもらうんだ!」と先走って進んでしまいがちですが、

まずは落ち着いて「初診日はいつか?」の特定から準備を始めましょう。

付録
シャンシャン、中国でも幸せにね!
小さい頃から可愛いのー。



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