障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

なぜ、職場のメンタルヘルス対策が重要なのか?

2011-11-08 | 社労士のメンタルヘルス対策
こんにちは!社労士の吉野千賀です!

今日は立冬です。
東京は暖かですが、だんだん冬の寒さになっていきますね。
それにしても、あっという間に暗くなってしまい、一日が短く感じます。
ちょっと打ち合わせやセミナーに出席して外に出ると、もう真っ暗。
時間はまだ5時前後なのに・・・

昨日と今日は、大崎の労政会館で、東京都主催の労働セミナーに出席してきました。
両日のテーマは「職場のメンタルヘルス対策」です。

11/7は、臨床心理士の野原蓉子さんの講義でした。
野原さんは、日本産業カウンセリングセンターの代表取締役理事長で、厚生労働省の調査研究会委員でもあるそうです。
企業の産業カウンセラーとしてご活躍されています。

11/8は、小笠原六川国際総合法律事務所の小笠原耕司弁護士による「職場のメンタルヘルス対策をめぐる法的諸問題」でした。
配布資料も分厚くて内容がみっちり詰まっているセミナーでした。
理論的な説明に集中して聴いていたので、2時間でしたが、終わったらとても脳疲労を感じました。


1 うつ病による経済的損失

9月から東京都主催のメンタルヘルス対策セミナー等に、吉野は社会保険労務士として10回以上は出席しています。全て無料で、講師は弁護士・精神科医・臨床心理士・産業カウンセラーなどです。

国も東京都も、メンタルヘルス対策にかなり力を入れていることがわかります。
そして、会場も企業の人事担当者などでいつも満席です。

なぜかというと、うつ病などのメンタルヘルス不調者による経済的損失を試算すると非常に大きいのですね。

今日の小笠原弁護士の資料によると、厚生労働省の発表で「自殺やうつ病がなくなった場合、
経済的便益の推計額は単年で2兆7千億円」だそうです。

内訳は、

稼働所得の増加   1兆9028億円
労災補償給付の減少    456億円
賃金所得の増加     1094億円
失業給付の減少      187億円
生活保護給付の減少   3046億円
医療費の減少      2971億円  

単年の数字ですから、相当大きな損失ですね。

うつ病の発症原因が、すべて会社にあるわけではありません。

でも、職場でメンタルヘルス不調者と思われる社員がいたら、早期に気づいて何らかの対策をとること が会社に求められていることは確かですね。 


2 日本の傾向

欧米と比較すると、メンタルヘルス対策上の日本の傾向は、

自殺者が多い
うつ病などの休職期間が長い   → 重症化している   ことにあるのではないかと思います。

日本人元来のまじめに働く気質、会社一筋の生活、宗教観 などがあるのかもしれませんね。

それにしても、毎年の自殺者が3万人以上というのは、昨年度に交通事故で亡くなられた方が約5000人と比較しても、6倍も多いのです。

精神科医の松崎一葉先生は、「毎年何らかの理由で死亡する人の中で、自殺で亡くなる人は30人に1人です」と言っておられ、その率の高さに驚きました。

国際比較すると、自殺率の高さでは、日本は6位・韓国9位・フランス19位・中国26位・アメリカ43位・イギリス67位などで、先進国では一番の高さです。

この国際比較はWHOデータですが、
上位の国は、旧ソ連諸国や北欧などの寒い国が集中しているんですよね。
下位の国は、イスラム圏の国が集中しています。
 
いろいろな背景がありそうですが、経済も豊かで穏やかな国民性の日本が上位に入っているのは、何らかのメンタルヘルス対策が喫緊の課題ということはわかります。



これからもメンタルヘルス対策に関しては、書いていきたいと思っています。


東京や京都は、これからが紅葉の季節ですよね。
2年前に京都へ紅葉を見に出かけましたが、創り込んだお庭の真っ赤なもみじは本当に綺麗でした。
毎年行きたい!と勢い込みましたが、なかなか行けないんですね~。
近いようで遠い京都です。


See you tomorrow!

Chika Yoshino


障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀

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