はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

羽生結弦さん「GIFT」ディレイビューイング

2023年03月01日 | フィギュアスケート
2023/03/01


2月27日に映画館で「GIFT」の
ディレイビューイングを見ました。

素晴らしかったです。


東京ドームのアリーナに
60mx30mの競技用サイズのリンクと
巨大スクリーン。


映画館のスクリーンに
東京ドーム内が映し出されたとき
客席がずっと上の方まで続いていて
その高さに「わぁ、すごい!」と
思わず声が出てしまいました。


見ているのは映画館のスクリーンですから
実際の東京ドームよりずっと小さいのですが
それでも3万5千席の客席のボリュームは
伝わってきました。




アリーナ全体が
プロジェクションマッピングの映像で
満たされてました。


2時間という時間をどのように
彼一人だけで見せるのだろうと
思っていましたが
東フィル、GIFT仕様のロックバンドや
素晴らしい助っ人により
羽生さんがひとりで
負担がかかりすぎることがないように
しかし、レベルの高いものになるように
よく考えられていましたね。



(お写真はすべてネット上からお借りしたものです)


羽生さんが現役だったころ
いつも期待の上を行く選手だったことを
私は思い出しました。

アイスショーといっても
彼の目指すものは
私などの想像より
ずっと高いところをいっていました。


巨大空間のアートの中を
スケーターが滑っているという
壮大な規模のものでしたね。


たくさんの協力者がいたことでしょうが
そうできるだけの力と魅力を
羽生さんは持っていたということでしょう。



一夜限りの「GIFT」セットリスト

前半
「火の鳥」
「ホープ&レガシー」
「あの夏へ」
「バラード第1番」
「序奏とロンド・カプリチオーソ」

後半
「Let Me Entertain You」
「阿修羅ちゃん」
「オペラ座の怪人」
「いつか終わる夢」(ファイナルファンタジー10)
「Notte Stellata」
アンコール
「春よ、来い」
「SEIMEI」




それにしても冒頭から
つらい、寂しい、孤独だ、ひとりぼっち
怖い、あんなに頑張ったのに・・・
という言葉が羽生さんの声で流れると

これはいったい何なのだろう?
何を伝えようとしている?と
考え続けてしまいました。


これは物語なのだ、創作なのだ
と思ったり。

東日本大震災の被災者の気持ちに
焦点を当てているのか
と思ったり。

いや、これはノンフィクション
彼自身の真実の心の叫びなのだ
と思ったり。


ああ、でも
やっぱりそんなに苦しんでいたのか
と思いました。



私は
羽生さんのことを書くのはちょっとつらい
という時期が続いて
昨年の9月30日に単独アイスショー
「プロローグ」以来
羽生さんのことは封印していました。


「プロローグ」のライブビューイングを
映画館で見ましたが
その感想も書けませんでした。


・・・・・・・


4回転アクセルを練習している頃から
羽生さんを見ると痛々しい感じがして
心がヒリヒリして
見ていられなくなったのです。

彼自身がスケートを楽しんでいるとは
思えなかった。

なぜ、そんなに苦しむ?
どうして、精神性にこだわる?
苦しみから心を解き放してしまえば?




GIFTのあのネガティブな言葉は
彼がずっと抱いてきた胸の内なのだと
私は受け取りました。

そして
自分の心のネガティブな部分に
焦点を当てて創作として練り上げ
制作に関わった多くの人と共有して
見る人に向けて発信することで
彼自身も今回昇華できた部分がきっと
あったに違いないと思いました。


人に贈るメッセージは
最終的に生きる希望を与えるものでなければ
発信する意味がないと思います。

「僕はたくさんもらい過ぎたから
これは僕から皆さんへのGIFTです」
という言葉どおりに
つらさを希望に変えるメッセージとしての
終わり方になりましたね。


彼が久しぶりに幸せそうに
客席に視線を送りながら滑っているのを見て
これでなくてはと思いました。

彼は長い間
視線を落として客席を見つめないで
滑っていました。

人の顔が目に入らないというか
虚空を見つめているような目でした。

テクニックの優れたスケートではあっても
楽しさ、幸せは感じられなかった。


GIFTで彼の素晴らしいパフォーマンスを目にして
やっと私の気持ちも清算しよう
という気になり、書くことができました。


さてGIFTの感想に戻りましょう。 




羽生さんはどの衣装もよく似合った。

ほんとうに姿のきれいな人で
やはり中性的な、性別を超えた存在。
しみじみそう思いました。

あのスタイルとスケーティング技術が
落ちないように保ち続けてきた努力には
感心します。

やはりそういう人なんですね。

ひとつのことを
自分が考えうる最高レベルまで高めていく
そういう作業を続けてきた人なんだと。


彼の見事な戦績も
それがあってのことだと頷けます。






Adoの「阿修羅ちゃん」
ダンスがうまかったですね!
スケート靴を脱いで舞台で踊ったとしても
一流のダンサーです。





北京オリンピックが心残りで
リベンジしたかったんですね。

あのときに時計を巻き戻して
やり直したかったんだね。

6分間練習の後
北京オリンピックと同じプログラム。
ほぼノーミスでほんとうにうれしそうだった。

リベンジできてよかった。

このGIFTで
彼自身が多くの縛りから解き放たれて
前を向いて進んでいけるきっかけに
なったことでしょう。




ひとりで何万人もの期待を受けつつ
リンクへ出ていく気持ちは
どんなものだったのでしょうね。


スポーツのひとつだったフィギュアスケートを
いかにエンターテインメント性を持ちつつ
芸術との融合を目指していくものにするか
アイスショーの今後の方向性が
見えたような素晴らしいGIFTでした。


〈最後におまけ話〉

行く映画館を間違えてました。
行った映画館ではここではやっていませんと
言われて
教えてもらった映画館に走りました。
開演に間に合いました(笑)



(お写真を感謝してお借りしています)




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