よし坊のあっちこっち

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これが弱点、海外進出日系企業

2011年05月23日 | ビジネス横丁こぼれ話
多くの業種で、日(アジア含む)米欧の三極グローバル展開が常態化している現在の経済活動の中、日本企業の大きな弱点の一つは、間違いなく海外人事であろう。

かつてのような、単に海外で仕事が出来る人材を選んで派遣するだけが、海外向け人事活動と思ったら大間違いで、人事部の中の海外人事機能を強化しないと、企業活動に支障をきたす。

どんな人事部を目指すか。
米欧重視型人事部を目指すべきである。米欧重視型という意味は、少なくとも米欧の人事事情や背景に精通している人事課員を配置するという意味である。日本から人事部出身の駐在員が居ない訳ではないが、極めて少ないのが現状である。各企業は、人事部からの派遣をもっと増やすべきで、4-5年駐在して実地勉強させれば、大きな戦力になる。欧米どちらでも良いが、より環境が厳しいという理由から、アメリカ駐在のほうが望ましい。

アジアの駐在では駄目か、と言う話だが、駄目だろう。アジアに於ける日本人は、基本的には現地人に対し、「上から目線」になるので、本当の意味での国際人事の勉強にならないからだ。アメリカ駐在も心配が無いわけではない。終戦直後の占領下の「ギミー、チョコレート」ではないが、日本人は弁舌の立つアメリカ人の前で気後れする傾向があるから、どちらかと言うと、「下から目線」になりがちである。しかし、この気後れを跳ね返して、対等に仕事が出来るようになれば、一人前だろう。

相変わらずの人事部だと何が問題か。
日本に於ける人事の諸問題と海外で起こる人事の諸問題は質量とも相当異なるので、肝心のHQである本社人事部に海外事情に精通した人間が居ないと、そもそも何が問題なのかがピンと来ない。恐らく今でも一つの問題が発生したら、駐在員は膨大な時間をかけて、本社への説明と説得を試みていることだろう。その結果は、対応遅れとなり、思わぬ大きな問題に発展、時には代表者更迭にもなり兼ねない。本社の鈍感さが元で問題が大きくなっても、責任を取るのが現地代表者となるようでは、現地駐在の士気も下がるというもの。

ある企業、海外法人社長経験者が本社役員となった。彼のバックグランドは営業だが、海外経験を買われ、専務として、本社の人事部門管掌となった。この会社の海外人事問題の風通しが良くなり、問題対応に格段の成果を上げたのは言うまでも無い。