福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

現代に生きる「翰林院(かんりんいん)」

2005年10月11日 |  〇文化・歴史

스웨덴 한림원은 매년 10월 둘째주 목요일에 노벨문학상
수상자를 공개하는 관례를 깨고 지난 6일 수상자를 발표하지
않았다.
(直訳調:スウェーデン翰林院は、毎年10月の第2木曜日に
ノーベル文学賞の受賞者を公開する慣例を破り、去る6日、受賞者を
発表しなかった。)

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韓国の詩人コ・ウン氏の文学賞受賞を期待する雰囲気が高まる中、
10月11日付けで連合通信が伝えた記事の一部だ。

日本人には全くなじみのない「翰林院」とは、いわゆる「アカデミー」
のことである。ここでは、「王立アカデミー」くらいに訳すのが
適当だろう。

ところで、この「翰林院」というのは、もともと唐の玄宗皇帝が
設置した学術機関であった。

日本では、「広辞苑」には出ているものの、一般的な高校の
世界史の教科書にも登場しない歴史的な機関名である。

現代中国語においても、死語に近い。

しかし、韓国では、この「翰林院」が普通名詞として一般的に
使われている。(もちろん、「アカデミー(아카데미)」という用語も
使用されているが)特に、スウェーデンやイギリスの王立アカデミー
などの場合は、主にこの「翰林院」なる用語が使用されている。

朝鮮半島は、陸続きに存在する巨大な中華文明と、抵抗と服属、
衝突と協調の織り成す複雑な関係を持ちつつ王国を発展させてきた。
その関係は、中華文明の辺境に位置してきた日本とは比較に
ならないほど緊張に満ち、かつ濃密なものであったと言えるだろう。

ハングルの使用で一見、見えにくくなっているとは言え、
韓国語には、この「翰林院」の例のように、中国との濃密な
歴史的関係をうかがわせる漢字語表現が決して少なくない。

(終わり)


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