福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

韓国映画と500万

2018年03月14日 |  〇映画・映画音楽

今日、「ヲタク」は観客動員が500万を超えた69本の韓国映画を
すべて見終えた。(2018年3月現在)

「ヲタク」以外の人には全く意味のない、小さな達成感を感じた
瞬間である。

とは言え、そもそも、映画は言葉の学習になるばかりか、社会や文化の
理解にも大いに
役立つ。

さらに、いい映画や面白い映画を見た時は、カタルシスや幸福感まで
味わうことができる。

韓国語学習者なら、韓国映画を見ない法はない。

以下、最近の鑑賞記録を書き残しておく。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

완득이   
ワンドゥギ   2011年     〇〇〇〇-
(170)


 

2011年、530万を超える観客を動員したヒット作(年間3位)。

貧困者や外国人労働者が多く住む庶民街を舞台に繰り広げられる
社会派の人情ドラマ。

障害者の父とフィリピン人の母を持つ高校生、ワンドゥギと近所に
住む担任の高校教師が主人公。

困難な状況の中にあっても、他者への思いやりを忘れず、未来への
希望を持って生きる人々の姿が描かれている。

검은 사제들  「プリースト 悪魔を葬る者」 2015年 〇〇〇
(169)



2015年、540万を超える観客を動員したヒット作(年間7位)。
オカルト・アクション映画とも呼べる韓国流「エクソシスト
(구마사/駆魔師)。

悪魔祓い師の神父と彼を補助するカトリック大の神学生が主人公。

壮絶を極める悪魔との死闘の物語にすっかり引き込まれてしまった。

ちなみに、映画を見ながら一つだけ疑問に思ったことは、悪魔が韓国語
以外にラテン語、ドイツ語、中国語を話すという設定だ。そのため、
その3か国語に精通した神学生が神父と悪魔の通訳を務めた。

조폭 마누라  「花嫁はギャングスター」 2001年  〇〇〇
(168)



520万を超える観客を動員した2001年当時の大ヒット作。

神業のような刃物(ハサミ)の使い手である伝説の女ヤクザ
(組織内ナンバー2、若頭?)が、余命幾ばくもない姉の懇願に
こたえ結婚することを決めた。

その彼女の
婚活から新婚生活、子作りまでのハードボイルドな日々を
描いたコメディ映画だ。

組織のボスや一部構成員の言葉づかいからして、女ヤクザが所属する
組織はプサン・慶尚道系であることがわかる。

숨바꼭질 「かくれんぼ」 2017年  〇〇〇
(167)

2013年、560万の観客を動員したスリラー映画(年間6位)。

老朽化し解体を控えた古いアパートと現代的な新しい高層アパートの
2つの対照的な居住空間を舞台に繰り広げられるサイコスリラー。

分解しかけた家族が、サイコパスとの死闘を通じ、再び家族の絆を
取り戻していく。

非常に見ごたえのあるスリラーだった。

ただ、最後に家族が韓国を去り、アメリカに移住してしまう展開に
ついては、複雑な気持ちが残った。

덕혜옹주    2016年
ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女」   -----
(166)



2016年、「クッポン」(理性をなくした愛国主義)映画との批判を
受けながらも、550万を超える観客を動員したヒット作(年間8位)。

大韓帝国最後の王女、徳恵翁主をモデルにしたフィクション映画。

主人公の王女は独立運動を支援する一方、日本で酷使される朝鮮人
労働者を感動させ勇気づけるような演説を公然と行う。さらに、
朝鮮への帰国が許されないまま日本に暮らすよりも、上海に亡命し、
異国に暮らす朝鮮の子どもたちに朝鮮語を教えながら暮らしたいと
願う。

ただ、こうした王女像は、あくまで現代韓国を生きる制作者らが
作り上げた「理想の王女像」ではあっても史実ではない。

また、独立運動家らの秘密会議のシーンで、ある工場における朝鮮人
少年らの悲惨な実態が報告された。その工場では、朝鮮人少年が機械で
指を切り落とす事故が多発しているが、
日本人監督らは、その指を
拾い集め<공기놀이>までしている、というのだ。


△공기놀이(小石を使った伝統的な手遊び)

残念ながら(?)、日本には<공기놀이>はない。「おはじき」や
「お手玉」ならあるが、大の大人が人間の指(の骨)を使ってやる
ような遊びではさらさらない。

結局、こうした極悪非道な日本人像もまた、制作者らが作り上げた
「空想の日本人像」であって、史実や日本の文化とはかけ離れている。

映画とは、いや、そもそも人間とは、歴史とどう向き合うべきなのか、
自問しながら見させてもらった映画である。

「クッポン」批判を待つまでもなく、「ヲタク」自身、少なくとも、この

映画のような歴史との向き合い方は間違っていると考える。



(終わり)



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