goo blog サービス終了のお知らせ 

福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

反骨の社会慈善家

2024年01月15日 |  〇映画・映画音楽
어른 김장하  「キム・ジャンハ先生」 〇〇〇〇〇
(1970)



2023年に公開されたドキュメンタリー映画。

主人公は、1960年代、慶尚南道泗川に開業(後に晋州に移転 )した
漢方薬局を全国一(納税額基準)の漢方薬局に発展させながら、事業で
得た累計100億ウォン(約10億円)を超える利益を社会に還元した
慈善家、キム・ジャンハ氏。


△1963年、19歳で取得した「漢方薬剤師許可証」

彼は、病に苦しむ多くの人々から受け取ったお金は1人の私欲のため
ではなく、社会全体のために使われるべきだ、との強い信念の元、
教育や文化、人権、福祉、環境など多様な分野において財政的な支援
活動を続けて来た人物。


△自家用車も持たず自転車に乗り続けた

民主化運動に参加し投獄された奨学生(主人公の奨学金事業)に対する
物心両面に渡る支援や、政府が教職員組合の組合員の排除を全国の
学校に命じた時も、彼が設立し理事長を務めた私立高校では一人の
解雇者も出さなかったエピソード(学校は後、国家に寄贈)、さらに
衡平運動記念事業の推進、などは、本人が自分の性格について述べた
「반골기질(反骨気質)」の発露だったと言えよう。

実に見ごたえのある、素晴らしいドキュメンタリー映画だった。

と言うより、実に立派な真実の人物に出会えたことに、大きな喜びを
感じさせられた。

2022年に営業を終えた主人公の「南星堂漢薬房」が、記念館として復活
した暁には(現在、晋州市が準備中)、ぜひ、見学に行きたいものだ。



(終わり)