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福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

大邱地下鉄火災と映画

2019年10月03日 |  〇映画・映画音楽

힘을 내요,미스터 리  「がんばれ、Mr.リー」 2019年 〇〇〇〇-
(812)



2019年9月に公開され、110万を超える観客を動員した社会派の
コメディ映画。

主人公は、2003年に発生した
大邱地下鉄放火事件で妻を失った
元消防士の男。自らも救助活動中に負傷し、後遺症の知的障害を
かかえながらも、愛情深く、そして、おかしく、今を生きている。


△主人公を演じたのは人気男優のチャ・スンウォン(映画より)

事件を風化させず、改めて被害者を追悼し、遺族を励まそうと
するメッセージが十分、感じ取れる作品だったとは言え、それに
しても、悲惨な事件を題材にハートフルなコメディ映画を作り
上げてしまう、その強引とも言える手法には驚かされた。


△あきれながらも父親を車椅子に乗せて歩く白血病の娘(映画より)

特に、主人公が、留置場で白血病の娘の細くて小さい腕に
腕枕して寝込んだり、娘の車椅子に興味を持ち、自分を車椅子に
乗せるようせがんだ場面を始め、随所に登場したシュールな
悲喜劇的シーンの数々は、強く印象に残ったまま「ヲタク」の
脳裏を離れない。

最終的に、骨髄移植を受けた娘は健康を回復し、物語は
ハッピーエンドで終わるものの、見る者の感情をどぎつく
揺さぶるという点で、ノワール映画とも一脈相通ずるものを
感じさせられた映画であった。


(終わり)