9月23日、韓国で公務員労組の3団体(主要2団体と裁判所
職員組合)が統合し、同時にナショナルセンターである民主労総に
加入することが正式に決定した。
こうした決定は、3団体それぞれでの組織内投票という民主的
手続きを経てなされた。
・・・・・・・・・・・・・・
■공무원노조 통합·민노총 가입 총투표
公務員労組統合、民主労総加入の是非を問う組合員投票
21일 오후 세종로 정부종합청사에서 3개 공무원
노조(전공노, 민공노, 법원노조) 통합과 민주노총을
가입을 위한 조합원 총투표가 진행되고 있다.
21日午後、ソウル市世宗路の政府総合庁舎内の組合事務所で、
公務員労組3団体(全国公務員労組、民主公務員労組、法院
労組)の統合とナショナルセンターである民主労総加入をめぐる
組合員投票が行われている。
(連合ニュース 9月21日)
・・ ・・
21일 경남 마산시청 민공노 사무실에서 한 공무원이
‘전공노.민공노.법원노조 통합과 ‘통합 공무원노조의
민노총 가입 여부’ 에 대한 투표를 하고 있다.
21日、慶尚南道馬山市役所内の民主公務員労組事務所で、
公務員労組3団体(全国公務員労組、民主公務員労組、法院
労組)の統合と統合公務員労組の民主労総(ナショナルセンター)
加入の是非をめぐる組合員投票が行われている。
(朝鮮日報 9月22日)
・・・・・・・・・・・・・・
△「なぜ、女性組合員しか紹介しないんだ」
今回の大きな二つの決定は、公務員労組組合員の大半が
望んだ結果であり、今後、韓国の公務労働者の勤務・労働条件
改善に向け、現場組合員の連帯感や士気も大いに盛り上がる
ものと思われる。
あくまで外国人の「ヲタク」ではあるが、そうした現場組合員の
連帯感や士気の盛り上がりが、必ずや、韓国の公務労働や
公務サービスの質の向上につながるものと信じたい。
しかし、一方で、政治活動にも積極的な民主労総は、現保守
政権から見て「目の敵(かたき)」のような存在である。
韓国政府は、統合公務員労組の民主労総加入に対し、神経を
尖らせるばかりか、時代錯誤的とも見れる過敏な反応を
見せている。
「ヲタク」は、こうした韓国政府の動きを、政府と歩調を合わせた
大手3紙(朝鮮日報、中央日報、東亜日報)とは全く異なった
視点から批判した京郷新聞の社説を、非常に印象深く読んだ。
翻訳練習してみる。なお、例によって、紙面の都合から韓国語
原文の引用は省いている。
・・・・・・・・・・・・・・
■[사설]노조를 범죄단체 취급하는 반(反) 노동자 정부
[社説] 労組を犯罪団体扱いする反労働者政府
(京郷新聞 9月23日)
イ・ミョンバク政府は「実用・中道・庶民」の政治を強調しているが、
彼らの眼中に労働者や労働組合が含まれていないことは明白だ。
最近、労働組合の活動を敵対視する政府の姿勢が、一層露骨化
している。労働研究院院長は、「憲法から労働三権を除外すべき」
だとか、「全労働者を非正規雇用化することが自分の信念だ」など
という極端な持論を吹聴している。仮にも政府政策を研究する
機関のトップに、こういう人物を起用するあたりに、政府の労働観が
よく現れていると言える。さらに惨憺たる思いがするのは、政府が、
統合公務員労組の民主労総加入の是非を問う組合員投票に
違法介入するなど、民主主義と法治政治の根幹をないがしろに
してまで、反労働者的な政策に邁進している事実だ。
昨日までの2日間、公務員労組の統合とナショナルセンター
加入をめぐる組合員投票が実施されていた間、あまりにも乱暴な
政府の反労働者的発想が露骨に表明された。ハン・スンス総理は、
緊急関係長官会議を招集し、「公務員労組の民主労総加入は
不適切だ」と公言した。また、イム・テヒ労働長官候補者は、国会の
聴聞会で、「法的規制はない」と前置きしながらも、「(民主労総
加入を)放置しない」と明言した。労組が自主的に判断すべき
合法的な事案に政府が横やりを入れ、「不適切だ」と決め付けるか
と思うと、法的根拠もなく「放置しない」などと圧力を加える。まさに、
耳を疑わざるを得ない問題発言だ。こうした発言の背景に、特定の
ナショナルセンターを犯罪集団と見なす発想や、労働三権を
憲法から除外しようとする意図が隠されていると批判されても
仕方がない。
政府の硬直した労働観は、労組の活動を崖っぷちに追いやって
いる。労使関係の不均衡は放置したまま、一切の団体行動を
「違法な政治活動」や「違法スト」と決め付け、権力で押さえ込もう
とする一方主義は、新自由主義とも別物だ。イギリスの政権
与党の党名は労働党だし、アメリカの民主党の組織基盤は
労働組合だ。日本の新首相は、首相就任後すぐに労働団体の
トップと面談した。先進諸国では、労働政策を、単に雇用や賃金の
問題としてだけではなく、社会的な統合や民主主義という大きな
枠の中でとらえようとしているのだ。国民全体の3人に1人が
労働者であるこの韓国社会で、労働組合の合法的活動に対して
さえ違法に介入しようとする政府を、庶民のための民主政府と呼ぶ
ことはできない。政府は「無労組=権力の自由自在」という錯覚と
独善から一日も早く抜け出すべきである。
(終わり)
参加カテゴリ:地域情報(アジア)