
△画像:YTN
現在、韓国のイチゴ農家が窮地に追い込まれているという。これまで
権利者に無断でタダで栽培し販売してきた「日本産品種のイチゴ」に
今年の年末からロイヤルティー料が賦課されることになったからだ。
韓国で生産されたからと言って、名ばかりの国産として通るほど
「甘い」世界ではないようだ。
現在のアグリビジネスの世界では、イチゴの品種と言えども、膨大な
時間と費用を投入し研究開発された立派な「ハイテク商品」なのだ。
例え韓国で生産されたイチゴでも、DNA分析を通じ科学的な品種
判別が可能なので、いわゆる「特許」権の証明も客観的になされる。
つまり、品種に関しては「ごまかし」が効かないのだ。
権利者へのロイヤルティー料の支払いは国際社会のルールでも
あるし、支払うべき正当な対価は支払うしかない。
ここは政府と農家が踏ん張って、この「危機」を乗り越えるしか
ないだろう。
是正すべきは早急に是正すべきなのだ。
経済的には少なからず痛手を負うかもしれないが、今まで「不当」に
得てきた利益が全て奪われるわけでもない。
韓国政府としては、当面、日本側にロイヤルティー料を支払い
ながら、競争力のある「真」の国産品種を開発し、徐々に日本産
品種のシェア(現在85~90%)を落として行く計画のようだ。
以下紹介するYTNニュースでは、「種子戦争」や「種子主権」なる
概念まで持ち出しながら、かなりピント外れの愛国主義的(?)な
解説を加えているが、この問題の本質は他にある。
要は明確な証拠(DNA分析による品種判別の結果)に基づき
「種子どろぼう」の状態を是正することが求められているのだ。
もちろん、「ヲタク」としても韓国の風土と韓国人の口にあった
「真」の韓国産品種が開発され、韓国が日本との「種子戦争」で
「種子主権」防衛を達成できるよう期待したいとは思う。
--- それにしても、このイチゴ問題。
韓国が目覚しい経済発展を遂げた現在、さらなる発展段階に進む
上で避けては通れない一つの小さな関門だろう。
同時に、韓国社会全体が、そして日韓関係そのものが大きな
転換点を迎えようとしている一つの象徴的な事例に思えて
しかたがない。
以下、YTNニュース(インターネット配信分)の全体を翻訳して
紹介しておく。
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■ 국산 딸기 신품종 육종 활기
国産イチゴ 熱をおびる新品種開発
(YTN 2月5日)
【앵커멘트】
アナウンサー
정부가 올해 말부터 부과될 예정인 딸기 로얄티 문제를
해결하기 위해 국산 신품종 개발과 보급에 앞장서고 있습니다.
政府は、今年の末から賦課される予定のイチゴに対するロイヤル
ティー料問題を解決するため、国産の新品種の開発と普及に向け、
先頭に立って努力しています。
그러나 시간이 촉박한데다 여전히 연구인력도 부족해 보다
장기적인 계획이 필요하다는 지적이 나오고 있습니다.
しかし、時間的な余裕もなく依然として研究者の数も不足して
おり、より長期的な計画が必要であるとの指摘もなされています。
윤현숙 기자가 취재했습니다.
ユン・ヒョンスク記者の取材です。
【리포트】
レポート
지난해 발표된 국산 딸기 신품종 '선홍'입니다.
昨年、開発された国産品種の「ソンホン(鮮紅)」です。
당도가 높고 색이 진한 것이 특징입니다.
糖度が高く色が濃いのが特徴です。
'선홍' 은 '매향' 등 다른 국산 품종과 함께 올해 농가에
집중적으로 보급됩니다.
政府は今年、農家に対して「ソンホン」の栽培を、「メヒャン(魅香?)」
など他の国産品種とともに、集中的に普及させていく予定です。
로열티 문제로 딸기 재배 농가에 비상이 걸리면서,
국산 딸기 품종 육종이 활기를 띠고 있습니다.
ロイヤルティー料問題でイチゴ栽培農家が窮地に追い込まれ、
国産イチゴの新品種開発が熱をおびています。
현재 일본산 품종이 시장의 85%를 차지하고 있어 자칫 수
십억원의 로열티를 내야할 수도 있기 때문입니다.
現在、日本産品種が市場の85%を占めており、場合によっては
数億円のロイヤルティー料を日本側に支払わなければならなくなる
ためです。
이를 막기 위해 정부는 앞으로 5년동안 50억원을 투입해 국산
품종을 집중 육성하고 적극적인 홍보에 나서기로 했습니다.
そうした事態を防ぐため、政府は今後5年間に6億円を投入し、
国産品種を開発し積極的な広報活動に乗り出すことにしました。
【인터뷰:정재완, 농업연구사 원예연구소 시설원예시험장】
インタビュー:チョン・ジェワン農業研究員(園芸研究所施設園芸
試験場)
"현재 국산 품종의 점유율이 10% 정도인데 단기간 내에 50%에
이를 수 있도록 육종에 박차를 가할 계획입니다."
現在、国産品種のシェアは10%くらいですが、短期間のうちに
50%に引き上げることができるよう新品種の開発に拍車をかける
計画です。
【기자】
記者
하지만, 연구 인력이 일본의 10% 정도에 불과한데다, 품종 보급에
수년이 걸리는 점을 감안하면, 대응이 너무 늦었다는 지적입니다.
しかし、研究員の数がおよそ日本の10分の1に過ぎない上、品種の
普及に数年を要することを考えれば、政府の対応があまりにも
遅すぎたという指摘がなされています。
게다가 아직은 국산 품종의 상품성에 확신을 갖지 못하는
농민들이 많은 것도 사실입니다.
加えて、まだ国産品種の商品性に確信が持てない農家が多いと
いうのも事実です。
로열티가 생각보다 적으면, 굳이 품종을 바꾸지 않겠다는 반응도
나오고 있습니다.
ロイヤルティー料が思ったより低額になれば、しいて品種を変える
必要はないという反応も出されています。
【인터뷰:이진한, 김해시 한림면】
インタビュー:イ・チナン氏(栽培農家、キムヘ市ハンリム面)
"한 품종 개발하는데 10년 걸리는데 이제 와서 로열티 문제로
발등에 불 떨어지니까 매향이네 뭐네 내놓는 것은 그렇지 않냐?
하루아침에 되는 게 아니다."
一つの品種の開発でも10年かかるのに、ロイヤルティー問題で
大あわてして、今ごろになって急にメヒャンだとか何だとか出すのは、
ちょっと無理があるんじゃないの?そう簡単に行く問題じゃない。
【기자】
記者
갈수록 치열해지는 종자 전쟁에서 우리 종자 주권을 지키기
위해서는 보다 장기적인 안목에서 체계적인 지원과 준비가
필요하다는 지적입니다.
ますます厳しさを増す「種子戦争」で、わが国の「種子主権」を
守るためには、より長期的な視野に立った体系的な支援と準備が
必要だとの指摘がなされています。
(終わり)
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