ひよりみっ!

ディープインパクトが三冠馬になった年からやってる日記

能登が出ればいいというものではないから

2007-09-25 18:01:42 | アニメ
先週分のアニメ感想など。

・さよなら絶望先生
原作を読んでる人間としては、新味はないにしても安定して面白い作品といったところでした。
むしろ、アニメを導入部にして原作に入ってきてもらいたい作品。
個人的にツボに入ったのはマリアが出てくるところ。
可符香よりもよっぽどポジティブなんじゃないかと思えるような天然っぷりでした。
霧ちゃんは毎度サービス要因としてがんばってくれました。
ああいう不健康そうなエロスは大好きです。
続編は作りやすそうな作品なので、熱が冷めないようならまた続きをやってくれるかも。

・ゼロ魔
ギャルゲー原作のアニメでよくある、
「これは原作におけるイベントの表層をなぞっただけで、イベントの意味をわかってないよね」
みたいなシリーズでした。
小説の場合は本筋が一本だから、ギャルゲーよりも作りやすいはずなのに……。
最終回は、Aパートのあたりはいい感じに進行していたのに、
最後にサイトが何事もなかったかのように帰還してきたところで台無し。
3期が確定してないからでしょうけど、
あそこは「ルイズはサイトが死んだと思ってるけど、実は花は少しだけ生命を取り戻していて、そのころサイトは妖精さん(ティファニアという名前は出なかったので、彼女をモチーフとした別人とも考えられる)によって助けられて目を覚ましたところだった」くらいで止めておいたほうがきれいに収まったのではないかと。
何しか、話の進み方が急すぎ。
サブキャラクターで仕事をしたと思えるのは、アニエスとコルベール先生、それからアンリエッタくらいで、シェフィールドやジュリオは何のためにいたのかよくわかりません。
そのへんも含めて、3期へのつなぎと考えるべきであろう作品でした。
わざわざ妖精さんの声を能登にしたんだし(笑)。

・もえたん
メタ魔女っ子ものとして、最後までひたすらばかばかしくて気持ちのいい作品でした。
「くだらね~」というのがほめ言葉になるような。
パロディ面でも、ハヤテとか絶望先生よりも、この作品のが一番うけました。
まあ、ハヤテの場合、私には受からないネタが多いんですけど。
そういうわけなので、普通の人にはあまりおすすめしません。

・ななついろ
つわぶきくんが、すももの記憶をなくしてしまうであろうことを言い出せかったのは、ロミジュリでジュリエットが自分がエスカラスの挿し木になることを言えなかった状況に似ていると思いました。
ようするに、相手に重荷を背負わせたくなくて、自分で全部かかえこんじゃうパターン。
そして、相手がその重荷を一緒に背負いたいと思ってくれているところも同じ。
第三者としては、こういうカップルをこそ応援したくなるというものです。
誠にはねー、誰かのために何かをするっていう考え方がこれっぽっちもありませんでしたからねー。

まあ、お話としてはハッピーエンドになることしか考えられないので、
いい盛り上げ方をしてくれることに期待しましょう。
すでに聞いているあたりでは、高評価のオンパレードですが。
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安易な奇跡よりは、妥当な悲劇のほうがいいかな

2007-09-25 00:03:28 | アニメ
では、アニメを見ているつもりになれるという評価をいただいている「ロミオ×ジュリエット」のあらすじ感想。最終回前です。

アバンタイトルは、マキューシオに刺殺されたモンタギューの遺骸にロミオがマントをかけるところから。
このときのモンタギューの死に顔がどことなく安らかで、ようやく彼にも平穏が訪れたのかと思うと、少しほっとしました。
そこも含めて、前回のラストを繰り返しているんですけど、
そのあとでジュリエットはコンラッドから剣を受け取り、「まだ、終わっていない」と言います。
それを聞いたロミオは、ジュリエットに対してひざまずき、大公の座をジュリエットに譲り渡すことを誓います。
そして、ネオ・ヴェローナの市民を救うことを頼み、自らは大地の力を取り戻すために村に戻ることを告げました。
ロミオは、いつの日かジュリエットを迎えに行くことを約束しましたが、
エスカラスのもとへ向かう覚悟を決めていたジュリエットは、「さよなら、ロミオ……」と心でつぶやき、悲しい瞳でその場をあとにしたのでした。
残されたコンラッドたちが、キャピュレット家の再興を喜んでいる声が遠く聞こえた演出が、ジュリエットの心がもう大公の座なんかに向かっていないことを表していましたね。

Aパート。
城にキャピュレット家の旗が掲げられたのを見て、市民が喜びに震えています。
キャピュレット家の治世というのは、けっこうよかったんですね。
モンタギューが悪すぎて、それが終わったのなら後にくるのは誰でもいいという感じではなかったので。
もちろん、ペンヴォーリオやアントニオたちも喜んでいますが、
コーディリア姉さんの「ジュリエット……やっと、やっと自分の幸せをつかめるのね」というセリフは不吉ですから(笑)。
実際、オフィーリアはすでに身体の半分が朽ち果てている状態でジュリエットのことを待っていました。
ジュリエットは、苦しそうに胸を押さえながらもエスカラスのもとへ向かっています。
一方、ロミオは「僕たちは、このネオ・ヴェローナが本当の意味で変わるまで、別々の道を歩いていこう」と妙に物分かりのいいことをひとりでつぶやいています。
ここで、互いに別々の廊下を別々の決意のもとに歩いていく姿が、ふたりがすれ違う形で描かれています。
このままだと、本当にふたりはすれ違ったままに終わっていたのでしょうが、
モンタギューの遺体に対面して、モンタギューの安らかな眠りを祈っていたロミオのもとに現れたのはティボルト。
ティボルトは、モンタギューの死のことを「この男にふさわしい惨めな死だった」と評価しています。
そして、モンタギューがいまわの際につぶやいた「ボラムニア」という名前がティボルトの母の名前であることを明かし、すなわち自身がロミオの兄であることも教えます。
ティボルトは、ロミオに村に帰るのかとたずねます。
すると、ロミオは「ジュリエットが剣をとったということは、大公になる決意をしたということであり、そうであるなら自分がネオ・ヴェローナにいることは彼女を板ばさみにしてしまう。それに、土に力を取り戻さないと、いずれ世界そのものがダメになってしまうから」と、何とも理に落ちた説明を行いました。
その上で、ロミオはペトルーキオとの約束をティボルトに託します。
その態度に、ティボルトは苛立ってロミオに問い詰めます。
「他人のことよりも、お前はどうしたいのだ。街のため、人のためと言っているうちに、最愛のものに対しても身を引くことでしか思いを表せなくなったのか」と。
さらに、ティボルトはエスカラスのことを話し始めます。
キャピュレット家の娘は、代々エスカラスのためにあり、
今ジュリエットは大地のために身を捧げるつもりでいることも。
これには、さすがにロミオも衝撃を受けます。
それしかネオ・ヴェローナを救う道はないのか、と。
ティボルトは、それはわからないが「ジュリエットを止めることができるのはロミだけ」ということはわかっていると告げます。
そのとき、ロミオは、かつて泉の老人が言っていた「抗うか。ならば、あの娘の運命を背負ってやれ」という言葉を思い出します。
そして、ロミオはジュリエットを救うために、エスカラスのもとへ向かいます。

Bパート。
行方不明になっているジュリエットをフランシスコたちが探しています。
ふたりは、ジュリエットの幸せを願っていたがゆえに、
今日のジュリエットが断頭台にあがるような表情をしていたことに気づいています。
だから、むしろロミオと逃げているくらいのほうが望ましいとも思っていました。
しかし、現実はそうではないのはわかっていたので、ふたりはジュリエットを救うために捜索を続けました。

ロミオとティボルトは、崩壊の進む城内を進んでいました。途中、ティボルトが足止めをくらったので、ロミオがひとり先行することになります。
そして、ロミオはようやくジュリエットに追いつきました。
ジュリエットのことを引きとめようとするロミオに対して、ジュリエットは「来ないで! あなたには関係ないことよ」と叫びます。
以下、ふたりのやりとり。

「関係ある! 生きるときも死ぬときも、永遠にふたりは共にあると誓った」
「そんな誓い、もう忘れたわ!」
「もしそうだとしても、僕は止める。君一人の苦しみの上に成り立つ世界の平穏なんて、間違っている! ネオ・ヴェローナはいずれ崩壊する。命を捧げようと捧げまいと」
「運命は変えられないわ。私は、この世界を、ネオ・ヴェローナに生きる人たちを守らなきゃならない。それが私の運命。もし、邪魔をするというのなら……ロミオでも容赦しない!」

と、ジュリエットは剣をロミオに向けつつも、ロミオがこのまま立ち去ることを心の中で願っていたのですが、「運命に逆らうことが罪になるというのなら、今この手で君を殺し、そのすべての罪を僕が引き受ける! 君のためなら、喜んで地獄に落ちる!」と言って剣を抜きました。
どっちもどっちで、自分よりも相手を救うことに必死です。
言ってることは「お前を殺す」ですが、手札はどちらもノーペアで、相手が降りることだけを期待しているのですね。
そこで、ふたりは互いに刃を交えることになります。
一見するとばかばかしいことなのですけど、
お互い「相手を生き残らせる権利」をかけて戦っていると考えると、
なんか胸に迫るものがあるのですよ。
それに、「あなたを巻き込んだり、自分の決意が揺れたりしないように、今までロミオにはエスカラスのことを言えなかったけど、本当はロミオと一緒に生きていきたい」と願うジュリエットのモノローグもね。

決着はロミオがジュリエットの剣を飛ばす形でつきます。
涙目のふたりは、思いを確かめ合うように口づけを交わします。
そのとき、城の崩壊がさらに進んで、エスカラスの根がふたりのいるとこにまで伸びてきます。
そして、オフィーリアがジュリエットを呼びます。

「契約のときは来た。今こそ芽吹きのとき!」

その言葉と共に、ジュリエットの胸のあざが大きく輝き、内側から鎧をぶち壊してしまいます。
さらに、背中からは翼が生えてきまして、ジュリエットはロミオの名を叫びながら、オフィーリアのもとへ引き寄せられていきます。
そこでティボルトが遅れながらも現れて剣を渡し、
「お前の愛で、ジュリエットを救ってやれ!」と励ましてくれます。
まさかティボルトが「愛」とか言うセリフをはくとは思わなかったので、ちょっと意外(笑)。

で、オフィーリアによって芽吹きを強制させられそうになっていたジュリエットのもとへロミオが現れました。
ジュリエット、やはりロミオに止められると「生きていたい!」という気持ちが強くなったようで、激しく抵抗していました。
まあ、物分かりが妙にいいふたりよりも、お互いずっと一緒にいたいと願っているふたりのほうがいいです。
が、その抵抗もむなしく、「娘よ、お前は美しい……」とまがまがしい顔を向けたオフィーリアによってジュリエットは死の接吻を受けます。
そんなジュリエットの姿を遠くから見ているしかなかったロミオがジュリエットの名を叫んだところでエンディング。


んー、正直落としどころがどこになるかはまだよくわかりません。
ふたりがハッピーエンドで終わることは理想なんですけど、
あまり安直な奇跡を起こされても興ざめです。
それなら、ふたり一緒になってネオ・ヴェローナを支えていくとかのほうがいいかな。
明日の最終回は期待しておきますよ。
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