なのはSSはファミリー劇場で補完することにしました。
ただでさえなのははちゃんとお話を把握してないのに、
1話飛ばすとますますわからなくなる……。
それでは「ロミジュリ」のあらすじ感想。
アバンタイトルで、捕らえられたジュリエットが馬車に乗せられてネオ・ヴェローナに帰ってきました。
そのようすを影からキュリオとフランシスコが見ていて、
フランシスコは「自分たちへの捜索の手が緩んでいる間に隠れ家に戻って、救出のための作戦を練ろう」と提案します。
キュリオも「助け出してみせる、絶対にな」と決意を固めていました。
ジュリエットは引っ立てられたままでモンタギューの前に通されます。
このときの、ジュリエットを見てニヤリと笑うモンタギューの表情のいやらしさは、ちょっと小物っぽかったかも(笑)。
一方で、ジュリエットがモンタギューを見る表情は、意外と落ち着いていて、
「息子をたぶらかしてモンタギュー家を崩壊させようとでも思ったか?」
と問われたときも、感情的になることはありませんでした。
その理由は、公開処刑を宣告されたときのジュリエットの言葉でわかります。
「私が死ねば……私が死ねば、生き残った他のキャピュレットのものたちは、助けていただけますか! 私は死んでもかまわない!」
ジュリエットはキャピュレット家の当主としての覚悟を決めていたということですね。
それに対してモンタギューは、ジュリエットの眼前に迫ってキャピュレット家のものたちを許すわけにはいかないと答えます。
このやりとりから、モンタギューの臆病さが浮かび上がったように感じました。
他人を信用できないから、力で服従か死かを迫ることしかできないのだなと。
奥さんが「哀れな方……」と言ってたのもそういうことかと。
その後モンタギューは、ロミオを呼び出して、
ジュリエットがロミオに近づいたのは、モンタギュー家を倒すためだったのだと吹き込もうとします。
モンタギューが自分の言ってることをどこまで信じてるかはちょっとわかりませんが、
どちらかというと、「そういうことにしてロミオを説得しよう」という意図のほうを強く感じました。
というのは「あの娘もさぞかし苦しんだことであろうなあ。恨みと憎しみと、運命の皮肉に」とあとから言ってたから。
はじめから復讐目的でジュリエットがロミオに近づいていたなら、
運命の皮肉なんかジュリエットが感じたはずありません。
もちろん、ロミオはジュリエットの愛情を信じていましたし、
たとえ愚かと言われようとも、ジュリエットに対する愛情をはっきりと表明しました。
モンタギューに、ジュリエットの仲間についてたずねられても、
ロミオはきっぱりと「知りません」と答えています。
ロミオはコーディリアのことは知ってるので、モンタギューに逆らったことになりますね。
結局、モンタギューはここでも自分が引き下がることになります。
どうせジュリエットを処刑すればすべてが終わるのだから、
今ムキになってロミオやジュリエットをどうこうする必要はない、と。
それでも、ふたりのまっすぐさに真っ向から対抗できなかったのは事実です。
さて、牢獄に囚われているジュリエットのもとにハーマイオニがやってきました。
手引きしたのはマキューシオです。
ハーマイオニは、キャピュレットの娘を相当な悪女と思い込んでいる模様。
最初は「着替えを持ってきた」とかいう当たり障りのない理由で話をはじめるんですが、
刺繍したハンカチの話になると、表情とか目線とかが尊大でもう怖いったらありゃしない。
でも、ジュリエットがきょとんとしているので、
一瞬ジュリエットのことを悪い人じゃないのではと思いそうになり、
そこを「いやいや、この人はロミオ様をたぶらかしたのよ」と思い直し、
「ロミオ様の心をもてあそばないでください!」と、婚約者としての立場を強調して言うあたりの流れは、
ハーマイオニの形式にこだわる性格が表れていて面白かったです。
ハーマイオニ、悪い人じゃないんですけど、あまり物事の奥を見ない人っぽいです。
そのハーマイオニを、ジュリエットはただの一言で負かしてしまいます。
「私は、ロミオのことを、心から愛しています」
余計な弁明が加えられていない素朴なこの言葉は、それゆえに疑うスキがありません。
ハーマイオニは、ここで最初の建前に戻って、ほしいものがあればお持ちしますと「ジュリエットに背中を向けて」言いました。
それでも、牢獄を立ち去る際に「私は騙されませんわ……」と肩を震わしていたのは、負けを認めたくなかったからでしょう。
ジュリエットの公開処刑は2日後と決まり、
隠れ家にいるキュリオたちは「早いな……」と焦っています。
コーディリアは、ジュリエットの想い人がロミオだったことを知って、
「愛する人の父親を討たなければならないなんて……」と泣き崩れました。
このときに、ペンヴォーリオが寄り添うようにしていたのが意味ありげで気になりましたわ。
単に脳内カップリングしているだけとも言いますが(笑)。
そこで、キュリオたちはコンラッドが用意した地図をもとに、
地下牢にいるジュリエットを救出する作戦を練りますが、
このときに近道を教えてくれたのがペンヴォーリオ。
まさか、こういう局面で役に立つことを言ってくれるとは、やりますね。
Bパートは、ジュリエット救出作戦のアクションシーンから。
途中、竜馬に乗ったフランシスコがキュリオの陰から射撃し、
キュリオの前方にいた敵を仕留めたシーンはいい絵でした。
で、キュリオは無事ジュリエットのもとにたどりつくのですが、
ジュリエットは「自分が逃げたら、また誰かが傷つくことになるから」と言って、逃げることを躊躇します。
ですが、キュリオは「死ねば楽になると思っているのか! ここで死んだら、ランスロットが紅い旋風として死んだ意味がなくなるんだぞ!」とまず説教し、
「恋に命をかけるのもかまわん。だが、ここで死んでは何も実らない」と励まして、ジュリエットを牢から連れ出します。
そのころ、マキューシオがロミオのもとをたずね、
キャピュレットの残党がジュリエットを連れ戻そうとしていること、
そちらのほうに兵が駆り出されていて、ロミオの周りには兵はいなくなっていることを告げます。
マキューシオは食えないやつなんですけど、具体的に何を考えているかがわからないのでちょっと不気味です。
キュリオとともに逃げていたジュリエットは、
耳鳴りのようなものを感じてその場にうずくまってしまいます。
これは、ロミオとの逃避行中に、泉で感じたものと同じでした。
その瞬間、壁から大水があふれてきて、
ジュリエットはそれによって流されてしまいます。
流された先にあったのはエスカラス。
そして、水に浮かんでいたジュリエットのもとにオフィーリアが近づいてきて、
意味のよくわからない詩をジュリエットに向かって読み上げます。
さらにそこにやってきたのがモンタギューで、
モンタギューは「どういうことだ!」とオフィーリアに問いかけるのですが、
オフィーリアはエスカラスの根によってモンタギューの邪魔をし、
ジュリエットを水の中へ沈めていきました。
「命を継ぐもの、必ず戻ってくる。エスカラスのもとへ……」
とつぶやいて。
そんなジュリエットのことを、ロミオやキュリオたちが探しています。
ジュリエットが流れ着いたのはどこかの噴水で、
ジュリエットは兵士たちに見つかって取り囲まれるのですけど、
そこへロミオが「上から飛び降りてきて」、
「ジュリエットに手を出すなら、僕が相手をする!」
とかっこよく決めてみせたのでした。
ふたりはそのまま手を取り合って逃げ回り、
ロミオは塔の入り口まで来たところでジュリエットをひとり逃がそうとします。
ジュリエットは「一緒じゃないとイヤ」と言いますが、ロミオは、
「逃げてもまた捕まるだけだ。だから、逃げなくてもジュリエットと一緒になれる道を見つけ出す!」
「大丈夫、離れていても、僕たちは一緒だ」
と説得して、ジュリエットを逃がしたのでした。
こないだの逃避行の件をちゃんと反省してますね(笑)。
今回は、ロミオとジュリエットのまっすぐさに押されて人がたくさんいたのが印象的でした。
キュリオも「俺たちが守ってきたのは、恋にうつつをぬかすような姫様じゃない」と言ってたのに、今回は「恋に命をかけるのもかまわん」と態度を変えてました。
あと、今回はじめてペンヴォーリオが仕事っぽいことをしたな、と。
ジュリエット救出作戦に一役かったのもそうですけど、
ジュリエットのことでショックを受けていたコーディリアを支えようとしていたところで好感度アップですよ。
もともとこの作品における癒しキャラではありましたが(笑)。