草履で歩きながら考える

笑う門には福来たるで、マイペースでやりたいこと やってみよう♪基本PTAブログですが、日常やがんのことも綴ります。

『声のお仕事』川端裕人:著

2016年02月14日 | おすすめ本

一昨日届いた、川端裕人さんの新刊本『声のお仕事』、読み終わりました!

いやぁ~、やっぱり最後の最後まで、期待を裏切りませんでした。川端さんの新たな傑作の誕生です!楽しい週末をありがとう!!

惹きつけられたり、ニヤリとしたり、ゲラゲラ笑ったり、思わず吹いたり、感心したり…とにかく心が動いた部分に付箋を貼りながら読んでみたところ、冒頭の写真のように、付箋だらけになりました。

主人公のユウキくんは、声優です。
アニメや声優さんが好きなら、この作品は、迷わず読んでみてください。文体がやさしいので、小学校高学年から、イケると思います。もちろん大人でも楽しめます。

川端さんのブログから、『声のお仕事』の紹介記事をリンクします。

あらためて「声のお仕事」を紹介いたします!  

川端さんの作品、『銀河のワールドカップ』(2008)と『風のダンデライオン』(2012)が2012-13年に、『銀河へキックオフ!!』としてNHKでアニメ放送されました。 その時に、番組を通じて出会った声優さんとの交流や、収録現場に立ち会われた経験から、この作品『声のお仕事』が生まれたそうです。

作品をつくるとき、綿密な取材を行うといううわさの川端さん。その川端さんが創りだす世界は、いつも緻密でリアリティがあります。それに加えて、この本は文芸春秋の「オール讀物」に8回連載されたものをまとめたものですが、連載中に、声優さんから意見をフィードバックしてもらっていたそうです。

なので、この世界、メチャメチャ、活き活きしてます!のっけから引きずり込まれます。
キラキラしていて、心が熱くなりました。

実は、私的に、ストーリーと同じくらい注目しているのが、川端さんのネーミングセンス。いつも、どうやって名前付けをしているんだろう?と不思議に思っています。しかし、今回はぶっとんだのが出てきました。乞うご期待。

 

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さてさて、ここからは、どんな小さなネタでも「ネタバレは嫌い」という方は、どうぞご注意くださいませ。

 

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まず、最初に思ったのは、生協pal*system東京で音読のワークショップを終えたばかりの私にとって、「声の使い方」「声の性質」「声が創る世界」が生き生きと迫ってきたことです。特に、「声の距離」は、ワークショップ準備中に、先生から教えられたことでした。素人ながら声について少し考え始めたところに、主人公が声の世界を深めていく描写が、響きました。

『声のお仕事』の中には、コミカルな章が入っています♪
いやびっくりしました。川端さんの小説に、まさか「薄い本」やら「BL」やら「カップリング」が出てくるなんて。娘にも思わず声を掛けてしまったくらい。娘もびっくり。

ネーミングについて、その2。
作中に、架空のアニメ作品がいろいろ出てきます。古いのもあれば、新しいのもあります。「もしかしたらあれかな?」と思えるものがあり、ついニヤニヤしてしまいました。

飛び道具注意。
いきなりやってきます。あるナレーションの部分は、あの有名作品のパロディだ…!と気付いた瞬間、脳内で本文がその有名作品の声に切り替わり、爆笑しちゃいました。川端さん、遊ぶなぁ~

川端さんファンならではの読み方。 
これはコアな楽しみ方だと思うのだけれど、川端さんは宇宙好きでいらっしゃいます。そんなネタがさらっと入ってきて、 ついニヤリとしてしまいます。また、作中作「センターライン」に登場する試合相手の学校名が、『銀河のワールドカップ』に出てくる「根常(ねのとこ)学園」だったり、別作『雲の王』へのオマージュと思われる「龍神高峰率いる雲海学園」だったりして、これまたニヤリとさせられます。

川端さんの小説には、ストーリーに【自発的に生まれるなにか】があり、主人公や登場人物は、【自分の頭で考え、自分の足で歩いていく】という最大の魅力があります。それがどんな形で現れるかは、作品次第です。

この『声のお仕事』は安心して楽しめる作品。ぜひご家族でどうぞ!



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